デジタル撮影画像処理のことです

2021年に入り、雪がとければ星見櫓BKに階段が付きます。それに伴い、10年以上漫然と淡々と撮影していましたが、機材の更新、制御系のソフトの更新を進める事にしました。
技術の進歩は凄いですね。完全に乗り遅れた、機材とソフトと私の頭をアップデートするのは大変です。                                 2021.3.10

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 NGC2264、IC2169
(コーン星雲、クリスマスツリー星雲、カタツムリ星雲)
2023/12/8


38枚スタック

Borg77EDII+レデューサF4DG
ASI6200MCPro
ゲイン100、オフセット20
露出300秒、IDAS NBZ
AM5赤道儀、PHD2、NINA2
 先日撮影したバラ星雲とモザイク合成すべきか縦構図にするか迷いましたが、結局縦構図にして一枚で仕上げる事にしました。

この領域は、光害のある西側のしかも低空、月齢が大きくなったとはいえ月も出ていてカブリの処理が難しそうですが、GXP一発でこんな感じになりました。
Sh2-263、264
(エンゼルフィッシュ星雲と餌)
2023/12/8

47枚スタック


Borg77EDII+レデューサF4DG
ASI6200MCPro
ゲイン100、オフセット20
露出300秒、IDAS NBZ
AM5赤道儀、PHD2、NINA2
GraXpert(GXP)のAIがなんか良い感じにエンゼルフィッシュを骸骨にしてくれました。

PIのスクリプトになったとは言われていますが、私の環境ではPIの一つ前のバージョンでなければ動きません。

スタンドアローンでは動くのでとりあえず使えるのですが、順番としてはWBPPから出力された画像をまずGXPで補正(とにかく何も手を加えていない画像で補正した方が良いみたいです)してからPIに読み込んで処理を始めるという事になります。ABEもDBEも頭も使う必要はないみたいです。今回はGXPの補正を確認するため一切の周辺減光補正もカブリ補正もしていません。
 

SXT

StarNet2
NGC1499(カリフォルニア星雲)
2023/12/8


180秒9枚、300秒15枚
Borg77EDII+レデューサF4DG、ASI6200MCPro
ゲイン100、オフセット20、露出300秒、IDAS NBZ
AM5赤道儀、PHD2(PPec)、NINA2にて撮影
180秒と300秒で比較しましたが、300秒が飽和している感じはあまりありませんでした。
M42のようなごく明るい対象以外では300秒で良いみたいです。

StarXTerminatorとStarNet2を比較してみました。

SXTは星のにじみやハロを星雲画像から除外してくれます。これはStarNet2で最も気になる欠点なのでSXTにアドバンテージがあります。しかしSXTでは、特に階調幅の狭いナローバンド画像で背景やごく淡い部分が不自然になる傾向があるようです。背景に格子状のスジが出てしまったり、淡い部分に階調幅が極端に狭かったりすることがありました。
 
M42(オリオン大星雲と燃える木)
2023/12/4

Borg77EDII+レデューサF4DG、ASI6200MCPro、ゲイン100、オフセット20、IDAS NBZフィルター使用

露出180秒24枚に、30秒4枚、10秒4枚

AM5赤道儀、PHD2、NINA2にて撮影
4日の撮影で最後に撮ろうと思ったのはオリオン座中心部です。先日PixInsightのYouTubeで見たHDR合成をやってみようと思ったからです。

時間はあまりなかったので、必要な30秒と10秒をちょっとだけシーケンスに追加して、さてどうなるか!

結果、残念ながらHDRCompositionは上手く動きませんでした。輝星だけの変なマスクしか作れず、合成に適したマスクが作れないのです。そこでようやく、「そうか!」これはナローバンドだよね・・・って気が付いた訳で、多分ブロードバンドの豊かな階調の画像を処理するプロセスなんですね。仕方がないので、従来通りノンリニアでそこそこ仕上げてからフォトショップのレイヤー処理で重ねましました。仕上げてみても色々思うようにいかないので、HDRは手動でもPixInsightの中でやってしまった方が良さそうです。

ナローバンドのカラーキャリブレーションに関しては色々な手法がネットに出ていますが、デュアルバンドフィルターでは星が使えないのでとりあえずCCのStructureDetectionのチェックを外して使っています。10年以上前にこんな風に使っていた事を思い出しました。簡単にそれっぽくなるので、まあいいか的な妥協案です。RGB分解してPixelMathで再合成するような方法もあるようですから、その内挑戦するかもしれません。
 
 IC2177(カモメ星雲)と、
飽和したトールの兜
2023/12/4

22枚スタック

Borg77EDII+レデューサF4DG
ASI6200MCPro

ゲイン100、オフセット20
露出300秒、IDAS NBZ

AM5赤道儀、PHD2
NINA2にて撮影
デュアルバンドフィルターは発色が今一つですが、拡大するとナローバンドらしい構造も出ているので面白いです。半値幅がもっと狭い製品も出ているようですが、どうなんでしょうね。

昨夜は信じられない「晴れ」だったのですが、夜半にはまた月が昇ってきました。まだ結構明るいのでどうにもカブリがとれません。もっと小さな画角で撮るとか、月から遠い方向を狙うとか、やりようはあったと思うのですが、これを撮りたかったのです・・・

それにしては、構図が窮屈で良くありません。むりやりトールの兜(NGC2359)を入れなければよかったです。

 
IC1805とIC1848 2023/11/21


Borg77EDII+レデューサF4DG、ASI6200MCPro
ゲイン100、オフセット20
露出300秒、IDAS NBZ
20枚スタック
AM5赤道儀、PHD2(Ppec)
NINA2にて撮影
 
 
Sh2-308 ミルクポット星雲
2023/11/21


Borg77EDII+レデューサF4DG、ASI6200MCPro
ゲイン100、オフセット20、露出 露出300秒、IDAS NBZ
20枚スタック
AM5赤道儀、PHD2(Ppec)
NINA2にて撮影
 

IC443

NGC2174
 
2023/11/21






Borg77EDII+レデューサF4DG、ASI6200MCPro
ゲイン100、オフセット20、露出 露出300秒、IDAS NBZ
20枚スタック
AM5赤道儀、PHD2(Ppec)
NINA2にて撮影
 
 

48枚スタック

BXT AIver.4
カシオペア座のAbell85
2023/11/22










Borg77EDII+レデューサF4DG、ASI6200MCPro
ゲイン100、オフセット20、露出 露出300秒、IDAS NBZ
20枚スタック
AM5赤道儀、PHD2(Ppec)
NINA2にて撮影
 これは淡いです。
2023/12/4に28枚とり足してスタックしましたが、あまり改善が見られません・・・が、GraXpertで補正したので、何となく淡い部分の描写は良くなったように思います。

BlurXTerminatorのAIがバージョン4にアップデートされました。
これがとんでもない代物で、とにかく星像が綺麗に補正されます。これまでとは比較にならない精度です。

そこで星の色滲みをRGB分解した画像でBXTで補正して、再度RGB合成すれば、改善されるのではと思い試してみました。

実際RC AstroのHPでは通常のカラー画像ではRGBのままBXTを行った方が良いという事ですが、ナローバンドではそのような処理が示されています。この画像はデュアルバンドフィルターを使ったカラー一発撮りですが、一応ナローバンドですからね。

 

ver.2
 

ver.4
こんな風に処理出来てしまいました。
 
NGC2377-9 バラ星雲
023/11/22 



Borg77EDII+レデューサF4DG、ASI6200MCPro
ゲイン100、オフセット20、露出300秒、IDAS NBZ、23枚スタック
AM5赤道儀、PHD2、NINA2にて撮影
 
 
vdB14,15周辺  023/11/22



Borg77EDII+レデューサF4DG、ASI6200MCPro
ゲイン100、オフセット20、露出 露出300秒、IDAS NBZ
20枚スタック
AM5赤道儀、PHD2(Ppec)
NINA2にて撮影
 
 





HFG1



Abell6


Abell6、HFG1 カシオペア座 2023/9/24 BK2にて撮影














VixenR200SS+コマコレクターHP
(F3.8 760mm)、ASI2600MMPr
ゲイン100、露出300秒

バーダーナローバンドフィルター 
Ha:32枚、OIII:33枚、AOO合成

AM5赤道儀、NINA2にて撮像
PHD2(PPec)
 
 
 Sh2-132 ライオン星雲
ケフェウス座
2023/7/27 BK2にて撮影

VixenR200SS+コマコレクターHP
(F3.8 760mm)、ASI2600MMPro、ゲイン100、露出180秒
バーダーナローバンドフィルター Ha:27枚、OIII:26枚、AOO合成

AM5赤道儀、NINA2にて撮像、PHD2(PPec)
 
 


等倍切り出し
PK104-29.1と言うらしいです(ペガスス座)。
2023/7/27 BK2にて撮影

VixenR200SS+コマコレクターHP
(F3.8 760mm)、ASI2600MMPro、ゲイン100、露出180秒

バーダーナローバンドフィルター Ha:21枚、OIII:21枚、AOO合成

AM5赤道儀、NINA2にて撮像、PHD2(PPec)
 
 

Sh2-129とダイオウイカ星雲 2023/7/25 BK2にて撮影

VixenR200SS+コマコレクターHP
(F3.8 760mm)、ASI2600MMPro、ゲイン100、露出180秒

バーダーナローバンドフィルター Ha:43枚、OIII:39枚、AOO合成

AM5赤道儀、NINA2にて撮像、PHD2(PPec)
 
 


切り出し

切り出し
ケフェウス座からカシオペア座の
散光星雲 2023/7/21

NGC7635、SH2-157、
M52、Sh2-155など

BK2にて撮影 











Borg77EDII+レデューサF4DG、ASI6200MCPro、ゲイン100
露出180秒、27枚スタック
AM5赤道儀+PHD2(PPec)、NINA2
 60枚撮影しましたが雲の通過が40分あり、その後の撮影でオートガイドは復活した物のディザリングの不調でかなりの枚数が流れてしまいました。なんとかモノになっただけ良しとします。

330㎜の焦点距離に35㎜サイズのCMOSカメラを付けて撮影した画像から面白い領域を切り出して微調整して仕上げるというのもありですかね。晴天率の少ない新潟ではこれも楽しい撮影方法のような気がします。全体の画角の中ではほんの端っこですが、ここだけ切り出せばそれなりに見えます。もちろん画素数は減りますし、光学系の収差は大きくなりますが画像処理で何とかカバーしてこんな感じならHPはに載せられるかな?


とは言っても、星雲内の微光星が変ですね。これってデコンボリューションのデリンギングのようにも見えますが、BXTの影響かな?
 
 アイリス星雲(NGC7023)周辺の分子雲 2023/7/21 BK2にて撮影

Borg77EDII+レデューサF4DG、ASI6200MCPro、ゲイン100
露出180秒、39枚スタック
AM5赤道儀+PHD2(PPec)、
NINA2

 ものすごく淡い分子雲で昔はアイリス星雲の青い部分を出すのが精一杯だったのですが、アイリス星雲の青い部分を飽和させるほど切り詰めて分子雲を炙り出せる時代になりました。青い部分だけマスクするなり、何かしら方法はあるのでしょうが、明るさのバランス表現(苦しい言い訳)と思ってください。

等倍
 
網状星雲
2023/6/17 BK2にて撮影





Borg77EDII+レデューサF4DG
ASI6200MCPro、ゲイン100
露出180秒、IDAS NBZフィルター
78枚スタック
AM5赤道儀+PHD2(PPec)
NINA2
 カラーCMOSカメラにデュアルバンドフィルターで撮影した画像ですが、青い成分が綺麗に出ました。デュアルバンドフィルターでは青が出難いと感じていたのですが対象によりますね。この下のダイオウイカはそもそも淡すぎるのでしょう。珍しく78枚もスタック出来たので周辺の淡い部分もちょっとだけ写ってしまったので、強調してしまいました。おかげて網の部分は若干飛びそうな感じです。

等倍で見ても網の構造があまり破綻していないのはBXTのおかげです。

最近気が付いたのですが、BXTとStarNet2を組み合わせて使うと、輝星の中心部分が飛んでしまう事があります。ほんの一部の星に症状が出てしまうのですが、どうやらStarNet2を実行する時のレンジ切りつめの状態(輝星中心部の飽和具合)が関係しているようなので、別にBXTをやらなくても極端な切りつめ後にStarNet2を行うと症状が出てしまうかもしれません。気を付けた方が良さそうです。
 
Sh2-129とダイオウイカ星雲 
2023/6/17 BK1にて撮影

FS128+STレデューサ F6.4
830㎜、ASI2600MMPro
Gain100、180秒露出
Ha:OIII=47:44枚スタック
アトラクス赤道義(K-astec改)
PHD2、NINA2
 これは本当に淡いです。昔、Sh2-129が淡くて無理と感じていたのですが、現在その赤はそこそこ出せているのですが、その中に潜む青いダイオウイカ星雲はとんでもなく淡いです。最近まで見つからなかったというのも頷けます。

OIIIだけ撮り足してもうちょっと何とかしたい所ですが、FS128ではやはり暗いので、R200SSが修理から戻ったら再挑戦です。
 
vdb-150、vdB152周辺 
2023/6/19 BK2にて撮影

Borg77EDII+レデューサF4DG
ASI6200MCPro、ゲイン100
露出180秒、40枚スタック
AM5赤道儀+PHD2(PPec)
 ケフェウス座のこの領域も淡くてカラフルでモクモクで魅力的です。BK2の撮影限界高度20度から撮影を始めたのですが、最初の1時間は結局使いませんでした。この日は先に北アメリカ星雲を先に撮影し、天頂近い位置でこの領域の枚数を稼ぐべきでした。AM5なら反転も問題ないので作戦ミスです。

この領域は以前撮影した時にはかなり無理をしてようやくサメの形が分かる程度でした。周囲ガスの色調までは全く歯が立たなかったので、今回は良く写ったと思います。
 
北アメリカ星雲とペリカン星雲 
2023/6/19 BK2にて撮影


Borg77EDII+レデューサF4DG
ASI6200MCPro、ゲイン100
露出180秒、33枚スタック
AM5赤道儀+PHD2(PPec)
NINA2
 夏のメジャー領域ですが、平坦な北アメリカ星雲と下に伸びる淡い暗黒帯、上方の微光星領域と意外と奥深い領域です。夏場は冷却機能のないEOS6D改はお休みしていたので、35㎜サイズで撮影出来るカメラが無かったのですが、このカメラなら真夏でも外気温を気にせず使えるので、年中使えます。より広角のカメラレンズで撮影する工夫をしてみたいです。
 

M27
2023/6/5




FS128+STレデューサ F6.4 830㎜
ASI2600MMPro、Gain100、180秒露出
Ha:OIII=27:28枚スタック
AM5赤道儀、NINA2にて撮像、PHD2にてオートガイド(PPEC) 
初のナローバンド撮影を行いました。baader planetarium 3.5nm H-alha、 4.0nm O-III、ウルトラ-ナローバンドフィルター(F3.5~10用)を購入し16夜でしたが試し撮りのつもりで撮影しました。
思いの外良く写り、ナローバンドの威力を実感しました。晴れた月夜でも条件が良ければ撮影出来そうです。今の所、HaとOIIIだけで、SIIは無しです。まだSAO合成までやるつもりはなく、AOO合成画像をLRGB画像と組み合わせて遊ぼうと考えています。

ナローバンドで合成した画像は星が貧弱なので、LRGB合成した画像にAOO画像を重ねました。
デュアルバンドフィルターではOIIIが弱い感じがしましたが、AOOだと青が強く出るのですね。
どうせ星は使わないのでHa画像を2倍にしてAOO合成しました。M27はナローバンドの初作品とするにはちょっと難しい対象だったみたいで、中心部分は若干飽和?してしまって、階調がありません。しかし、周辺の淡い部分を出すにはこれ位でも足りない訳で、一筋縄では行かないです。

今回は「初」なので、星と中心部分をLRGBで置き換えて、これで良しとします。
 
 
NGC5907
2023/5/31 BK1にて撮影



L:R:G:B=4:7:6:7 180秒露出

ASI2600MMPro、ゲイン100、180秒露出
FS128STレデューサF6.4(830mm)
AM5赤道儀 NINA2にて撮像 PHD2でオートガイド
 月夜だったので、撮影というよりはオートガイドテストを行いました。ASIのAM5赤道儀は「波動歯車装置搭載赤道儀」という凄い漢字羅列の種類の赤道儀で基本的にPEの値が通常の赤道儀より大きくなるのが欠点と言われています。実用上オートガイドすれば問題ないのですが、PHD2のグラフを見ていると気が気ではない荒れ方をしている事も結構あります。そこでPHD2のアルゴリズムPredictivePEC(PPEC)を試してみました。PEが大きいならそれを予測補正してくれるアルゴリズムが良いのではないか?という素人考えです。PPECはガイド開始からPE周期の2回分で学習してその後予測補正する。と書いてありますが、基本はHysterisisアルゴリズムで動くようです。問題は波動ギヤ赤道儀はそのPE周期その物がちょっと不安定(個体差がある?)というよう話もありますので、PHD2さんのお手並みを拝見したかったわけです。
 
こぎつね座 M27 亜鈴状星雲
2023/5/24 BK1にて撮影




L:R:G:B=26:8:7:7
ASI2600MMPro、ゲイン100、180秒露出
FS128STレデューサ 0.78倍 F6.1
AM5赤道儀 NINA2にて撮像 PHD2でオートガイド
 最近この領域はナローバンドフィルターで「亜鈴」の呼称が似合わない形に仕上げる事が流行っているみたいです。

今回は通常のLRGB合成なので、かなり頑張りましたが周辺のもやもやは出ません。やはりナローバンドフィルターはあったら面白そうですね。

一応星は丸く仕上がっていますが、やはりオフアキシスガイドにはかなわないというのが先日までVC200Lでオフアキシスガイド撮影した画像をBlinkしていた感想です。ガイド星が見つからないとか歩留まりが悪いとか、そういう問題ではありません。高みを目指すなら「オフアキ1択!!!」って、多分やりませんけどね(^_^;)
 
M13とNGC6207 
2023/5/24 BK1にて撮影









L:R:G:B=8:5:5:3
ASI2600MMPro、ゲイン100、180秒露出
FS128STレデューサ 0.78倍 F6.1
AM5赤道儀 NINA2にて撮像 PHD2でオートガイド
 昨日は夜半まで月がありましたが、修理に出したR200SSの代わりにFS128中判撮影用鏡筒のテストをしました。

ピントは言わずと知れた巨大なBorg中判ヘリコイドです。これにASI EAFをタイミングベルトで接続しNINA2でオートフォーカスが出来るように調整するのが最大の目的です。ステップサイズが500というとんでもない大きさになってしまいましたが、綺麗にフォーカス曲線が描ける状態になったので、まずは一安心。

続いて撮影テストです。

M13が丁度よい位置にあったので、これを真ん中に導入し撮影開始。比較的順調でしたが対象が子午線に近づくにつれてエラーが増えます。フードを外したり、パラメーターを調整したり、色々頑張りましたが、ほぼ鏡筒が垂直となる23時過ぎに撮影したBは3/8という歩留まりでした。

AM5に長い鏡筒を付けるとバランスが悪くて天頂付近で荒れるのか、BK1の不安定さが原因か、鏡筒が立って風の影響を受けやすいのか、いずれにしても要検討です。やはりアトラクスにロスマンディ対応のアリミゾ付けますか・・・
 
Sh2-129周辺  2023/5/16 





Borg77EDII+レデューサF4DG、ASI6200MCPro

ゲイン100、オフセット20、露出300秒、IDAS NBZ
37枚スタック
AM5赤道儀
PHD2、NINA2にて撮影
 カラー一発撮りのデュアルバンドフィルターで挑戦してみました。フィルタ―を付けた状態でフラット画像を作製したので、フラット補正後は周辺部の色ムラが安定しました。淡いもの好きとしてはもうちょっと周辺を持ち上げたいのですが、画像が悪すぎます。TopazDenoiseAIやっとこのレベルですからこれ以上無理するのは止めました。それからフィルタ―を使うと星の色が上手く出ないようです。ナローバンド画像にRGBの星像を合成した作例を見かけますが、確かにやりたくなります。カラーCMOSにフィルタ―ホイールを付けて、クリア、ナローバンドフィルター、デュアルバンドフィルター各種みたいな撮影方法もありかもしれません。
イカの部分の拡大です。ちょっとはイカっぽく見えますかね。ネットでこの部分のOIII画像を見ると本当に青いイカの部分だけが写っているので、これをHaと適当なバランスで合成すればイカを強調出来るようです。残念ながらデュアルバンドフィルターではそういう訳には行きません、画像処理で強調する方法はあるかもしれませんが、撮影時のバランスではこの辺が限界です。もっと青の発色が良いフィルタ―は無いですかね。
 
白鳥座サドル周辺の散光星雲  2023/5/17



Borg77EDII+レデューサF4DG、ASI6200MCPro
ゲイン100、オフセット20、露出180秒、IDAS NBZ
27枚スタック
AM5赤道儀
PHD2、NINA2にて撮影

 17日夜、BK1での撮影がトラブルで中断してしまいましたが、BK2は予定していた対象を撮り続けることが出来ました。・・・が、SCWのお告げ通り雲の通過があり70枚以上撮影したのに使えたのは27枚という悲しい結果になりました。

以前 VC200LでEOS6DやモノクロCCDで撮影した時より格段に良い写りと解像度が得られています。フィルタ―の効果と最新の画像処理技術に因るものですが、私程度のレベルでは「口径の恩恵」という事をもう一度考えないといけないのかもしれません。
 
NGC7023 アイリス星雲 2023/5/16 
R:G:B=12:12:46

Vixen R200SS+コマコレクターHP
ASI2600MMPro ゲイン100 F3.8 760㎜
ゲイン100、180秒
アトラクス赤道義(K-astec改)、PHD2、NINA2にて撮影
 L36枚のつもりが、全部B、しかも鏡筒は斜鏡のトラブル(既に修理に旅立ちました)
そのためフラット画像が無い・・・
どうにもならない状況かと思われましたが、GraXPertというフリーソフトで平坦化し
なんとかここまで仕上げる事が出来ました。

R200SS、僕は君の死を無駄にしないよ・・・
多分直りますけどね
 
NGC7023周辺
2023/4/27

Borg77EDII(330㎜ F4.3) EOS6D改造機
フィルター無し
ISO3200、180秒
41枚スタック
VixenGPD赤道儀+EQ5gotoSystem
PHD2、NINA2にて撮影  
 EOS6Dの最後の作品のつもりで撮影しました。横構図の方が良かったかな・・・

ちょっと強調しすぎですかね。アイリス星雲周辺のもやもやは何処までも広がっている気がします。ディザリングとTopazDenoiseAIで何とかこの滑らかさを出しています。
 
マルカリアンチェーン
2023/4/27

Borg77EDII(330㎜ F4.3) EOS6D改造機、フィルター無し
ISO3200、120秒 20枚スタック
VixenGPD赤道儀+EQ5gotoSystem
PHD2、NINA2にて撮影  
 月明かりのマルカリアンチェーンは背景がどうにも処理できませんでした。仕方なくトーンカーブの45以下を平らにするという禁じ手を使いました。330㎜で撮影すると、いろいろな形の銀河が35㎜の画角一杯に広がっていて面白いのですが、これは月明かりが無い夜に撮影しないと微妙な色の違いや美しさが出せません。

22枚+13枚


4/10 22枚
M101
2023/4/10、2023/4/27

VC200L(1800㎜ F9) ASI6200MCPro
フィルター無し
ゲイン100、300秒
22+13枚スタック
AM5赤道儀
オフアキシスガイド
PHD2、NINA2にて撮影
 4月10日に撮影した分に、27日月明かりの13枚を追加しました。WBPPでは半分以上はじかれてしまったので、自分でスタックしました。当然あまり良くはなりませんでした。特に淡い部分の不自然さはBXTなのかTDAなのか・・・ここまで淡い部分を持ち上げるには月が明るいのと総露出が足りないのが最大の原因なのは分かっているのですがやってしまいます。
 
Sh2-101
2023/4/27

VC200L(1800㎜ F9) ASI6200MCPro
フィルター無し
ゲイン100、300秒
21枚スタック
AM5赤道儀
オフアキシスガイド
PHD2、NINA2にて撮影
 雨上がりだったので結露必至という事で、フードを装着しました。後半風が出てきたようで歩留まりが悪くなりました。構図が悪かったのは、プレートソルブで真ん中にいれただけで撮影してしまったせいです。トリミングしてバランスを良くすることも出来ますが、右側のなんかモヤモヤした感じも好きなので・・・。この領域はとにかく星が多いのですがあえてフィルターを使わず星だらけの感じを出しました。
 
NGC4631
2023/3/28 BK1にて撮影


C200L(1800㎜ F9) 
ASI6200MCPro
フィルター無し
ゲイン100、300秒
19枚スタック

AM5赤道儀
オフアキシスガイド

PHD2、NINA2にて撮影
38枚撮影し、Blinkで23枚に厳選?、WBPPで4枚はねられて結局19枚(生存率50%)スタックとなりました、トホホ・・・

枚数が少ないのでBXTの効果もそれ程見られない感じです。はやりスタック枚数が足りません。

以前モノクロで撮影した時より星雲の発色も見劣りしますが、もっと時間をかければ良いのか、例えばLとかHaとかを追加する方が効率が良いのか、そんな事を考えています。
 
おおくま座 M81とM82 2023/3/14 BK1にて撮影








C200L(1800㎜ F9) 
ASI6200MCPro
フィルター無し
ゲイン100、300秒
25枚スタック

AM5赤道儀
オフアキシスガイド

PHD2、NINA2にて撮影
ようやくAM5で1800㎜のガイドが可能かどうかのテスト撮影が出来ました。結果、風がなけれはオフアキシスガイドで全く問題なく撮影出来る事が確かめられました。

逆に言えば風があると上手く行きません・・・

VC200Lはレデューサを付けないと35㎜サイズでもかなり良い星像が得られる事も確かめられました。またASI6200MCProならば5分露出でもかなり良い結果になる事が分かります。これは歩留まりの上でとてもありがたいです。

PixInsightではBlurXTerminatorとStarNet2を使って処理、Photoshop上での仕上げてはTopazDenoiseAI(TDA)を使って背景のノイズを除去しています。極力背景以外に影響しないように気を付けていますが、境界域の構造はむしろはっきりしてしまいます。天体写真に限っては、これはTDAの長所でもあり欠点でもあるような気がします。
さそり座、へびつかい座の散光星雲 
2023/2/27BK2にて撮影

EOS6D改造機、Nokkor50mmF1.4D
フィルター無し
ISO3200、露出120秒
50枚スタック、
EQ5+AGS-1L
M-GENにてオートガイド+ディザリング
良く晴れていたのですが21時過ぎまで会議でした。VC200Lの調整をしたかったのですが、夜半まで月明かりがあったので、潔く明け方の春の定番狙いで準備して寝ました。
去年Nikkor58㎜1.4Gでほぼ同じ構図で撮影しましたがガイドで失敗していたのでリベンジです。レンズ比較もやってみたかったのですがパッと見た感じ色調が違うのは分かるのですが、レンズの特性なのか空の透明度の違いなのか分かりません。画像処理技術の進歩で星の煩さとかはかなり補正出来てしまうので、どの程度の違いがあるのかを客観的に比較するのは難しそうです。

今回は新しく導入したTopazDenoiseAIを使ってデジタル一眼特有の背景ノイズを目立たなくしました。非常に優れたノイズ除去ソフトですが、使い方を考えないと不自然に平坦な感じがしてしまいます。

ABE繰り返し
 

DBE
オリオン座周辺
2023/1/17 BK2にて撮影








EOS6D改造機
Nokkor50mmF1.4D F4
フィルター無し

ISO3200、露出90秒、10枚スタック
スカイメモR
画像処理に対する興味も大分薄れて、近年はワンパターンいつもと同じ処理をおざなりに繰り返していると感じています。

今回撮影したBK2は、一面真っ白な積雪という条件でした。そのため普段なら気にならない街灯や信号機、家の窓から漏れる明かりなどが、カブリとなって 写り込んでしまいました。

カブリを補正するためにPixInsightのDBEを使用すると星野写真の場合、サンプル配置によるムラが生じてしまって思うように処理が出来ず、これまでも試行錯誤はしていたのですが、これと言った解決策は見つけられませんでした。

今回、若干霧がかかっていたため余計に処理が難しく、半ば諦めていたのですが、ABEをFunctionDegree=1で繰り返したらどうなるのだろう?と試してみた所、4回ほどの繰り返しで、バックグラウンドモデルが殆ど平坦になりました。この状態で、今度はFunctionDegree=4としてABEを行うと、残っていた不規則なムラやカブリを一掃する事が出来ました。

この方法で処理した画像が左上、左下がDBEで処理した画像です。出来栄えの差は、DBEでは背景のムラが大きく、StarNet2で星雲を綺麗に抽出する事が出来なかったのですが、ABE繰り返しで処理した場合はStarNet2で綺麗に星雲を分離できた事によると思います。
 
バラ星雲からシリウス周辺
2023/1/17 BK2にて撮影
 


EOS6D改造機
Nokkor50mmF1.4D F4
フィルター無し

ISO3200、露出90秒、37枚スタック
スカイメモR
冬の天の川は夏に比べて淡いですが、散光星雲の周囲に淡いガスが複雑に広がっている感じが好きです。
勿論、有名な散光星雲自体も被写体として魅力的ですが、周辺にどこまでも広がっているモヤモヤした領域に引かれます。冬場は雪が積もる新潟の場合、出来れば晩秋の明け方、条件の良い時に撮影したい領域ですが、今回は非常に条件の悪い積雪の中での撮影となってしまいました。上に書いたABEの繰り返し法?を思い付かなければここまでは描写できなかったと思います。
 
ぎょしゃ座周辺 2023/1/17 BK2にて撮影

EOS6D改造機
Nokkor50mmF1.4D F4
フィルター無し

ISO3200、露出90秒、40枚スタック
スカイメモR

 ぎょしゃ座の周辺は比較的天の川が濃いで、星がたくさんあると画像処理がやりにくいと感じる領域でもありました。
特にSh2-240は難物中の難物という感じでしたが、近年のカメラ、フィルター、画像処理技術の進歩で比較的簡単にあぶり出せるようになりました。しかし、標準レンズではかろうじて存在が分かる程度が限界です。