画像処理のことです
天体写真用の機材は高価です。アマチュアでも、カメラ、望遠鏡、赤道儀を合わせて車1台分くらいの価格の物が普通に使われています。勿論高額機材はそれなりに高性能ですが、お金をかければそれだけで良い作品が作れる分けではないのが面白い所です。異論はあると思いますが、私にとって画像処理とは、古い機材、廉価な機材でもそれなりに楽しむための強い味方です。
2011.6.27
はじめに、 特集シャボン玉星雲、 2008年分へ、 2009年分へ 2010年分へ 2011年分へ
参考までに2011年の 撮影ノートの画像です |
2011.2.18撮影 miniBorg60ED+DGT EOS40D改(非冷却) ISO800, 露出5分 30枚コンポジット スカイメモR |
2012.12.19 昨日頂いたメールで、去年撮影したM42のデータを引っ張り出してみました。当時の撮影ノートには16枚でコンポジットとなっていますが、画像は32枚ありました。内16枚は鏡筒反転画像だったので、とりあえず16枚で処理して後から反転分を含めてやり直そうと思っていたようです。デジタルマジックにその後の画像がないので、多分あまり改善しなかったので、そのままになっていたのでしょう。 ステライメージだと歪みのある光学系の反転画像は2点アライメントでは重なりにくいです。 当時のダークやフラットをかき集めて(元データが残ってないとどうしようもないですね)、PixInsightのBatchPreProcessingで処理してみました。反転画像もなんのその、30枚を重ねることができました。SigmaClippingで人工衛星も消えて、背景の荒れもかなり良い状態になって出力された画像を決められたシーケンスで処理して、最後にちょっとフォトショップで仕上げました。 PixInsight、本当に良いですね。迷っている方はお正月休みに40日間お試し版を体験して下さい!世界が変わりますよ。 今回は派手なスケルトンにせず、俗に言う「自然な感じ」の超不自然画像を作ってみました。 |
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2012.8.20撮影 ペリカン星雲 L:10min.*9, RGB=2:2:2 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.12.17 だんだん普通のペリカンになってきました・・・ 私の個人的な趣味としてはDecoペリカンが好きですね。ただマスクの技術的な問題だと思うのですが、微光星が煩くなるのが残念です。 Deconvolutionは仕上げの時点で、ああすれば良かった、こうすれば良かったと後悔する事が多いのですが、PIのDecoまで戻るにはかなり根性が必要です。 |
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2012.11.16 EOS40D改(非冷却) SIGMA24mmF2.8(F4) ISO800 6分 8枚*2コマモザイク スカイメモR |
2012.12.6 再調整しました。 やはり高坪山は佐潟より格段にカブリが少ないです。撮影に使わせてもらっている農道に沿って電柱が建てられるようです。街灯が設置されなければ来年も撮影に使えますが、住んでいる方達が切望した事かも知れません。趣味のオヤジがとやかく言う問題でもないでしょう。 |
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2012.10.16撮影 IC434馬頭星雲 L:10min.8, RGB=2:2:2 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.12.18 モニター交換後、なかなか処理をやり直す気にならなかった馬頭星雲と燃える木です。Deconvolutionの星への影響を抑えつつ若干星雲の解像度を復元し、色も赤に寄らないように(前のモニターでは意識したわけでなく赤くなったので)気を付けました。HDRもやりすぎると不自然なのでかなり控えめです。下の画像と比較すると分かりますが、HDRは強くかけすぎると淡い部分が明るくなる代わりに、明るい部分のメリハリが損なわれます。今度はマスクが強すぎて黒トビは無いものの逆に不自然な色の星がありますね・・・面倒です。 2012.11.28 明け方、あまりの良い空に諦めきれずちょこっと撮影しました。ガイドが若干流れて残念な 画像ですが、PIの練習にはもってこいの素材と言えなくもない状態の画像でした。星雲部分はDeconvolutionで復元、星はMorphologicalTransformationで補正しました。このサイズでは星のノビはほとんど分からないと思います。これくらい明るい星雲では最近使っているHDRを使った星像補正は必要なく、従来通りの星像補正です。 最近話題のフラットエイドを使った新しい処理方法にも大いに興味があります。星の無い星雲画像が長年の夢でしたが、作れちゃうんですね。pixinsightも一段落なので挑戦してみたいです。王道がどうなのかは知りませんが、私は星のない画像を作る事が星マスクを使った星像補正の基本だと思っています。問題はその精度で、フォトショップではボカして作るしかないので星の周囲にしかその画像を使うことができません。高精度の星の無い星雲画像が出来れば、苦労が半減、仕上がりは飛躍的に綺麗になりますね。 |
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2012.11.28 職場のデスクにて |
新しいモニターを基準にして色を合わせました。 ノートは若干青いですが、これ以上合わせようがないので諦めました。印刷物は偶然ほぼ同じ。ついてますね。CanonPro9000markⅡはデフォールト、問題はモニターの調整目標がWeb向けコンテンツ作成用なんですね。多分、偶然一致しただけです。私のレベルでは「パッと見」そっくりだったら細かい事は要求しないので、凄く得した気分です。とりあえず目の前の底なし沼に嵌らないようにさらっと流して深入りしないようにします。 このプリンターから出力して、家や職場に飾ってますが1年もすると変色します。以前使っていたEPSONの顔料インクでも変色はあったので、主たる原因は紙でしょうか? 額に入れて直接空気に触れないようにしても完全には抑えられません。紫外線の影響とかもあるのかな。プラチナペーパーは比較的良いですが、安い紙はすぐ黄色くなってしまう気がします。 |
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さそり座 2012.4.28撮影 EOS40D改
AF Nikkor 50mm F1.4(F4) ISO800 6分 23枚コンポジット スカイメモR |
2012.11.26 この画像もPixInsightの導入で二転三転しましたが、モニターの調整がこれで正しいなら完成です。撮影から 7か月、私の画像処理技術、この機材構成、これ以上はどうやっても無理という所までになったと思います。 なんといっても非冷却で高ノイズな状態からでも、ダーク画像をOptimizeしているせいか驚くほど高画質の元画像を作ってくれるBatchPreprocessingと、カラー一発撮りでも色調を綺麗に整えてくれるColorCalibraion関係のプロセスがそれなりに使えるようになった事が大きいです。撮影ノートにも書きましたがPixInsightのコンポジットは非常に精密です。ノータッチガイドを20枚以上重ねても周辺の星が大きくなりません。 |
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2012.9.12 IC1396 Orion SSPro miniBorg60ED+DGT(F3.9) 10min.*8 ノーフィルター Vixen GPD+AGS-1L DSIpro+PHDguidingによる オートガイド |
遡ってみると、この辺から60EDの画像は星が煩いです。それから色調とコントラストが多分変・・・。とりあえずハードに関係しない部分、星の大きさを比較すると、やはり新しい画像処理は、効果がある事がわかります。実は60EDとSSProではこの程度と、居直って処理していた感も無きにしも非ずでした。 多分これ以前の画像処理は、ステライメージでDDPを行って、フォトショップで処理するレベルでバランスが合っていたのだと思います。ところが、この画像はPixInsightのHTでレンジ切り詰めを行っており、ステライメージより強く切り詰めた画像をフォトショップに渡し、にもかかわらず従来通りの処理をしていたために「星だらけ」なのだと思います。 PixInsightのHistogramTransformation(DDPに代わるもの)は、強力にレンジを切り詰めても恒星の中心部の飽和は起こりにくいが、(光学系の性能による)恒星周囲のボケは相応に強調される。 ということを認識した上で、それを補正する処理が必要だと思います。PIのHDRを使って生じたボケを軽減するだけでも随分良くなりますが、この画像で従来通りの星マスク処理を行うと、逆に恒星周辺が切り立ってしまうために輝きが感じられない画像になってしまいます。ただその分星雲は星に煩わされることなく処理できる利点もあります。あとはHTでSTFの自動指定より弱めに切り詰めた綺麗な星が輝くレベルの画像と比較明で合成するだけで、びっくりするほど自然に仕上がります。多分HDRに使用する絶妙な星マスクを作れれば一発だと思いますが神業です。 |
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以前の処理 |
2012.9.12 IC1848, 1805 Orion SSPro miniBorg60ED+DGT(F3.9) 10min.*8 ノーフィルター Vixen GPD+AGS-1L DSIpro+PHDguidingによる オートガイド |
2012.11.14 ケアンズの日蝕を朝のテレビで見ました。向こうは夏なんですね、羨ましい。 17日のしし座流星群の極大も仕事とお天気で絶望的。今年はこのまま冬眠でしょうか。星景くらいは撮りに行きたいです。 画像処理はこれで一段落、後はモニター交換後に手直しです。以前の処理と比較すると違いは歴然で非常に嬉しいのですが、100%画像で見ると 星が歪です。筒内の乱反射なのか光軸とかスケアリングの問題なのか、この処理を生かすには60EDの再調整が必要ですね。 |
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ブレイクスルー ↓ |
2012.8.20撮影 NGC7822付近、「?」星雲 Orion SSPro miniBorg60ED+DGT(F3.9) 10min.*12 Vixen GPD+AGS-1L DSIpro+PHDguidingによる オートガイド |
2012.11.13 お天気が悪い日の楽しみ、画像処理です。 SSProはサブ機として春からminiBorg60EDと組み合わせて使っています。カラーCCDの限界を極めよう!などと大それた目標を掲げて随分画像処理を工夫していました(上の画像)。 モノクロCCDの処理では、星像の輝きを残したまま周辺のボケを抑える方法を考えてきましたが、これをカラーCCDに応用してみました。もちろん質のよいL画像が無いので、モノクロと全く同じ効果とはいえませんが、前回フォトショップで限界と思われた星像より、遥かに自然で小さく、しかも輝きを損なわない画像を作ることができました(下の画像)。 そもそもPixInightで適切にレンジを切り詰めた星像はとても綺麗なので、これを上手く利用すれば良いだけなのです。以前ステライメージで同じようなことを考えたとき、綺麗な星像に十分な輝度を与えられなかったことと、星雲強調画像の肥大化した星像を処理できなかったので実現できませんでした。PIのHDRとマスク機能、何よりHTによる圧縮が優れている事がブレイクスルー?の鍵だったと思います。 それから周辺の星像が小さいのは画像処理の影響だけでなく、PixInsightのBatchPreprocessingを使っているのでStarAlignmentとImageIntegrationが優秀な可能性もあります。 |
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2012.8.20撮影 ペリカン星雲 L:10min.*9, RGB=2:2:2 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.11.12 この画像は根本的にBフィルターのピントがずれています。この後撮影した画像ではカラーフィルターのピントを見直しています。比較してみてもあまり違いを感じませんが、恒星の青いにじみが大きいような気がしなくもありません。 PixInsightでの処理は安定してDeconvolutionも星像への影響を最小限に抑えられるようになって来ました。今の所、コントラストと色調は現モニターではいかんともしがたい状況で、最終的な調整はモニター交換後になると思います。 多分上が青くて、下が赤いか、ちょうど良いか、ちょっと青い・・・特に暗い部分の青が旧モニターでは見えません。 |
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2012.10.9撮影 vbB14, 15 L:10min.12, RGB=2:2:4 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.11.12 この星雲もとらえ所がなく、ボンヤリ広がっているようにしか表現できません。この種の星雲を処理していて感じるのは、画像内に果たしてニュートラルグレーの背景部分というのが存在しているのか? ということです。確かに暗い部分は有るのですが、そこをグレーにしてしまって良いのか迷ってしまいます。 見てお分かりのように左画像は暗い部分は青に偏っています。PIで処理していくと暗黒帯周辺が青に偏る傾向がある気がするのですが、これはカラーキャリブレーションの影響かもしれません。そしてトーンカーブなどで潰してしまうには勿体無い何かが写っています。残念ながら強調するにはクオリティーが低すぎます。レベル50以下をどう表現するか考えないといけません。 |
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2012.9.12撮影 vdB152 L:10min.*9, RGB=2:2:2 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.11.11 9月に撮影した画像のやり直しです。 ものすごく淡い割に、星は普通に仕上がっています。PixInsightを使い始めてまもない頃のボヤボヤ感は無くなりました。いま処理に使っているモニターでは結構派手な感じですが、実際どんなもんなんでしょうね? モノクロを使い始めてRGBのピントをしっかり管理するようになって、PixInsightもそこそこ上手く使えてこの程度の星像ですからこれはもう光学系の限界でしょう。光条が出る理由は未だに分かりません。カメラを回しても方向が一定なのでCCD絡みなんでしょうね。 この2ヶ月感悩みに悩んだ星像は「星を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」作戦で一応克服出来たと思います。 |
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2012.10.15-16 VbB7, 9 L:10min.18, RGB=4:4:4 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.11.11 5時間かけた割に何だか良く分からない星雲ですが、以前よりはましに仕上がりました。この星雲を綺麗に仕上げるには、とりあえず空の良い所に行ったとして、どれくらいの機材でどれくらい時間をかければ良いのでしょう? 見当がつかないですね。 画像処理はかなりまとまって来ました。PIで、星を綺麗に作るバージョンと、とにかく星を小さくしながら星雲を強調していくバージョンを別々に作ると、何となく最終的な仕上がりが見えてきます。今年の秋は淡い星雲をいくつか撮影しましたが、PI上達の素材としては良かったかも知れません。年内撮影チャンスがあれば明るいメジャーな対象をしっかり撮ってみようと思います。 |
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2012.10.8, 9撮影 vbB154 L:10min.*16 RGB=2:2:2 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.11.10 これも星の処理に苦労しましたが、こんな感じになりました。Deconvolutionをやらなければもっと微光星を抑えられるのですが、星雲の淡い部分の構造と引き換えになります。いくらDeconてもナローバンドのような構造は全く分からないので、大した効果は出ていないのですが、気持ちの問題です・・・。 PixInsightのHTは星の輝きが損なわれることなく圧縮できる優れものですが、淡い星雲がはっきり分かる所まで圧縮すると、恒星周囲がボヤボヤしてきます。それを抑えるためにはHDRを恒星周囲につかうと効果があるのですが、今度は星が丸裸になって輝きが損なわれます。そこを上手い具合に良い所取りする方法を検討中です。 |
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2012.10.16 NGC1491 L:10min.*9 RGB=2:2:2 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.11.28 時系列がグチャグチャですが、やっと、本当にやっと満足できる画像になりました。この日は空が良かったのでカブリとか星の滲みは少なかったのですが、画像処理に関しては、とにかく上手く行きませんでした。問題は周辺の蛙の卵みたいになってしまう分子雲?です。本当にあるのかさえ疑問ですが、どうやっても美しくない。多分初夏に撮ったSh2-101付近もこんな感じなのかもしれません。あまり作例がないので確かめられません。 2012.11.9 新潟はお天気悪いです。 星はかなり良くなりました。色調とコントラストはこのモニターでは当てにならないので後日。 星像の改善にはチュートリアルではMorphologicalTransFormationを使用していますが、それは星の芯がスッキリするだけで、ノンリニアの圧縮で問題になる恒星周辺のぼんやりした感じは改善できません。今回はHDR MultiscaleTransformをNumber of Layers=3として星マスクでぼんやりした部分だけに作用させてかなり良好な結果になりました。結局PIでも星を弄る事になってしまったのは遺憾ですが、星の周辺は等倍で見てもそれ程おかしくなりません。残念ながら星は白く抜けて輝きが感じられません。小さくしたなりに輝いてくれるような処理を見つけ出したいです。 2012.10.28 昨日は久々の天文館でしたが寒かった・・・ PixInsightを使った淡い星雲の処理はかなり上達しました。最後はフォトショップの助けを借りていますが、フォトショップ単独よりは格段に自然な感じになります(全然自然じゃないですよ、ものすごく不自然な状態を作り出しているのですが・・・)。まだ細かい部分にはHDRの副作用が残っているのですが、一番上の画像で微光星が密集している部分を見ると分かります。 淡い星雲の処理で役に立つのがHDR MultiscaleTransformです。Deconvolutionは淡い星雲では今ひとつ上手く使えないの今回は使用しませんでした。ビデオ等では銀河の構造を描写するために利用していますが、星雲の淡い部分を分離したり、恒星の肥大化を抑えたり、明るい星のハロを減弱したり、使い道が色々あることが分かってきました。この時重要なのがマスク処理ですが、PIのマスクは非常に洗練されていて効果的なマスクを容易に作成できる事も分かってきました。各プロセスに必要なマスクの作成方法については、忘れないうちにまとめておきたいと思います。 2012.10.25 大忙しの休日にもかかわらず、こんなことまでやってました。性格的にじっくり1つの事に集中するより片手間でいじっていた方が上手く行くことが多いようです。 有るか無いか分からないような星雲を強調するとき周囲の星がぼんやり明るくなる現象を相当押さえ込んでいます。明るい星雲をちょっと下手くそに処理した程度には見えるでしょうか? 馬頭星雲などを処理するときにはほとんど役に立たない技術ですが、この手の際どい処理が好きですね。もっと綺麗に仕上げられるように頑張ってみます。 |
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2012.10.8, 9 vbB154 L:10min.*16 RGB=2:2:2 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.10.28 ここが限界っていうのは分かってるのですよ。PIのSTFもここまで自動で切り詰めてくれます。 ここで仕上げれば落ち着いた画像にはなるんです。もっと強調するにはもっと露出をかけるというのが正論なんです。でも、なんかやりたくなるのが人情ってもんで・・・ 星の芯はかなりコントロール出来るのですが、問題は星の周辺で、ここで限界という所で星雲強調マスクを作ってしまえば星像はこのままで星雲を明るくすることも出来るのですが、どうもそれはやりたくないのです。 堂々巡りになってます、実は撮影直後の処理が一番綺麗だったりしてね。アンタレス付近を始めて撮影したときも、こんな感じでした。ちょっとウンザリ 2012.10.24 これも淡い星雲です。ネットではナローバンドを合成した中央部分の「赤い体に青い頭の出来損ないの人形」見たいな部分を撮影したものが多く、周辺の色調がRGBで本当にこんな風になっているのか良く分かりません。 星雲を強調するときに一番困るのは星の周辺がぼんやり明るくなってしまうことです。星雲だけを強調するマスクを使用すると、周辺の淡いガスは全く見ることができないので、私は好みません。必ず全体のレベルを均一に上げるようにしているので、星の周辺を抑える事が出来ません。 そもそも恒星は点ですが、撮影された星像の周囲にハロや滲みがある事は、アマチュアのレベルでは避けようがありません。大気の影響だったり、光学系の問題だったり、いずれにしても、これを極力小さくする処理を行えば良いわけです。試しにこの作品では、PIのHDR MultiscaleTransformを局所的に利用する方法を試してみました。 あとは微光星の肥大化をもう少し抑えられればナローバンドのように星が煩くない画像を作れるのですが・・・ |
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2012.10.9 vbB14, 15 L:10min.12, RGB=2:2:4 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.10.23 10月は沢山撮影できてラッキーでした。前半に撮影した画像を順に仕上げています。 PixInsightBBSでDeconvolutionが話題になっていたこともあり、何にでもDecoっていたのですが、この種の超淡い星雲ではリニアの状態でDecoすると星マスクを使用しても微光星がおかしくなってしまうようです。馬頭星雲程度の明るさがあるとDecoの恩恵は歴然なんですが、淡すぎるとまだ上手く処理できないので今回は使っていません。HDRは明るい星の周辺でも星雲の構造を見ることができるようになるので使用しています。極淡い部分の分離にも効果があるような気がしますが、まだ断言はできません。 星雲内にある明るい星をもう少し上手く処理したいと思いますが難しいです。 |
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2012.10.14 秋の分子雲 カシオペアから牡牛座 Sigma24mm F2.8(F4) EOS40D改 ISO800 6分*11枚 冬の天の川 ふたご座からオリオン座 Sigma24mm F2.8(F4) EOS40D改 ISO800 6分*6枚 薄明で泣く泣く終了 スカイメモR |
2012.10.20 このサイズなら、なんとか綺麗に見えると思います。 私のEOS40Dは一応改造機ですが冷却ではありません。既にシャッターも壊れていて、ライブビューからでないと露出を始めることができません。PixInsightから出力される画像は撮影ノートに載せましたが、久々にフォトショップで強引に画像処理しました。冷却CCDで撮影した質のよい画像をあっさり仕上げるのも楽しいですが、ノイズまみれの画像をコテコテの画像処理で綺麗に仕上げるのも楽しいです。 小さなモニターでも縮小した時に天の川の星が潰れないように(潰れて見えないように)処理をやり直しました。天の川の星の分解は結局どこかでうやむやになるのですが、22インチ1680*1050ではブツブツに見える状態でも、17インチフルハイビジョンではベッタリしてしまうようです。微細構造にメリハリを付けるという事なので、見た感じ散光星雲が星に埋もれる感じになってしまいます。 CanonEOSでは横縞が発生するのが以前から問題になっていて、フラットを撮影して補正するとある程度解消するのですが、私の40Dではどうしようもない幅広の横縞が発生して困っていました。PixInsightのスクリプトにCanonBandingReduction Scriptなるものがあるので試しに使ってみました。画像を選択して実行ボタンを押すだけで、綺麗さっぱり太い線、細い線全部無くなります。これは便利ですね。 |
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2012.10.9 vbB14, 15 L:10min.12, RGB=2:2:4 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.10.14 今朝の分を表紙に貼るためにとりあえず移動しました。 これは本当に画像処理が大変で、まだ最終的にどうするのか決めていません。 |
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2012.10.8, 9 vbB154 L:10min.*16 RGB=2:2:2 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.10.13 vdBカタログは淡くても、色彩が面白いので画像処理が楽しくもあり、難しくもあります。 ネットで検索しても様々な色調の作品が見つかるので、ある意味自分は自分と居直れなくもないですね。 ただ非常に迷うのは、画面全体にガスが漂うような雰囲気が良いのか、星雲の境界をはっきりさせるべきなのかという点です。なんとなく全体がガスで覆われているような気がするのですが、極淡いところは切り捨てた方が作品としてはクッキリして良い気がします。 この作品でもPixInsightが大活躍でした、収穫はHDRMultiscaleTransformは銀河だけでなく、このような極淡い星雲でも効果があるということと、リニアデータのDeconvolutionは背景への副作用が極めて少ないということです。リニアデータでは恒星周囲の副作用は強い感じがするのですが、淡い構造を復元するには左のように星マスクを多用して星への影響を抑えてしっかりDecoることで淡い構造をある程度はっきりさせることができます。 まだ星が肥大化しているので処理の何処かに問題があるのでしょう。拡大すると星像自体は綺麗なのですが、画面全体を縮小してみる場合には煩く感じます。まだDecoなしの画像を越えれないかな・・・ PSではレイヤーで作業データを一まとめに出来るので、複数の星マスクを使う作業を途中で中断しても普通に保存できます。PIではプロジェクトの保存を使って作業状態をそのまま保存する機能が便利です。 |
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2012.9.12 M33 L:10min.*9, RGB=2:1:1 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.10.6 これも不完全燃焼の画像処理だったので、やり直しました。 気になっていた黄色のカブリはなくなり、背景もかなり滑らかに成っています。Deconvolutionでもうちょっと解像度をあげようとも思いましたが、どうしても背景に悪い影響が出るので使っていません。もうちょっと根本的な画質が良ければDecoれそうですが、この撮像時間ではこれ以上は無理だと思います。 ポイントはやはりPixInsightのColorCalibrationですね。処理はまずABE、続いてBNを行い、その後にCCです(最も基本に忠実な順番です)。工夫したのはCCのWhiteReferenceImageで、星雲の腕に黄色カブリが重なった左側を避け、比較的カブリの影響を受けていない右側の腕を使ったことで、黄色カブリが強調されることなく処理を進める事が出来たのだと思います。 もう1つ、光害がある場所で撮影すると、いかにフラット補正やABEを行っても星雲をここまで強引に強調すると背景にムラが出てしまいます。ここでもう1度ABEを使うとすっきりします。こういう場合はNormalizeをチェックしないと星雲の色調が崩れるので注意が必要です。 |
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2012.8.20撮影 NGC7822付近、「?」星雲 Orion SSPro miniBorg60ED+DGT(F3.9) 10min.*12 Vixen GPD+AGS-1L DSIpro+PHDguidingによる オートガイド |
2012.10.4 シツコイにもほどがある! 撮影できないので古いデータを使うしかないです、ご容赦ください・・・次はもっとしっかり撮影しますから。 PixInsightの理解が深まって一応大筋ではブラックボックス的な使い方を卒業したので、その記念。よーく分かったつもりで処理してあります。細かい変数とかちっとも把握していませんが、いじらないので良しとしましょうか。 ノートのモニターも比較的良くなってきたので、それほどイメージが違っていることはないと思いますが。 一応標準的だと思っている職場のモニターで見るとちょっと眠いです。これくらいにしないとだめですね。ということはつまりノートのモニターのコントラストが強すぎるのでしょうかね。 |
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2012.9.12撮影 vdB152 L:10min.*9, RGB=2:2:2 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.10.2 これは色々問題もあって、この辺が限界と投げ出して眠ってしまったのですが、どうやら寝ている間にこびとさんがせっせと直してくれたようです。人工衛星の軌跡も綺麗に消えて、重なっていた部分の赤と青の星雲がはっきり分かります。vdB152の構造や周囲の色彩も表現されていますね。こびとさんがやったことなので、本当かどうか分かりませんが、随分派手になりました。 グリム童話のこびとの靴屋では、真面目に働いているのに材料の革を仕入れることが出来なくなってしまった靴職人が困り果てるという設定で始まります。こびとさんが作った靴は、高値で売れて2足分の材料を仕入れることが出来て・・・と話は進んでいきますが、そもそもこの真面目な職人の靴は原価割れするような状況に陥っていたわけです。 私に当てはめると、元画像より悪くなる画像処理を繰り返していると、こびとさんが現れるという事でしょう・・・ ちなみにこびとさんの正体はHDR MultiscaleTransformです。 |
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DeepSkyStacker(DSS) によるBayerDrizzleのテスト |
2012.9.23 晴れたら撮るぞと気合は入っていたのですが、残念なお天気でした。 先日の戦略会議でご紹介したベイヤードリズルを試してみました。興味深い情報を掲載しいち早く試された先達方のブログに深く感謝です。私もいらないことばかり並べてないでもっと役に立つ情報を掲載しないとな・・・と思ってはいるのですが、元々情報収集に疎く保守的な性格なので済みません。 結果:有効です。 カラーCCDのデータだけしか処理していませんが、たった8枚のあまり良質でない画像データを素材にしてもベイヤードリズルの効果を確認することが出来ました。もっと良質な素材が必要です。ガイドシステムはある意味良い状態で、ドリズルに必要なファイルごとの僅かなズレはDitherを使わなくてもちょうど良い程度(なんだかなー)です。問題は星像ですね。片ボケは収まって以前よりは良いのですが、周辺はお世辞にも丸いとは言えません。光学系の限界なんですかね。それとももうちょっと追い込めるでしょうか。私の調整は詰めと粘りが足りない。DSS自体の操作は比較的単純でこれまでMaxImDLでやっていたダーク減算やフラット補正、アライメント、スタックを自動で引き受けてくれますし、出来上がるFitsファイルの状態もPixInsightに引き継ぐ上で全く問題ないことがわかったので、もっと良い素材を作って再挑戦です。(フリーでこれだけすごい機能があるんだから、ステライメージ次期バージョン頑張って!) モノクロCCDに移行して1年、画像処理ネタは圧倒的にカラーCCDが多い気がします。モノクロCCDの画像処理は、しっかり道筋が出来ていて決められた事をしっかりやれば、私のような初心者でも結果は出るのであまり考えることがありません。カラーはそのもどかしさ故に魅力的なんです。 モノクロCCDとカラーCCD画像処理で共通しているのは、作品を作る上で重大なポイントとなる「カラーバランス」です。モノクロCCDだと、例えばR:G:B:=0.8:0.6:1.0でRGB合成したり、事前にフィルターのカタログデータを元にストレッチして揃えたり明示的に決めることができますが、カラーCCDの場合特にデジタル一眼などでは撮影時の設定を使うみたいな項目もあって、なかなかRGB合成比率を意識してベイヤーRGB変換しませんよね。そしてカラー画像になった所で、RGBのヒストグラムの山を揃えて、あるいは背景部分をニュートラルグレーにして微調整する方が多いと思います。私も以前はそうでした。 PixInsightを使うようになり出来上がる作品のブレは大きくなりました。モニターが新しくなって調整が上手くいかなかった事もありますが、黄色だったり青だったり、真っ赤にしてみたり、弄る度にコロコロ変わっていました。最大の原因はPIのプロセス「カラーバランス」にあります。考え方がこれまでのカラーバランスとは違うのです。使い込んでみて私なりに理解しましたが、「あなたはこの画像の何処に注目したいの?」ということがPIのカラーバランスです。結果、その後の処理は以前とは異なってきますが、なかなか頭を切り替えられず、全体の色調が偏った状態になることも多々ありました。「PIでカラーバランスを整えた画像はその領域を表現しやすい状態にカラーバランスが出来上がっている」と考えることで少し見えてきた気がします。 ここで一旦従来の処理体系に戻ってPIのみになせる技なのか、考え方さえ変えれば自分でもできるのか考えてみようと思います。どうせしばらくは月も明るいですしね。 |
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2012.9.12 IC1848, 1805 Orion SSPro miniBorg60ED+DGT(F3.9) 10min.*8 ノーフィルター Vixen GPD+AGS-1L DSIpro+PHDguidingによる オートガイド |
2012.9.22 カラーCCDはminiBorgと組み合わせて比較的明るくて大きな対象を撮影していこうと思います。画角が広く取れるので散光星雲に向いてますね。それにSSProは赤の感度が高いらしいですし、まだまだ使えそうです。 カラーCCDでの画像処理をMaxImDLとPixInsightで行うようになって、これまで悩んでいた多くの問題が解決しました。ベイヤーRGB変換後のカラー画像が抱える星像の問題、各カラーチャンネルのバランスの問題が、2つのソフトで普通に処理するだけで解決してしまいます。ステライメージとフォトショップで弄り回して何とか作り出していた画像より素直で透明感があって自由度も高いです。私の中でカラーCCDの欠点はいよいよ解像度だけになりました。ベイヤードリズルが救世主となるのか机上の空論なのか、まだわかりませんがそれが解決しなくても、これで十分な気もします。 一対象80分から2時間というのが新潟に住む短気者には限界のような気がします。 晴れる日が少ないことを思うと、どうしても晴れた晩に、あれもこれもと欲を出してしまうからです。時間をかければ綺麗に仕上がる事は分かっているのですが、思い切って4時間とかはなかなか出来ません。片ボケはかなり解消しましたが、欲を言えば星像が歪なんですよね。もうちょっとなんとかしたい所です。 この秋はSSProが苦手な「すばる」をじっくり狙ってみようと思います。明るい星にハロが出るし、お天気の相性も悪いので周辺の分子雲もはっきり写せたことがありません。それに青の感度もあまり良くない気がするので、何処までいけるか試したいです。 |
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片ボケは目を瞑るとして 果たしてPhotoshopは 必要でしょうかね? |
2012.9.12 IC1396 Orion SSPro miniBorg60ED+DGT(F3.9) 10min.*8 ノーフィルター Vixen GPD+AGS-1L DSIpro+PHDguidingによる オートガイド |
2012.9.19 9月の撮影でうれしかったのは、SSProで撮った作品がモノクロCCDと比較してもあまり見劣りしないことです。勿論等倍でじっくり見れば一目瞭然で所詮カラーCCDはベイヤー配列の呪縛から抜け出せてないのですが、これまでの工夫が功を奏していることも明らかです。 特にこのIC1396ではガーネットスターの鮮やかな黄色と、周辺星雲に光が反射する様子 がこれまでの自分の作品よりはっきり分かる点が評価できます。カラーCCDやデジタル一眼で黄色い反射の雰囲気を出すのはかなり難しいです。 実のところ、これを実現出来たのは、私の画像処理が上達したからではなくPixInsightのお陰です。PixInsightはあまり人間の主観による調整が出来ません。背景を整えたり、カラーバランスを調整するのもソフト任せ、最近は圧縮作業もソフトが計算したレベルでやってます。勿論、表現する色の濃さ、見た感じの色調、HDR、ノイズ除去の程度は主観で決める事になりますが、画像の一部分を手で弄る事は出来ません。マスクを作成する場合も手作業は一切ないので全てが「計算された結果」というのが好きですね。 PixInsightを使うようになってから考えることは「どの領域でカラーバランスを整えるか?」ということと「カブリや周辺減光はどうなっているか?」の2点だけで、後は機械的にプロセスを開いて変数を設定して「実行」・・・を繰り返しているだけです。 ただしPixInsightでカラーCCDの情報を扱うにはステライメージやフォトショップのベイヤーRGB変換は不向きです。単に分解・補間、RGB合成しかしていないような仕上がりになるMaxInDLのベイヤーRGB変換を使う事で、最終的に星像が綺麗に仕上る気がします。フラット補正についてもMaxImDLとPixInsightの相性は良いです。フラットフレームとバイアスフレームを使った計算はMaxImDLが与えられた画像で最適に行い、残りのカブリやフラットの残差はPixInsightが画像内の情報から無理なく補正するという感じです。PIだけでフラット補正とかぶりの除去を全部やるのは当然無理があります。 ステライメージは最近だとフォトショップの後、最後の最後にちょっと使う程度で、あまり活躍する場がありません。処理自体に不満は無いのですが、手間がかかりすぎます。 先週から撮影やら画像処理で、(あ、それから本業の仕事もね)睡眠時間3時間程度が続いていてかなり廃になっていましたが、昨夜は久しぶりに長時間睡眠をとりました。 |
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2012.9.12 M33 L:10min.*9, RGB=2:1:1 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.9.18 このM33はGBが1枚しかありません。RGB画像でみると妙に黄色いカブリが出ているのでBの画像に問題があるのだと思います。そういうリスクを考えるとビニングしても2枚の方が良いのかも知れません。悩むところです。RGBで標準1時間、L12枚で2時間、庭先で一晩に撮影できる限界なんですよね。 この画像には後日Hαを追加出来るように頑張ってみようと思います。Bの撮り直しは無理かな・・・こんな事を考えられるのはMaxImDLのPinPointのお陰で、前回撮像した画像を星図に貼り付けてアライメントできるので回転さえ気を付ければロス無く追加できるんです。便利ですね。 |
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2012.8.20 ペリカン星雲 L:10min.*9, RGB=2:2:2 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.9.17 悪乗りペリカン 前回のペリカンもちょっと風変わりで真っ赤っかでしたが、フラットを撮り直したついでに処理をやり直しました。 こんなの見たことないな・・・ヒストグラムを揃えると表紙のようにはなるのですが、ピンクのペリカンも派手で好きです。 ペリカン周囲が暗い作品が多いので周囲がこんなに赤いのは変な感じもしますが、PixInsightで、こうなっちゃったのでこれもありなんでしょう。多分処理にエラーはないと思うのですが・・・ ちょっと真面目な話。 天体写真を撮る面白さは「目に見えない物を観察する事が出来る」という点に尽きる、と私は思っています。ペリカン星雲は殆ど肉眼では見えない光を出すガスの集まりです。周囲のガスも肉眼では見えません。カメラレンズなどを使った撮影では、周囲のガスとペリカンに見えるガスも同じ色に表現されています。今回の画像処理ではその二つの色調に差がある事を表現できた点が「面白い」と思います。その意味でペリカンがピンクでも問題ないと思っています。星雲の写真を「自然な色調」などと評する方もいますが、そもそも星雲を構成する殆どの光成分は人間に見えない色調が自然であって、見える状態は既に自然の色ではなく、CCDを通して人間が認知している色に置き換えた物でしかないと思います。私としては既成概念にとらわれず柔軟に楽しむ天体写真にも挑戦してみたいです。 |
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アンドロメダ銀河 の 腕ってどうなっているのでしょう お隣の銀河を上から見てみたい。 |
2012.9.12 M31 Orion SSPro miniBorg60ED+DGT(F3.9) 10min.*12 Vixen GPD+AGS-1L DSIpro+PHDguidingによる オートガイド |
こうやって強調してみると、腕の高さがバラバラに見えるのですが、 どうなっているのでしょう??? |
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2012.7.10 Sh2-155付近 L:10min.*8, RGB:各10min.*2 Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.9.12 12日の撮影で初めてモノクロCCD画像の処理で大きな問題にぶつかりました。 フラットが合わないのです。10日の画像を処理するために撮影した画像を使ってもRGB画像で周辺減光が残ってしまいます。MaxImDLに戻ってみるとLは綺麗に補正されているのにR、G、Bは中途半端に減光が残っています。いろいろ考えたのですが、原因も理由もはっきりわかりません。 ところがこの画像をPixInsightでR,G,BモノクロのままABEを行うとスッキリ補正できるのです。推測ですが、露出量、かぶりの大きさと周辺減光のバランスで過補正になるとその後の処理がかえって面倒になるので止めているように思われます。それで思い立って、以前どうにもRGB画像が決まらなかったSh2-155を新しいフラットで処理してみました。やはりMaxImDLでは中途半端な補正に見えますが、予想通りPixInsightでは非常にスッキリ背景処理が決まりました。ポイントはRGB合成前にカブリを除去するということです。従来の画像処理では当たり前の事ですがPixInsightを使うようになってから、RGB画像で補正する癖がついてしまって、上手くいかなくなっていたようです。 青い星が青過ぎますが、青いガスが漂っている部分が分かるようにするには、こうなります。勿論星マスクで星だけ色を抜く何てことも出来るのですが、どんなもんでしょう・・・ 星マスクではなく、全体に青を抑えた以前の処理もありますので比較して下さい。 |
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2012.9.10撮影 vdB149, 150付近 L:10min.*12, RGB=2:2:2 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.12.7 再処理しました。構図の縦横で間違ってしまって、アクセントになる銀河が入っていないのが残念です。あと空も今一つだったのかもしれません。今年は8,9,10月と沢山撮影できましたが、12月に入ってからは全く晴れそうにありません。昨日は強風、今朝からは雪が降り続いています。もう冬眠ですかね。 2012.9.12 星雲自体がとても淡かった事に加え、遠雷で背景が明るかったため、従来のフラットでは誤魔化しが効きませんでした。実はレデューサの接続部分を交換してからフラットを撮像していなかったのです。昨晩新たにフラットを撮影しなおして処理してみました。MaxImDLで補正・重ね合わせを行った状態でフラットの不適合は見られなかったので、PixInsightではABEを使ってカブリ補正をしました。非常にスッキリ仕上がったと思います。やはり淡くて画面全体に広がる対象にDBEを使うのは無理があります。国内の作例では分子雲を比較的モノトーン近く仕上げる方が多いようですが、私はPixInsightで分子雲部分の色彩を引き出せるように調整してみました。 この下にある一つ目お化けみたいな星雲も撮ってみたいですね。 |
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2012.9.7撮影 NGC7380(鳳凰星雲) L:10min.*4, RGB=2:1:2 各10min. Hα:20min.*4 Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.9.9 G画像は雲がかかって2枚とも使えず急遽再撮したのですが、月の出が迫っていたので1枚のみになりました。そのため予定よりL画像が少なく、ちょっと不完全燃焼です。それでもこれまでは赤一色にしか写すことができなかった星雲構造に綺麗に色が乗ったので一歩前進でしょう。 PixInsightではRGB合成するときにCCD特性やフィルターに合わせた補正を行わずR:G:B=1:1:1で合成します。その上で画像上でバックグラウンドとカラーバランスを補正することができます。確かにグレーの対象であらかじめRGBの比率を決めておくと対象の本当の色調が得られるような気がしますが、あくまで人間の目を通しての色調であって、宇宙の中のガスの色や銀河の色その物ではないですよね。それに毎回大気の影響が同じではないので思うような結果にならないのが実情ではないでしょうか?これに対してPIのカラーバランス補正は撮影条件の良し悪しに関わらず非常に優秀で、その時得られた画像データから最大限の色調が得られるような気がします。製作者の考えでは「星雲の真実の色」を追求するのはナンセンスで、データ内で最も合理的なバランスで表現する方が現実的ということらしいです。 今回は、月が出た後にHα画像を合計80分撮影しました。Bのピント位置のまま撮ってしまったのでピンボケです。それでもLよりは星像が小さいこともあり、折角ですから不足分のL画像を補ってみました。銀河のHα領域を合成する場合はRを使いますが、散光星雲でそれをやると星雲が真っ赤になってしまいます。そこで一旦LRGB合成し完成した画像からLを取り出し、これとHα画像を加重平均(L:Hα=8:2、なんの根拠もない数字です・・・)して再合成してみました。この時元のab画像とLab合成するのではなく、合成したLをRGB画像とあらためてLRGB合成することでなんとなく自然な感じに抑えることができました。 |
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2012.8.20撮影 NGC7822付近、「?」星雲 Orion SSPro miniBorg60ED+DGT(F3.9) 10min.*12 Vixen GPD+AGS-1L DSIpro+PHDguidingによる オートガイド |
2012.9.4 どうしてカラーCCDで撮影した画像は透明感が出ないのでしょう? 1、背景に色ムラが出る。 2、R,G,Bそれぞれの情報が少ないので淡い部分のグラデーションがあいまいになる。 3、星が不自然 では透明感と色彩をモノクロに近づけるには? これまでの画像処理に限界を感じていたので、試しにこれまでの処理方法を全て捨てて、最後までPixInsightで処理を行ってみました。 フォトショップは背景ノイズ軽減と縮小程度しか使っていません。 今回の処理の流れ MaxImDLでダーク・フラット補正後カラー合成しコンポジット PixInsightでカラー補正、ノンリニア圧縮、ノイズ軽減、星像縮小、暗黒帯強調 フォトショップでさらにノイズ軽減、16bitでのコントラスト調整、縮小 以上です。 これまでとの相違点はレンジの切り詰めをPixInsight上で全て行っている点です。16BitTiff変換後にフォトショップで切り詰めを行っていないので、それに伴う面倒臭い星マスクも必要有りません。確かに星は大きくなりますが、むしろ等倍での不自然な感じはありません。 |
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モノクロCCD vs カラーCCD |
2012.9.2 左がモノクロCCD画像、右がカラーCCD画像です。 どちらもCameraRawを通してフォトショップに読み込んでいますが、ノイズ軽減は輝度、カラー共に8でPS上ではそれ以外のノイズ処理を行っていません。 左モノクロは総露出時間2時間半、右カラーは2時間で若干カラーが少ないですが、背景から星雲にかけての滑らかさにこれほど差が出るのです。カラーCCDでは緑と青のムラが特徴的です。ある程度軽減することはできますが、解像度が犠牲になってしまいます。それと比較してモノクロCCDのなめらかで透明感のある立ち上がり、勝負になりません。 星像は光学系の差を見ないことにすればカラーCCDの星も頑張っていますが、如何にもそれらしい感じです。 私はデジタルに移行して10年近くこのベイヤー配列から生み出される中途半端なカラー画像を弄り回して来ました。モノクロCCDから出力される画像をみて勝負にならない事は十分認識しましたが、カラーCCDを諦めるつもりはありません。手軽にそこそこの画像が手に入る代わりに突き詰めると難しいカラー一発撮りで、どこまでモノクロ画像に迫れるかがテーマです。改造デジタル一眼は価格的にも天体写真を撮ろうとする方が最初に手にする機材である可能性が高いです。末永くデジイチで楽しんでもらえるように限界を底上げしたいのです。 裏返せば、悔しいけど今のところモノクロCCDでやることが無い、ということです。 |
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2012.8.20 網状星雲 Orion SSPro miniBorg60ED+DGT(F3.9) 10min.*10 Vixen GPD+AGS-1L DSIpro+PHDguidingによる オートガイド |
2012.8.30 今回撮影した画像の最後を締めくくるのは網状星雲です。この星雲の領域には星が沢山あるので処理が難しいと言われています。今回の撮影ではフィルターを使っていないのでさすがに星雲強調マスクを使わざるを得ませんでした。以前から書いていますが私はこの手のマスク処理は周辺の情報を捨ててしまう気がして好きではありません。カラーCCDでは感度が低いため元々レンジ幅に余裕がありません。星雲を強調すると階調に無理が出て明るい部分が潰れてしまいます。さらに背景のノイズを平坦化する作業で解像度が低下します。この画像はそういう悪い所が全部出ています。ベッタリしていて網に見えないですよね。取繕うことも出来ますが、それでも透明感は出ません。 次回はV3フィルターを使って再挑戦してみようと思います。 |
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2012.8.20 二重星団 Borg125SD+F4DG ATIK383L+, L:4, RGB 各1枚10分 アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.8.30 ピントがしっかり決まっていたのと時間があまりなかったので、ペルセウス座の二重星団を撮影しました。星団はモノクロCCDの実力を発揮しやすい対象で、星が綺麗に表現できる分全体の迫力が増すと思います。 この画像はPixInsightで仕上げまでやっています。フォトショップの出番はありませんでした。 |
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2012.8.21 マユ星雲 Borg125SD+F4DG ATIK383L+, L:5, RGB 各2枚10分 アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.8.30 素晴らしい透明度だった20日と比較して21日は今ひとつでした。RGBを2枚づつ撮影した割に色の乗りは悪く、星の締まりもありません。まゆ星雲はいつもこんな感じで中途半端に終わります。何時かしっかり撮ってやろうと思うのですが。何度か処理をやり直しましたが、Bのピントが甘いです。対処療法的にPixInsightで星を基準にホワイトバランスをとったのでなんとなく色調が変です。 RGBのバランスをニュートラルグレーの対象を撮影することでシステムのRGB相対値を求めて調整する手法と、PIのように画像の中のサンプル領域でカラーバランスを決める手法、一長一短で撮影状況と好みで使い分ければ良いと私は思います。 PIの解説には Our approach originates from the fact that —in our opinion— the concept of real color makes no sense in deep-sky astrophotography. Real color doesn't exist in the deep sky because, on one hand, the objects represented in a deep-sky image are far beyond the capabilities of the human vision system, and on the other hand, the physical nature, properties and conditions of the deep-sky objects are very different from those of the subjects that can be acquired under normal daylight conditions. と書いてあり、全くその通りだと思います。 自分の撮影システムのRGBのバランスをアマチュアレベルで精密に計測して画像処理した物が真実を表現している保証はなく、それも1つの自己満足に過ぎないと思います。撮影した画像をその中で合理的に仕上げていくPIの考え方は新しいと思います。 |
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2012.8.20撮影 NGC7822付近、「?」星雲 Orion SSPro miniBorg60ED+DGT(F3.9) 10min.*12 Vixen GPD+AGS-1L DSIpro+PHDguidingによる オートガイド |
2012.8.29 カラーCCDとモノクロCCDどちらの画像処理が難しいかと聞かれますが、 ・撮影直後にカラー画像が自動で得られる点ではカラーCCDはお手軽です。 ・ダークやフラットはファイル形式が複雑な分、カラーCCDは手間がかかります。 ・最終的な画像処理はカラーCCDの方が格段に難しいですし何時までも納得が行きません。 これが私の答えです。 「?」星雲ですがこの辺が落とし所だと思います。問題点は沢山ありますがminiBorg60EDとOrionSSProで露出2時間、これ以上には出来ないだろうと思います。 最近私が恐れていることは、「見る目」の喪失です。私にはまだ、この作品がモノクロCCDと比較して何処が劣っているか分かります。それはモノクロCCDでも撮影するようになりその画像の成り立ちを把握しているからです。もしカラー一発撮りから一歩踏み出していなければこの作品の問題点の半分は「見えなかった」でしょう。一方モノクロCCDの画像処理はまだ始めたばかりである意味「見る目」が足りません。見えなければ向上しないのが画像処理だと強く感じます。 ハイアマチュアの方々は作品の評価をフォトコンに委ねる方も多いようです。ネットで拝見する限りよい作品でも掲載されない事の方が多いようで、運試しみたいに見えるのは素人の浅はかさでしょうか?誌上の作品ではその良し悪しはよく分からない事も始末が悪いです。 |
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2012.8.20 ペリカン星雲 L:10min.*9, RGB=2:2:2 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.8.24 今日から胎内星祭です。年をとるにつれて準備が億劫になりますが、今年は頑張ってテントを設営します。 出かける前の一仕事、20日に撮影したペリカン星雲です。125SDでは2回目になりますが、カメラの進歩は凄まじいです。同じ光学系とは思えない星のシャープさです(前作はこちら)。 空が良かったこともありbチャンネルがしっかりしています。MaximDLでコンポジットまでPixInsightでLRGB合成を行い、最後にちょっとPhotoshopで仕上げました。ABEを使っているのでホントかな?という部分もあります。時間ができたら再処理してみますが大きな間違いはないと思います。最初ちょっと青に寄っていたので背景がグレーになるように補正したらちょっと黄色が強くなりました。でも微光星が金色に見えて綺麗です。これはこれで良いことにしました。 レデューサの接続部分を変更して以降、調整中はお見苦しい写真ばかり掲載しましたが、漸くひと段落です。下の画像と同じシステムですから、機材を生かすも殺すも人次第・・・ |
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2012.8.17 Sh2-101付近 L:10min.*5, RGB=2:2:2 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.8.19 3回目で漸くまともに写せましたが、微光星に赤い滲みがあることからバックフォーカスが若干短いようです。あと0.5mm足してみます。白鳥座のこの辺りは星とガスが入り混じって画像処理が非常に難しいです。見た目綺麗に仕上げるのは困難です。あまり人気がない領域なのもうなずけます。 モノクロCCDのRGB画像は2*2ビニングで撮影される方もいるようにLRGB合成を前提にするなら少々解像度に難があっても問題ないと言われています。試しに前回強風下で撮影したボケボケRGB画像を加えて比較してみました。明るい星の滲みが大きいようですが確かに問題はないようです。逆に残念ながら大して良くもなりませんでした。結局、ダメな画像は何枚集めてもダメということでしょう。 最近天気予報は全く当てにならないです。16,17日は快晴から数時間で一転曇り、昨晩は曇っていたのに深夜過ぎから快晴。大きな機材を振り回しているとお天気に翻弄されるだけで成果も上がらず疲れるばかりです。こういう時はポタ赤に一眼でゲリラ撮影する方が良いですね。 |
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2012.7.20 Sh2-101付近 L:10min.*8, RGB=3:2:2 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.7.22 最近ハイアマチュアの方々が星を大切にする画像処理について語ってらっしゃします。 私の画像処理は全くの我流ですが、天文用のソフトのノンリニア処理で「星像が最も良い状態」の物を16bit元画像にしています。その後フォトショップでのレイヤー処理を駆使します。誤解の無いように強調しますが「レンジを切り詰め強調した星雲の上に、元画像の星像をそのまま重ねるようにマスクとレイヤーを組み合わせているのです。」詳細は星マスクの世界でご紹介した通りで、星マスクは圧縮時のマスクではなく透過するためのマスクです。 今回たまたま強風の影響で、もうこれは「星が煩い」としか表現できない作品を作ってしまいました。普通なら撮影を中止しているかFits画像で諦めている所ですが、丁寧に元画像を作って、いつもどおりフォトショップで処理してあります。当然星マスクを使った処理もばっちり行っています。 下は1200%に拡大したその星像と前回撮影した普通の星像を比較した画像です。両者の星像の特徴が良くわかると思います。ということは、もともとの星像がちゃんと残っているという事です。星像と背景の境界に何の違和感もない点がこの処理の重要なポイントで手法は全て上記のページに公開してあります。 最近使い始めたモノクロCCDは、DDPなどノンリニアな圧縮処理を強力に使うだけでも、綺麗な星像と星雲を共存させることができるほど星像が良いです。カラーCCDとモノクロCCDの星像差は印刷してみると一段とはっきりして、「星はモノクロCCD」という構図が理解できます。 それが悔しくて、このとことカラーCCD画像の処理方法を模索しているわけです。ネットと本の情報を使って自分なりの画像処理を組み立てている「我流オヤジ」なんですけどね・・・ 追加 機械語を勉強していた頃は、まだネットがなかったので「本と雑誌」しか情報源がなく大変でした。どんな情報も居ながらにして検索できる今日は本当に良い時代です。 |
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2010.9.4 Sh2-155(TheCaveNebula)付近 20min.*7 Borg125SD+BorgF4DG(F3.9) Orion StarShootPro LPS-P2フィルタ ダーク減算 色合わせしたELフラットにて補正 アトラクス+SS2K DSIpro+PHDguiding |
2012.7.15 連休なのに雨降りでつまらないので、昔のデータを引っ張り出しました。 コンポジット以降の処理をMaxImDLとPixInsight、仕上げはphotoshopです。以前photoshopでやっていた複雑なレイヤー処理はなく、モノクロと同様に星マスクを使ったレンジの切り詰めのみです。 処理過程については先日撮影したAtik383L+と大差ないので、カメラの差とアトラクス改造前後の差と言ってもよいでしょう。露出時間は140分と同じですが撮影時期はSSPが9月で対象が天頂に近い分若干有利でしょう。 SSPでは、明るい星に辛うじて色はありますが微光星は白く大きいです。星雲の透明感もありません。ただSSPはしっかりフラット補正してあるので画面は平坦です。解像度に関してはどちらも今ひとつです。 ぱっと見た印象でやはりモノクロCCDの画像には透明感と輝きがあります。今回はL画像がお話にならない状態でもこの程度ですからモノクロCCDにはまだ余力があるでしょう。ただSSPでもフィルターを使わず、露出も10分程度で枚数を稼いでいれば、今の画像処理技術でなんとかなりそうな気がします。 |
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これが一番良い!、ようにも見えなくもなく・・・ | 2012.7.14 うーん、なんだかよくわかんなくなってきました。結局L画像の後半と撮り足したRGBは何の役にも立っていませんね・・・ PixInsightは微妙です。やっぱりフラットをきちんと撮影すべきなんでしょう。今回はしませんけどね。 それからAtik383L+を使い始めてから鏡筒にかかわりなく明るい恒星に光条がでます。なぜでしょう。どこかに回折像ができる構造があるのだと思いますが、分かりません。 |
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2012.7.10 Sh2-155付近 L:10min.*8, RGB:各10min.*2 Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド CCD再接続時に回転したためトリミングあり。ちゃんとマークしないといけません。 |
2012.7.13 今回は鏡筒の調整中の撮影なのでフラットフレームの撮り直しをせずに、古いフラットでお茶を濁すことにしました。PixInsightの背景処理はABEを使いましたが、最初FunctionDegree=4としたので暗黒部の構造が強調されました。残念ながらなんとなく星雲全体が不自然です。そこでFunction Degree=2としてやり直しました。暗黒帯周辺の微細構造は4より劣りますが星雲全体は平坦になります。 そもそもL画像の後半分は月が出てからの撮影ですし、RGB画像も2枚目のGBはあまり良質とはいえないので、この辺が限界だと思います。 肝心の鏡筒調整の方は周辺に青の収差が強く出ているのでまだ不完全です。2012.6.25白鳥座Sh2-101を撮影したときよりまともな状態で赤の収差は見られませんから、あと少しという感じです。 これまでの経験だと、次回は上手く行きそうだと思うと意外な結果が待っているので安心は出来ません。 |
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2012.6.27撮影 ケフェウス座周辺 20枚コンポジット EOS40D改 AF Nikkor 50mm F1.4(F4) ISO800 6分 スカイメモR |
2012.7.10 5回目の処理でようやくまとまった感じがします。色々悩みましたが派手な方を採る事にしました。 今の所PixInsightはカラー変換後コンポジットが終った画像で処理を開始しています。ベイヤーRGB変換を行うソフトは沢山ありますが、MaxImDLのディベイヤーは私が試した中では最良の結果となります。ぱっと見た感じあまり良い変換に見えませんが、PixInsightで処理を行う場合には非常に良い状態になっていると思います。 PixInsightで仕上がりに大きく影響するのは、背景処理に関わる3つのプロセスです。 1、BackgroundNeutralization 2、ABEあるいはDBE 3、ColorCalibraion この後Histogramtransformationを行ってから、CurvesTransformationでLabを調整します。 最初の頃は、Tiffで書き出してフォトショップで仕上げをしている最中に、上の3つに問題があったことに気が付いて後戻りせざるを得ないことがよくありました。特に3、ColorCalibraionは、どこに白の基準を求めるかが重要です。解説を読んでもその辺はかなり慎重に設定すべきであるとなっています。銀河など基準に使える構造がないと星を基準に使う事になります。天の川の白い部分(天の川銀河も比較的ガスの薄い領域は基本白と考えて良いのでしょうか。)を決めるのは面倒です。 背景も広い範囲を選択するか狭い範囲をピンポイントで指定するかでも結果が変わります。 おそらくPixInsightの処理で最も再現性がないプロセスがColorCalibraionだと思います。指定領域を座標で記録しておいた方が、後々良いかもしれません。 ここからは私の想像です・・・ このColorCalibraion処理が上手く行くとLabのbチャンネルに余裕が生まれます。デジタル一眼では青の情報が少ない画像を上手く処理できない場合が多いですが、データがリニアな状態で白い星を基準にホワイトバランスを調整してくれるので後の処理が楽になります。青があるということは鮮やかな黄色が使えるということになるんですね。 |
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2010.8.2 撮影 EOS40D改 carl zeiss Planar85 F4 6min.*4 ISO800 ノーフィルター スカイメモR |
2012.7.5 しつこいですがもう1枚。真夏の非冷却、たった4枚からでも上の画像を作ることが出来ました 。 2年前の処理は如何にもS/Nの悪い画像を無理やり強調した感じです。当時の技術では、まあこんなものかなと言うところですが、画像自体はそれほど悪くないのです。スカイメモではガイドがかなり流れているので85mmではオートガイダーは必要だと思います。40D(改)は頑張っていると思います。 シャッターさえ調子良ければまだ使えそうです。 60Daと冷却改造60D、両方欲しくてどちらかに決められないですね。やっぱりレンズにしておこうか、でも飛びつきたくなるような新製品は出ないだろうか・・・ |
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2012.6.27撮影 白鳥座周辺 13枚コンポジット EOS40D改 AF Nikkor 50mm F1.4(F4) ISO800 6分 スカイメモR |
私はモニターのカラーキャリブレーションを行う環境を持っていないので、実際に全く同じ画像を見ていただけないのは気掛かりですが、所詮自己満足の世界なので大目に見てください。 前の処理より若干星雲の解像度が良くなりました。このレンズでは星像がこの程度なので限界です。ただ50mmレンズとAPS-Cサイズの2世代前のデジタル一眼で網状星雲の赤と青が描写できれば十分です。 私はこれまで稚拙で我流ながら自分が思いついた画像処理の技術を事細かに書き残してきました。今回も手順等は書きますが、使ったソフトとか手順とかを並べても同じ結果を得ることが出来ないと思います。なんというか微妙な部分が多いです。 まず、ベイヤーRGB変換はMaxImDLを使います。ダーク、フラット補正は別にやっておいても良いですし、MaxImのStackで補正を含めてカラー変換まで一緒にやっても良いと思います。結果は32bitのFitsファイルで出力します。 この後PixInsightを使用してステライメージのデジタル現像に相当するHistogram Transformationまでを行います。読み込んだ画像のRGBworkingSpaceを補正した後にL画像を取り出します。これをL画像として最終的に擬似的なLRGB合成を行うことも出来ます。RGB画像の方は決められた段取りで処理してHistogramTransformation後にSaturationを強調し、その後a,bチャンネルを補正します。このときbチャンネルの補正の仕方が重要ですが、「こうすれば何でも上手く行く」というものはまだ見つけられません。このRGB画像をTiffで書き出して、フォトショップを使って通常通りに処理を行い、最後にLab分解してL画像をPixInsightで仕上げたLと合成して恒星に輝きのあるL画像を作成して再度Lab合成して綺麗になれば完成です。この辺もただ入れ替えたから綺麗になるわけではなく、画像の状態に応じた工夫が必要です。 等倍切り出しは50mmレンズ+デジタル一眼(非冷却)とは思えない解像度を実現していますが、これも取り出したL画像を上手い具合に(これが自分でも良く分からない)調整する事で実現できました。 |
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2010.12.10撮影 いっかくじゅう座の散光星雲 EOS40D改 carl zeiss Planar85 F2.8 10min.*4 ISO1600 LPS-V3FF ダーク補正+ フラット補正+ Vixen GPD+AGS-1L スマートガイダー |
2012.7.1 一昨年、同じ非冷却40D改造機で撮影した画像を、新たな画像処理でやってみました。 2010年のバラ星雲周辺では星の色が全くない事が分かります。新処理のメリットは星雲周囲の天の川の白さが増しただけで星の色も星雲の階調にも大したメリットは感じられません。 同じ処理をしているのに星に色がない原因は何処にあるのでしょう? 下に両画像の相違点をあげてみました。
どれか原因だと思いますか?どれか1つかも知れないし、全部かもしれません。 言える事は画像データに無い物は、どうやっても無いという事が画像処理の限界ということです。逆にデータとしてあるものを全て有効に効果的に引き出す事が理想的な画像処理だということです。 「全て」というのは、星雲、星、背景に与えられた情報全てです。どれか1つだけが綺麗でもうまくありません。しかし、このバラ星雲では撮影時の設定で既に星の色はないので、星雲の表現に全てをかけるという画像処理スタイルもありでしょう。その意味でISO1600が悪いとかV3を使うなとか言っているわけではありません。V3を使って淡い散光星雲をあぶり出す楽しみだってあってよいと思います。 そんなときは星は邪魔なだけで、どうでもよいのです。 今回の技術的前進はそういう過程での進歩でありません。 天体写真を処理する方は大抵、RAW画像をカメラから取り出して、ダーク減算やフラット補正をして、自分でベイヤーRGB変換していると思いますが、カラー変換の善し悪しを何を基準に決めていますか? 変換時の星雲や星の発色を基準にしてませんか? ベイヤー配列からカラー合成されたRGB各チャンネルはどんなデータを保っているのでしょう。 それら相互のバランスはどうなっているのでしょう。 具体的に置き換えると、 なぜデジタル一眼の星はモノクロCCD画像のような鮮やかな黄色にならないのでしょう? なぜ同じ散光星雲を撮影しても赤の色調に差が出るのでしょう? なぜデジタル一眼の天の川は赤くくすんで、青白く輝かないのでしょう? |
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2010年の処理 |
2012.6.27撮影 ケフェウス座周辺 20枚コンポジット 以前の処理と比較するとその差が歴然です。 |
2012.6.30 前の処理では若干黄色が強かったです。Labの処理にまだ慣れていないので思うように行かないのですが、ようやく修正方法が分かりました。 これまでデジタル一眼で左の色調を作ろうとすると、チャンネルごとにマスクを作ったり、情報量の少ない青を苦労して強調したり、手の込んだ処理が必要でした。それでも左の旧処理のような感じで綺麗な白を表現できませんでした。昨年からモノクロCCDを使うようになり、撮影時に青の情報さえ豊富ならば、鮮やかな黄色の星や、真っ白な天の川を簡単に表現できることが分かり、一時はカラーCCDとの決別を考えたりしました。 しかし、デジタル一眼で撮影した画像でも特殊な方法を使わずに、モノクロCCDに近い色彩表現と星像・星色が手に入る事が分かったので、 これからもデジタル一眼を使っていこうと思います。 肝心の処理方法ですが、 名古屋の味噌カツで、食通やグルメレポーターから絶賛された秘伝のタレの秘密を絶対語らない店、ローマのピザ屋で弟子にも絶対教えないピザ生地のレシピと似たようなもので、今のところ解説する勇気がありません・・・(両者とも単に語るべき特別な物は何もなかったのです) |
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2012.6.27撮影 白鳥座周辺 13枚コンポジット ケフェウス座周辺 20枚コンポジット さそり座 2012.4.28撮影 AF Nikkor 50mm F1.4(F4) ISO8006分 26枚コンポジット EOS40D改 AF Nikkor 50mm F1.4(F4) ISO800 6分 スカイメモR |
2012.6.28 去年の秋頃から、デジタル一眼とカメラレンズで撮影した画像を綺麗に仕上げる工夫をしていました。 本当に試行錯誤の連続で、自作ソフトまで投入してモノクロCCDに負けない星像と色調を目指していました。もし最近の記事を丹念に読んで下さっている方がいたら、よくも飽きずにと感じていた事でしょう。 私が感じた問題点は 1,恒星について ・周囲の広がりが無い ・周囲に色のリングがでる。 ・中心部の白抜け部分が大きい 2,色調について ・青の情報量が少ない=Labのbが貧弱 ・背景に(主として)緑の色ムラがでる ・カブリの除去が難しい 3,解像度について ・ベイヤーRGB配列の素子ではモノクロより解像度が劣る 等々です。 これまで延々と遠回りしていた画像処理手順がふとした発想の転換で、簡単にしかもより効果的に実現出来るようになってしまいました。せっかく作りましたがRGB分解・補間ソフトはお蔵入りです。 まあ、私のレベルでのお話なので、「未熟者が、たわけた事をぬかしおって、ほっほっほっ」って方もいるでしょうが、とりあえず一歩前進です。 いよいよ冷却一眼なり60Daなり、カミソリマクロでも投入してみたくなりました。 |
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さそり座 2012.4.28撮影 EOS40D改 AF Nikkor 50mm F1.4(F4) ISO8006分 26枚コンポジット スカイメモR |
2012.6.9 冷却機能を持たないAPS-Cサイズの改造一眼と50mmレンズ、スカイメモRによるガイドという撮影条件で得られる限界(あくまで私の)画像です。現時点ではこれ以上はどうにもできません。 1、半球フラットの使用でフラット補正が正確。(変光星観測やトランジット法の分野では積分球フラットは一般的?) 2、PixInsightで元画像を作成しているので主観的処理が少ない。 3、RGB分解・補間法でRGB合成しているのでカラー一発撮りにしては星が綺麗。 4、RGB分解・補間で星が肥大化する欠点を新たな方法で補正しているので星がうるさくない。 夏の散光星雲では85mm+SSProを使いたいのですが、肝心なパーツは何時届くのでしょう・・・・ |
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さそり座 2012.4.28撮影 上下ともELワイヤー+半球で作成したフラット画像で補正。 上: RGB分解・補間 PixInsightでRGB合成 下: ステライメージでベイヤーRGB変換 デジタル現像 フォトショップで処理 EOS40D改
AF Nikkor 50mm F1.4(F4) ISO800 6分 26枚コンポジット スカイメモR |
2012.6.3 ようやく納得がいきました。詳細はこちらから
web用に縮小した状態では両者の比較は難しいので、主要部分を50%で切り出しました。 上のRGB分解・補間、PixInsightでRGB合成した画像は、最近私がこだわり続けたデジタル一眼画像の欠点克服をある程度実現しているように思えるのですが、いかがでしょう?解像度の面でモノクロには絶対及びませんが、星の描写という点でデジタル一眼の欠点をかなり改善出来たと思います。一眼デジカメでの撮影は機動力の面で捨てがたいものがあります。画像処理でここまでカバー出来るなら、これからも一眼デジカメでの星野写真を楽しんでいけると思います。 |
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NGC4631(Whale銀河) 2012.5.18, 20 VC200L(1800mm), Atik383L+, L:10min.*12, RGB: 5min. 4:4:4枚 2*2ビニン アトラクス改(K-ASTEC), AtikTitan+三つ星OAG, MaxImDLPro5にてオートガイド |
2012.5.26 2晩撮影して画質は上がったのですが、解像度はそれ程良くならず、星は大きくなってしまいました。銀河の撮影は難しいです。 ごまかす画像処理の最高峰は縮小です。PinPointのおかげでコンポジットロスが少ないので可能な限りトリミングを少なくして、縮小率を上げました。小さいだけで撮影ノートの画像より解像度が高いような錯覚に陥りませんか? 縦位置なのはフラットを撮り直すのが面倒だから、背景が30なのは、50で整えるのは面倒だからです。まったくグータラ撮影・画像処理で申し訳ないのですが、気合が入るような条件ではなかったので、ご容赦ください。 いつか再撮してみたいです。 |
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M63(ひまわり銀河) 2012.4.27 VC200L(1800mm), Atik383L+, L:10min.*10, RGB: 5min. 4:4:4枚 2*2ビニング アトラクス改(K-ASTEC), AtikTitan+三つ星OAG, MaxImDLPro5にてオートガイド |
2012.5.6 M101, M51, M63と段々透明度が良くなりました。1か月に3枚もメジャーな銀河を撮影出来るとは幸運でした。VC200LはF9なので10分露出ではかなり暗いです。そこで枚数を稼がないとS/Nが悪くなります。透明度が最悪だったM101は19枚撮像していますが、透明度の良かったM63に及ばない程度なので、やはり空の状態が重要な事が分かります。M63はコンポジット画像を見て外縁の淡い腕が写っているので驚きました。しかし透明度が悪いと淡い部分は写りませんが赤が良く写ります。M101のHⅡ領域はナローバンドフィルターを使ったかのような写りです。もちろん実際は夕焼けのように、ただ長波長が強調されているだけなので嘘臭い感じがします。 ひまわり銀河は撮像が天頂にかかてしまったので鏡筒反転するまでの数枚がガイド不良です。これを捨てれば星は丸いのですが周辺の淡い部分を残したかったのでそのまま使いました。その代わりPixInsihtで銀河中心部分をDeconvolutionして構造をクッキリさせる事で「ひまわり」らしくしてあります。発色はPixInsightのホワイトバランス任せで手を加えていません。LRGB合成時に色彩強調しています。HDR MultiscaleTransformを加減してDeconvolutionを強めにすると上の画像のように平面的になります。ひまわりならこちらが良いのかもしれませんが、L10枚では背景のノイズもかなり強調されます。渦巻きを強調して背景を落ち着いた感じに仕上げて完成としました。 この画像で気になるのは像を結ばない微光星が沢山あることです。画像周辺だけではないので、ひょっとして銀河?とも思いましたが、ノイズと微光星が重なっているようにも見えます。よくわかりません。 ついでに、MaxImDXに付属しているPinPointELのお陰で、赤道儀の設置精度がそれほど厳密でなくても鏡筒反転が手軽に出来るのでありがたいです。 |
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M51(子持ち銀河) 2012.4.20 VC200L(1800mm), Atik383L+, L:10min.*8, RGB: 5min. 4:4:4枚 2*2ビニング アトラクス改(K-ASTEC), AtikTitan+三つ星OAG, MaxImDLPro5にてオートガイド |
2012.4.22 1週間に2回も撮影出来るとは思いませんでした。 M101とは打って変わって強風下の撮影になりました。色々やってみましたが星像は伸びてしまいました。やはりシーイングキャンセラーが必要です!多分手に入るのはORIONのSSAOくらいだと思います。国内販売されている事が分かったので欲しくなってしまいましたが、ドライバーはXPに対応していない様なので撮影環境をWindows7にしないといけません。多分1800mを振り回すのも、この春は後1回くらいだと思うので、来年に向けて長期計画を立てようと思います。 さて、このM51もPixInsightで処理していますが、今回は相対的に赤が弱いです。M101と比較して青が2倍ほど強くなっています。空の状態なんでしょうか?よく分かりませんが、PixInsightだと大して苦労せずここまで色調を調える事が出来ます。撮影ノートでは人工衛星の軌跡が残っていますがStackしたときにはMaxImDLでシグマクリップを使って綺麗に消えたように見えていました。今回はPixInsightで結果を見ながらやり直しましたが、やはり完全には消えませんでした。僅かに残ったシミをレタッチで消してあります。 |
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M101(回転花火) 2012.4.18 VC200L(1800mm), Atik383L+, L:10min.*19, RGB: 5min. 4:3:4枚 2*2ビニング アトラクス改(K-ASTEC), AtikTitan+三つ星OAG, MaxImDLPro5にてオートガイド |
2012.4.22 せっかく桜が満開なのに、今日は仕事で一日拘束です。 暇なので画像処理をのんびりやっていました。 上はPixInsightで処理、下はステライメージでRGB合成、DDP、LRGB合成を行って、従来通りフォトショップで仕上げました。 下の画像も画像復元を使えばもう少ししまった感じになりそうです。 両者を比べて分かった事は、PixInsightではカラー情報を簡単に引き出せるが、背景ノイズは多くなると言う事です。PixInsightではLRGB合成後の背景処理に手間がかかり、ステライメージでは銀河の色を表現するのに手間がかかります。好みもあるでしょうが、銀河は色彩豊かな方が好きです。背景処理が難しいと言っても何とかなるので、この手の対象にはPixInsightを積極的に使っていこうと思います。 |
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M101(回転花火) 2012.4.18 VC200L(1800mm), Atik383L+, L:10min.*19, RGB: 5min. 4:3:4枚 2*2ビニング アトラクス改(K-ASTEC), AtikTitan+三つ星OAG, MaxImDLPro5にてオートガイド |
2012.4.20 L画像19枚は自己最高記録です。空があまり良くなかったのでパッとしない写りですが、PixInsightを使うと簡単に銀河の発色が良くなります。問題は「色調」です。フラット補正した場合はRGB画像でDBEを使わない方が色むらが発生しにくい事は分かりましたが、Background NeutralizationやColor Calibraionを使っても銀河の色調を整えるのは難しいです。 そもそも銀河の色は難しいです。PixInsightはどうにでも出来るだけに、落とし所を決めかねます。 上:何も考えずに通法通りに処理 中:DeconvolutionとMorphologyを使ってギンギンに処理。背景が潰れて油絵のようです・・・ 下:ちょっと反省して、全てを70%程度に抑えて、色調も和風に処理 |
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2012.4.9 M97 ふくろう星雲 VC200L(1800mm) Atik383L+ L:10min.*9 RGB:各5min.*2(ビニング) アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+三つ星OAG MaxImDLPro5にてオートガイド |
2012.4.11 昨晩も晴れる予報を信じて準備していたのですが、撮影できるような空にはなりませんでした。仕方が無いので、2*2Binningのダークやらフラットを撮影して、ふくろう星雲を仕上げることにしました。 手順は以下のようになり、これまでの画像処理とはかなり異なります。 1、MaxImDLでダーク減算、フラット補正、Stackし、R, G, B, Lを作成。 2、PixInsightで位置合わせ後RGB合成。RGB画像、L画像を調整し、LRGB合成、ノイズ軽減。 3、PhotoShopで仕上げ VC200L,F9だと暗いM97ではL画像9枚では足りません。無理に強調しているので背景のざらつきを抑えることが困難です。特に後半霧が出たようで画質が悪化しているのも原因かもしれません。 PixInsightでカラー化までの処理を行うと労せずして綺麗なカラー画像が短時間で得られます。ただし、PixInsightで細かな点を気にするとなかなか思うように行かないので、全体のイメージでザックリ仕上げて、最後の微調整をPhotoshopで行ってみました。 追加 背景で赤が抑えきれないので全体に赤のレベルを下げて、ついでに星も小さくしました。 こんなものでしょうかね。 |
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トリミングあり | 2012.3.16撮影 M108 VC200L(1800mm F9) Atik383L+ L:10min.*7 RGB:各10min.*2 アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+三つ星OAG MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.4.5 フィルターホイールが緩んでピンがずれ、強風でガイドは±3ピクセルほどの大荒れだったので、こだわる画像ではないのですが何しろ新潟は晴れません。あるモノは何でも食べるゴキブリ的画像処理です。 PixInsightは凄いですね。何が凄いって毎回LRGB合成時の色調が異なります。同じように操作してるつもりですが、どこかで何かが違うのでしょう。何回もやっているとさすがに今回はどうなるのか予想が付くようになり、駄目そうなときは振り出しに戻るようになりました。全部理解して操作すればちゃんと思い通りになるのだと思いますが難しい・・・ 幾つか感じた事を覚え書きにしておきます。 ・DynamicBackgroundExtractionではNormalizeをチェックして背景色のバランスはあまりいじらない方がよい。 ・きちんとフラット補正を行った画像の単純なカブリを補正する場合、Dynamic Background Extractionのsample数は少なめが良い。 ・SCNRでGノイズを軽減するときは控えめに ・StarMaskで星マスクを作る時(間抜けな書き方だな・・・)は背景レベルを下げた方が調整が楽。 ・Morphologyで星像を縮小する場合、StarMaskを使用すると明るい恒星周辺が若干暗くなる(左上画像参考)。 Deconvolutionの効果は凄いがL画像のクオリティーが低いと背景にノイズが出る。マスクで抑える事は出来ても境界部分などは完全でない(左下画像参考)。 ※新しいwindowで開くのでMorphology画像とじっくり比較して下さい。所詮ピンぼけですが効果は分かります。 |
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2012.4.2 EOSKissX5無改造 ISO3200, 10sec 等倍画像 固定撮影 |
2012.4.3 X5はISO3200を使うことが出来ますが、実際写してみるとざらついた感じで星景写真にはどうかな?という画質です。 もちろん現像時にCameraRAWのノイズ軽減は使っています。 そこでRGB分解・補間ソフトを使って、R・G・B3枚のモノクロ画像を作ってPixInsightでRGB合成してみました。やはり解像度は悪くなりますが、画像全体の滑らかさは良くなるような感じがします。右下の街灯の光り方や、左側曇天と白い山の分離は勝っているように見えませんか?赤いノイズはダーク減算すれば問題ないと思います。 PixInsihgtで使用したProcessは ・LRGB Combination ・ColorCalibraion ・AutomaticBackgroundExtractor ・HistogramTransformation ・ACDNRとSCNR ISO3200で星景写真が撮れると固定撮影でも、かなり星を丸く出来ます。比較明合成するときは関係ないですけどね。 |
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M31 2011.9.24撮影 L:10min.*5, RGB:各10min.*1 Hα:20min.*2 MiniBorg60ED+0.66DGT ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) DSIPro+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.3.24 3月に入ってPixInsightをかなり勉強しました。これまで使っていた機能だけでも結構満足していたのですが、LRGB合成のビデオを観てこれまでの間違った認識や知らなかった使い方が分かりました。 勢いでPixelMathにも挑戦してみました。 Ha画像をRGBに合成するチュートリアルを参考に去年撮影したM31を処理してみました。Ha領域が鮮明に表現できたと思います。PixelMathは名前の通りピクセル間の数学的演算をやってくれるProcessです。簡単に言えば 画像1-(画像2+画像3)/2 と自分で式を立てると演算結果を画像として出力してくれるというものです。 ちなみにHa領域を合成する式は Ha'=((Ha*100)-(RGB*12)/(100-12) :基本12の部分はナローバンドの幅みたいです。 合成R画像=R+(Ha'-Med(Ha'))*4 :Med=Median http://www.harrysastroshed.com/pixinsighthome.htmlから引用しました。 定数の100と4は結果を見ながら適当に変更しているので、それほど厳密な物ではなさそうです。普段フォトショップでやっている画像処理も内部では全て数学的に処理されているのでしょうから、それを明示的にやっているだけだと思いますが新鮮です。 誤解が無いように追加しておきます。PixInsightで処理するとアンドロメダが骨格標本のようになるわけではなく、HDR Multiscale Transformを強めにかけると明るい部分の構造がみえるのです。 |
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2012.3.16 M108 VC200L(1800mm) Atik383L+ L:10min.*7 RGB:各10min.*2 アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+三つ星OAG MaxImDLPro5にて オートガイド |
2012.3.21 久しぶりに撮影した画像を、初めてPixInsightでLRGB合成しました。今回、銀河の撮影にしては非常に貧弱なRGB画像にもかかわらず、銀河内を色彩豊かに表現できるので驚きました。 これはPixInsightのLRGB CombinationとHDR MultiscaleTransformのお陰であることは間違いありません。これまで使用している他のソフトではこれほど簡単に色調を表現することは出来なかったでしょう。 それならば、カラーCCDや一眼デジカメで撮影した画像のRGBからL画像を取り出して、HDR Multiscale Transform, Deconvolution, Morphologyなどを行った上で、LRGB Combinationで改めてLRGB合成すると、とても良い結果が得られるのではないか?と考えました。近日中に実験します。 ついでに、PixInsightにはRGB画像をLab変換しL画像を取り出すProcessがあります。この種のカラー分解は他のソフトにもありますが、PixInsightではRGBWorking Space ParametersというProcessがあり、L画像取り出し前にこれでRGBのWeightを均等にするよう書いてあったりして、ちょっと他と違うような感じで有難味があります。 |
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従来の処理 |
M45 2011.10.24 L:10min.*6, RGB:各10min.*1 MiniBorg60ED+0.66DGT ATIK383L+ |
2012.3.14 2009年に購入したPixInsightです。 これまでは背景の処理や画像復元などを断片的に使っていたのですが、人に勧めたこともあり、自分でもまじめに使ってみようと思いました。ダーク・フラット補正が終わったL, R, G, B, 4画像からLRGB合成する手順を解説するVideoTutorialsがPixInsightのページにあります。基本的な使い方も同時に見せてくれるので、初めて挑戦するにはおあつらえ向きだと思います。ステライメージ等とは考え方が異なるので理解するのはなかなか面倒ですが、Videoの手順通り何も考えずにやってもこの程度になります。それぞれのProcessが非常に高機能ですね。Previewも便利です。あとはインスタンスという概念を理解すると使い勝手が飛躍的に向上します。新しいインスタンスを作ると、そのProcessの設定値を一時保存したり、他のProcessで利用したり、ドラッグ&ドロップして画像に反映したり出来ます。他のソフトではあまり見ない考え方ですね。 実際に処理する場合はMaxImDLでダーク減算やフラット補正を終わらせて、スタックもMaxImDLで行った方が簡単で良いかもしれません。今回はPixInsightにもシグマクリップのような機能はあるので試しにPixInsightでスタック(ImageIntegration)も行いました。あらかじめStarAlignmentで位置合わせをした画像を保存しておかなければならないのは面倒ですが、綺麗に重なります。 一方ステライメージで処理した画像を読み込むとレンジがおかしくなる事があるので注意が必要です。 去年冷却CCDを購入し、今年は機材にお金をかける気はないので、PixInsightでの画像処理を深めてみるのも面白いと思っています。記事が貯まったらPixInsightのページを再開します。 |
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RGBルーペで グラフ表示 |
バラ星雲 左上 77EDⅡ+レデューサ7878(F5.2) 20min. 1枚 Orion StarShootPro ノーフィルター 右上、下 20min.*2 Borg125SD+BorgF4DG(F3.9) Orion StarShootPro LPS-V3フィルター |
2012.2.24 大雪で撮影チャンスも無ければ撮影場所も無い、除雪疲れでモチベーションも上がらない。 ないないづくしの2月です。22日は久々に晴れたのですが、薄雲だか霧だか低空の星は全く見えなかったので佐潟での撮影を止めて炬燵でゴロゴロしてました。 ネタもないのですが・・・ これまで何回か撮影したバラ星雲です。、あまり綺麗ではありません。最大の原因は撮影枚数が少ないことです。撮影スケジュールの都合で、なぜか中途半端になってしまうのです。カラーでは多数枚コンポジットが画質をあげる最善策ですが、1枚とか2枚ではお話になりません。結果、透明感が無いですね。 右上はバラ星雲周囲にある淡い部分を強調するために周囲のレベルが70程度になっていますが、鮮やかさという点では下のように周囲を50以下にして星雲内部で階調を出来るだけ広く使う方がよいでしょう。残念ながらLPS-V3の副作用もあって星の色がありませんし、画質を上げないと透明感は出ません。V3を使ったり淡い部分を無理に強調すると、確かにバラ周辺の広がりが分かるので面白いのですが、バラ星雲本体はあまり美しくなりません。 今年はモノクロCCDで「星が綺麗な」バラを撮影しようと思います。 |
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オリオン座中心部 上:2012.1.24 326sec.、ISO800 EOS40D改 carl zeiss Planar85 F4(トリミング) コンポジットなし 下:2006.12.12(22:30-23:30頃) 15min.露出 E200+2 NikonAiS180ED(F2.8) Nikon F601 スカイメモR ノータッチガイド |
2012.1.26 新潟市内も大雪となり、朝から小路の除雪で汗を流しました。黒川の国道沿いは降ってなかったのが不思議です。 運良く24日に撮影したオリオン座ですが、自分のホームページを探してみたら2006年に、今は無きコダックE200で撮影してました。F2.8で15分露出、2段階増感でもF4のデジタル5分にかないません。こんなモノでしたでしょうか?NikonAiS180EDはデジタルでも通用するレンズだと思いますが、解放F2.8だとちょっとしまりがないですね。周辺減光もあります(フィルム時代はフラット補正しませんでしたね。当たり前?モノクロだとプリントするときに丸い団扇のような物を作って覆い焼きした事はあったかも?)。とにかく当時は馬頭星雲が写っていると喜んでいたと思います。リバーサルはカメラやさんでちらっと確認する瞬間が一番綺麗に見えましたね。家に帰ってシャーカステンに乗せてルーペで見るとガッカリしたりして。 デジタルになってからは、一枚当たりの露出は短くなりますし、ノイズ除去、フラット補正、コンポジットと画質を向上させる技術を駆使すれば、簡単な機材でも驚くほど綺麗な作品を作れます。これが天体写真の敷居を下げてくれると良いのでしょうが、逆にデジタル対応機材の高額化と買い換えサイクルの短縮が災いしているような気がします。ミラーレス一眼で天体写真向きのが出ると携帯赤道儀と組み合わせて面白そうですね。 |