デジタル撮影2010年分

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上:2010.12.10
EOS40D改
carl zeiss Planar85 F2.8
10min.*4 ISO1600
LPS-V3FF
ダーク補正+
フラット補正+


下:2010.12.6
EOS40D改
carl zeiss Planar85 F2.8
9min.*8 ISO800
LPS-V3FF
ダーク補正+
フラット補正+


Vixen GPD+AGS-1L
スマートガイダー     
2010.12.23

ISO800とISO1600の違いについて

上は透明度が非常に高く、下は若干薄雲が通過したりしているので、大気の状態が異なりますが、 ISO800:8枚と、ISO1600:4枚の比較です。ISO800の方は9分ですが、そこはちょっと大目に見て下さい。

CCDでは、露出10分8枚と露出20分4枚で比較すると20分4枚の方が淡い部分の写りが良くなりますが、ISOと言う設定はありません。フィルムカメラの世界では露出を延ばす代わりにフィルムのISOを上げることで、暗い状況に対応出来ますが、デジタルでは露出を2倍にする事とISOを2倍にする事はフィルムとは別の意味で異なります。デジタルカメラでのISO設定はフィルム感度の概念をデジタルに持ち込んだだけで、カメラ内のハードは同じですから、元データはISO800でもISO1600でもおそらく変わりないと思っています。問題はRAW画像として出力する際に16bit->14bit変換の時点でレンジを切り詰めて何らかの画像処理を行うことで感度の差を作り出してると言うことだと理解しています。、ISOの高感度設定が可能な新型機は、より高感度低ノイズなCCDなりCMOSを搭載しているのでしょう。

そのような目で上下2枚を比較すると、ISO1600の方が淡い暗黒帯がはっきり見える代わりに星が煩く、星雲の階調幅に乏しい気がしてきます。画像処理の細かな部分は同じではないですが、同じ人間が同じようにやっているので、それほど大きな違いはないと思います。
2010.12.10
オリオン座中心部
EOS40D改
carl zeiss Planar85 F2.8
10min.*4 ISO1600
LPS-V3FF
ダーク補正+
フラット補正+
Vixen GPD+AGS-1L
スマートガイダー    
2010.12.15

画像処理とはこういうものだ!なんて言ってみてーーっ

と言うわけで、PSのレイヤーを駆使してのインチキHDRで階調幅を部分的に押し広げて見所強調です。ついでにCameraRaw6の諸機能、PixInsightのDSE、SI6のお決まりフィルター、何でもやりました。

この辺が限界ですね。
2010.12.10
オリオン座中心部
EOS40D改
carl zeiss Planar85 F2.8
10min.*4 ISO1600
LPS-V3FF
ダーク補正+
フラット補正+

Vixen GPD+AGS-1L
スマートガイダー   
2010.12.12
10日の晴れは12月の新潟としては奇跡的でした。透明度も抜群で外気温も低かったので旧式非冷却一眼の限界性能を出せたと思います。V3は青が出にくいですがHU領域には強いのでこの辺を撮るには向いてますね。ゴーストも左隅のサイフで少々気になる程度です。

画像処理は星雲メインなので夏のはくちょう座とは逆に星雲を強調する方針で進めました。この画像では露出を稼ぐためにF2.8でISO1600ですから星像は今一つで色も無いので星は邪魔なだけです。

バーナード・ループは私の少年時代にはカラー撮影の象徴的な対象でした。当時は赤く写れば良いと思っていたのですが、今となっては赤一色というのも味気ないなんて贅沢な事を考えるようになってしまいました。

2010.12.14
ちょっと赤すぎたので、修正しました。ダストリダクションがあるとホコリの位置に再現性がなくフラット補正の効果半減です。下の画像はホコリの影を、ちょっと繕ってあります。
2010.12.6

ぎょしゃ座Sh2-240
EOS40D改
carl zeiss Planar85 F2.8
9min.*8 ISO800
LPS-V3FF
ダーク補正+
フラット補正+

Vixen GPD+AGS-1L
スマートガイダー   
2010.12.8

ギリギリ8枚なので、飛行機が通過したコマも是非使いたいと思いました。飛行機や人工衛星は多数枚撮影した内の1枚なので、完全に消してしまうことが可能です。飛行機の軌跡を、飛行機が写っていないコマと入れ替えてしまうことで、肝心な部分のコンポジット枚数は維持することが出来ます。勿論軌跡の部分は同じコマが2枚入るので、コンポジット枚数が少なくなることになりますが、完全に消すことが出来ればそれくらいは目を瞑りましょう。最近は飛行機や人工衛星などはあまり消さずに仕上げてるのですが、今回は重要な部分にかかっているので消しました。

もう1点、雲の通過による恒星の滲みについてです。ゴーストと似てますが、実はゴーストよりずっと厄介です。ゴーストはゴーストの中の微光星は周囲と同じレベルに写っていますが、雲が通過して滲む場合、滲みの中の微光星が潰れてしまいます。滲みを軽減してもそこに何もない空間が出来てしまうのです。注意深く画像の明るい星を見て頂ければはっきり分かります。質感を誤魔化す事は出来ますが、潰れてしまった微光星はどうにもなりません。 
2010.11.6撮影

IC348+NGC1333

77EDU+レデューサ7878(F5.2)
20min.*5
Orion StarShootPro
ノーフィルター

VixenGPD+AGS-1L
DSIpro+PHDguiding      
2010.12.3 その3

CS5CameraRaw6のノイズ軽減について、カラーCCDで撮影したごく淡い分子雲に対して使用する場合の手順を考えて試してみました。

0,ダーク、フラット補正は通常通り行う。

1,SI6でディベイヤー後、分子雲が見えるレベルまでデジタル現像でレンジを切り詰める。1枚ごとにTiff保存する。

2,PS、CS5のCameraRaw6で開いてノイズ軽減のカラーのみ80程度まで、カラーのディテールはデフォールトとし、色調などはいじらずに保存。

3,再びSI6で開き通常通りコンポジット。

4,PSやPixInsightで通常の画像処理。NoiseNinjaなどで背景部分のノイズ除去もこれまで通り行う。

5,もう一度CameraRaw6を開いて拡大画像を見ながら輝度のノイズ除去を行う。20〜30程度を越えると解像度がかなり悪くなるので注意

欠点は最初に強力なデジタル現像を行うと、星の色が消えて、明るい恒星はかなり肥大化することですね。多分恒星周囲のゴーストが分子雲より格段に明るいのだと思いますが、何とかしたいですね。
 
2010.11.6撮影

IC348+NGC1333

77EDU+レデューサ7878(F5.2)
20min.*5
Orion StarShootPro
ノーフィルター

VixenGPD+AGS-1L
DSIpro+PHDguiding     
2010.11.28 その2

天気も悪いので、CS5を使って最初から処理をやり直しました。トーンカーブが使いにくいのは何とかなるのでしょうか?参考書がいりますね。

この領域は撮ってみて分かったことですが、南東側はノッペリしていて全く面白みがありません。もっと西側を広く 入れるべきでした。失敗作であることは間違いないのですが、CameraRaw6のノイズリダクションの凄さはよく分かります。完成したTiff画像からでも下に示す程度まで改善出来ましたし、処理前のコンポジット画像をあらかじめ処理することで、これまでカラーCCDの限界と思っていた淡い部分の色ムラも殆ど気にならない程度に抑えることが出来ました。分子雲周辺のひび割れた感じは、根本的に光が足りないためと思われますが、中心部分についてはこれほど滑らかになるとは驚きです。

ひょっとするとカラーCCDの大きな欠点をカバーしてくれる機能かも知れません。

使用前
2010.11.6撮影

IC348+NGC1333

77EDU+レデューサ7878(F5.2)
20min.*5
Orion StarShootPro
ノーフィルター

VixenGPD+AGS-1L
DSIpro+PHDguiding    
2010.11.28 その1

最近話題のCS5のCameraRaw6のノイズリダクションです。CameraRawの付属機能と言うことだったのでCCDには関係ないと思っていたのですが、Tiffでも使える事を知って試してみました。 決して良い作品ではないのですが、効果の程を示すには良い作例だと思います。滑らかになった分、色彩強調し、コントラストも上げてあります。

今回はF5.2とかなり暗い光学系が災いしてどうしようもない状態で放置していました。ノイズの輝度=80と強めに使ったので有るのか無いのか分からない分子雲の構造もかなり嘘臭く滑らかに表現されています。実際に使う場合は、ある程度良い画像でパラメータを加減してやれば強力な武器になりますね。

これまで使っていたNoiseNinjaとはノイズの消え方が異なる気がします。併用することで副作用を最小限に抑えることが出来るかも知れません。

ついでにCS5は操作系がCS3より洗練されていて使いやすいです。これはバージョンアップ確定です。

「機材を磨くより、自分の感性を磨け」という言葉を見つけて、なるほどと思っていましたが、感性に乏しいオジサンは画像処理を磨くのが最も経済的です。

webおよびデバイス用に保存

普通にJpeg保存
2010.11.18撮影
冠雪の飯豊とオリオン座

EOS40D改
SIGMA8-16mm(12mm, F5.0)
ISO400, 60秒


EOS40D改
SIGMA8-16mm(12mm, F5.0)
ISO400, 60秒
6枚比較明にてコンポジット

固定撮影   
2010.11.25

フィルムで撮影していた頃、固定撮影で星景写真を写す場合に、露出を短くして星を点にするか、露出を長くして軌跡を写すか、という選択は撮影時に決定しました。さらに、ぼかし用のフィルターや絞りの選択をそれぞれの場合に合わせて行う必要がありました。デジタルでは適正露出で撮影した画像を比較明でコンポジットするとそのままの明るさで軌跡を表現できるので、撮影前に思い悩む必要がありません。

星を点で表現する場合、フィルターを使わないと小さすぎて星座が分からないと言う問題が残りますが、それについてもマスク処理とスターエンハンスである程度克服することが可能です。なかなかフィルターを使った味のあるボケ加減にはなりませんが、星の色を潰さず大きくすることは可能です。 

最近RAP2でコンポジットするためDNG形式のファイルを使います。そうするとPS上の色調がTiffやJpegで保存した場合でもSI6で再現されません。左の画像もPS上では、下の画像も上と同じ色調で見えるのですが、Jpeg保存したファイルではこのように色調が異なってしまいます。「webおよびデバイス用に保存」を使うと問題なく同じ色になるので、何か見落としがあるのだと思いますが困っています。

2010.11.26
DNGから現像した画像は、編集->プロファイル変換で普段使っているプロファイルにすればOKなんですね。
2010.11.18撮影
冠雪の飯豊とオリオン座

EOS40D
SIGMA18-200mm(18mm, F4.0)
ISO800, 30秒
4枚比較明にてコンポジット


EOS40D改
SIGMA8-16mm(12mm, F5.0)
ISO400, 60秒
6枚比較明にてコンポジット

固定撮影  
2010.11.22

星景写真の画像処理を語れるほど経験豊富ではないのですが、今回の撮影では画角について考えさせられたので書き留めておきます。

星景写真では広角側に余裕のあるズームレンズが星座を意識して構図を決める上で有利であることは間違いないのですが、 果たしてそれが良い構図になるのかと言うことは充分考えなくてはいけません。

トリミング
2010.11.6撮影
IC2118(魔女の横顔)

77EDU+レデューサ7878
20min.*6
Orion StarShootPro
ノーフィルター

VixenGPD+AGS-1L
DSIpro+PHDguiding   
 
南天は自宅庭からだと撮影しづらいこともあり、初めて撮影しました。

撮像を見たときは思いの外良く写るので期待していたのですが、処理を初めて見ると東端と西端にリゲルが原因と思われる迷光のような光が入ってしまったので、トリミングしてお茶を濁す事にしました。

フラット補正は最初ピタットの合成フラット画像を使ったのですが、何となく荒れた感じがするので、フラット画像を使って普通に処理したところ非常に滑らかな背景となりました。レデューサ7878はもともと周辺減光が少ない上に、早出は非常に暗いので合成フラット画像は誤差が強調されるだけでメリットがなさそうです。

レデューサ7878は125SDで今一つの星像で残念だったのですが、Nikon1957さんのブログにあったように77EDUとの相性は良いですね。

ネット上のε180などの画像と比較するとかなり見劣りしますが、70mmクラスとしては頑張っていると思います。
2010.10.7撮影

125SD+レデューサF4DG
20min.*2、4コマモザイク合成
Orion StarShootPro
ノーフィルター
ダーク減算+
フラット補正+

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding 
2010.11.4
色々問題のある画像でしたし、途中失敗もありましたが、これで完成としました。 

ちょうどyottyanさんのブログで背景の話が出ていましたが、この画像の背景は50、最も暗い部分は45程度です。通常、散光星雲の画像処理では背景レベルより暗い暗黒帯が20〜30程度まで存在するのですが、この画像に関しては45以下の部分は均してしまったので全く表現されていません。原因はモザイク合成をしたために各コマの背景レベルがばらついてしまって、綺麗に暗黒帯を表現できないからです。非常に不本意なのですが、今回は撮影条件も悪く、モザイク処理の限界と諦める事にしました。

ところで、背景を均すということと、レベル50を割り当てる違いを画像処理に生かしていますか?ちなみにステライメージの参考書に書いてある背景処理は「均す」で、M31などの処理では有効です。これに対して散光星雲の処理では、画像のどの部分を50にするかよく考えて割り当てます。そして50以下になる領域は暗黒帯を表現するために使うようにしています。この場合、均す作業は暗黒帯の底以外極力行いません。
 

2010.10.18再合成
 2010.10.7

125SD+レデューサF4DG
20min.*2、4コマモザイク合成
Orion StarShootPro
ノーフィルター
ダーク減算+
フラット補正+

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding 

画質の相違についてはPSのノイズ低減とNoiseNinja処理した画像を40〜75%程度で重ねて揃えました。1枚40分かけると空の状態が大きく変わってしまうことがあり、モザイクには向きません。
2010.10,10(10が3つ並びましたね)

4コマモザイクですが、胎児に似ているIC1848を撮影しているときに雲が通過したようで、このコマの質感が他の3コマと極端に異なりギブアップしました。この辺が限界です。更に靄もあったのか北側に強いカブリ出てしまい東側2コマは信憑性の無い仕上がりです。

通常モザイクは元画像で行うのですが、今回はPSで一旦レンジを切り詰めてカブリや質感、色調を整えてからモザイクし、その後画像処理を行うことで何とかつなぐことが出来ました。

やはりモザイクは暗い遠征地で透明度の高く安定した天候の日に撮影しないと、仕上げるために手が入りすぎて胡散臭くなります。

2010.10.17
胡散臭いはずです。Photomargeに失敗してますね。印刷するまで気が付きませんでした。もう1度やり直すのもめんどくさいです。やっぱりこれは没です・・・

2010.10.18
と思ったのですが、よく考えたら画像処理してからつないでいたので、大した手間ではありませんでした。Photomargeを実行したら、つなぎ目の色調だけでなく重なり具合もしっかりチェックしないといけませんね。

 
根性!!

再LRGB合成 

2010.10.1
M31

125SD+レデューサF4DG

10min.*2, 20min.*2 ノーフィルタ
20min.*5, LPS-P2 
Orion StarShootPro
ノーフィルター
ダーク減算+
フラット補正+

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding       
2010.10.5

LRGB合成の発色を捨てきれず、再合成です。

もう1度最初から組み直して、何とかここまで来ました。ナローバンドで撮影されたネット上の画像と比較して、HU領域周囲に近い所がピンク色になっているようなので、一応成功でしょう。

一つ下のノーフィルター画像だけで処理したものと比較すると明らかにピンクの領域の精度が異なります。ノーフィルターの場合、無理にHU領域を意識すると帯状にピンクがかってしまうのです。

結果的に総露出160分ですがRGBが100分ですからあまりS/Nに貢献してません。銀河内の暗黒帯はPixInsightのスクリプト「DarkStructureEnhance」を使用しています。自分でやるよりも短時間で高い効果があり、フォトショッププラグインのAstronomyToolsより格段に副作用が少ない気がします。

星雲内の恒星像に問題があったので、もう一回頑張りました。これでA3印刷まで耐えられます。
2010.10.1
M31

125SD+レデューサF4DG
10min.*2, 20min.*2 ノーフィルタ
Orion StarShootPro
ノーフィルター
ダーク減算+
フラット補正+

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding       
2010.10.4

結局、星像が悪い画像をRGBに使うとLの星像が良くてもうまく仕上がらないと言うことですね。

M31が難しい最大の理由は周辺部のHU領域が赤いはずだとか、中心部のバジル周辺は黄色いはずだとか、周囲の淡い光は青いはずだと言うような先入観がある割にカラー撮像すると全体が赤白く写ると言うことだと思います。明るい銀河なので露出をかけるほど色が出にくくなると言うことも難しくしている原因でしょう。
 だらだら言い訳をしていますが、結局私が作るといつもボッテリした赤白いアンドロメダになってしまうと言うことです。

次回は、この画像にLPS-V3画像を加えてやろうと思っているのですが、現在の接眼部構成ではピントが出ません。なんとかせねば・・・

LRGB合成

星色補正
2010.9.4、2010.10.1
M31

125SD+レデューサF4DG
20min.*5, LPS-P2
10min.*2, 20min.*2 ノーフィルタ
Orion StarShootPro
ノーフィルター
ダーク減算+
フラット補正+

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding      
2010.10.3

1枚目
LPS-P2を使って撮影した9月4日の画像は締まりはありませんが色が乗っています。10月1日にノーフィルターで撮影した画像は星像とコントラストは良好ですが色がない。

ということは、正にLRGB合成だわ! 

ほんの思いつきでしたが、かなり良い感じになりました。回転で欠けた部分の補修とか、ハイコントラスト部分の補正とか、強引なこともやったのでこれはお遊びですが、デジタルマジックですね。でも星が水色だ・・・・、

2枚目
ここまでやったので直してみました。ピンクも消える・・・。原因はHU領域が恒星として処理されているためのようです。


前回の処理
新技術導入

ゴースト処理と
仕上げ
2010.1.19撮影
IC443

20min.*5
Borg125SD+BorgF4DG(F3.9)
Orion StarShootPro
ノーフィルター


アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding  
2010.9.25

1月に撮影して、原因不明のカブリが強くスッキリしなかったクラゲ星雲を、再処理しました。バックフォーカスがずれているので星像が悪いのはどうしようもないのですが、非常に色調豊になったと思いませんか?

レンジの切りつめでのマスク処理は行っていますが、部分的な色付けとかカラーバランスの調整とかはしていません。 画像内の色調は元画像にあるがまま、全体に同じレベルで色彩強調しているだけです。今回の新技術はフラットの精度向上により、グラデーションマスクでの色カブリ補正を回避したことです。カブリはステライメージで補正しただけで、フォトショップのレイヤーではグラデーションマスクを1枚も使用せずに仕上げてあります。前回の処理では強いカブリを補正するために、大切な色調が損なわれていたのだと思います。

フラット画像を合成する自作ソフト「ピタット」の使い方を変更し、ダーク補正後の画像の平均値を使用して1枚ごとにフラットを計算したことで、画像のレンジ幅を1000以下まで切り詰めても周辺減光補正誤差が現れません。後は1枚毎にカブリの方向を間違わなければ良いだけです。

明るい恒星のゴースト処理を透過でやってみました。元画像のゴーストは残りますが、これまでよりは元画像に忠実な処理です。
2010.9.4撮影
まゆ星雲暗黒帯の位置

EOS40D改
carl zeiss Planar85 F4
5min.*12 ISO800
ノーフィルター
ダーク補正+
フラット補正+

Vixen GPD+AGS-1L
スマートガイダー  
2010.9.17

最近カメラレンズで天の川領域を撮影しています。画像処理は直焦点で勉強したので85mmの中望遠レンズでも似たような画像処理を行ってしまいます。同じ星空ですから基本は一緒だと思うのですが、カメラレンズではカブリの処理が直焦点より難しい場合があるのと星の数が圧倒的に違います。

この85mmは古いレンズですが収差が少なくF4まで絞れば望遠鏡に負けない星像になります。直焦点で星雲を処理する要領で全体を持ちあげると上のような白い天の川を作ることが出来ますが、普通に星雲を強調すると下のように美しい星像の天の川を表現することも出来ます。好みが別れる所だと思いますが、私は暗黒帯に興味があるので上の方が好きです。
画像全体を持ちあげる処理ではノイズ、周辺減光やカブリ、ハレーションや偽色との戦いになるので正確な前処理が要求され、何処までが星雲で何処までがノイズなどのアーティファクトかの判断を迫られます。恒星の肥大化を抑える星マスク技術も必要となります。

逆に星雲を強調するという処理では、星雲強調用のマスクを作るためにフォトショップならイメージ>色調補正>白黒とか、RGB分解画像のRからGBを減算する時に、星雲の何処までをマスクに含めるかという決断を迫られます。星雲内の恒星周囲が黒トビしないように注意は必要ですが、敢えて星マスクを使わなくとも星像がちょうど良い所で全体のレンジ切り詰めを止めればよいのです。従って背景の処理も比較的楽に行うことが出来ます。

まあ全体を切り詰められるだけ切り詰めて、さらに星雲を強調するなんて場合もありますが嘘くさくなりますね。
2010.9.14
カシオペア座γ星付近
(IC59, 63)

10min.*4+20min.*6
Borg125SD+BorgF4DG(F3.9)
Orion StarShootPro
ノーフィルタ
ダーク減算
色合わせしたELフラットにて補正

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding      
2010.9.15

125SDの星像は大分良くなってきました。後ちょっとという感じです。

撮影したIC59, 63は星雲自体もかなり暗い上に、近くに明るい恒星があるので超難物です。先日85mmでカシオペア座を撮影したときに写っていたので、挑戦してみたのですが、思っていたほど周辺の広がりは無く寂しい感じなので、中央部をトリミングして体裁を整えることにしました。

星像とガイド精度は、鏡筒構成とガイド鏡等、全て去年の最後の状態に戻して上手く行ったので、結局何もしない方が良かったと言うことになります。

画像処理は10分と20分で、HDR的な処理を狙いましたが、γ星が明るすぎて通常のHDRでは対応し切れませんでした。そこでM42やM31で明るい部分を処理するために用いるαチャンネルを使った飽和部分の置き換え処理を使いました。

γにα、これでεがあれば、少年空想科学マンガの世界です。

この方が北上に
近いかな
 
2010.9.4
Sh2-155(TheCaveNebula)付近
20min.*7
Borg125SD+BorgF4DG(F3.9)
Orion StarShootPro
LPS-P2フィルタ
ダーク減算
色合わせしたELフラットにて補正

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding     
2010.9.8

色調はよく分からないけど、完成。

自宅脇は光源も多く、僅かですか複雑にカブリが出ます。加えてP2フィルターはある意味V3より色調補正が面倒なフィルターだと思います。暗い空でノーフィルタ撮影した画像にナローバンド画像を加えてやるのが一番良いのでしょうか?

自信はありませんが、色の対比が綺麗なんでこんな感じでよいことにしました。

カメラ回転装置が緩んでいて勝手に動いたために北が上になっていません。接眼部を組み替えようと分解していてF4DGの回転装置がフリーになっている事に気が付くという大ボケです。よく140分撮影出来たと感心してしまいます。 この後撮影したM31のガイドが上手く行かなかった理由も分かってスッキリしました。

やはり月に2,3回撮影していないと鈍ってしまいますね。
2010.9.4
Sh2-155(TheCaveNebula)付近
20min.*7
Borg125SD+BorgF4DG(F3.9)
Orion StarShootPro
LPS-P2フィルタ
ダーク減算
色合わせしたELフラットにて補正

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding    
2010.9.7

この所125SDの星像が今一つ決まらないので面白くありません。バックフォーカスは本当にシビアで、しかもある程度しっかり撮影しないと良いのか悪いのか分からない所がくせ者です。ガイドも若干流れてしまったので、全部組み直して次回に備えます。とは言っても、このSh2-155は85mmで撮影した画像を、SN9の画像マッピングで星図に貼り付けて自動導入した初作品です。若干問題もあったのですが上手く導入と構図決めが出来たので満足です。この秋は125SD+F4DGと自作ファインディング・チャートを使って淡い散光星雲を探索することにします。

表紙の作品はLPS-P2で赤に偏った色調を銀河の濃い部分を基準に整えたものです。左のものは、海外の作品を参考に洞窟周囲の青色を基準に色調を整えました。P2やV3は青が減弱されるように感じていましたが、今回も普通に処理すると青い部分は白くなってしまいます。カラー一発撮りの限界なのでしょうかね。

EOS40D   SSP
 

NikonD70S
2010.8.29

左:EOS40D, 1/1000, ISO800
RAW (14bit)

右:StarShootPro, 0.01sec.
Fits(16bit)

変則的ですが、両者とも16枚コンポジット後にベイヤーRGB変換


2010.8.30追記

同条件で職場のNikonD70S画像を撮ってみました。Canonの様な縞はありませんが、同じCCDを使っているSSPの鮮明なノイズという感じでもありません。RAW画像でも内部処理の影響を受けていることは間違いなく、メーカーによってもその状態は異なるようですね。
2010.8.29

一眼デジカメの縞ノイズの解消法が話題になっています。
この現象を分析する上で多少役立つ画像をアップします。私は実際の画像に縞が現れた経験はないのでバイアスノイズの話です。

左はバイアスノイズに見立てた短時間露出の画像です。ご覧のようにEOS40Dでは縦横に縞模様が見えますが、16bit出力の冷却カラーCCDでは縞はみられません(このCCDはNikonD70の物と同一と言われています)。このことから縞模様がカラーCCDに共通したノイズパタンではなく、一眼デジカメ特有の物であることが分かります。そうするとこの縞が、CMOSの感度ムラとか、バイアスノイズとかでは無いことが想像出来ます。両者の違いは40Dが14bit、SSPが16bitということです(CMOSとCCDの相違かも知れませんが)。14bitRAW画像に影響する内部処理はISO設定とかノイズ緩和とかだと思いますが、この縞はその副産物の可能性が高いと言うことではないでしょうか?(おそらく12bitのDXでも同じようなものだと思います。)

この仮説は、T-FIXさんのブログにある

・縞はダーク、フラット、バイアス等、全ての画像に含まれる。
・ISOにより変化する。
・ダーク減算では消えない。
・同じISOのフラット補正で消える。
・撮影画像のガイド精度が高いほどコンポジット後の画像に現れやすい。

という現象と矛盾しません。

ちなみに私はこれまで、なんの疑いもなく撮影時と同一ISOのフラットを作っていたので縞に遭遇したことはありません。それとも冷却しなければ埋もれて分からない程度の縞なのでしょうか?
2010.8.20撮影
EOS40D改
carl zeiss Planar85 F2.8
5min.*7  ISO800
ノーフィルター
ダーク補正+
フラット補正+

スカイメモR  
2010.8.24

カメラのフラット画像は使い回しができます。以前アンタレス付近を仕上げるときに使ったフラットで補正しましたが問題なく平坦になりました。淡い分子雲を狙うためにF2.8にしたので星像は大きいです。ちょっと周辺の星が回っているので極軸もずれているかも知れません。胎内平の芝生の上に軽いスカイメモではフラットナーを置いてもずれますね。

非冷却の40Dではこの辺が限界だと思います。分子雲を強調するために無理にレンジを切りつめているので画面全体が煩い感じです。
 

トリミングあり
2010.8.9撮影
IC1396付近の天の川
EOS40D改
carl zeiss Planar85 F4
5min.*4 ISO800
ノーフィルター
ダーク補正+
フラット補正(SI6)

スカイメモR   
2010.8.17

最近カメラレンズを使って天の川を撮影することが多いです。天の川は星の集まりなので点描画なのですが、画像処理していくと濃い部分は雲のように真っ白になってしまいます。 原因は星マスクにあります。元画像ではこんな感じなのですが、星マスクを使った処理だとこうなります。明るい星が抑えられるので暗く小さな星だけが明るく面積が大きくなり、星の濃淡が極端に少なくなり、雲の様に見えるのです。
星マスクを使わずに処理すると明るい星は飽和していますが、暗い星の感じは星マスクを使った場合と殆ど変わらず、星マスクの効果が暗い星には殆どないことが分かります。

暗い星を肥大化させずに明るくすることができれば、もっと繊細な天の川を表現できると思うのですが、これは非常にやっかいな問題です。

トリミングあり
 
2010.8.9撮影
Sh2-142+NGC7380

125SD+レデューサ7878
LPS-P2, 20min.
ノーフィルター, 20min.*2
Orion StarShootPro

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding      
2010.8.14

台風の通過でペルセウス座流星群も全く観ることが出来ませんでした。
9日の画像は納得の行くものではありませんでしたが、一通り処理はやりました。予定外のフィルター取り外しで、画角がずれたためと、そもそも縦横間違えたためトリミングしました。星雲自体の写りは良いのですが、いただけない星像です・・・。偽色もありますね。

いろいろ考えなければならない事が山積みです。
 

RGB分解法

通常処理
2010.8.6撮影
Sh2-142+NGC7380

125SD+レデューサ7878
20min.*2
LPS-V3
Orion StarShootPro

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding     
2010.8.8

日曜の午前中あまりの暑さに家族全員エアコンつけて各々ウダウダしていたので、暇に任せて処理してみました。

NGC6820は箸にも棒にもかかりそうにないので、とりあえず何とかなりそうなSh2-142+NGC7380でRGB分解法をやりました。V3を使った露出不足(画像全体の平均値が低い)の場合効果が認められる事が多いような気がしていたのですが、今回も比較的良好な結果となりました。背景部分のモヤモヤがダマになっている感じは淡い部分の画質を無理矢理平坦にすると起こる現象です。背景に埋めてしまえばすっきりするのですが、露出不足なので暗黒帯が影も形も無くなってしまいます。

右下の暗黒帯は透明度が良ければもっとクッキリ写すことが可能でしょう。全体の階調としては、薄曇りの撮影の割に良く表現出来たと思います。

SSPは気温が高いとノイズが多いです。勿論冷却しなければ20分露出など出来る条件ではないので贅沢は言えません。


完成

印刷用?
2010.7.18撮影
NGC7635+Sh2-157

125SD+レデューサ7878
20min.*4
LPS-P2
Orion StarShootPro

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding    
2010.7.21

フラットを撮影し、改めて画像処理を行いました。空が良かった事に加えて新型レデューサは周辺減光が少なくELパネルの色調を補正した一般的なフラットでも充分良い結果を得ることが出来ました。撮影ノートに載せた画像程度が一般的な画像処理で星像も良いのですが、そこで止められない性分のお話は下に書いた通りです。予定通り8枚露出出来ていればもう少し淡い部分を出せたと思います。

昔は暗い対象と思っていたしゃぼん玉星雲(NGC7635)が明るすぎて同じレンジでは飽和してしまうため、星雲の明部をマスクして背景レベルを上げました。それほどクワガタ星雲の愛称をもつSh2-157が淡いということだと思います。撮影前ミヤマクワガタに似ていると思った頭部の形態はノコギリクワガタにも似てますね。 

2010.7.29

急に仕事が入ってしまったので、時間潰しに先日のクワガタ星雲の画像処理を仕上げてみました。最近あまり使っていなかったのですが、改めて処理を進めて見るとLPS-P2フィルターはV3と同様に黄色が出しにくいようです。加えてフィルターが原因と思われる僅かなゴーストが最終的に星像を肥大化させています。また画面の中に背景となるニュートラルグレーの領域がほとんど無いので色合わせが困難です。
星マスクを作り直し、背景のカブリを丁寧に補正し、PixInsightを使わずに暗黒帯を強調しました。しゃぼん玉星雲は完全に飽和してしまうレベルなのですが、淡いということに書いたようにマスクで保護しています。この辺が限界ですね。

ちょっと大人の画像処理」にも書きましたが、完成画像のように無理矢理レンジ幅を切りつめた画像では印刷に耐えません。画質を向上させるにはRGB分解法を使わないといけません。手っ取り早く印刷するには淡い部分のレベルをちょっと下げて50以下を均してしまえば良いと思います。




 
2007.10.7+2007.11.7
15min*2, 2コマモザイク
ISO1600, LPS-V3
CanonEOSkissDX(Seo SP2)
77EDU+BorgF4DG(F4.3)
アトラクス+SS2K(IC405)
GPD+AGS-1L(IC410)
DSIpro+PHDguiding



2008.3.8
5min.*16
ISO1600, LPS-P2
NikonD50改
miniBorg60ED+DGT(F3.9)
スカイメモRノータッチガイド




2009.10.25
10min.*2, 2コマモザイク
ISO800, ノーフィルター
CanonEOSkissDX(SeoSP2)
miniBorg60ED+DGT(F3.9)
アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding  
2010.7.16

16日金曜は星こそ見えましたが、遠雷と薄雲で撮影できる空ではありませんでした。今年から始まった天文館の金曜観望会をお手伝いして、その後館長さんから日本のロケット事情などをお聞きして家に帰り、星祭りのポスターを知人に送る準備をして過ごしました。

天体写真をやっていて楽しいのは、自分の上達が自分でも客観的に分かると言うことです。他の被写体と違って、星雲は毎年変わることなく暗い背景の中に存在しています。多少の運はありますが、偶然性とか芸術性など自分の才能ではどうにもならない要素が意外と少ない写真だと思います。その分、高性能機材がモノを言う「金まみれの写真(悪い響きですね)」とも言えるのですが、同じ機材を使って去年よりよい写真が撮れれば、それは正に自分の撮影技術が向上したと言うことになります。あるいは導入した新しいパーツで良い結果が出れば得した気分になります。写真の善し悪しも芸術写真ではないので、ある程度自分で分かるのもお手軽です。

最大の問題は越えがたい壁を意識したときですね。この壁はお金を積めば簡単に越えられますが、努力とか工夫とかではなかなか越えられないのです。若者の天文離れはこの辺にも原因があるのかな?自分が苦労している事を、お金のあるオジサンは簡単にクリア出来たり、初心者でも簡単に高いレベルからスタート出来てしまう。特にフォトコンやネットでは、工夫よりまずは機材が目立ってしまいます。良い作品を作る方はお金のかけ方は確かに凄いですが、実は工夫も凄いのです。そこの所がよく見えないために「金をかければ誰でも出来る」と誤解されてしまうのかもしれません。

左の写真を見る限り、自分としては、大きな機材の変更もなく、順調に進歩しているように感じます。画像処理はその時々、最も自分がイメージする星雲像に近づけるような努力をしているので、価値観が随分変わっていることも分かります。その辺は使っているフィルターや露出のかけ方にも現れていますが、昔はとにかく星雲を撮りたかったようです。星雲が写りさえすれば良かったのです。最近は、だんだん星空を撮りたくなっているようです。

2009年の作品は
1,DXのISO800、10分では星が飽和し色が飛んでいる。
2,ノーフィルターで暗黒帯や星雲の淡い部分を狙うにはコンポジットが少ない。

この辺が今後の目標ですが、今年はLPS-P2フィルターにもう1度挑戦してみようと思っています。今年は目標ばかり立てています。何時になったら撮影するんだ!
2010.6月1日, 7日 7月10日 撮影

はくちょう座

EOS40D改
carl zeiss Planar85 F4
4min*2〜5. ISO800


ノーフィルター

スカイメモR 
2010.7.13

このスタイルは、お天気の変わりやすい時期、ゲリラ的に撮影するには効率が良いと思います。

不本意なコマもありますが、とりあえず1か月かけて4コマつながりました。北アメリカ星雲をつなぎ目にならないように加減したために、モザイクすると網状星雲が入らなくなってしまいます。ちょっと回転して何とか四角に収めましたが、フリーハンドのモザイクはマージンが大きくなってしまう傾向があります。
パソコン制御の赤道儀ではスーパースターでモザイクしてますが、ステラナビの次期バージョンはモザイク撮影支援機能が付くみたいです。

フォトショップCS3のPhotomergeには自動の他にいくつかつなぎ方を選択する方法があります。自動で選んでくれるモードで問題ない時もありますが、あまり変形が大きくなる時は自分で選択するしかないでしょう。手動でつながなければならないときもありますが大変です。

久しぶりに直焦点で撮りたいのですが、今年の梅雨明けはどうなるでしょう。
淡い部分へのこだわり

2009.10.25
バラ星雲(NGC2237)
20min.*2
Borg125SD+BorgF4DG(F3.9)
Orion StarShootPro
LPS-V3フィルター

2009.11.6
NGC281(パックマン星雲?)
20min.*3
Borg125SD+BorgF4DG(F3.9)
Orion StarShootPro
ノーフィルター

2009.8.23
網状星雲
VixenED102SS+F4DG(F4.2)
Orion StarShootPro, LPS-V3フィルター
20min.*2, 2コマモザイク
(外気温22度)

アトラクス、DSIPro+PHDguiding  
半年間直焦点をお休みして気が付いたこと
私らしい画像処理とは、

天体写真を初めて30年以上経ちます。その間長い休止期間もありましたが、再開して十数年、デジタル化の激変期を乗り越え、ようやく最近になって画像処理が分かるようになってきました。 もちろんフォトコンの写真のような素晴らしいクオリティーの作品を作れるわけではありませんが、私らしさという事は分かってきました。

そもそも私は中学生の頃の出発点から美しい写真を求めていませんでした。より暗い等級の星を写し込む、月や惑星の強拡大を目指す「暗さへの挑戦」というような撮影スタイルでした(トライX増感少年だったわけです)。むろん少年時代にそのような無謀な姿勢が報われることはなくゴミの山を築いていたわけですが、デジタル時代になって画像処理を始めた時も、綺麗な作品より淡く暗い部分へのこだわりが先に立ちました。

そして、画像処理を学ぶ上で最も問題だったのは「師の不在」だったと思います。美しい写真とはどんな写真なのかを教えてくれる師匠が周りにいなかったのです。ネット時代になり著名なハイアマチュアの方々の作品を参考に自分の作品を近づけようと努力した時期を経て、星雲写真における星像の重要性を認識するに至るという、回りくどい道を歩んでしまいました。その間に画像処理の方法は、ますます淡い部分に固執することになってしまいました。

左は昨年撮影した私らしい作品です。バラ星雲周囲のモヤモヤ、パックマン星雲の口からでるモヤモヤ、網状星雲はさらにモヤモヤし和名の網状と言うよりはベールネビュラになっています。星雲の色調、階調はなるべく損なわず、星像は可能な限り小さく色彩を維持して仕上げるよう心がけていますが、それはあくまでも淡い部分を可能な限り持ち上げる事を前提とした範囲で行っています。見苦しくない程度に美しさを維持して淡さを追求するアプローチこそが、これらの画像処理の特徴と言えるでしょう。

そこまで言う割に、本当に淡い物を狙える機材を使っているわけではなく、たっぷり露出をかけるわけでもない、という点は笑えます。もう1点、淡さを追求するのに解像度はいらないと言うことです。とりあえずカラーCCDでもminiBorgでも楽しむ事ができるスタイルなんですよ。
2010.6.1, 7日 撮影

はくちょう座 サドル周辺
EOS40D改
carl zeiss Planar85 F4
4min*4. ISO800

はくちょう座 網状星雲周辺
EOS40D改
carl zeiss Planar85 F2.8
4min*2. ISO800

ノーフィルター

スカイメモR
  
2010.6.9

とりあえずモザイクしてみました。微光星の質感が全く異なるので、元画像では上手くつなげることが出来ません。ある程度星像を補正した画像で合成しましたが、1日に撮影した分はカブリが強く継ぎ目が目立ちます。空の良いときに北アメリカ星雲側も入れた4コマ全部撮影したいです。

私は赤い物好きなので、微光星に埋もれる網状星雲を見ると3VのFFフィルターで救い出してあげたくなりますが、今回の目標は「天の川」なので我慢です。 微光星の中に埋もれるHU領域という感じを目標にしたいと思います。

とは言っても、そろそろ入梅ですし、飲み会やら会議やらいろいろ入っています。冷却無しの40Dを使うつもりなので熱帯夜になる前に撮影チャンスがあるかどうか・・・
2010.6.1撮影

はくちょう座 サドル周辺
EOS40D改
carl zeiss Planar85 F4
4min*4. ISO800

さそり座 アンタレス周辺
EOS40D改
carl zeiss Planar85 F2.8
4min*8. ISO800

ノーフィルター

スカイメモR
 
2010.6.5

今回は夏場の散光星雲を85mmでモザイクするための準備です。F4とF2.8を比較しましたが、周辺の星像はF4が圧倒的に綺麗ですし、周辺減光も一般的なフラット画像で十分補正可能でした。

F2.8で撮影したアンタレス周囲は、高坪山の南天だと光害カブリが強いせいもありますが、複雑な色ムラや周辺減光が生じて普通のフラット補正ではラチがあきません。ピタットを使おうにもカブリが強すぎて正確な適切な平均値を得ることが出来ません。加えて角に不均一な減光が現れます。レンズ後部の突起が原因なのか、補正上の問題なのかまだ分かりませんが、一筋縄では処理できません。F4と比べると若干星像にしまりがない感じがありますが、F2.8の明るさには魅力があります。

ノーフィルターの場合、F4ならば6分程度の露出が適正になりそうですから、4枚コンポジットの4枚モザイクは 1時間半以上かかります。また非冷却の40D改造機なので露出は短いほどノイズが少なくなります。出来ればF2.8のフラットを上手く処理する方策を見つけたい所です。
 2010.5.16撮影
月と金星

Borg77EDU(510mm, F6.6)
EOS 40D

ISO800 4〜10秒

VixenGP赤道儀+SS2000PC
ノータッチガイド
2010.5.26

月の高度が下がるに連れて、赤みが増て歪みも大きくなります。
月のように大きな物を破綻しないように重ね合わせは難しいです。狙い通り地球照は綺麗に写り、金星の配列も綺麗になりました。接触だと百倍格好良いのですが、なかなかそんなチャンスはないですね。

風景がないと月や金星の相対的な位置関係しか分からないので、金星が動いているみたいです。風景を背景に月と金星の動きが分かるような重ね合わせの方が良かったかも知れませんが、時間がかかります。
2010.4.24撮影

EOS 40D
Sigma 18-200mm(18mm F3.5)

60sec. 5枚コンポジット(比較明)
ISO400

固定撮影
  
2010.4.26

月明かりの桜と飯豊、そして昇るさそり座、赤い軌跡のアンタレス。川面に映る橋の照明、ポッカリ浮かんだ雲。昼間に撮影したとき、月明かりでこんな写真を撮りたいなと思い描いた、正にそんな光景です。

手前の明かりが邪魔で、肉眼では飯豊は全く見えませんし、アンタレスも確認するには双眼鏡が必要でした。画像処理はマスク処理で地上部分の明るさを補正と空のノイズを除去を別々に行っています。月が明るかったので、補正はわずかですみました。60mm、30秒だと山は神秘的ですがアンタレスしか入らないので、星景写真とは言えませんね。 
 
2010.4.19撮影
桜と熊の尾

EOS 40D
タムロン17-35mm
(約17mm F3.5)
30sec. ISO800  
2010.4.24

この時期、北天のメジャーな星座は北斗七星です。

柄杓の位置や傾きをもっと収まりよくしようとすると、撮影時間を変更しなければなりません。しかし照明用の月は待ってくれません。月と星座の位置関係だけならば数か月で撮影チャンスがあるかも知れませんが、桜や残雪など季節物になると、星座と月が良い関係になるまで、何年も待たなければならないかも知れないと言うことです。この辺が星景写真の面白いところですね。いろいろ想像しながらシミュレーションソフトをいじっていると飽きません。

この桜は、月、街灯、ヘッドライトの光が当たっているので、色調はかなりいい加減です。
 
2010.4.19
さくらの北天

EOS 40D
Nikkor 10.5mm F2.8
30sec. ISO800
 
2010.4.21

桜の画質を維持するためにISO800で撮影すると星が全く目立ちません。撮影ノートには若干星像を大きくした画像を載せましたが、暗い星は全く分からなくなってしまいます。そこで暗い星を強調し、しかも空の画質を落とさず、桜を強調するようなレイヤーを組みました。 超高感度低ノイズカメラがあればこんな苦労はいりません。

目立つ欠点としては星に色がありません。露出不足なので元画像には比較的色があるのですが、存在を強調すると色が薄まります。理由は以前プロの方が書いていた彩度と明度の関係だと思います。当然回避策もあると思うのですが、下手に色をつけると不自然になります。
 
2010.2.4撮影

EOS 40D
Sigma 18-200mm 

ISO800

固定撮影
 
2010.4.18

新潟の悪天候は星の撮影なんて言ってる場合じゃないですね。こんなに寒い日が続いて田植え出来るんでしょうか?

今年に入ってから月が出ているときしか、晴天に巡り会わないので星景写真ばかり撮影していますが、私は星の軌跡を写す写真より、星を点にして星座を分かりやすく表現する方が好きですね。しかし、地上風景を綺麗に写し込むとなるとガイド撮影出来ませんから、低速追尾でも30秒程度が精一杯です。コンポジットも出来ないのでISOを上げすぎると画質が荒れてしまいます。カメラの性能が向上すれば解決する問題ですが、とりあえず画像処理で何とかするしかりません。

これまで何枚か星を大きくぼかして表現する方法を色々試していますが、不自然にならないようにぼかすのはけっこう難しいです。左2枚の写真を素人さんに見てもらうと、ほとんどの方が上の写真が良いと評してくれます。星景写真をやってらっしゃる方には異論のあるところだと思いますが、直焦点で星像を小さくする画像処理がありなら、大きくするのも「あり」だと思いますがいかがでしょう?

 

星像肥大化
星が大きすぎて、ちょっと不自然な感じがしますね。
2010.3.30撮影
春のオリオン座

EOS 40D
Nikkor 10.5mm F2.8
20sec. F3.5 ISO800



EOS 40D
Nikkor 10.5mm F2.8
10sec. F3.5 ISO800

固定撮影    
2010.4.13

星景写真で固定撮影して星を点にすると露出時間が制限されるので、肝心の星が目立ちません。星雲を撮影しているときは何とか星像を小さくする工夫に明け暮れましたが、人間とは勝手なもので今度は大きくするわけです。

星マスクを使えば簡単に大きくなるのですが、色を綺麗に出したいです。ところがISOを高めに設定していると元画像でも星の色は薄くなってしまうので、かなり難しいです。

また星像処理では、地上部分をマスクしなければなりませんが、境界を選択する方法が問題ですね。もちろんフリーハンドで塗りつぶせば簡単ですが、それをやってはつまらないですよね。画像によって工夫が必要な所ですが、木の枝など入り組んだ構造の部分では、境界線をぼかすと木全体が不自然になってしまいます。そこで、処理毎にマスクの境界線を変えるわけです。レベル補正やノイズ処理にはグラデーションマスク、星像補正は地上と空をしっかり分けたマスク+星マスク、地上のアンシャープマスクにはぼかしの入ったマスクと言った具合です。

星景写真は「撮ったまま」というのが良いのかも知れませんが、いろいろやってみたくなるのが人情です。
 
EOS 40D
Sigma 18-200mm 18mm
20sec. F3.5 ISO1600

固定撮影    
2010.4.4

星景写真で星を点状に写す場合、フィルタを使って適度なぼかしを入れるのが一般的かもしれません。星像を大きくしないと星が目立ちません。画像処理だけで星を大きくする場合スターエンハンスを使うことになりますが地上部分はマスクしないと、おかしくなってしまいます。 この写真のように地表付近に雲やガスがある場合は境界線を作り出すのは容易ですが、木と星が重なっている場合や地平線ギリギリまで星がある場合は処理が難しいと思います。

今回の処理ではスターエンハンス+一工夫で星座が分かりやすくなるようにしてみました。それからちょっとイタズラもしてあります・・・
2010.2.24


EOS 40D改 
Nikkor 10.5mm F2.8
60sec. ISO1600 
自作赤道儀(低速追尾)



EOS 40D改
Nikkor 10.5mm F2.8
4min. ISO1600
3枚コンポジット
自作赤道儀 (等速追尾) 
2010.3.8

これで、今回撮影分の処理は終了です。

多分、年に何回もない好条件だったと思います。
月が2時過ぎまで西の空に出ていましたが、月没後は東側に天の川が光の壁となって現れました。光害があるので木立の辺りが明るいです。 

上の画像は固定撮影に近い低速追尾で、その場の雰囲気を壊さないように画像処理は最小限です。

下は4分ガイド撮影した画像で、地上風景以外をコンポジットし星像補正を含めてしっかり画像処理して淡い天の川を最大限強調しています。木立がぶれてしまいますが、背景の天の川はそれをカバーするに十分なインパクトがあると思います。半分は光害ですけどね・・・

RGB分解法

若干トリミング
 
2010.2.24
昇るさそり座

EOS 40D改
Nikkor 50mm(F1.4) F2.0
1min. ISO1600
4枚コンポジット
自作赤道儀 


30秒 1枚
元はこんな感じです
  
2010.3.2

いろいろ難しく画像処理を進められませんでしたが、最後の手段RGB分解法です。低空の赤みをグラデーションマスクで補正して月の夕映えによる空と山の赤みを除去してしまいました。画像の滑らかさはRGB分解法が優れていますが、山のコントラストは通常処理の方が優れています。上の画像で低い山脈の雪が分かるのは、トーンカーブ補正時に山脈部分をマスクしたためです。

この画像はこれ以上どうにもなりません。30秒1枚低速追尾の画像は白銀の飯豊連峰とM4がはっきり写っていて、これで十分という気もします。

逆に画像処理しても見応えありませんし、綺麗になりません。限界です。

はたして、いつの日か再挑戦する機会はあるでしょうか?
それとも凄腕の星景写真家が息を呑むようなテイクオフを撮ってくれるでしょうか?
2010.2.24
昇るさそり座

EOS 40D改
Nikkor 50mm(F1.4) F2.8
4min. ISO1600
3枚コンポジット

自作赤道儀  
2010.2.25

月が沈んだ画像はフラット画像を撮影しなくても、SI6とPSで補正して、ここまで出来ました。特別な処理は行わず、レベル補正、星像補正と色彩強調程度です。残念ながらクオリティーが低いのは、コンポジット枚数が少ないせいです。

縦アングルは後2枚、使えそうな画像があるのですが、この画像より低空のため左下の天の川が見えなくなります。星景写真は制約が厳しいです。
 
2010.1.26(上)

EOS 40D
Nikon 10.5mm F2.8
ISO800, 8sec.
部分的に2枚コンポジット(比較暗)

固定撮影
  
2010.2.1

撮影ノートに載せた雲間のオリオン座を、オリオン座の全景が見えるように、他の画像と雲の切れている部分のみ「比較(暗)」でコンポジットしました。 明るい雲を除いてその部分の星空が見えるようになります。
もちろん部分的にやらないといろいろ不都合を生じてしまうので、この風景は「本当の風景を写した写真」ではなく、デザインかCGと言うことになるでしょう。
2010.1.19撮影
IC443
20min.*5
Borg125SD+BorgF4DG(F3.9)
Orion StarShootPro

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding   
2010.1.27

今年はノーフィルターで撮ってみました。レデューサを中判ヘリコイドに組み込んだために光路長が狂っているのでしょう。何か星像がおかしいです。加えてもの凄いゴースト。さらに不思議な色カブリ。 いろいろやりましたがクラゲの湯気は出ませんね。

処理前に元画像を1枚ずつチェックしましたが、極端に悪い画像はありませんでした(全部それなりに悪いということです・・・)。
2010.1.19撮影

オリオン座中心部
EOS40D改
carl zeiss Planar85 F2.8
LPS-V3フィルター
8min.*3. ISO1600
2コマモザイク合成

スカイメモR 
2010.1.26

ほぼ完成です。右側のカブリ?除去、ゴーストを軽減、恒星の偽色?ピンぼけ?補正をしました。今回はPIは使わずムキムキの星雲にならないように仕上げてみました。

北側のエンゼルフィッシュまでつないでみたいですね。残念ながら東側に1コマ広げてもバラ星雲がギリギリ入らないので、6枚構成というわけにもいきません。
2010.1.19撮影

オリオン座中心部
EOS40D改
carl zeiss Planar85 F2.8
LPS-V3フィルター
8min.*3 ISO1600
2コマモザイク合成

スカイメモR
 
2010.1.20

新潟は久々の晴れ間があり、年末以来試し撮りを計画していた85mmカメラレンズでの撮影です。撮影時の問題点は撮影ノートに書きましたが、それらを誤魔化すべく種々の画像処理を行いました。ゴーストとハロの処理は不完全で今一つですが、面倒なんですよね。下の方に三ツ星のゴーストが綺麗に?三つ並んでいます。

これまでの経験ではカメラレンズのフラット画像はなかなか極まらないのですが、画像処理3で紹介したフラット作製ソフト「ピタット」でピタッと極まりました。個人的にはRAP2より使いやすいです(自分で作ったのだから当たり前か・・・)。F2.8では周辺星像が若干落ちますが、モザイク合成後に星像補正をしっかりやって縮小すればA4でも全く気になりません。さすがに開放F1.4は使えませんが、V3で露出が必要な分F2.8の明るさは魅力的です。 

この後、ぎょしゃ座のモザイクを始めた所で曇られました。
2009.10.25撮影
バラ星雲(NGC2237)

20min.*2
Borg125SD+BorgF4DG(F3.9)
Orion StarShootPro
LPS-V3フィルター

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding  
2010.1.11

昨年撮影したバラ星雲です。わずか2枚しか撮影できなかったので、適当に処理して終わっていたのですが、暇なので、やれることはやってみました。

まずV3フラット画像の市松模様の補正、RGB分解法によるカラー変換、さらにその欠点である星像の肥大化を修正するために通常のベイヤーRGB変換画像の星像を用いた補正、NoiseNinjaによる背景部分の画質向上、PIによる暗黒帯強調など、現在私の持っている技術を全てつぎ込みました。 この日は昨年1番の好条件だったこともあり、バラ星雲の周囲に広がる淡い部分をあぶり出すことが出来たと思います。

RGB分解法も通常処理の恒星像を使うことで何とか実用化に漕ぎ着けました。とは言っても、星雲画像、NoiseNinjaの背景画像、恒星周囲のぼかし画像そして通常処理の恒星像の合計4枚の画像を合成して元画像が構成されているので、PSのレイヤー構造は極めて複雑です。その上できあがった画像をLab分解してPIでL画像のみ処理して再合成してますから、合成写真の極みであることは間違いありません。
RGB分解法
去年いろいろ試しましたが、解像度低下の原因は素子の絶対的な位置関係を無視したコンポジットにありそうです。

そこで・・・
2010年、年頭に思う「今年の画像処理」 

夢のベイヤー配列コンポジット
理屈では可能でも、モノクロCCDを使った方がよほど簡単で、仕上がりも良いでしょう・・・

大体、大気のゆらぎもあるし、撮像面の数ミクロン単位で正確に移動できる赤道儀って・・・。
2009.1.6

昨年暮れに思いついた「RGB分解法」について、かなり画像処理も試したので、この辺で整理してみました。

背景と淡い部分は明らかに滑らかになります。しかし、星像の肥大化と明るい部分の解像度というかコントラストが低下してぼんやりした感じになるのが否めません。 

そのため上手く行った対象は、アンタレス付近IC2169など全体にぼんやりして捕らえどころの無い星雲で、M42M33中心部のように充分な光量があって解像度が要求される部分ではぼんやりしてしまう事があります。

また一部の画像では、どういう訳か淡い部分の効果も今一つ、はっきり出てくれません(気温の影響?ダーク補正はしっかりやってあるのですが、何かが違うのでしょう)。

スッキリ先に進むなら、モノクロCCDに乗り換えを検討すべきでしょう。

ただへそ曲がりな私は、滑らかさの次は「ベイヤー配列から革命的な解像度アップを可能にする方法」に興味が湧いてしまいます。撮影時に1素子分ずらしながらガイドしてベイヤー配列4マスの位置を全て1つの素子で露光させればモノクロCCDと同じになります。それは精度面から非現実的ですが、低精度赤道儀では、普通に多数枚撮影してコンポジットすると、ちょっとずつ位置がずれるでしょ?そのずれた位置関係をベイヤー配列として絶対的に評価して、足りないピースを埋めていくようなベイヤー配列コンポジットって出来ませんかね?