撮影ノート

手軽に掲載できるブログを利用することが多くなり、存在感が薄れる「撮影ノート」のページです。
長期的に考えると、こちらに撮影データを残しておいた方が検索しやすい気もします。ボチボチと存続させていこうと思います。

2017.3.15

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  2022/8/2

思わぬ流れで、NHK「小さな旅」に取り上げてもらいました。

自分では絶対に撮影しない「自分が入った風景写真」なので記念に載せておこうと思います。

大屋根と同じ高さの3階バルコニーで撮影準備をする様子なんですが、周囲に取り付けた街灯の光を遮る遮光幕を全て取り去ってあります。NHKのスタッフさん総がかりで大変な作業でした。


このバルコニーは2016年に業者さんにお願いして作り始めました。2階部分、3階部分、階段と3段階に分けて工事をしました。そして2021年春に3階バルコニーに上がる階段が完成して、ようやく大きな機材でも設営出来るようになりました。完成を記念して裏庭から撮影したのですが、地上からアクセスする方法が無い異様な構造物ですね(;^ω^)

階段が出来るまでは2階バルコニー(BK1)から3階バルコニー(BK2)には梯子で昇り降りしていたので、家族からは秘密基地とか言われていました。階段が出来て家族も上がれるようになり、ようやくバルコニー扱いされるようになりました。
     
     さて、人生最後の1本についての、その後です。

前回このテーマを考えてから天体写真、特に画像処理関係の状況が激しく変化しました。AI技術の台頭です。デコンボリューション、ノイズ除去、カブリ補正、これまで撮影者を悩ませてきた多くの問題が「ポチっとな」で解決される時代がもうすぐやって来る事は間違いなさそうに思えます。あとは撮影支援ソフトの進歩も目覚ましいです。

この事によって、「最後の1本」に何を求めるか?という問題にある程度の方向性が見えてきたように私には感じられます。

1,中心部の解像度
2,周辺まで針で突いたような星像
3,明るさ<->焦点距離の長さ
4,取り回し易さ(重量)

これらの関係性を具体的に考えると、

視点1

口径300㎜でF4の明るさがあると焦点距離は1200㎜でかなりの重量になりますが、口径80㎜ならば焦点距離320㎜でF4で、同じ明るさをごく軽量で実現できます。300㎜の大口径は撮影時の条件が良ければ素晴らしい解像度になるでしょうが、気流が悪かったり風が強ければむしろ80㎜の歩留まりが良いかもしれません。つまり明るい大口径は重く設営が大変な割に性能を生かせるチャンスは少ない。80㎜は手軽で画像処理の助けを借りるとコンスタントにそこそこの(悪い時の300㎜程度?)解像度を得られるという事になります。

次に同じF4なら、焦点距離320㎜に対する1200㎜のアドバンテージはどうでしょう?口径差を考えなければ、同じセンサーサイズなら1200㎜は画角にして約4倍の大きさに写ります。最高の条件で撮影した場合、同じ素子サイズなら、320㎜で1本の線に写る対象でも2本に分離する事が出来る理屈になります。いかにドリズルを駆使してもこの差は埋まらないでしょう。これは大口径の魅力ですが、例えば惑星状星雲を考えた時、ラッキーイメージングとかAOを使わないと理論上の解像度は得難いのかもしれません。加えてBXTで処理した画像がどの程度になるかには興味があります。コンスタントに80㎜を遥かに上回るようなら大口径を使う意味がありますね。

視点2

35㎜サイズの隅々まで針で突いたような星像。これはフィルム時代の夢でした。デジタルになると中々全面完全にフラットで均一な星像を得る事が困難になったというか、粗が見えるようになった感じがします。そうはいっても光学系の値段=周辺星像という関係は変わらなかったように思います。BXTの出現によって、そこそこの星像ならそこそこ良くなる事が普通になってみると、「究極のレンズ性能」より「コスパ」の光学系選びもまんざら間違っていない気がするもの確かだと思います。勿論、究極の光学系を持ちたいという気持ちを否定する気はありませんが、そこそこでかなり良い結果が得られるようになったことも確かです。

同じような事は、撮影時の気流の影響、ガイド精度、光軸の精度についても言える事で、突き詰めなくてもそこそこで、そこそこの結果にはなってくれます。それを良しとするかどうかは個人の自由ですが、ペリオディックモーションが大きい波動ギア赤道儀をオートガイドで制御して得られる結果が、機械的精度で寸分の誤差なくガイドする重量級赤道儀より若干劣るとしても、そこそこならそこそこ補正出来てしまうのが現状です。もう1点、ナローバンド撮影が主流になりつつある現状で星の大きさは重要度を失ってしまった事があります。可視光領域全体で収差の無い星像である必要はそれ程求める必要がないと考える人も増えてるでしょう。なんならアクロマートでも?さすがにそこまでは・・・

視点3

鏡筒の重さと赤道儀の重さは比例するというのは、過去の話になりつつあります。つまり15kgの鏡筒を載せるには20-30kg以上の赤道儀が必要ではなくなったという事です。なんなら5,6kgの赤道儀でも撮影する事が出来る時代になったのです。私のような昭和の人間は機械的精度に猛烈に惹かれるのですが、得られる結果に差が無いとするならば、3階バルコニーに30kgの赤道儀か5.5kgの赤道儀のどちらを持って上がるかは考えるまでもありません。勿論、ドームに設置するなら重い方を選びますけどね。こうなると、15kgの鏡筒は何とか持てるけど、乗せる赤道儀はとても運べないという事は無くなります。全機材の中で鏡筒が一番重いという事になれば、とりあえず15kgさえ何とかすれば何とか設営出来るという考え方になるのです。さらに赤道儀自体が軽いならば、5kgの鏡筒でもなんならカメラだけの撮影でも同じ赤道儀を使えるので、30kgの赤道儀のように15kgの鏡筒の時しか出番がないという宝の持ち腐れ状態を回避する事も出来るわけです。軽い鏡筒で撮影する時には持ち運びやすい赤道儀を別に用意する必要が無い訳ですから、かなり節約になります。


ここまでをまとめると、

・大口径の望遠鏡が欲しいなら、その重さが持てれば良い
  =(赤道儀の重量を考慮する必要が無い)

・口径にこだわるのか、焦点距離にこだわるのか、はっきりさせる
 口径100㎜のF5は焦点距離 500㎜
 口径200㎜のF5は焦点距離1000㎜
 口径300㎜のF5は焦点距離1500㎜
 これに対して
 口径100㎜でもF10なら焦点距離1000㎜
 口径200㎜でもF10なら焦点距離2000㎜
 なんですよね。

・波動ギア赤道儀は値段の割に精度はイマイチでも乗せる鏡筒を選ばない
 オートガイドするなら実際の撮影時の精度は全く問題ない
 
私は現在、AM5赤道儀を使用して、R200SS(760mm)とVC200L(1800㎜)を使っています。重量的に全く問題はありませんし、焦点距離でガイドに支障がある訳でもありません。おそらくカウンターウエイトを使えば15kg程度は問題なく搭載可能だと思います。


SHARPSTAR SCA260V2は口径260㎜でF5、ミュロン250はF10(もう作らないのかな)、C11なら279㎜でF10、焦点距離の長さか明るさかの選択になります。逆にこういう時代だからこそVixenVSD90ssのような選択肢もありかもしれません。これは反射か屈折かという選択にもなります。私は長年屈折鏡筒メインで撮影してきました。撮影チャンスの少ない新潟で光軸のズレ等に煩わされたくないという気持ちもありました。実際には屈折でもメタルバックとかスケアリングとか、結構煩わしい問題に悩まされましたが、嫌いな光軸調整はしなくて良い訳です。今回久しぶりにVC200Lの光軸を調整して、やっぱりこの作業は避けて通りたいというのが本音です。VixenVSD90ssは隅々までシャープな星と周辺減光の無い画像、気持ちよく撮影出来るのは間違いありません。しかし、400㎜から500㎜の画角は長年撮影していたので、未知の領域に手を出したいという気持ちもあります。

 もう一つ、残念ながらVSD90ssでBXTを使わずに良い画像が得られたとしても、それだけの事です(レデューサを使った場合は十分BXTの出番はあるようですね)。確かに鑑賞用天体写真は基本自己満足ですから、これは良い鏡筒だ!と悦に入るのも楽しみですが、そうであれば逆にそこそこの鏡筒で周辺星像はイマイチだけど、こんなに綺麗に処理出来たという風に悦に入るのも楽しみです。

人生の最後に「安定」か「冒険」か、という選択を迫られたら、どちらを選ぶでしょう?

どちらも選ばないを含めた3択です・・・


     数十年の蓄積で鏡筒の数は結構あるので撮影用カメラやレデューサの組み合わせは膨大です。新潟は晴天率が低く、まだ試せていない組み合わせも多いので、更に買い足すというのはちょっと気が引けます。それでもBK2完成以降、人生最後の一本って何だろうと考えています。子どもの「一生のお願い」と一緒で、それが最後とは限りませんが、そういう鏡筒を考えています。

まずは今持っている鏡筒を口径順に整理してみました。
  
  miniBorg45EDII
 
レデューサを付けてもF4.8と若干暗いので、昔はほとんどガイドスコープとして利用していて、撮影には60EDを使っていました。最近、冷却CCDと組み合わせで撮影しようとオートフォーカスも付けられるように組み立ててあるのですが、まだ撮影していません。
 
  miniBorg60ED

 F3.9という明るさに引かれて結構デジタル一眼で撮影しましたが、どうも周辺星像と片ボケを解決できず、これぞという撮影が出来ていません。ここ数年はもっぱらガイド鏡になっていました。

それも最近では、さらに小型のガイド鏡に取って代わられて、活躍の場がありません。
 
  Vixen60mmガイドスコープ

 ガイド用の望遠鏡として売られていて、60㎜のアクロマートで簡易微動雲台とファインダーが付いていました。昔はこれでもコンパクトな感じがしたのですが、結局微動雲台は外して更に重たい鏡筒バンドと重たい微動雲台を付けてガイドしていました。重さは精度の時代でした。

現在は全く出番がありません。
 
  Borg77EDII+F4DG

 BorgのレデューサF4DGとの相性がもっとも良い鏡筒だと思います。冷却CMOSカメラで撮影していますが、周囲に明るい星があると、迷光?ハロ?が入ってしまうのが問題なのですが、まだ解決策はわかりません。オートフォーカス時にNINAの評価に任せると実際の星像周辺が赤くなってしまいます。ちょっと引きこめば良いのですが、その辺が難しいです。IDAS-NBZで撮影した画像では問題ないので、ひょっとしてフィルター無しのメタルバックが合っていない事が原因なのかも知れないと考えています。フィルターの厚みでメタルバックは若干長くなると言われているのでフィルターを外して撮影する時はちょっと短くすれば良いのかもしれません。考えてみれば、モノクロカメラなら必ずフィルターが入りますから、基本そのように設定されているのかもしれません。短いメタルバックを長くするのは簡単ですが、デフォールトより短くするのは面倒ですよね。
 
  Vixen80㎜30倍、アクロマート双眼鏡

 胎内星祭でバナナのたたき売りのようにして売られていました。「お兄ちゃん、12倍と30倍、どっちにする」と言われて、どのみち手で持って使う事は出来ない大きさなので高倍率の方を選択しました。月やメジャーな星雲を見るには楽しいですが、彗星にはちょっと倍高過ぎます。安かったのでいっそ両方買っておいても良かったと後悔しています。

当たり前の話ですが、天文館のお手伝いをしていた時に使っていたフジノンとは別物ですけどね。
 
  Vixen Newポラリス80 F910

 中学生の時初めて買った鏡筒です。アクロマートの80㎜で910mmというのは、当時としては若干短かったので明るい鏡筒でした。それでもF11ですけどね。最近Borgのレデューサを付けてデジタル一眼で撮影して「撮影納め」と称して供養しました。でも接眼部のドローチューブを外してBorgパーツでも付けられれば周辺のケラレを少なくもうちょっと良い作品が撮れるのではないか、と目論んでいない事もないです。
 
  VixenED102SS

 20年以上前ですが胎内星祭で中古品で買いました。当時、R200SSをVixenGPD赤道義に乗せて半自動ガイド(死語)でフィルム撮影していて人間の限界を感じていたので、ちょっと軽くてちょっと短い鏡筒が欲しかったのです。実際撮影の歩留まりは良くなったのですが、その後デジタル化の波が押し寄せ、より収差を抑えたBorg製品を使うことが多くなってしまいました。
 
  Borg125SD

 2007年暮れにBorgの中川さんからモニターを頼まれて使わせてもらった鏡筒をそのまま買い取りました。当時タカハシのε180が流行っていて、もしこの鏡筒を手にしなければそっちになっていたと思います。結果どちらが良かったのか、今考えると私には125SDが向いていたように思います。殆どだれも使っていないマイナーな(Borgさんごめんなさい)鏡筒が自分の愛機であり、他人と比較できないという事は良い事です。だってεだったらネット上に同じ鏡筒でこんなに凄い作品があるという事が励みにもなりますが、それを目指すために撮影するような事になってしまいます。
それはつまらない。人と張り合うために天体写真を撮るなんて夢がない。
一応言っておきますが、Borg125SDは良いレンズです。デジタル撮影した感じでは古い設計のFS128より収差は少ないと感じています。鏡筒の作りとか注文を付けたい所は幾つかありますけどね。
 
  タカハシFS128

 これもずっと昔に購入しました。ほぼ未使用でしたが中古です。既にTOA130が発売されていたので、買い換えた方の物かもしれません。当時私はフローライトが欲しかったのです。この先、もう手に入りませんからね。環境に配慮するならフローライトはやめるべきだって言われても、別に存在することが環境汚染ではないですからね。作っちゃったものを大切に利用するのが環境への罪滅ぼしです。
TOA130のキレキレの惑星像は天文館でも体験しました。悪くすると60㎝より良く見える感じがするほどです。FS128はどんなふうに見えるのでしょう?実はこのFS128で惑星を観察したことがありません。
 
  VixenR200SS

 子どもが出来てキャンプをするようになって再燃した天文趣味、最初に買った鏡筒です。中学生の頃には高嶺の花だった20㎝反射望遠鏡に手が届くという幸せ・・・、しかもF4なら直焦点撮影も出来るかもしれないと考えていたのが、二十数年前ですね。
その後、底なしの泥沼に嵌った状態で古屋君のBKに至るわけですが、長い事手元を離れていたのでデジタルで使い始めたのはつい最近2022年秋です。しっかりメーカーでメンテされていて主鏡押さえ金具にも絞りリングがちゃんとついて帰って来たので、もう新しい望遠鏡のような気分で使っています。
 
  Vixen VC200L

 随分前に中古で購入しました。1800㎜F9はフィルム時代には直焦点撮影するにはアマチュアにとって暗過ぎる鏡筒でしたが、デジタル冷却カメラが手の届く物となり、1800㎜で遠方の銀河を撮影できるかもという希望が出てた頃です。自分のシステムで物になるかどうか分からないので、なるべくお金をかけずに軽量でそこそこの性能といえば「これでしょ?」っていうのがVC200Lでした。結果、当時はまだ無理があるという感じでした。ここ1,2年漸くVC200L+レデューサで暗い銀河も写せる環境とハード、ソフトが揃った感じです。
 来春久しぶりに1800㎜での撮影にを再挑戦します。これが最後の分岐点になると考えています。私の撮影環境では1200㎜程度が限界か、1800㎜でも可能性があるかを見極めようと思います。実の所、私のこれまでの使用感覚では焦点距離を1800㎜にしても1280㎜にしてもCCDに写る解像度は同じようなものだったので、今後カメラの素子のサイズが小さくなればなるほど焦点距離の長さより明るさの方が遠方銀河にも有利になってくると感じます。もう一つの懸念はBK2の振動です。期待できる解像度の最後の最後で振動が悪さをしている事が分かれば、この種の撮影は諦めるしかないですね。

来年の春の撮影が終わる頃、最後の鏡筒の輪郭が見えてくると思います。
 

ケンコースカイメモNS
今は、もう、
動かない・・・





ビクセンSD-1
改造機





ケンコースカイメモR





スカイウォッチャー
EQ5
K-Astec AGS-1L







ビクセンGPD
EQ5gotoシステム






ビクセンAtlux
K-Astec AGS-1s




ZWO AM5
 現在、古屋君に常駐している歴代赤道儀(1軸タイプも含む)を並べてみました。

これ以前に完全自作のカメラガイド専用機、ビクセンニューポラリス赤道儀、GP赤道儀等があったのですが、後輩に譲ったり、廃棄してしまいました。
2022/12/1
*ケンコースカイメモNS
 これはスカイメモRを既に使っていた時に、格安中古品で発見しました。かなり本格的に改造整備されていた代物で、欲しい部品や自作パーツが沢山ついていたので買ってしまいました。罰当たりな話ですがスカイメモNS本体以外ほぼすべてを現在も有効利用しています。 スカイメモも購入当初は当然動いていたのですが、今回撮影しようと引っ張り出してきて電源を入れてみたところ、うんともすんとも言いません。開けて中を調べましたが、ギヤ回りは綺麗でまだまだ問題なさそうですし、NSは勿体ない位しっかりした構造なんですよね。断線は無さそうだし、残念ながらモーターやマイコン関係の故障は私の手に余ります。Gitzoの骨董品レベルの三脚に載せてある事もあり、ものすごく重いです。唯一このウエイトシャフトはAM5で使えます。



*ビクセンSD-1一軸コントローラー
 この時代一世を風靡した?スカイセンサー2000PCはDCモーターでしたが、SD-1はステッピングモーターみたいです。これが付いていたGP赤道義を天文館指導員時代、知り合いの子どもにあげてしまったので、モーターシステムだけ残っていたものを再利用しました。ポルタの軸に自作部品でモーターを取り付け、ミザールのテーパープレートに乗せて極軸の角度を付けてあります。極軸望遠鏡はビクセン ニューポラリス赤道義から外したものです。これはポラリス当時使いにくかった・・・
 実をいうと完成時にテスト撮影を1回やったきり、実戦投入はないという悲劇の自作赤道義です。こんなもの持っていくならスカイメモRの方が扱いやすいしコンパクトです。


*ケンコースカイメモR
 既に20年近く使っていますが、まだまだ現役です。この架台と次のEQ5が乗っている三脚がスカイメモNSとセットで売られていた物で、三脚はビクセンのポータブル三脚、架台は極軸用にテーパーの付いた部品と微動雲台が組み合わせてあります。これが製品として売られていたのか、それとも組み合わせて作ったのか分かりませんが、非常に使い勝手が良く、スカイメモRの極軸望遠鏡を使えば数十秒でおおよそ極軸が合わせられます。それまでは骨董品Gitzo三脚を使っていたのですが、極軸合わせの微動装置が無かったので結構アバウトな合わせ方しかできませんでした。確かにそれほどの精度は必要ないのですが、微動装置が使えると体力的にすごく楽です。Polemaster取り付け部品もあるようですが、昔のように長時間露出はしないし、多少画像がずれてもPixInsightで問題なくスタックできるし、そこまでしなくても良いかなと思い、今でも極軸望遠鏡で合わせて使っています。


* スカイウォッチャーEQ5+K-Astec AGS-1L
多分日本でこの組み合わせ使っている人はいないのではないかと、ほくそ笑んでいます。こんなキメラが出来上がった理由は、次に紹介するGPD赤道義をNINAでリモート撮影したいという事です。EQ5のgotoシステム単体でも売られているのですが、EQ5はおそらく昔使っていたビクセンGPと同じ物らしいので、EQ5+gotoシステムの値段を考えると、お得な感じがしてしまいました。ついでに2軸が動くので、GPDから外すAGS-1Lを付けてM-GENを使ったオートガイドとディザリングしようと考えたのです。スカイメモRはデジタル一眼で使う機会が多いのにディザリングが出来ないというのが最大の不満でしたから、これでワンランク上の星野写真を目指せそうな予感もしたのです。残念ながらまだ一回しか撮影していませんがM-GENでしっかりコントロールできるとは確認できました。一応Polemasterを取り付ける事もできますが、そのためにパソコンを用意しなくても携帯アプリで北極星の位置を確認して極軸望遠鏡を使う程度で十分だと思います。


*ビクセンGPD+ スカイウォッチャーEQ5gotoシステム
 この組み合わせは多分使っている人がいると思います。GPDは結構しっかりした作りなのでオリジナルのEQ5赤道義よりgotoシステムの性能が生かせそうな気がします。それまで使っていたAGS-1LではNINAでコントロールするのが難しい部分がありましたが、このgotoシステムはご機嫌です。子午線反転も問題なく出来るようになりました。最初からNINA任せなので、付属のコントローラーは購入以来一度も接続していません。勿体ないですが、古屋君での撮影がメインとなっている現状では、この先も出番はありません。遠征する時には唯一スタンドアロンで自動導入できるコントローラーなのですけどね。GPDはウエイトも含めるとAM5よりかなり重いので、BK2での使用はこの先AM5に取って代わられる可能性が高いです。それでも新潟のようにめったに晴れない地域では貴重な晴れ間を無駄にしないためにも、常にバックアップシステムは必要ですよね。


*ビクセンAtlux+AGS-1s
 購入から数年で、スカイセンサー2000PCでのオートガイド撮影に限界を感じk-astecさんでモーターとコントローラを交換てもらいました。それから十数年現時点で最も利用頻度が高い赤道義です。コントローラーのAGS-1sは、星羊翁さんが用意してくださったE-ZEUS用ASCOMドライバーのお陰で、自動導入などパソコンアプリの恩恵を受ける事が可能です。NINAでも子午線反転以外は自動でコントロールできるので反転する事がないBK1での撮影ではまだまだ利用できると思います。重いのでこの先BK2まで運び上げ事はAM5が壊れた時以外にはないと思います。色やデザインも気に入っているので、最後は墓石にして欲しいですね。


*ZWO AM5
 2回撮影テストをした感じではとても良い赤道義です。軽くてパワフル、きびきび動いて音も静かです。オートガイドもこれまで試した限りでは問題ありません。新発売のハーフピラーも良いですね。
コントローラーはシンプルな機能しかありませんが、NINA等で撮影するなら十分です。重い鏡筒を乗せやすい位置に動かす事と、Cancelボタンを長押しするとゼロポジションに戻るというのが、このコントローラーの存在意義です。果たして何年ぐらい動くのか使ってみなければ分かりませんが、撮影が楽になるのは間違いありません。




  2022年9月7日

8月にR200SSが帰ってきました。この鏡筒はフィルム時代に活躍?した鏡筒なのでデジタルの作品は殆どありません。とても良く整備されていてまだまだ使えそうなので、最新のデジタル機材で記念撮影を行うべくASI6200MCProとEAFを導入しました。EAFは3台目、この赤いヤツらは増殖傾向にあるようです。

R200SSは輝星の光条に主鏡を押さえる金具の影響が出て、ちょっとばかり邪魔なのですがそれも「味」と考えて、使ってみようと思います。どんなふうに写るか楽しみです。新型のコマコレクターにも興味はありますが、なんかバランスが悪そうですよね。

新しい鏡筒や赤道儀も、ナローバンドフィルターも、欲しい欲しいと思いながら中々踏ん切りが付かないのは後何年を考えるとちょっともったいない気がするからです。しかしCMOSカメラは10年経ったら、もう過去の遺物と言えなくもない気がするので、意外とすんなり買えました。あれ??Atik383L+は10年使って一応現役か・・・


VC200Lは涼しくなったらしっかり光軸調整をする準備をして秋待ち、Brog77EDIIはオートフォーカサーの取り付け金具のアイデア募集中、今度こそ重いカメラでもベルトがスリップしないように工夫しようと思います。

まだまだ現状の機材でもやる事が一杯あります。
 
    2022年4月

昨年秋からの鬱憤を晴らすように良いお天気が続く4月でした。

色々撮影は出来たのですが、VC200Lはオートフォーカスと星像に悩まされました。

考えた結果、これ以上調整や改造に時間とお金をかけるより、新鏡筒を導入すべきという結論に至りました。私の性格上最も気になるのはSCA260です。重さも15Kgとギリギリ現状の赤道儀でも扱える重さですし、焦点距離はレデューサを付けたVC200Lとほぼ同じ1300㎜です。口径が大きい分F5とかなり明るいので有利なのは確かですね。最近作例も見かけるようになって来ましたが、調整も含めて使用者の腕と考え方次第という感じですね。高価で重くて納期の遅い国産某メーカーの製品は信頼性は高いですが、私ごときが生かし切る自信も腕もありません。「綺麗に撮れて当たり前」を使うより、「結構綺麗に撮れるシロモノだねー」の方が性格に合っています。今の所購入できるのは早くても超緊縮財政が終了する再来年・・・。果たして生きているかどうかすら定かでありませんが、働く目的にしておきましょう。

次にEOS6Dの後継機です。冷却カラーCMOSカメラでフルサイズ・・・・値段が障壁ですね。中古で買ったEOS6Dはこれまでの実績で1作品あたり2300円となっています。モザイク合成したものは1作品とカウントしているので、実際にはもうちょっとコスパは良いと思います。例えば50万のカメラを購入した場合ざっくり217作品撮ってEOS6Dと同等と考えると、気が遠くなります。年間20作品撮影しても10年以上かかるとなると、現実的には1作品1万円を切るように頑張るとしても相当高い買い物です。




 
    2021年10月

何か違うぞ?

9月に還暦を迎え、いよいよ高齢者の仲間入り

趣味も将棋(観戦のみ)、俳句、AudioBookと一通り高齢者ジャンルを押さえつつ、天体写真だけは継続しようと意気込んでBK2を整備して、機材更新計画を進めていました。機材更新は5月以降緊縮財政が発令されて頓挫していますが、別に写真は撮れるはずなのです。しかし悪天候や巡り合わせの悪さで思うように撮れない日々を送っている、と思っていました。

が・・・、

実は撮影意欲が著しく低下している事に気が付きました。
理由をいくつかあげてみます。

1,家で撮影出来る環境があればこそ、、お天気が不確実、条件が良くない日に頑張る気が出ない。遠征のようなお祭り感が無いので、くたびれもうけはしたくないという慣れ。

2,体力の低下=意欲の低下

3,NINAによるほぼ全自動撮影で、写りの違いは、機材と空の良し悪しだけになりつつあるため工夫しようとか頑張ろうという気持ちにならない。面倒臭いと思っていた構図合わせ、ピント合わせが実は重要な要素だったのかもしれません。

4,画像処理の自動化、PixInsightのプロセス・スクリプトが非常に進化しているため、何も考えなくてもそれなりの処理が出来てしまう。私の性格上、更に上を目指す必要性を感じない。

つまり私の中ではプラトーに達しているという事なのかもしれません。星を撮影し続ける最大のモチベーションは「上手くいかない」「思うように写らない」という事です。何しろ殆どの対象はネット上に素晴らしい作例が存在している昨今、星雲や銀河を撮影する時に、未知を探求するという動機は大きなウエイトを占めないように思います。勿論、このフィルタ―を使ったら、このカメラを使ったら、この光学系を使ったら、どう写るだろうという好奇心はありますが、それはちょっと違いますよね。

まあそんな訳で、古屋君を購入した5年前とは随分気持ちの持ちようが変わってしまった自分に気が付いた今日この頃です。


 
    2021年6月

125SDで出来るなら、ヘリコイドの回転がより軽いminiBorg45EDならもっと簡単に作れるのではないかと考えて、挑戦してみました。

鏡筒が短く、ヘリコイドも前方についているので、非常に簡単な構造で作る事が出来ました。
回転はスムースでもテンショナーがあった方が安定します。

レデューサを付けた45EDIIは焦点距離218㎜、F4.8となります。冷却なのいデジカメを使うにはちょっと暗い気もしますが、冷却CCDならば問題ないですね。ASI2600MMProをメインカメラにしたので、ちょっとガタは来ていますがAtik383L+を付けてしばらく使おうと思います。オートフォーカスが可能ならフィルター交換毎のピントの確認もNINに任せられるので、撮影の手間は殆ど気になりません。
 

NINAにはフィルタ―毎にオフセット値を設定できるので、1度フォーカスを合わせるとフィルタ―交換時にオフセット分フォーカスを移動して撮影する事が出来るので、シーケンスをループして撮影する事も可能なのですが、私はこのオフセット値を上手く決める事が出来ずにいます。多分フィルター毎にフォーカスを合わせて8枚とか12枚とか撮影しながらフォーカスポイントを記録しているので、温度変化の影響を受けてしまうのでしょう。手間でもフィルタ―毎にピントを合わせて1枚だけ確認用の撮影をするような作業をすれば、納得の行くオフセット値が得られるのかもしれません。

ただ、オフセット値は一定ではなく温度によって変化するというような話も聞くので、悩ましい所です。

使用したタイミングベルトは3Dプリンタ―用のGT2と言う規格らしいです(2㎜ピッチの6㎜幅)。プーリーもこれと噛み合う16歯の5㎜穴でZWOのEAFに直接接続出来るものを使用しています。タイミングベルトは適当な長さでリング状に加工しなければなりませんが、エンドレス加工についてはネットに色々情報が載っています。ただし今回はベルトがグルグル回る程動く事は無いので、どんなつなぎ方でも支障ない位置に調整しておけばオートフォーカスの動作に問題は無いと思います。




 
  2021年5月

Borg125SDのヘリコイドをオートフォーカス化する試みです。

いくつか方法を試して結局、プーリーとタイミングベルトを使う事になりました。この方式のポイントはベルトの張り具合です。緩いと空回りしますし、きつ過ぎると回転に支障が出ます。張り具合の調整にはテンショナーが良いようです。これを使わないと、ピンと張っているつもりでも回転時のベルトのたわみが大きく動きが不安定になりますし、テンショナー無しで無理やりきつく張るとモーターの負担が大きくなり回転しません(2号機で実験済)。 

125SDはヘリコイドの位置が取り付けバンドよりかなり後方なので、テンション調整用のネジを途中に付けた取り付け金具になっています。鏡筒を取り付けるプレートの後方をヘリコイドの位置まで延長する方法も考えたのですが、天頂付近でプレートが赤道儀と干渉する可能性があったので、無理をして上側に取り付ける方法を選びました。

NINAを使ってZWOのEAFをコントロールしていますが、この時のグラフは右側が平らになっているので、若干バックスラッシュの設定値が少ないのかな?と言う感じです。

NINAのオートフォーカスのシーケンスは、私の想像ですが、
1,現在の位置(だいたいフォーカスが合っているポイント)から数値が大きくなる側に
  数ステップ移動

2,バックスラッシュで設定された数値分モーターを動かして撮影を開始
  バックスラッシュが合っていれば、グラフの右側に平らな部分は出ない事になります。
  右に平らな部分がある=バックスラッシュ設定値が小さい
  右がグラフの途中(判断は難しい)から始まる=バックスラッシュの設定値が大きすぎる
 という事だと思います。

3,1ステップ分づず戻りながら撮影しグラフを作る

基本的にはこんな感じですが、場合によっては右側に戻って追加撮影したり、いくつかのバリエーションがあるようです。そしてグラフから計算したフォーカスポイントに移動して撮影しオートフォーカス終了です。この時、フォーカスポイントのHFR値がグラフ作成時の値と比較して25%以上大きいとオートフォーカス失敗と判断し、最初のポイントに戻って終了となります。

 
2021.5.26
月蝕の出
 
2021.5.26

今回の月蝕はスーパームーンで話題になりましたが、個人的には古屋君BKの月の出限界を知る貴重な月蝕になりました。

ステライメージで85㎜の画角で飯豊と月の出がギリギリ入る位置からの月の出です。これを実際にBKから300㎜で撮影した画像で見ると左の杉林のギリギリ端になります。 

BKから月の出を見る事が出来る機会は非常に少ないのですが、この先何かが昇ってくる時の撮影限界として記録しておきます。

残念ながらBK2からは月の出は見る事が出来ませんでした(屋根で見ましたけどね)。わずかな差なのですが今回が限界を知る絶妙の位置だったという事です。
 
2020.12.20
17時15分頃

Tamron70-300
70mm,F4
NikonD800,ISO3200
1/3秒 



VixenVC200L, GPD改
NikonD800,ISO3200
1/3秒 露出オーバー
2020.12.23

最接近は逃しましたが、20日の夕方、強い冬型のわずかな晴れ間に18㎜アイピースで同一視野に木星と土星を観ることが出来ました。場所は新潟市西区四ツ郷屋の諏訪神社前の広場です。

ここまでの接近は一生に1度しか見る事が出来ないと思うと、惑星屋ではありませんが、結構感動しました。

一応証拠写真に直焦点も撮りましたが、露出オーバーですね。ピントも合っているのかいないのか。事前にアイピースと同じ焦点位置に調整して50.8㎜のアダプタを付けておいたのですが、カメラの露出を調整している間に雲に隠れてしまいました。たった1枚の記念写真です。撮る事が目的ではなかったので十分です。
 
 

2020.12.21
17時30分頃の予想

VixenVC200L 1800㎜
アイピース12㎜ 
2020.12.4

世紀の天体ショーに向けて

大げさでもなんでもなく、木星と土星が望遠鏡の1つの視野に入るなどという事は滅多にありません。残念ながら古屋君の星見櫓BKでは17時30分でこの位置なので、仕事を終わって古屋君に帰る事には観望不能な位置になってしまいます。 そこで、撮影用に色々いじって来たVC200Lを急遽移動観望用に組み直すことにしました。鏡筒バンドを外して、アリ型プレートとキャリーハンドルを付けて・・・あれ?何処に片付けたっけ?実家に置きっぱなしだったような??

BKからGPDを下ろして(多分BK++計画が完了すれば必要なくなるので)、調整して。やる事は沢山あります。

で、問題はお天気ですね。チャンスは12月20日から23日位まででしょうか。4日もありますが新潟では晴れない季節です。全滅という事も十分あり得ます。元々惑星の撮影は苦手なので、とにかく「一目見る」という事を目指して準備しようと思います。
 
  2020.11.10

BK++計画は、最も夢の無い現実的で無難な設計に落ち着きました。

星見櫓を通らないと階段に到達できない設計は避けたかったのですが、階段部分がユニットなので設置スペースの融通が利かないという点がネックでした。それでもBK++で完全リモート撮影出来る環境を作れば星見櫓でも同時に撮影出来る訳ですが、今更2台体制でがっつく事もないのかなという気もしたりします。 

この工事が来春完了すれば星見櫓増強計画は終了です。あとは古屋君周辺の空が現状の暗さを維持してくれることと、夜空に星が見えなくなるような環境の激変が無い事を願うばかりです。

 

第1案



第2案
サンプル画像



第3案


  2020.9.2

BK++計画(星見櫓BKに階段を付ける計画)が頓挫して半年が経ちます。現在までに考えた設置方法は、

第1案は星見櫓の反対側の二階の壁をぶち抜いて扉と踊り場を付けて、そこからBKに上がる階段を設置する。

第2案は家の中に二階から大屋根裏に上がれる階段を付け、大屋根にハッチを付けて出入りできるようにする。ハッチ周辺にBKと接続する床とフェンスを設置する。

第3案は星見櫓からBKに登る梯子を階段に交換する。

以上3つですが、それぞれの案に利点と欠点があります。

第1案は、星見櫓での撮影に影響なく階段を利用できる構造になりますが、工事費はかなりかかりそうです。また星見櫓側は運よく壁をぶち抜けましたが、何らかの理由で、この部分に扉を付けられないと実現できません。

第2案は屋根にハッチの時点でかなり非現実的です。積雪対策や雨漏り対策が出来なければ実現できません。家の中に階段があると安全面では良さそうですが、大屋根にBKとの接続部分を設置する金額も馬鹿になりません。ただし、この案が最も撮影に支障なく上り下りできると思います。

第3案が金額的に最も安くなりますが、星見櫓での撮影に支障がでます。特に階段を設置することで撮影機材を置く場所に制約が出そうです。さらに撮影中星見櫓を歩くと振動が出てしまうためBKに上がれません。ただし星見櫓での撮影を諦めるなら、これで良いのかもしれません。


これと並行して考えたいのが、次の機材です。恐らく天体写真人生最後の機材になると思われますが、赤道儀は最近流行りのハーモニックドライブは気になります。何と言っても軽くてたくさん乗せられるという点がBK向きです。ガイド精度とかどんな感じなのでしょう。
鏡筒は現在所有している物でも十分ですが、もっと明るく、もっと大口径という天体写真家的な欲望はありますね。十数年前Borgは面白かったですが、現在それに匹敵する「何か」はあるのでしょうか?へそ曲がりの性格なので結果の分かり切った買い物はしたくありません。反射望遠鏡は苦手なのですがRASA8とか面白そうですね。ケーブルはどんなふうに処理するのでしょう。F2だと光軸調整大変かな。いずれにしてもBorg125SDに匹敵する18kg以下のマイナー鏡筒を最後の友としたい所です。やはり暗い空を生かせて、一晩でけりが付く対象狙いで行くのかな、これからも。
 

EOS6D
トリミングなし


EOSkissX7
トリミングなし
オメガ星団
2019.5.29
Borg125SD+F4DG
CanonEOS6D改造機,
露出90秒、ISO3200
6枚スタック



2017.5.19
CanonEOS X7改造機
露出90秒、ISO3200

1枚

ニューアトラクス改、miniBorg45+QHY5L-Ⅱ、PHD2にてガイド

古屋君からオメガ星団を撮影する計画は一昨年から始まりました。

星見櫓からの最初の挑戦では南側にある街灯の明かりが強く迷光の処理が上手くできずにスタックするには至りませんでした。

そこで星見櫓BKからの撮影を目指して、BK上での77ED Ⅱ程度でのオートガイド撮影の準備を進めましたが、当日用意したノートパソコンにUSB接続が頻繁に切断するという不具合が出てしまいました。以前から不安定な感じはあったので、やっぱりか・・・という感じだったのですが、他のノートを代用にしたくはなかったので急遽星見櫓にセッティングしてあったいつもの125SDで再挑戦してみました。対街灯用フードのおかげでフルサイズ、トリミングなしでこの程度の画像を得ることが出来ました。既に南中を過ぎていたので撮影時の高度はステラナビによると4.48度ということでした。色調はかなり赤に偏移していたので、背景を合わせながらRGB個々に手動でHTを行ってレンジを切り詰めました。

一昨年の1枚画像と比較する分にはかなり良く写りましたが、次回に向けてBKでの直焦点環境を整えたいです。BKのコンテナで冬を越したVixenGPDは星野写真を撮る分には何の不調もありませんが、何しろ年代物です。小型で高性能な赤道儀と交換し、できれば500㎜程度のガイドが出来る環境にしたいです。
2019.4.12

夏の天の川
Canon EOS6D改造機
(ハヤタ・カメララボ) 
Nikkor 28mm(F1.4)F4程度

さそり座の散光星雲
Canon EOS6D改造機
(ハヤタ・カメララボ) 
carl zeiss Planar85(F1.4) F4

ISO3200, 90sec.
VixenGPD改オートガイドなし 
2019.4.22

久しぶりに非常に良い条件で撮影する事が出来ました。

以前から星見櫓BKからの撮影計画を考えるための参考になるような画像を作っておきたかったのですが、ようやくそれらしい物が出来ました。

ステライメージだけでは地上風景との位置関係が正確に分かりませんが、このような画像と組み合わせれば、かなり正確にカメラのセッティング位置を特定できます。場合によっては、ガイド開始時間や撮影開始時間を予約して寝ながら撮影スタートなどと言う横着も出来そうです。

 現実的には温度変化によるピントの微調整とかは必要になるので、完全にお任せと言うわけには行かないかもしれません。


見れば見るほど
BK
 



家の一部と言うよりは、
天文機材・・・
 2018.10.10  
 2016年11月に古屋君に越してきました。その時、スライディングルーフが出来るまでのつなぎのつもりで、二階から出入りするバルコニーを設置しました。その後、星見櫓なんて名前を付けて撮影を始めましたが、なかなか使い勝手が良くVC200L1800mmのガイド撮影も何とか出来る事がわかりました。恐らく振動の影響が皆無ではないと思うのですが、地上で撮影するより格段に視界が広い事と、熊とか猿とか気にしなくて良いので気が楽です。

結局、ルーフの建設は諦める事になりましたが、それならさらに高い位置にもう1つバルコニーを設置すれば、カメラの広角レンズでも十分撮影出来ると思い立ち、大屋根の高さに第2のバルコニー「星見櫓BK」を設置する事にしました。

今年はお天気が悪くて稼働率は良くありませんが、BKからの視界は抜群で自宅で天の川を魚眼撮影出来るようになりました。それ以外にも、飯豊連峰を眺めながら、夜明けのコーヒーとか、夕涼みのビールとか、これまでキャンプでなければ味わう事の出来なかった爽快感を古屋君に居ながらにして楽しむ事が出来るようになりました。

この先、何年撮影出来るか分かりませんが、2月の明け方に天の川を撮影するのが目標です。冬場、新潟では滅多に晴れませんが、大雪の後稀に快晴になる事があります。胎内で働くようになってから一度だけ、2010年の2月に高坪山で撮影した事があります。BKの上で雪景色の天の川を撮影してみたいです。

 
古屋君に決めた最大の理由は
この1枚にある!
と言っても過言ではないのだ。
2018.1.19



Canon EOS6D改造機
(ハヤタ・カメララボ)
Nikkor 58mmf1.4G(F1.4)
ISO6400, 5sec.
8枚コンポジット、固定撮影

固定撮影5秒では58mmだと星は点になりませんが、PixInsightでは星としてアライメント可能です。実際は地上は動かず星が移動している画像ですが、コンポジットすると地上風景がぶれます。
2018.1.22

現在の赤道儀
Vixen ニューアトラクス(k-astec改)、GPD(k-astec改)、スカイメモR

現在の鏡筒
VixenVC200L, Borg125SD, タカハシFS128 等

現在のカメラ
Atik383L+、EOS6D改、EOSkissX7改、NikonD800ノーマル

現在の撮影場所、
古屋君の星見櫓
出来れば赤道儀は据え置きにしたいのですが、立地の関係と積雪量でスライディングルーフは諦めました。

この先10年について考える。

現状と予測、
恐らく働きながら星が見られるのはあと10年。
古屋君は持ち家なので、仕事を辞めても維持可能。
古屋君敷地内に観測小屋は設置しない。星見櫓、計画中の星見櫓2からの撮影となる。
重い赤道儀を購入しても据え置き出来なければ、宝の持ち腐れ。
屈折鏡筒、カメラレンズは恐らく一生使える。

今後に有効な投資は、
星見櫓2の設置(全てに優先すると思われますが、構造上設置不可の場合もありうる)
高感度な撮影用デバイス
軽量高性能な赤道儀
明るいカメラレンズ、あるいは明るい短焦点鏡筒(反射屈折を問わない)

今後継続・挑戦すべき撮影スタイルは、
星見櫓で現状装備で可能な撮影
星見櫓2での広角撮影
大口径反射+経緯台での短時間撮影(可能な時代はやって来ると思われますが・・・)

投資を見送る撮影スタイル
大口径+長時間での遠方銀河の撮影(現状でやれる範囲で楽しむ、所詮新潟・・・)
大型赤道儀導入による高精度撮影(据え置き出来ない限り無駄になる)
遠征による撮影(自動運転車が実用化されない限り仕事との両立は難しい)


 
  最近のお買い物


国際光器

超低価格
電動モーターフォーカサー
「KHM」
 
2017.7.5 

古屋君で撮影を始めて8か月、この間に買った天文機材はこれだけです。

9800円。

ケーブルは5mの物を別途購入しましたが、値段の割りにしっかり動いてくれるので、とても満足しています。

星見櫓でのピント合わせは、ダイヤルゲージを鏡筒とCCD間に装着しドローチューブの繰り出し量を測れるようにして、櫓の外でCCD画像のFWHMをパソコン上で確認しながら、ダイヤルゲージのメモリを見ながらフォーカサーをコントロールしてピントを追い込んでいきます。特にVC200Lはピントが合っていないと星像が歪になるので(光軸の問題?)注意が必要です。注意点はモーターのトルクが貧弱なので、ドローチューブの撓みを軽減してある程度高度のある星でもスムースにモーターが回転できるように調整することです。

このシステムはBorg125SDにも取り入れたいのですが、Borgはヘリコイドなんですよ。
何か上手い方法は無いでしょうか。
「FSQにする?」
「それは言わない約束でしょ!おとっつあん」
480mmでも櫓の上に乗った状態でピント合わせをするのは厳しいです。禅というかヨガというか、自分を無にする精神的修行が別途必要な気がします。

今年の夏はとりあえずVC200Lをメインに撮影して、今後の機材整備について考えて行こうと思います。星見櫓は以前の住宅と違ってカメラ広角レンズまで対応可能な暗さなので、広角撮影をメインにした方が何かと楽な事は確かです。遠方銀河を狙うには櫓の強度とか設置精度とか面倒ですね。

ルーフ式観測小屋を作ったら銀河を撮影三昧と思っていたのですが、砂上ならぬ塵上の観測所は夢と消えてしまったので、現在は星見櫓のバージョンアップを考えています。

あと3m高い位置にカメラを設置出来れば・・・


2016年撮影

2014年撮影
 
  2017.6.17

蛍の時期ですが、今年は気温が低く古屋君周辺ではまだ飛びません。

蛍星景の目標は「天の川と蛍」なんですが、時間的にも季節的にもかなり条件が厳しいです。

蛍が活発に飛ぶ20時前後の天の川はまだ低いく、空も明るい
21時を過ぎて気温が下がって来ると蛍は少なくなってしまう
地平まで天の川が見えるような快晴で湿度の低い日は蛍が活発に飛ばない
月が明るい時は撮影出来ない

過去の経験からこんな条件を自分なりに設定しています。

川があると比較的蛍の密度が高いのですが、蛍が飛ぶ川で南東の見晴らしが良いうのはなかなか見つかりません。月は下弦になり来週辺りは撮影条件がよいので、気温が上がって蛍が活発に活動してくれると撮影チャンスはあると思うのですが、
 

全体に赤いなー

ノイズ処理を
工夫して
2017.5.19
彼岸花星雲(NGC6357)

CanonEOS X7改造機,
   Borg125SD+F4DG
露出90秒、ISO3200
60枚コンポジット
ニューアトラクス改
2017.5.21

19日夜、ω星団を撮影後、これも直焦点では未だに撮影した事が無い対象、彼岸花星雲を撮りました。125SDの星像の問題とガイド鏡の問題は解決し、良好な星像になりました。全体に赤っぽいのは低空のせいなのかも知れませんが、もうちょっと工夫して処理してみようと思います。

最初の10枚程は高度が足りず遮光用のシートでけられてしまったので60枚しか使えませんでした。チャンスがあれば出目金星雲も撮ってみたいですね。

 
通常のカラーキャリブレーションでは赤さを抑えられないので、PIのノイズ除去を利用してちょっと赤を抑えて処理してみました。色彩豊富にはなりませんが、星雲名には合っているのかも知れません。

天頂に半月

西に沈みかけた月

月の無い桜

月は無いが
車のライトに照らされた桜

満月の天の川桜
 
桜星景という事



 
2017.4.18

新潟にもようやく桜の季節がやって来ましたが、連日の雨と強風です。胎内川の土手の桜は週末が見頃と思っていたのですが、どうなる事でしょう。 

毎年、桜と星を撮る計画を立てていますが、実際思うように撮れるのは2,3年に一回程度でしょうか?いくらお天気が悪い新潟と言っても、桜の見頃に1、2回位は星空が見えるのですが、その時の月の明るさが桜星景を難しくしています。

例えばオリオン桜は夕方から21時過ぎにかけて月があった方が色彩豊かな桜を撮れます。オリオン座は明るい星が多いので、少々月明かりがあっても星座が写らない事はありません。

北斗七星桜は明け方近くまで撮影可能な事に加えて、対象が北向きなので、オリオン座より月明かりを味方にしやすい対象ですが、今一つ迫力に欠けるというかオリオン座ほどぱっとしません。

月明かりを使う撮影で最も条件が厳しいのは、やはり天の川桜でしょうか。基本、天の川は月が無い時に影するものですが、条件の良い所ほど新月の桜は写りません。天の川と桜を両方撮影するためいは深夜から2時頃まで、沈む月明かりで桜を照らしつつギリギリ天の川を撮るという事になると思います。明る過ぎれば天の川は写りませんし、暗過ぎれば桜に色がのりません。

ステラナビでシミュレーションすると、胎内川の土手の桜では2021年の4月20日頃が好条件となります。日本全国を旅しながら天の川桜を狙うなら別ですが、自分が暮らす所で月明かり天の川桜の撮影に成功するのは10年に1回程度かもしれません。そこで、桜に照明を当てる事で天の川桜を綺麗に写す方法を用いると言う事もあるのでしょう。

後は、カメラの性能が向上すれば、満月でも天の川が撮れたり、新月でも桜が綺麗に写ったりするような時代が来るかもしれません。もちろん画像処理で月夜の桜と天の川を合成してしまえば簡単かも知れませんが、それは味気ないです。ポスターやデザインとしては見栄えがするので有用だと思いますが、その派手さが仇となり何となく観光地の絵葉書のようになってしまう気がします。何回か挑戦したのですが、「○○夜桜祭り」的な雰囲気になるので断念しました・・・
 
砂上の楼閣  2017.3.24

去年、古屋君を購入する時に、最終的にこんな感じでルーフ式の観測小屋を設置したいなー、なんて考えていました。

しかし、雪が融け雑草が枯れた所に現れたのは、倒壊した木造の小屋。なんと土手だと思っていた所は潰れた小屋だったのです。これでは小屋on小屋になってしまいます。CGでは何となく様になっていますが、こんな風には作れない事が分かりました。

夏に向けて、雑草やその他諸々の侵略を食い止めるためには、この小屋と埋もれている廃材などは完全に撤去した方が良いので業者に見積もりを依頼しました。小型のパワーショベルとトラック2台分という大掛かりな撤去作業になるそうです。

思わぬ出費の上に、観測小屋を設置しようと思っていた土手がなくなってしまうので一旦白紙です。
星見櫓は思った以上に活用出来ているので、廃材を整理して機材を出せるようになったら、2,3回撮影してみようと思います。夜熊と鉢合わせしたくないので、何らかの防衛策が必要ですね。
 
2017.3.13

Vixen VC200L、1800mm
アトラクス改

Atik383L+
もう時代遅れになってしまいました
2017.3.15

古屋君も次期整備計画を考えなければなりません。

雪が融けたら観測小屋設置に向けた廃材整理を行いますが、昨年のカメムシ襲来、今年の積雪量を考えると果たしてルーフを維持していけるか、不安材料が多すぎます。しばらくは順調に稼動?している星見櫓での機材運用を主に整備を進めていこうと考えています。

前回、極軸合わせのポカはありましたが、アトラクスでのガイドに目処がたったので、いよいよVC200Lを使ってみようと思います。さすがに振動の影響を受けそうな気がしますが、何事もやってみなければ先に進めません。

整備計画ですが、

1、撮影用デバイス
 Canon6D改造機、NikonD810aなどフルサイズ天文用デジタル一眼の購入
 冷却CCDのデジタル一眼に対するアドバンテージはますます少なくなっている上に、高性能機は相変わらず高価です。 新潟の晴天日を考えると天文(直焦点)専用のCCDは勿体無い気がします。

2、光学系。
 125SD+F4DGではNikonマウント+フルサイズで口径食が出るなど、フルサイズ対応が遅れています。フルサイズを見据えた次期鏡筒、出来ればフォーカサー付き・・・、なんか限定されますね。

3、赤道儀まわりの機能強化
 ちょっと休んでいた間に、デジタル極望による極軸合わ、マルチスターガイドやAI搭載ガイダーなど、ガイド精度向上著しいです。パソコンもさすがに何とかしないと。どれから手をつけましょう。

 
IC348周辺

CanonEOS X7改造機 Nikkor AiS180ED(F2.8) F4
ISO3200 90秒露出

2016.12.21
29枚
Vixen GPD赤道儀、
QHY5L-Ⅱ、PHDguiding
windowsXPノートパソコン

2015.10.6
37枚
Vixen GPD赤道儀、
QHY5L-Ⅱ、PHDguiding
win8.1タブレットで制御 
 2016.12.23

クリスマスツリー星団が撮影高度になるまで、これを撮りました。一時間は撮れない予想でしたが、去年37枚撮影していた事を思い出して、合わせれば何とかなるかなと、甘い考えで29枚で終了しクリスマスツリー星団に移りました。

無理やり処理してみましたが、色も淡い部分も怪しい感じで、信頼性がありません。
まだまだ露出が足りないのでしょう。

あと2時間くらい撮影すると何とかなる手ごたえがあっただけが収穫でしょうかね。

で、情けなかったのは・・・

去年の画像を探すために、撮った日付をHPで確認し、保存用のハードディスクを探したのですが見つかりません。他のディスク、パソコン、メモリーカードなど散々探し回って半日かかって見つかりませんでした。

「あっ!NGC1333のフォルダーに入れたんだった」って思い出したのは夜になってからでした。
2016.12.21

23枚コンポジット
CanonEOS X7改造機、Nikkor
180mm(F2.8) F4
露出90秒、ISO3200、

VixenGPD+QHY5L-Ⅱ、
PHDguidingにてオートガイド
2016.12.22

12月の貴重な晴れ間。普段の水曜日なら海の家に帰るところですが、木曜に仕事があったので古屋君にお泊りでした。 

この領域は2008年にminiBorg60EDで撮影しましたが、色の乗りが悪く何時か再挑戦しようと思っていました。180mmで若干画角が広くなった分、カタツムリの上の暗黒帯を入れる構図にしました。構図は概ね思った通りでしたが、撮影枚数のうち何枚かは薄雲の通過、あとはガイド不良で使えませんでした。風は無かったのですがバランスが悪かったみたいです。次の対象ではウエイトを調整したので良好でした。

今回はLPS-P2もV3も使わなかったので、色はあります画像処理が上手く行きません。今回はフラット補正だけなので、ダークも入れて最初からやり直してみようと思います。
 

15枚コンポジット

62枚コンポジット



Preview領域

恒星を使用

領域を使用
2016.12.3, 4









CanonEOS X7改造機
LPS-V3フィルター使用、
Nikkor 58mm(F1.4) F4程度
露出180秒、ISO3200
VixenGPD+QHY5L-Ⅱ、PHDguidingにてオートガイド 
2016.12.6

今回は58mmを使って冬の淡い所を狙ってみようと思いました。前回と同じでは芸が無いので、フィルターは長い事お蔵入りしていた、LPS-V3フィルター、前回は絞りをF2.8として露光量を稼ぎましたが、今回は絞りをF4として、露出時間をこれまでの2倍の180秒としてみました。

結果、ノイズが多くて処理し切れません。EOSkissX7はISO1600でもISO3200でも、90秒と比較して180秒では格段にノイズが多くなるようです。以前ISO1600、180秒で試したときはそれなりの画質になったのですが、ISO3200では15枚程度だと使い物にならないようです。90秒露出なら30枚となり、これまでの経験ではかなり綺麗に仕上げる事が出来るのですが、ISO3200、180秒では、どうも上手く行きません。

ダーク減算、フラット補正、ベイヤーRGB変換、コンポジット後の画像で比較してみました。
総露出時間では90秒71枚より、180秒、62枚の方が長いにもかかわらず、画質は圧倒的に90秒の方が良好です。180秒、15枚ではかなり画質が悪いです。LPS-V3フィルターの影響もあるかも知れませんが、露出時間が2倍なので、V3で露出不足とも思われません。間違ってF8で撮影した画像はかなり露出不足ですが、画質は同じような傾向に見えます。

念のため、ダーク、フラットを作り直して再現性を確認してみますが、現時点ではISO3200の場合、180秒まで延長するのは得策ではないように思われます。









V3フィルターの色調について

色調の面から見るとV3は使い辛い感じはします。しかしSh2-240のような極淡い星雲に関しては、普通に撮影するとどんなに露出を重ねても冬の天の川の微光星ばかりが強調されてその姿を見る事は殆ど出来ませんから、それなりの効果はあると思います。

今回PixInsightのカラーキャリブレーションを使って気が付いたこと

まず指定するプレビュー領域は、Preview1:バックグラウンド、Preview2;ホワイトバランスです。
この状態で、StructureDetectionをチェックするかしないかでV3画像はかなり違うことが分かりました。このチェックはおおよそ星像を使うか使わないかのチェックで、星像を利用してホワイトバランスを調整すると、恒星の色調が自然な感じになりますが、星雲部分の青が貧弱になります。

逆にチェックをしないと恒星は青みが強く特に微光星が青っぽくなってしまいますが、星雲の青い部分はある程度表現可能です。

おそらくV3フィルターを使った画像は赤(Hα)は通りやすく、他の波長が制限されているという事が原因なのだと思います。やはり赤い星雲についてはP2などよりも極端な効果を有するフィルターなのでしょう。

また機会があれば使用してみたいですが、フィルターの影響で暗くなる分は、絞りを開くか、あるいは枚数を増やすなどで対応し、露出時間は90秒が良いでしょう。



結局今回は、領域でホワイトバランスを調整して、青い星はSI7のLab色彩調整を使って、お茶を濁して終了にする事にしました。
 
Plots画面 FWHM
2016.11.7

71枚コンポジット

CanonEOS X7改造機
Nikkor 180mm(F2.8) F4
露出90秒、ISO3200、
スカイメモR
2016.11.11

この日は古屋君宿泊初日にして、星見櫓ファーストライトという大忙しの夜だったので、撮影はスカイメモRで赤経のみオートガイドと思っていたのですが、何故かタブレットとリレーBoxが接続できず、オートガイド無しでの撮影になりました。全滅覚悟で130枚ほったらかし撮影となりました。

使える画像だけ選別するためにPixInsightのスクリプト、SubframeSelectorを使ってみました。マップ機能で画面全体の星像の状態を評価したり(ブログ参照)、全てのデータをCSV形式で保存したり出来る多機能スクリプトですが、今回メインで使うのはPlotsです。

まず、選別するための画像を読み込んで、windowの一番下の真ん中にあるMeasureボタンを押します(使い方が分かりにくい)。画像1枚10秒ほどかかりますから、枚数が多ければそれだけ時間がかかります。一枚ずつ画像内の全星像(今回は約1万個)を評価するので、速いと言えば速いのですが待たされます。

これが終了したら、Tableで数値を確認できますが、やはりPlotsでグラフ表示させた方が直感的に分かりやすいです。選択は数式でも出来ますが、Plotsされたグラフ上でクリックして除外する事も出来ます。

このスクリプトは珍しく丁寧なマニュアルが付いているので、Plots出来る項目についてはしっかり読んだ方が良いと思いますが、今回は直感的に幾つか使ってそれら全てをクリアした71枚だけを使う事にしました。


FWHM:full width at half maximum (FWHM)  です。星像評価に良く使われる値で、小さい方が小さくてシャープな?星像を意味すると考えればよいようです。

Weight:独自に定義した画像の重み付けだそうで、真っ黒=0だそうです。たぶん単に画像の明るさとかではなくて、数字が大きい方が良い画像なんだと思います。

Noise:the standard deviation of Gaussian noise だそうです。大きい方が悪いのかな?

StarResidual:これもあまりピンと来ない数字ですが、説明にはPSFと関係しているようなので、星像の広がり具合(ぼけ?)を現す数値なのかな?と想像しました。まだ良く分かりません。

Eccentricity:偏心率なので、小さい方が丸いのでしょう。

まだ、いい加減な使い方ですが、このグラフをみると色々な事がわかります。

撮影開始時にはまだ月没前で、月は山の向こうにありました。肉眼的には大丈夫のように見えましたが、WeightやNoiseは正確な月没後しばらくは安定しないことが分かります。やはり月没後に撮影すべきですね。

後は風が出てくるとFWHMは安定しなくなりますが、WeigtやNoiseは透明度が改善している事を表しているように思えます。Noiseには気温も関係しているのかな?

まだ完全に理解していないスクリプトですが、結構役に立ちそうな気がします。
 

Darkなし


Darkあり

Darkなし

Darkあり
天の川中心部(通称バンビ周辺)2016.8.5





36枚コンポジット

CanonEOS X7改造機
LPS-P2フィルター使用、
Nikkor 58mm(F1.4) F2.8程度
露出90秒、ISO3200、
スカイメモR
2016.8.8

星野写真を撮るのも久しぶりという最近の状況ではありますが、F2.8でも十分な星像になるNikkor58mmで本格的に撮影してみました。Gマウントアダプタを使ってEOSに接続しているので実際にはF2.8より若干小さい、F2+α位かも知れません。

Fが明るい分露出を短く出来るので、久しぶりにLPS-P2(既にP3が発売されて久しいですが・・・)を使って撮ってみました。一時期フィルターを使わない方が星の色が綺麗に出せると思い使いませんでしたが、今回は光害も避けられない方角だったので何処まで出来るか試すことにしました。

外気温が高かったので非冷却は不利ですが、ダーク補正を正確に行うことでかなり改善します。冷却カメラや非常にノイズの少ないカメラの場合、ダーク減算で逆に画像が荒れるとか言われる時代ですが、EOSkissX7非冷却機、ISO3200、外気温26度の元画像では、ダーク減算の有り難味が実感できると思います。

実際に、ダーク画像を作成して、PreProcessingを行ってみると、数字的にも違いが出ますが仕上がりにも若干違いが出てきます。同じように処理したつもりですが、最近画像処理から離れていたこともあり客観性のある比較とは言えないのでご容赦下さい。
 



等倍
オリオン座
2016.2.8




Nikon D800(無改造)
ISO3200、露出6秒
AF-S Nikkor 58mm F1.4G(F1.4)
PisInsightでフラット補正
10枚コンポジット

固定撮影
2016.2.9

昨晩久しぶりに星の写真を撮りました。 

赤道儀がなかったので、なるべく短時間の露出にするため開放F1.4でISO3200、固定撮影10枚をPIでアライメントしてコンポジットして見ました。低空はスキー場のカブリが取りきれませんが、フラットはかなり合っています。

総露出1分

ノーマルカメラですし、こんなもんですね。

固定撮影なので、拡大すれば星が伸びているのが分かります。この標準レンズでも星の伸びを目立たなくするには最低後2段階ISOを上げないといけません。ISO6400はD810aなら常用出来るらしいですが、ISO12800で星景を撮るのはまだ無謀ですかね。D5なら楽勝・・・でもそんなに高価なカメラを改造したくないし

まあ、先立つ物が無いので机上の空論ですけどね。

F<3.0?

F=4.0程度?
ただしピンボケ
 

Nikkor28mmF1.8Gの続き 


左上:FWHMmap
右上:LightFrame
左下、中心と四隅の等倍
2015.12.4

PixInsightのScript SubFrameSelectorを試しに使って、レンズの状態を評価してみました。
FWHM(pixel)をフレーム全体でマップ出力する機能を使ってみました。 Excelの表で確認するとフレーム内の約15000個の星を評価しています。時間が掛かるわけですね。

10月の撮影で散々Gタイプマウントアダプターで失敗したと書きましたが、上の画像では恐らくF3.0以下での撮影になっていると思います。中心部で2.5pixel左上ではなんと4.0pixelになっています。このレンズはF4.0より小さいと星が肥大化するし周辺収差も大きいです。

下の画像は2日後問題に気が付いてそれなりに気を付けたためFはかなり4.0に近いと思います。中心部で2.1、最も大きい右下でも2.5となっています。残念ながらピントを外しているのでこれでも今一つなんですけど、周辺収差は格段に少ない事が分かります。

SubFrameSelectorでは偏心についてもフレーム内の殆どの星を使って評価できるので、とても便利です。

 

天の川を挟んで
左右の星像が
違います。
2015.10.14

90秒露出27枚コンポジット
CanonEOS X7改造機 
Nikkor 28mm(F1.8) F4?程度
ISO3200 90秒露出
スカイメモR、
QHY5L-Ⅱ、PHDguiding
RAオートガイド


つないで見ると星像の
違いが歴然です
2015.11.30
この秋はまとまって晴れてくれたので、結果論ですがモザイクの大作等にも挑戦出来たかもしれません。 

Nikkor28mmを使った一連の作品はGタイプ用のマウントアダプタの絞り調整で失敗して散々な星像に終ってしまいましたが、構図と露出不足で没にしたこの画像の星像が最もまともだったようです。

左下のフォトマージ画像をご覧頂けばお分かりの様に、他の画像とつないで見ると星像の違いは歴然です。

これからGマウントレンズの使用が増えると思いますが、アダプタの絞り調整レバーを何とかしないと安心して撮れません。むしろ以前使っていた楔の方がマシかもしれません。

・レンズの着脱でずれる上に、レバーの位置と絞りの状態に再現性が無い。
・ピント調整でずれるような気がする。

どうすると良いでしょうね・・・
 

上:完成品
下:駄目フラット


上:フラット補正あり
下:フラット補正なし
  2015.11.12

EOS Kiss X7にNikkor28mmを付けて撮影してみたのですが、Gタイプ用に絞り調整レバーのついたマウントアダプターは使い勝手が悪く、F4で露出するつもりがF3程度になってしまいました。F3が災いして星像が悪くなってしまったので思い入れがないと言えばそれまでですが、180mm、85mmの処理やらDrizzleやら色々やっているうちに撮影から一か月近くほったらかしになっていました。せっかく撮ったのでしっかり処理する事にして、ようやくフラット画像を作りました。

1つくらいためになるネタと思い、ELパネルを使用した広角レンズのフラット作成について私のやり方を書いておきます。

左上の画像が28mmのフラットです。左がベイヤー配列、右がRGB変換後。上が最終的なフラット画像で下が普通に撮影した場合の失敗フラット画像です。

180mm程度の焦点距離があるとELパネルにレンズを近付けて三脚にカメラを固定して撮影しても十分綺麗なフラット画像ができるのですが、広角28mmを三脚固定で撮影するとELパネルのムラが写りこんでしまいます。

高精度のELパネルと減光板があれば一件落着です。あるいは広角レンズの場合積分球(私はなんちゃって半球とELワイヤーを使っていますが)が一般的かも知れませんが、色々設定が面倒なんです。特に花形フードとELワイヤーと減光シートの関係をいちいち調整するのは手間がかかります。

そこで、カメラを手でもって、手振れも気にせず位置を変えながらELパネルを撮影します。一枚一枚はムラを含んでいますが、沢山加算平均すれば左上、上段の様なパッと見た感じ綺麗なフラット画像が出来るんですね。

でもそんなの適合しないんじゃない?

確かにね・・・


下の白鳥座付近をみると
上はこの方法で作成したフラットを使用し処理した画像、下はフラット無しで処理した画像です。
左は元画像そのまま、右はかぶり補正だけを行った状態です。

いかがでしょう。フラット補正の効果を十分感じる事ができますね。確かに「それでよいのか!!」と言われてしまえば返す言葉はありませんが、私はこれで十分です。

 

ダーク減算
フラット補正
 

フラット補正のみ
2015.10.6
IC348周辺

CanonEOS X7改造機 Nikkor AiS180ED(F2.8) F4

ISO3200 90秒露出
37枚コンポジット

Vixen GPD赤道儀、
QHY5L-Ⅱ、PHDguiding
win8.1タブレットで制御

2015.10.10

参りました!!

これはやっぱり淡いです。

M45のフラット補正が上手く行ったので、6日に撮影した最後の対象を処理してみました。背景は調ったのですが、画質が悪すぎますね。これ以上処理出来ません。ISO3200, 90秒設定にも問題はありますが、1時間程度の露出で何とかなる代物ではないですね。

とりあえずIC1396とシャボン玉星雲周辺の2枚は、まだフラット補正していないので、連休暇を見てやろうと思います。 

2015.10.14

ブログには書きましたが、結局ダーク画像も使って処理をすることで、最も良い結果を得る事が出来ました。左上は下と比較してかなり画質が改善しています。さすがに1時間ではお話にならないですが、X7のISO3200作戦でも3時間程露出すれば何とかなりそうです。残念ながら100枚以上をPixInsightのバッチ処理出来るのか、試したことはありません。実際やるならISO1600、5分露出36枚なんて辺りが無難な気がします。星の色は飛びますが淡さでは仕方ないでしょう。
2015.10.6 
IC1396周辺

CanonEOS X7改造機 Nikkor AiS180ED(F2.8) F4

ISO3200 90秒露出
36枚コンポジット

Vixen GPD赤道儀、
QHY5L-Ⅱ、PHDguiding
win8.1タブレットで制御

2015.10.7

ガーネットスターが輝くこの散光星雲は秋の定番ですね。

この星雲はかなり淡いので改造デジタル一眼で撮影すると左上の様に平坦な感じになってしまって、ちょっとメリハリがありません。撮影時にHα透過性のフィルターを付けると比較的コントラストが良くなりますが、私はあまり好きではないので、画像処理でそのような効果を出してみようと思います。

左下では格段にIC1396君がマッチョな感じになりました。トーンカーブを丁寧にいじればこんな感じにも出来ますが、それではお絵かきのような物なので、今回はRの輝度情報を使ってRGB画像全体の輝度を調整することで平坦な散光星雲内のメリハリを強調しています。これはかなり以前から使われている方法でモノクロCCDでHαのナローバンドフィルター画像をLRGB画像に合成するのと同じような発想です。実際にナローバンドフィルターを使うとコントラストが良くなるだけではなく赤い領域の解像度が格段に向上するので、同じ効果という訳ではありません。
2015.10.2 
14mm F4.0 ISO3200 30sec
NikonD800,
Nikkor14-24mm(F2.8)

固定撮影
2015.10.6

以前満月前夜に日周運動を撮影したときに、次回は天の川を撮ろうと計画していました。

天の川の位置は思った通りで風車と良い感じの構図になりました。

しかし非常に明るい!

前回は月明かりで気が付かなかったのですが、国道沿いのお店や街灯の灯りがダイレクトに当たっているし、全周地平線に近付くにつれ明るくなっています。

陸の明かりは新潟、新発田、胎内、村上と北上し、海上にもガスプラントか何かが輝いていて天の川を撮影出来る環境ではなかったようです。

風車はかっこ良いので、もっと暗い所で風車を探してみようと思います。
 
2015.9.15
ケフェウス座の銀河

CanonEOS X7改造機、ISO3200 90秒露出、5枚コンポジット
carl zeiss Planar85(F1.4) F4
スカイメモR QHY5L-Ⅱ、PHDguiding、win8.1タブレット
リレーBOX経由での赤経軸オートガイド 
2015.10.2

仕事の帰り道に良い撮影場所はない物かと物色した第1弾。熊出神社奥の農道です。思っていたより明るくて、去年まで良く撮影に使っていた高坪にも及びません。

薄雲が常に通過していて輝星がぼやけてしまいましたが、比較的影響の少ない物だけを選んでコンポジットしてみました。散光星雲を炙り出すには露出時間が足りません。

RA方向だけオートガイドしていますが、それでも僅かに星が伸びているのも気になります。前回180mmでは上手く行ったんですけどね。
2015.4.21

NikonD800
ISO3200, 5秒
Nikkor28mmF1.8(F4)
フィルターなし




NikonD800
ISO3200, 10秒
Nikkor28mmF1.8(F4)
フィルターなし

固定撮影
2015.4.24

あまりスッキリ晴れない春ですね。

通勤生活になり、直焦点に復帰できる目処は立っていませんが、星景写真を撮れそうな場所は途中に沢山ありそうです。新潟市の周辺は空が明るいので星景写真としては面白いかもしれません。

上:からす座は春の星座ですが、黒川では飯豊を背景に撮る事が多かったので、前景がこれほど明るいのは久しぶりです。星座がはっきりしていてかえって良いかもしれません。

下:月と金星がおうし座にあるので、非常に派手です。あえて車が通るタイミングで撮影しています。
次回は奥の風車をうまく使って撮ってみたいですね。


どちらも固定撮影で合成なしの一枚画像ですが、弱めにソフトフィルター処理をしています。
 
2014.4.25
01:01

Nikon D800,
ISO3200, 60秒

Nikkor 14-24mmF2.8G
14mm, F4

スカイメモR
2014.12.12

ネタがないので、苦し紛れに2014年のベストショットを決めました。 

直焦点撮影が思うように出来なかった年を象徴して星景写真がベストショットになりました。この構図は思いついてから既に10年近く挑戦しています。初めてまともに撮れた感じです。桜が満開の日に晴れる、月が天の川に影響しない程度の位置、霧が発生しない、この3つの条件を満たす日に再び巡り合える可能性が極めて低いので、個人的な思い入れは大きいです。ついでに沢山撮影した中で、遠ざかる車が通過したのはこの1枚のみなので、ある意味幸運でした。次回撮影チャンスがあったら自分で走ります。

もう1つ忘れてはならないのは、カメラとレンズの性能向上ですね。去年まではこの画角を得るにはフィッシュアイ以外選択の余地がありませんでした。さらに以前のカメラでは露出1分で天の川をここまで写し込む事は出来なかったと思います。月夜だったら開放で撮ったと思いますが、月が無かったのでむしろ天の川の描写にこだわりF4に絞りました。

受験シーズンを目前に、桜の写真というのも気が早いですかね。
 
スマホのカメラで撮影
それにしても良く写ります

この手の撮影ならデジタル一眼を出す必要が無いかもしれません。
 
300mm唯一の作品

28mmしし座流星群(トリミング)
開放で撮ったらひどい事になってしまいました。それでも暗い
2014.12.3

とうとう、わし等にまでお鉢が回ってきおった、まったく世も末じゃ!

ペンタックス ロートル連合(ロートルは昭和30年代に良く使われた年寄りを意味する中国語、自嘲的・・・だそうです)

入手順に、SPⅡ、200mm、135mm、28mm(中古)、SP(中古)、55mm(中古)、300mm(中古)、エクステンダー (中古)

ボディーと一緒に貰った55mmは太陽をコリメート撮影していてバルサムを溶かしてしまったので、後に中古で購入。300mmは星祭りで見つけてコレクションとして購入。エクステンダーはハードオフのジャンクに捨てられていたので拾ってきました。使ったことはありません。現状、ボディーに関しては露出計の電池が市販されていないのと、SPⅡは内部のスポンジが劣化して、一般撮影は出来ない状況です。

レンズ群の方も、さすがにデジタルでの星撮りは無理がありますが、キャノンのボディーに付ける事が出来るので時々遊んでいます。300mmは収差が大きいですが、200mmはそこそこ使えます。55mmは開放が欲しい時には良いボケが出ますね。俗に言う「味のある絵になる」って言うのでしょうか。

135mmは暗くてあまり使いません。Fの小さい135mmは当時高かったです。フィルム時代には良い長さでしたが、APS-Cだと中途半端な感じがします。でも見つけたら今でも買いたい1本です。最近はZeiss APO Sonnar135mm/F2が星撮りに人気みたいですね。マニュアルフォーカスの135mmは、一般撮影でも三脚立ててライブビューでピント合わせしないと使えませんから、撮るものを選びますね。

28mmは憧れた広角なんですが、今のレンズに比べると残念です。それにAPS-Cで使っても長所が生かせません。

12月で完全にネタ切れになっているので、これから冬本番をどうやって乗り切るのか見当もつきません。急に気温が下がったら外気温2度でも寒くて活動する気になりません。冬篭りを通り越して冬眠するしかないのかな。

現役レンズは最近の作品・レンズ編を作ってしまいましたから今更ですし、いよいよ書くことがありません。
 
ちなみに、このぱっとしないピンボケ写真もニコンの退役コンデジ君の作品です。

最近目がかすんで、どうやってもピントが合いませんわい・・・
2014.11.30現在

すでに退役した機材で構成された退役部隊ニコンズ 


35-70mm:
2011年キュリオシティの噴射痕



105mm:
2011年ω星団を胎内平で撮影


17-35mm:
2010年桜星景

17-35mm
2013年片ボケ調整後



70-210mm:
2013年わしだけ鳥じゃ・・・
退役部隊のつぶやき

D70s:どうもこの所、星が撮れんようじゃの。我々にまで出番が回ってくるとは相当ネタに苦しんでおるとしか思えん。

AF Micro Nikkor 105mm F2.8: わしが一番最近退役したわけじゃが、勤続年数は最長の24年じゃ。本当にいろんな物を撮ったわい。ただ10年程前に転倒して怪我をしてからは無限遠にピントが合わんようになってな。星はCanonにつけてもらえればギリギリアウト、ニコンのボディーでは全く駄目じゃ。ただ、わしは近いものばかり撮っておったから、殆ど問題無かったがの。

AF Nikkor 35-70mmと70-210mm: もう33年になるじゃろうか、退役したのも15年以上前じゃ。わしらが最長老かのう・・・、いやアサヒペンタックスSuperタクマの奴らがもっと長いかもしれん。タクマの奴らはあのしし座流星群が最後の仕事になったようじゃ。わしら2本はついに一度も星を撮る事は無かったかもしれん。

35-70mm: 一緒にしないで下さいな。私は何回か星景撮りましたわい。しし座の時にも撮った。じゃが17-35mmどんが来てからはさっぱりじゃ。Sigmaのくせに、よく星撮りに連れて行ってもらっとったのー。

Sigma17-35mm: Sigmaのくせにとは聞き捨てなりませんが、まあ今となっては・・・。私は比較的最近買ってもらったんですよ。分けありアウトレット特価で叩売りされていたのを拾ってもらったんです。それでも12,3年前でしょうか。フィルム時代の最後の頃、まだ現役の10.5mmフィッシュ愛さん以前の事ですよ。片ボケがあったんですが、諦めずに随分使ってもらいました。

35-70: 70-210mmさんって、何撮ってたんですか?暗いし直進ズームが上向けるとずれちゃうから星撮れなかったんでしょ?

70-210mm: そうなんじゃ。直進ズームは水平方向では便利なんじゃが、長時間上を向いていると疲れて縮んでしまうんじゃ。鳥とか汽車とか花とか撮っておったの・・・。マニュアルフォーカスの時分は直進ズームの方が操作しやすかったんじゃ。オートフォーカスになってからはあまりメリットが無くなっての、わしなんぞは動きも遅いし、さっさと24-200mm高倍率ズームに取って代わられたわ。じゃがヤツはすぐにお払い箱になりおった。デジタルに付けるとピントが甘くてどうしようもなかったようじゃ。

全員:それにしてもマニュアルフォーカスの180mmどんが、まだ現役で星雲写真を撮っているのが羨ましいの・・・


退役部隊ニコンズ:
天体機材がない新潟市の守りを固めるため、今もひっそりと待機している。主力部隊が不在の時にはいつでも緊急出動可能な状態を維持すべく、日夜老体に鞭打って鍛錬に励んでいるらしい。
 
 2014.11.21

NikonD800, ISO1600
Nikkor28mm(F1.8)F3.2
PRO1D プロソフトン[A](W)使用

15秒露出


固定撮影
2014.11.22(いい夫婦の日・・・で、何か?)

やさぐれている感じが伝わるでしょうか。

前日木曜日は良く晴れたようですが撮影できず、金曜の夜は星は見えているのですが、なんとなく薄雲が通過している感じでヘビの生殺し状態でした。どうにもガイド撮影する気になれない空だったので、ソフトフィルターを付けて近所で数枚星景写真を撮影しました。

何をどう撮りたいとか全然考えずに、ぶらっと歩いていって適当に撮って、「ちぇっ、」とか言いながら、ぶらっと帰ってきました。やさぐれてるでしょ?

この後、オリオン座も昇ってきましたが、やっぱり眠い空で諦めました。

 

総露出90分

総露出48分
2014.10.24撮影


ぎょしゃ座どくろと勾玉星雲
ISO1600 180秒露出
30枚コンポジット


オリオン座中心部
ISO3200 90秒露出
32枚コンポジット

CanonEOS X7改造機
Nikkor AiS180ED(F2.8) F4
スカイメモR
QHY5L-Ⅱ
PHDguiding、win8.1タブレット
リレーBOX経由での
赤経軸オートガイド 
2014.10.27

本当に久しぶりの撮影になりました。

SSProを失って、まず試したかったことは、ブログにも書いたようにISO1600とISO3200を比較した場合、どちらがポータブル赤道儀の撮影に向いているかという事です。

今回スカイメモRは赤経軸をオートガイドしていますが、雨上がりの畦道に設営したので極軸はずれてしまったようです。赤緯軸はオートガイドされていないので時間と共に南北方向にずれるような状態での撮影になりました。

とりあえず普通に仕上げた状態です。比較のためにノイズ処理は大体同じ強さで行っています。

ぎょしゃ座の方は若干ピントが甘い上に星が多い領域で星は煩いですが、画質自体はオリオンよりザラつきを感じません。オリオン座は星はスッキリしていますが、背景にザラついた感じがあります。
どちらも追求すれば淡い星雲が浮き出してくるので、画像処理も面白い領域ですが、果たしてどちらの撮影方法が、最終的に綺麗な作品になるでしょう。

順を追って調べて行きたいと思います。

 

ダーク画像は
ISO1600 32枚

ダーク画像はISO3200 32枚

ダーク撮影時の
外気温は20度
 
 

上:ぎょしゃ座
ISO1600, 180秒露出






下:オリオン座
ISO3200, 90秒露出


撮影時は外気温10度を下回っていたので、冷却機能の無い改造一眼では、厳密にはダーク画像が合いません。

2つのISO画像の比較です。
ダーク補正後にコンポジットした画像と、使用したダーク画像が組みになっています。

まず、ぱっと目に付くのは星像です。極軸がずれていた為に、露出時間が短い分オリオン座の星像がぎょしゃ座と比較して良いことが分かります(ピントも若干オリオン座の方がよいです)。これはポータブルで撮影する際には重要なポイントで、いかにオートガイドでも1枚の露出時間は短い方が星像が良くなる確率は高いです。

ダーク補正後の画像を比較すると、両者にそれほど大きな違いを認めません。ISO3200は意外に善戦していると思います。

ダーク画像その物を比較すると明らかにISO3200の方が白いピクセル少ない事が分かります。これは意外な結果と思われる方も多いと思います。恐らくカメラの内部処理でISO1600とISO3200では違う処理をしている事を表していると思います。私はダーク画像を見た時、ISO3200では微光星に悪影響が出るのではないかと心配しましたが、とりあえず今回の結果では星に不自然さはありません。 
 

ISO1600 180秒

ISO3200 90秒


ピント惜しいなー

等倍画像で星雲の写り方を比較しました。ぎょしゃ座のピンボケは見なかったことに・・・

ダーク補正を行った状態では星雲の写り方は同程度に見えます。さすが最近の技術は凄いです。ISOを倍にして露出を半分にしてもほぼ同等に星雲が写っている感じです。

画質についてみると、どちらも荒いですが、ISO3200の荒れ方はISO1600とは若干雰囲気が違う感じで、いつも見慣れた荒れ方はISO1600の方だと思います。

 
 

ISO1600 180秒

ISO3200 90秒
 
上の画像をPixInsightのACDNRで同じ強さでノイズ除去をして見ました。 

なんとなくISO1600の方が3200と比較して、ACDNRの効果があるように見えます。ただISO3200の方もそれほどひどい荒れではないので、工夫次第ではかなり良いレベルまで仕上がりそうです。


ここまでをまとめると

ISO1600、180秒とISO3200、90秒をほぼ同じ枚数コンポジットした場合、
1、星雲の写り方は同等と言っても良いと思われる
2、ノイズの質が両者の間で異なる
3、画質についてはやはり総露出時間が効いて来る可能性がある。

実際半分の時間で同じ枚数コンポジットすると言う事は、総露出時間が半分とという意味です。つまりISO3200のオリオン座を60枚コンポジットした場合の画質は、ISO1600のぎょしゃ座に迫る可能もある訳です。
 

ISO1600 180秒

ISO3200 90秒
フォトショップのCamaraRawで現像した一枚画像。 


この画像を見ただけでは撮影条件に大きな違いがあるとは思えません。

技術の進歩は素晴らしです。

ここまでの結果を踏まえて、

ISO3200, 90秒とISO1600, 180秒、どちらを使うかを考えてみると

1、オートガイドしないなら、圧倒的にISO3200が有利になるでしょう。オートガイドする場合は、極軸をしっかり合わせてISO1600で3分間の方が無難かもしれません。

2、仕上がりを考えると、所詮半分の時間で同じクオリティーに出来ないならば、ISO1600の方がノイズが自然な分、淡い部分の表現が楽かもしれません。さらに倍の枚数を画像処理する場合PixInsightの様に自動処理可能なソフトでも、要する時間と消費するストレージの量は明らかに多くなります。手動の処理が必要なソフトなら、労力も倍になると考えた方がよいでしょう。
     
実験の性質上、同じ対象を撮影した方が良い事は百も承知ですが、貴重な晴れ間をなるべく有効に使いたかったので、2対象撮影し比較した点を大目に見て下さい。

 
2014.10.24、25撮影
Sh2-202

L:10min.22枚
RGB=4:4:4 各10min. 
Hα: 10min. 10枚

Borg125SD+F4DG, ATIK383L+
アトラクス改(K-ASTEC)
AtikTitan+MaxImDLPro5にて
オートガイド   
2014.10.26

久々の撮影でしたが、ちょっと前に一回予行演習していたので、スムーズに撮影を始められたので、500分以上撮影できました。今回はガイドエラー等の画像は何枚か捨てて、星像の向上に努めたつもりです。ただしR画像は壊滅的にピンボケで、再撮影はいつ出来るか分からないのでHαを合成するときにちょっと細工をして何とかRGB合成しました。Hαはピントも良好でガイドも案定していたのですが、薄明で10枚までしか使えませんでした。あと20枚くらい欲しいです・・・

この領域は過去にも何回か挑戦していますが、大抵曇られて中止になっていました。初めてクリーンヒットだったのでR画像は残念です。

輝星の色調がパッとしないのでHα合成には工夫の余地がありそうです。追々デジタルマジックに載せて行こうと思います。
 

グルグル


羽が止まっている1枚
2014.10.7

NikonD800
ISO100, 90秒
Nikkor14-24mm(F2.8)F8
32枚比較明合成
固定撮影 

上:AdobeBrigdeから、CameraRawで一括色調・露出・周辺減光補正、その後イメージプロセッサーで一括Tiff変換。その画像をPIでImageIntegration

下:上のTiff画像の1枚をPSで星像強調処理
2014.10.20

スカイメモのオートガイド化を先に書いていて、まとめるのが遅くなってしまいました。月食は会議で撮れない事が分かっていたので前夜に結構気合を入れて撮影したグルグルです。

撮影場所に車で入れないので、結露防止用のバッテリーを抱えて万全の準備で片道10分歩いて設営しました。しかしヒーターを巻いても40分程度で中央部分に結露を生じてしまいました。このレンズは形状から結露を防ぐのはとても大変な上に、午前中雨が降っていたので条件も悪かったのです。結露しなければ3時間くらい撮ろうと思っていたので残念でした。28mmなら何とかなったかな。

それにしても車の無い所で待っているのはとても辛いです。

月夜では観望するわけにもいきません。平安貴族の様に月を愛でて歌でも読めればよいのですが・・・

真冬の星景写真は月夜にはやらないので、寒いですが雪の上に寝転がって双眼鏡で観望しているとあっという間に時間が経ってしまいます。

 

ガイド中の
タブレット画面

くわなの星空さんの
リレーBOX復活

作例
星がスッキリ!

30分でのズレ
ほぼ赤緯方向のみ
 祝
スカイメモR
赤経オートガイド成功!


白鳥座サドル付近
月齢17での試し撮り

Nikkor AiS180ED(F2.8) F4
ISO800 90秒露出
8枚コンポジット


スカイメモR
QHY5L-Ⅱ
PHDguiding、win8.1タブレット
リレーBOX経由での
赤経軸オートガイド
 2014.10.11

月が明るかったので通常の1/4の露出です。APS-Cタイプのデジタル一眼で180mmをガイドするのは本来のスカイメモRの精度を越えています。しかし赤経軸をオートガイドすることで星が伸びる事はなくなりそうです。

凄く得した気分です!

まずガイド用のシステムをwindows8.1タブレットで使用できるようにします。MaxImDL, PHDguidingは全く問題なくインストール出来ました。ASCOMプラットフォームは6.1を使用しないとPHDがASCOM経由のデバイスを認識しませんでした。

最大の難関はwindows8.1でUSBポートを使ったシリアル接続を行う点でしょうか?リレーBOXで使用するドライバはFT232BM用のVCPドライバです。メーカーサイトに行ってみると2014にリリースされた最新版があるではありませんか!これをインストールして一発接続できました。ただしCOM1しか使えません。なんでかな?

USBはMicroBタイプのアダプタで通常のUSBハブを接続し、QHY5L-ⅡとリレーBOXを接続します。外部電源をつながなくてもパソコンからの電源供給だけで安定動作します。電力の消耗はPHDを動かしていても30分で3%ほどでした。

スカイメモRのコントロール端子にST4互換のガイド端子を接続するには簡単な工作が必要ですが、RA方向だけなので、それほどこんがらがりません。作業に使った手書きの接続図です。

本来ならQHY5L-Ⅱのガイドポートから直接架台のコントローラーに接続できるはずですが、どうやらスカイメモRは最近の機器と極性が逆のようで、うまくありません。そこで無極性のフォトモスリレーを使ったリレーBOXを使う必要があります(ちょっと賢くなりました)。

機動性を考えるとタブレットPCは非常に魅力的で、今回の改造で持って歩けるオートガイドシステムに一歩近づきました。

何処まで担いで登れるかは体力勝負!
 
 失敗  2014.10.7

最近スカイメモRでも使える一軸オートガイド用のアダプタを見かけます。8000円程でヤフオクに出ているみたいです。ちょっと欲しいなと思いましたが、お天気も悪いので手元にあるものを使ってDIYに挑戦しました。

スカイメモRは付属のコントローラーをステレオミニジャックで接続すると手動で制御できます。ステレオミニジャック端子はRA-,com,RA+となっていて、コントローラーのスイッチを押した側の抵抗値が0になります。これならガイド用カメラのオートガイド端子のRAをつなげば赤経だけはオートガイドできるような気がします。そう思って検索してみると、この方法で成功している方がいらっしゃいました。

早速ケーブルを作ってQHY5L-Ⅱで試してみましたが全く動作しません。QHY5L-ⅡではONの状態でも数Ω抵抗値がある事が問題なのでしょうか?ちゃんと0になるリレーを搭載したカメラなら上手く行くのかも知れませんし、どこかに不具合があるのかも知れません。

いずれにしてもQHY5L-Ⅱが肝なんですよね。手持ちのTitanとかDSIではコンパクトなシステムとは言えなくなるので、悩ましい所です。やはりスカイメモは持って歩けるギリギリの機材なのでこれ以上重くしたくはありません。

2014/10/9
ネットでスカイメモRのオートガイド情報の収集を続けたところ
「フォトカプラーでは動作せず失敗。フォトモスリレーに取り替えたら無事動作しました。」と言う記事を発見しました。

確かにフォトモスリレーは動作は遅いがONの抵抗は低いらしい。そこで、手持ちの機材を思い起こしてみるとこれがありました。昔くわなの星空さんから購入したものです。

つまりQHY5L-Ⅱのガイドポートを使わずに、PHDからUSBでスカイセンサー互換のリレーBOXを経由してスカイメモRにつなげばよい感じで信号を送れる可能性があります。確か後から買ったアトラクス用は寒冷使用で配線もST4互換にしておいたはずです。意外と簡単に試せそうです。

ただ実用性を考えるとUSBハブを付けてリレーBOXを造設して・・・面倒臭いかな・・・
いやいや、これは動かす事に意義がある!使うかどうかを今心配する必要は無いです。

 
  2014/9/30

カメラレンズのシステムでファインダーでオートガイドするにはQHY5L-Ⅱが最適だと思います。そこで200mmクラスのレンズが使えるとなると自動導入したくなるのが人情です。カラーCCDカメラからデジ一に変更して一番身軽になるのはパソコンレスで撮像出来る点です。オートガイドも自動導入も出来る事ならならパソコンを使わずに行いたい所ですが、スマートガイダーではファインダーガイドはガイド星の制約が大きすぎます。

 ならばタブレットはどうでしょう?MaxImは重いのと何となくWindows8.1で使う気になれません。しばらくご無沙汰していたSuperStarを引っ張り出してきました。このソフトは非常に軽いのでWindows8.1タブレットでも安心して使えます。さらにタッチスクリーンでの操作もかなり良好。オートガイドはPHDで行い、必要な撮影対象の時だけUSBハブを増設して自働導入できそうな感じです。
タブレットだけなら10時間以上持つバッテリーです。USBに電力を食われると、どれくらい使えるか分かりませんが、数時間は問題ないでしょう。

2014/10/4
RS232cをUSBに変換するアダプターを使って、Win8.1からAGS-1Lに接続しているのですが、自動導入の途中で接続が切れてしまいます。何もしていないとつながっているのですが、導入で動き出して数秒で突然停止して、望遠鏡から応答がありません、と警告が表示されます。通信速度などの設定に問題は無さそうです。仕方が無いので、MaximDLとASCOM経由のEzeusドライバで再挑戦してみます。同じ症状ならアダプタの問題でしょう。

2014/10/4追試結果
MaxImDL+H14.6にリリースされた最新のEZEUSドライバーVer.2.0で問題なく自動導入できました。RS232cをUSBに変換するアダプターは
エムサーブ USB typeA to RS-232C D-sub 9ピン 0.8m HL-340 ¥ 700
Amazonで購入しました。Win8.1ではドライバーをインストールする必要なく使える状態になりました。今の所、非常に安定しています。
 
   2014/9/26

カメラレンズを使ったポータブルシステムを作っていましたが、SSProが使えない状態になってしまったので、デジタル一眼を載せられるように作り直しました。VelbonSPT-1をベースに色々な長さのレンズに対応出来るようにして汎用性を高めてあります。miniBorg60EDにも使えますが、残念なことに、肝心のNikkor14-24mmF2.8ズームレンズは太すぎて使えません。

Canonのカメラにニコンレンズを装着する場合、マウントアダプタの剛性が低いためにレンズ先端を支えて固定する必要が有ります。さらに私が愛用しているNikkor AiS180ED(F2.8)は年代物で、上を向けるとピントが動いてしまうので、星野写真では3点支持が必須です。

QHY5L-Ⅱのお陰でかなりコンパクトになりましたが、架台がGPDでは重くて担いで雪山に入る気にはなれません。まるひさんが星祭りで購入なさったiOptron SmartEQ Pro良さそうですね。iOptronはこれ以外にも斬新な赤道儀を作ってます。コンパクトで高性能は日本のお家芸(死語)だったと思うのですが、ケンコーさん、スカイメモの赤緯軸とオートガイドポートを作ってください。

6月に火が付いた遠征魂は機材の準備だけで一度の遠征もなく鎮火してしまいそうです・・・
今夜も晴れそうですが、新潟市に戻らなければならないので遠征どころか庭先撮影すらできません。
 
2014/9/16
IC1848-1805,二重星団


NikonD800無改造
Nikkor105mm(F2.8) F4
ISO3200, 2分*4枚


スカイメモR
2014.9.22

色々あって週末の快晴は逃してしまいました。

16日の晴れ間に、Normal D800で撮影した画像です。雲が流れていたのでほんの8分ですが、やはり散光星雲は写ります。2014/7/1にIC1396が写ったので、結構いけるのでは?と思っていましたが、やはりそれなりには写るようです。改造機とは一味違った写り方をするので、結構面白いかもしれません。ハート星雲の周りは星が密集しているのでしょうか、とにかくもっと露出時間が必要です。


このレンズは無限遠が今一つ良く出ないので、普段は使わないのですが、酔っていたので使ってみました。 やはり今一つですね。
 
2014/9/16


NikonD800, ISO6400
Nikkor105mmF2.8開放
露出5秒 
スカイメモR




EOS40D(改造),ISO1600
露出2分*16枚
PIにてBayerDrizzle2*2
Nikkor28mmF1.8(F4程度)
Gタイプ対応マウントアダプタ使用
2014.9.17

絶対晴れないと思っていて、夕方からお酒の会だったのですが、21時前に快晴になりました。

酔っ払っていたのと直焦点を準備しても深夜には月が出るので諦めて、スカイメモかついで近所の畦道で撮影しました。酔った勢いで色々挑戦しました。

上:昇るぎょしゃ座のクローズアップ、勾玉星雲がちょうど出てくる所です。たぶん改造機を使っても「森にかかる赤い星雲」はまだ無理ですね。地上のブレが目立たない50mmで10秒露出、F2程度の明るいレンズでもISO25600程度が良好な画質で撮れるカメラが必要です。コンポジットも出来ませんから厳しいです。

下:壊れたと言いながら使い続けているEOS40D改造機もいつもはISO800ですが、ISO1600に挑戦しました。時折雲が通っていたので星が滲んでよい感じです。外気温が高いせいもありますがノイズが多く駄目ですね。ダーク減算もしっかりやっていますが背景が変です。ISO800が限界ですね。

SSProを壊し、40Dはさすがに限界、カメラレンズ用に何を買うべきか、
 

1/2秒

1/500秒


1/800秒

1/800秒
2014/9/9
スーパームーン

VixenED102SS
Nikon D800
ISO1600

Vixenポルタ 
2014.9,12

年にスーパームーンが3回あるというのも、嬉しいような、どうでも良いような感じですね。

そもそも月が地球を回るだ円軌道上には近点と遠点があります。近点は月が地球を回る約1か月に1回通るのですが、どうもその時がたまたま満月か新月だと「スーパームーン」と呼ぶようです。実際には毎月齢に1回、近点は通過しますが、なぜ新月と満月にこだわったかというと、太陽、地球、月が直線に並ぶ事がイベントとして重要らしいです。別に大きな三日月や半月でもスーパームーンで良いと思うのは素人の浅はかさで、根本には「惑星直列」好きの予言・占い関係の理由があるのでしょう。

写真を撮ったり観望する場合、近い分、月の地形が何時もより良く見えて欲しいですが、私程度の装備では、どうみてもいつも通りの月です。

では「スーパームーン」が大きい事を強調する写真を撮るにはどうしたらよいでしょう。

いくつか考えましたが、たぶん地上すれすれの状態で、地上に大きさの分かる小さな構造物のシルエットがある風景が理想だと思います。4枚目の写真に小さな小屋のシルエットがある絵を想像してみて下さい(屋根でコーヒーを飲んでいるのは私です・・・)。


次のスーパームーンは来年の9月ですから、準備期間は十分にあります。

まずはしっかり軌道計算してから、稜線にシルエットが映える山小屋を建てましょう!
 


やわらか戦車」のYouTube動画は是非一度ご覧下さい。既に関連グッズも販売されているようです。 2014.9.3

本日緊急閣議を開いて皆様にお集まりいただいたのは他でもない、科学技術大臣がやらかしてしまったらしいという件についてです。

防衛大臣:「そもそもいまさらSSProの改造など、やわらか戦車を竹輪で武装するような物、子猫か中坊の餌食となるのは火を見るより明らか!全くもって笑止千万としかいいようがありませんな」

財務大臣:「6年前とはいえ、国家予算の大半を投じて購入したSSProを、科学技術大臣の一存で改造したのみならず、現状では撮影不可能な状態にしてしまったとは!国民の血税をなんと心得ておられるのですか?」

科学技術大臣:「ご存知のようにSSProは既に旧式。最新のデジタル一眼の性能を考えると、今更実戦配備は不可能なお荷物となっておりました。今回、IRフィルター除去を行ったにもかかわらず大きな改善を認めなかった事から、一縷の望みをかけてCCDの保護ガラス除去を行ったわけです。冷却CCDなので保護ガラスを取ることで、低温のCCD表面が大気と接するため、これまで以上に結露の危険性をはらんでいる事は重々承知しておりました。そこでチャンバー内に直接乾燥空気を送り込む除湿システムの構築も同時に行ったのであります。」

首相:「確かに、カメラの基板に直接穴を開けて密封されたチャンバー内に乾燥空気を直接入れられるようにした改造は素晴らしい。だが、それでも結露を生じるのでは、全く意味がないではないか!」

科学技術大臣:「SSProのCCD表面温度が何度まで冷却さえるのか正確な数値はありませんが、構造上、外気温より30度までは下がらない推察されております。そもそも地上では20度の空気の飽和水蒸気量は17.2g/立方ですが、マイナス10度では2.14g/立方と12.4%にまで低下してしまいます。そこでポンプから送り出される空気を一旦シリカゲルBOX内を通す事で含まれる水分を除去し温度低下による結露を防ぐのが一般的な方法です。この方法で十分対応可能と判断したのでありますが・・・・。」「恐らくはシリカゲルBOXでの除湿不足かと・・・思われ・・・」

防衛大臣:「今回のテストでは冷却開始後20分程度で僅かではありますが全面に結露を生じており、その後も数時間のテスト中に改善されることはなく、実戦では全く役に立たない状態と言わざるを得ません。勿論、乾燥空気無しでは肉眼で分かるほどしっかり結露してしまうので、乾燥システムの効果はあるといえばあるのですが・・・」

財務大臣:「科学技術大臣より更なる改造の予算申請が出されておりますが、これ以上国税を投じる意味があるのか、総理にご決断いただきたいと思います。その際には露出したCCD表面の劣化がどのような速度で進行するのか、十分に考慮頂きたい!!」

科学技術大臣:「大した金額ではないんです。あと1つ直列でつなぐシリカゲルBOXを追加する予算を頂ければ・・・」

国民代表:「基本的な質問なんですが・・・、SSProで撮影するメリットってあるの?何で今更引っ張り出してきたの?」

科学技術大臣:「それは・・・・、これと言って優位性があるわけではなく、しいて言えばBayerDrizzleを試すのにちょうど良い画像が得られると言うことでしょうか。」

 
 
透明度はよかったので青は綺麗に出ましたが、強風で星が肥大化しています。

前回は無風でしたが透明度が悪く、星像小さいですが全体に赤っぽいです。

上手く行きませんね
2014.8.26
IC59とパックマン

Orion SStPro(IRカットフィルター?除去)
Nikkor AiS180ED(F2.8) F4
10分*20枚 LPS-P2使用

Vixen GPD+AGS-1L
QHY5L-Ⅱ+PHDguidingによるオートガイド 
 2014.8.27

結局、CCDの保護ガラスを取らないとゴーストは改善しない上に、SSProⅡではその点が改良されていると知って、SSProでの撮影のモチベーションが急速に低下してしまいました。ゴーストは画像処理で軽減できますが、口径食と違って発生位置が星毎に異なるので、自働処理は出来そうにないので面倒ですね。

最近、急にSSProを引っ張り出してきたのはPIのベイヤードリズルを試したいという不純な動機からです。大き目のCCD素子とカメラレンズはドリズルの効果を確認しやすい組み合わせです。

ちなみにブログに載せた方がベイヤードリズル(今回は20枚で成功しました)、こちらが普通のドリズルです。今回は強風で星像が悪いので効果も違いも良く分からないです。あまり星が大きいので、ちょっとピントも甘いかもしれません。

カメラレンズシステムはこのまま無改造D800に引き継ぐか、適当な改造一眼を調達するか考えどころです。SSProはそろそろ年貢の納め時かもしれません。星祭りで目にしたTrius SX814は小型軽量で素子が小さいので、カメラレンズには向いているかもしれません。でも、ちょっとCCDサイズが小さいですかね。
 
20140819


上:
Orion StarShootPro(改)
Nikkor AiS180ED(F2.8) F4 
10分1枚 LPS-P2使用



下は改造前


Vixen GPD+AGS-1L
DSIpro+PHDguidingによるオートガイド
2014.8.20

晴れませんね。梅雨に逆戻りしたかのように、ジメジメして蒸し暑いです。

OrionStarShootProの赤外カットフィルターを除去して、とりあえずLPS-P2だけでテスト撮影してみました。夕方晴れそうだったのに、日没後はほぼ曇りでした。何とか2,3枚は撮影できましたが、時々ガイド星をロストするような撮影だったので星雲の写りは良くありません。

改造後の上と改造前の下を比較すると、それでも輝星のゴーストはかなり軽減している事が分かります。 今更ですが、除去した甲斐がありました。除去後の画像で若干星が小さいのは単に曇って露出が少ないだけだと思います。薄雲ではなくかなり厚い雲が流れていたので、滲まなかったのだと思います。

昨晩は湿度が高い条件でしたが、結露防止対策も上手く行ったようです。

フィルター除去で悪くなっている事は無さそうなので、期待して晴れを待ちます。星祭りに持って行こうか行くまいか、快晴でなければ例年通りスカイメモかな。
 

ダーク減算のみの
画像

ちょっと赤いムラ
があるように見えますが・・・
2014.8.5

Orion StarShootPro
Nikkor AiS180ED(F2.8) F4
2秒36枚LPS-P2使用





Orion StarShootPro
Nikkor AiS180ED(F2.8) F4
10分*4枚LPS-P2使用





Orion StarShootPro
Nikkor AiS180ED(F2.8) F4
10分*10枚 LPS-P2使用

Vixen GPD+AGS-1L
DSIpro+PHDguidingによるオートガイド
2014.8.6

あれれ・・・フラットが使えませんね。

NikkorAiS180EDのフラットを撮影して、計算をやり直しました。しかし、結果を見るとフラットの効果が感じられないどころか、周辺にカブリが出てしまいました。出来上がったマスターフラットは、こんな感じで周辺減光は全くなく、強調されたバイアスフレームのような感じでした。本当でしょうか?

残念ながらBatchPreprocessingで計算している間に、SSProのフィルターを取ってしまったのでやり直しは出来ません。せっかちなんですよ・・・


このレンズは、F4でAPS-Cサイズならフラット補正は行う必要がなさそうです。庭先で、しかも空が悪い割りにかぶりも少ないので、今回の画像はここまでにします。ABEで十分です。ちなみにダーク補正だけの状態で左の様になります。




IC59の背景のムラの様に見える部分は本当にあるのかもしれません。もっと条件の良い日に再撮しなければなりません。
 
2014.7.28撮影
北アメリカ星雲とペリカン星雲

Orion StarShootPro
Nikkor AiS180ED(F2.8) F4
10分*4枚LPS-P2使用

Vixen GPD+AGS-1L
DSIpro+PHDguidingによるオートガイド
2014.8.4

Orion社製StarShootProはAPS-Cサイズの廉価版冷却カラーCCDカメラの先駆け的な製品でした。CCD温度を測れないとか赤外カットフィルターの影響で輝星にフレアが出てしまうとか転送ノイズが出やすいとか、問題点は沢山ありますが、「まだ動く」というのは長所の1つと考えて良いような気がします。温度については似たような外気温で撮影したダークをPIでOptimizeして使えば何とかなりますし、転送ノイズは除去ソフトがあります。

今一番気になるのはフレア、ゴーストですね。明るい星が周辺部では外側に、中心部でも同心円に滲んでいます。

発売当時、三ツ星さんが赤外カットフィルターを除去する改造をやってらっしゃいましたが、結露の問題が出やすかったようです。私の推測ですが、SSProは赤外カットフィルターの結露防止策としてヒーターなどの設定はなく、ペルチェの廃熱をCCDの前室にまわして、フィルターとCCD表面を僅かに暖める構造になっているようです。状況によってはそれでも凍結や結露してしまうので、私はフィルター設置部位をカメラの外側から暖める方法で予防対策を行っていました。赤外カットフィルターを除去しても、この方法でCCDの結露、凍結防止効果が得られるでしょうか?

代わりのフィルターはLPS-P2で十分だと思うのですが、外すか外さないか、それが問題です。

2014.8.5
フィルター外しました。接着されていたので再装着は出来ません。ヒーターは微調整可能なように降圧型のDC-DCコンバーターを用意しようと思います。今更SSProなんですけどね、CCDの再装着でスケアリングがずれていないか、CCD表面の結露を防げるか、次回はテスト撮影になります。場合によっては乾燥空気を送らなければなりませんが、前室の気密性は思ったよりしっかりした構造だったので、何処から空気を入れるかが問題です。意外と基盤に穴あけして後ろから入れるのが楽かも知れません。

中央部分の
トリミング
 

BayerDrizzleの
エラー
背景が緑なのはPIでは普通です。
2014.7.25
Orion StarShootPro
Nikkor AiS180ED(F2.8) F4
10分*10枚
10分*20枚LPS-P2使用

Vixen GPD+AGS-1L
DSIpro+PHDguidingによるオートガイド
2014.7.28

28日の晩透明度は悪かったのですが、数年ぶりにLPS-P2フィルターを付けてリベンジを試みました。結果、25日の10枚より悪い写りでがっかりでしたが、とりあえず30枚合成しました。BayerDrizzleはもうちょっとで何とか使えそうな結果になりました。残念ながら拡大してみると緑の規則的なポチポチが残っています、やはり使えません。枚数が少ないと一面この模様で埋め尽くされます。この感じだと、もう10枚は必要でしょうかね・・・無理だー。

SSProだと枚数が必要なのか、デジタル一眼は少ない枚数でも上手くいくのか、判断できません。

30枚で総露出5時間になりますが、あまりに透明度が悪かったので時間ほどの写りではありません。若干25日の10枚よりはましでしょうか。
 


上:2014.7.25
Orion StarShootPro
Nikkor AiS180ED(F2.8) F4
10分*10枚


下:2012.8.20
Orion SSPro
miniBorg60ED+DGT(F3.9)
10min.*10

架台共通
Vixen GPD+AGS-1L
DSIpro+PHDguidingによるオートガイド
2014.7.28

久々に撮影しました。前回の続きでフィルム時代のAiS180EDです。

PixInsightのBayerDrizzleは継ぎ目?が目立つ結果となったため諦めました。解説にはBayerはR,Bが75%、Gが50%のデーター欠損を持っているから沢山のフレームが必要だとなっています。20-30枚・・・なかなか厳しいです。前回のEOS40Dでは10枚以下でも上手くいったので、CCDの相性とかもあるかもしれません。

折角なので2012年にminiBorg60ED+レデューサDGTで撮影した網状星雲と比較して見ましょう。
2012年の画像では、PixInsightのCCを上手く使えていないのと、恐らくかなり無理をして星を目立たなくしているので若干背景が赤く、星が不自然です。光学系自体では、中心部分、星雲の解像度はminiBorgが勝ります。合成Fが若干長い点は有利ですが、やはりminiBorgの性能は高いです。周辺部分の星像は圧倒的にAiS180EDが良いです。レデューサの調整が非常に面倒なBorgと比較して簡単に安定した周辺星像が得られるカメラレンズは遠征向きだと思います。

次回はAis180EDにLPS-P2フィルターを入れてもう一度網状星雲を写してみようと思います。
 
2014.7.1

EOS40D改
carl zeiss Planar85 F4
6min Orion StarShootPro
GPD+AGS-1L オートガイド




















NikonD800無改造
Nikkor AiS180ED(F2.8) F4
ISO3200, 2分*4枚
GPD+AGS-1L オートガイド
2014.7.2

遠征リハビリ第2弾、今回は撮影まで漕ぎ付けました。雨上がりで湿度が高かったので、ヒーターと予備のバッテリーも持って出かけました。結露対策は万全と思っていたのですが、SSProの赤外カットフィルター用のヒーターが使えない事に現場で気が付いて万事休す。とりあえず撮影してみましたが1枚目から見事に曇ってます。

 SSProのフィルター結露は外気の湿度が高いとかなりの確率で出るようですが、前室を僅かに暖めるだけで乾燥空気を使うまでもなく回避できるので、直焦点の時は常にヒータを付けていました。スペースに余裕の無いカメラレンズ接続ではヒーターの幅が邪魔で使えない所までは気が付きませんでした。結局10時過ぎには曇ってしまったので家に帰ってひも状のヒータを急遽作りました。レンズ用と抵抗値が異なるので並列ではちょっと熱くなってしまいます。とりあえず直列で使ってみようと思います。


現場では折角オートガイドが上手く行っているので、D800に180mmを付けて、散光星雲を撮って見ました。雲が流れてきて僅か8分しか露出できませんでしたが、改造していないデジタル一眼でもSh2-129が写っています。もっと露出すれば十分使えますね。試してみる物です。

レンズの方は周辺が若干延びていますが中心部は綺麗ですし青ハロもありません。今回はピンチヒッターなので雲台を使いましたが、星が流れてしまうので専用のマウントを作ってみようと思います。

次回こそ、しっかり撮影したいです。
 
2014.6.27

哀しい蛍待ち星景
NikonD800, ISO3200
Nikkor14-24mm(F2.8)F4
14mm、30秒露出
GPD+AGS-1Lにてガイド



哀しい帰り道
NikonD800, ISO3200
Nikkor14-24mm(F2.8)F4
14mm、30秒露出
固定撮影
 
27日の夕暮れ、空は晴れたのですが、強い風が吹いていました。蛍は飛ばないまでもご機嫌伺いを兼ねて、遠征機材のテストに出かけました。場所は高坪山を南に望む国道7号線から蔵王方面に入った農道です。ちょうど胎内市と村上市の境界で、どっちなのか良く分かりませんが、住宅から車で数分の距離です。

パソコンを持って遠征するのは数年ぶりなのでトラブルは覚悟していましたが、順調に起動、忘れ物はGPD設置用の水準器くらいで、とりあえず試し撮りに支障なく組み上がりました。

ではピント合わせを始めようと思ったその時、画面がブラックアウト、DC/DCアダプタの問題だとは分かったのですが、バッテリーは外してあるし予備のアダプタも無いため以上終了となりました。家に帰って調べると、随分前通販で購入した4AまでOKのはずのパソコン用DC/DCアダプタがお亡くなりになっていました。

折角GPDが動いているのでカメラを載せ替えて、蛍待ち星景(そんなジャンルは無いですね)を撮影してスゴスゴ帰ってきました。蛍はかなりの数見かけました。残念ながら飛ぶ気配は全くなく、時々強風に飛ばされた蛍が乾いた砂利道で力なく光ってました。雨が降らないと死んでしまう・・・
 
 

若い頃読んで
お腹が痛くなるほど
笑いました。
  2014.6.17
BayerDrizzleの効果を実感するための撮影準備

Drizzleは私にとって「画像が滑らかに大きくなる」という点だけをとっても恩恵のある処理です。ですがDrizzleとくにBayerDrizzleそのものがどのような効果を持っているのかを検証すると言う点にも興味はあります。解説にはDrizzleが効果を発揮するための条件がいくつか挙げられています。
1、アンダーサンプリングであること
2、撮影時にディザリングしていること(1枚毎に撮影位置が微妙にずれていること)
3、枚数が多いこと

2,3は問題なくクリアできますが、1は何か良く分かりません。そこで、かんべむさし先生の「水素製造法」の受験生のように、1を限られた資料で私なりに解釈していこうと思います。

まずアンダーサンプリングと言う用語には適当な日本語がありません。

エレクトロニクスセミナーより引用:「ナイキスト周波数以下の周波数でサンプリングすること.ナイキストの定理から,現信号の情報は失われ,エイリアシングが起きるが,このエイリアシングを利用して高周波搬送波を検波するような目的で使われる。例えば100MHzの信号を10MHzでサンプリングする場合,A-Dコンバータの入力帯域幅は最大サンプリング・レートより広い入力帯域をもつ必要がある」

これって周波数の話???、直接関係なさそうなので、

PixInsightのフォーラムからリンクしてあるApogee Imaging Systemsのページを読むと光学系とCCDのピクセルサイズの関係が書いてあります。簡単に解釈すると「CCDの四角いピクセルの形が目立つ星像はアンダーサンプリングに因る」となっています。つまり光学系とCCDのバランスで生じる現象なんですね。Drizzleのサンプル画像を見ると確かにゴツゴツした星像がDrizzleによって滑らかになっている事が分かります。これがDrizzleの効果の一つと言うことだと解釈してよいのでしょう。この効果を得るためには、撮像した星がそもそも四角で構成さなければいけないということですね。

1つ疑問は、露出は関係するのでしょうか?素人考えでは露出が長いほどオーバーサンプリングになりそうな気がしますが、それはシンチレーションやガイド誤差の影響なのでしょうかね。まあ適正露出って事で話を進めていこうと思います。

さらに解説では、アンダーサンプリングになりやすい条件として、カメラレンズ、小口径の屈折、あとAISには2000mmでも24μmの素子ではアンダーサンプリングに近いと書いてあります。たぶんアマチュアが使う500mm程度なら素子サイズによっては四角い星=アンダーサンプリングになり得るんですよね。しかも鋭いピントと良い空なら、なお更アンダーサンプリングは起こりやすい事になるのでしょう。ではカメラレンズにAPS-Cサイズのデジタル一眼ってどうなんでしょう。EOS40Dの画像を見る限り、多くの微光星はアンダーサンプリングにより星像が四角く角張っています、明るい幾つかの星はオーバーサンプリングです(確かに明るい星は多数のピクセルで構成されるので丸く綺麗に写りますが、この状態をオーバーサンプリングと呼ぶのは間違いです、たぶん)。Drizzle画像をみて微光星が滑らかに丸くなる!というのは素直に喜んで良いようです。

今回は水素製造法に出てくる不勉強な受験生ということで、解説から分かる事はこれだけです。Drizzleで星像が小さくなるとも、淡い星雲の構造が描写できるとも書いてありません。次回の撮影では85mmのカメラレンズにEOS40Dよりちょっと素子の大きいSSProですから、よりDrizzleの恩恵を受けられるかもしれません。

新たな発見はできるでしょうか?
 

 
どれも古いレンズばかりで頼りないですが結構良く写ります。


OrionStarShootProにスーパータクマ135mmF4を付けて
ピント出し。
夏の遠征

主要装備一覧

東芝ダイナブック
シリアル・パラレルポート付き

パラレルポートがあるとリレーボックスをつけなくてもパソコンとAGS-1Lを直結できる。DSIProにはオートガイド端子が無いので非常に有効

VixenGPD+
K-astecAGS-1L

miniBorg45EDⅡ+DSIPro

Nikkor Ai-s180mmF2.8ED

AF Nikkor 50mmF1.4

carl zeiss Planar85mm F1.4
2014.6.4 

5月28-29日に天蓋高原に遠征に出かけ、久しぶりに遠征魂に火がつきました。加えて日本海東北自動車道路がまほろばICまで延長されたことで胎内から天蓋山がある高根地域までのアクセスが非常に良くなった事も後押ししています。

現在私が使用している車の都合で、撮影地は選ばないが積載量は制約があるという点を考慮して、軽装備のオートガイド撮影システムを組みました。

夏場にかけての遠征のため、撮影対象は散光星雲、比較的広角の画角を必要とする対象が多いので、カメラレンズでの撮影を主とすることとしました。外気温は20度を越えると予想されるので、冷却改造していないデジタル一眼では無理があると考え、OrionSSProにカメラレンズを装着出来るようにマウントと赤道儀への接続部分を組み立てました。こんなことならK-AstecさんのモノクロCCDとカメラレンズを接続するシステムを買っておくべきでした。

バックフォーカスの調整は、EOS44mm-SSPro18mmで接続リングを組み合わせ無限大が出るように調整するだけなので特に問題はありませんでした。フィルターを使うつもりはないですが念のため52mmフィルターネジは入っている組み合わせです。

Nikkor28mmF1.8や10.5mmフィッシュアイも使用出来るようにNikonGマウント対応のEOSマウントアダプタを取り寄せる事にしました。前回楔の不適合でちょっと懲りました。

バッテリーはディープサイクルバッテリー1台で十分な電力使用量ですが、結露対策用にもう1台は持っていくつもりです。

今期の遠征ではスケアリングの調整に時間のかかるminiBorg60ED+レデューサDGTの使用は考えていません。カメラレンズ、主にPlanar85mmで何処まで出来るか見極める撮影になると思います。

カラーCCD画像でPIのDrizzleが効果を発揮するか不明ですが、出来ないとは書いてないのでやってみましょう。Drizzleに使用する画像はDebayer後の画像なので、最悪Lab分解してL画像を使えば何とかなるでしょう(PIに実装されたのはBayerDrizzleではありません)。サンプル画像では画素数が増えていますが、SSProで効果があるなら現役復帰間違いなしです。

http://pixinsight.org/images/forum/20140531/DI/drizzle-example.jpg

 
2014.5.7撮影

NikonD800
Ai-S Nikkor 180(F2.8) F4
ISO6400 5秒露出

スカイメモRにて自働ガイド 
2014.5.13

先週撮影した飯豊の鯛形とアンタレスです。

ω星団を撮りに行ったのですが、全く写らず成果はこれだけです。透明度が非常に悪くこの高度でもM4がはっきり分かりません。

いつかはこの構図で散光星雲をばっちり写したいと思っていますが機材の進歩頼みです。その頃に北半球の空が何時もこんな状態でないことを願わずにはいられません。 
 

夜明けの青空

満月の青空

2014.4.8
NikonD800, ISO3200
Nikkor14-24mm(F2.8)F2.8
24mm、30秒露出
固定撮影




2014.4.15
NikonD800, ISO3200
Nikkor14-24mm(F2.8)F4 14mm
20秒露出
スカイメモRでガイド
2014.5.5

この春は私としては沢山星景写真を撮りました。全部思い通りに行ったわけではありませんが、これまでにいろいろ考えた事はある程度反映できたと思います。

その中で、こんな写真(画像)にも星景写真の市民権を!ということで、もう一度作ってみました。夜明けや満月の明かりは人間の目では黒い空にしか見えませんが、ちょっと露出を長めに撮ると昼間と同じような青空に写ります。今までは星が目立たないので昼間の写真と区別できず、星景写真とまでは呼べない写真で終わっていたように思います。そこで画像処理で星を十分強調して存在感を増すことによって星景写真(画像)の仲間入りを目指してみました(もはや写真とは呼べないので画像とか絵ですね)。しいていえば「青空星景」です。

明るいので前景にそれなりの物を選べば、幻想的な絵を作り出せると思います。「折角の快晴なのに、満月でやることがないな~」と言うときに試してみて下さい。フォトショップを使った星の強調方法の一例をデジタルマジック2014.3.26に載せてあります。 

60秒+車のライト

60秒+画像処理

120秒+画像処理


180秒
ほぼそのまま
2014.4.25


D800 ISO3200
14-24mm(F2.8)
14mm, F4.0、
60秒+車の通過
60秒、120秒、180秒
1枚

スカイメモRにてガイド
2014.4.26

何年も撮りたかった胎内川の土手の桜並木と天の川です。満開の桜とほぼ同じ明るさの天の川、素晴らしい風景でした。遠くに飯豊連峰も見えてますが、さすがに暗くて良く分かりません。

沈みかけた月があれば最高だったのですが今年は月がありません。例年は月がある時期を狙って桜を写す作戦だったのですが、今年は桜並木の側面を光害の明かりで照らす作戦を試してみました。胎内は西側に旧中条や新発田があるため空がかなり明るいです。そこでスキー場側の土手の満開の桜ならば、遠くの街の明かりでも写す事が可能ではないかと考えたのです。

結果、1分では桜のレンジを詰めないと暗いです。3分露出でかなり良く写ることが分かります。ただし3分露出すると流れますね。露出45秒だと、ISO6400, F2.8程度が適正になりますかね。試してみれば良かったです。 

今の機材の性能では、ノイズや星像を加味するとF4、60秒露出を画像処理するのが一番綺麗に仕上がりそうな気がします。120秒の方が桜の色は綺麗に出せますがガイドの流れの影響が目立ちます。ただどちらも画面の中でレンジの詰め方が異なるという星雲写真のような画像処理になるので、ちょっと違和感があります。



 

桜ばかり撮っていて、処理するのを忘れてました・・・
 2014.4.14






EOS40D ISO800 180秒
SIGMA8-16mm(8mm、F4.6)
比較明合成9枚


固定撮影
2014.4.23

SIGMAのAPS-C専用の超広角ズームはFが暗い以外は良いレンズだと思います。ISO800のF4.6では天の川はこれくらいしか写りません。

最近撮影ノートはどちらかと言うと「撮影計画ノート」になっていて、ネタがない時期に次の撮影計画考えてる事が多いです。そんな訳で次の新月期の計画です。

GPDとminiBorgを先日天の川を撮影した蔵王付近に持ち出すか、胎内平でオメガ星団に再挑戦するか、庭先に1800mmを出して銀河を狙うか、迷います。

この前撮影した所は暗いですが、田に水を張っていると靄が出そうな気がします。駄目もとの軽装備で水田と天の川を狙った方が良いかもしれません。

オメガ星団
は、2011年よりカメラの性能が上がった分良く撮れそうですし、5月1日で22時過ぎの撮影になるので時間もちょうど良いです。

庭先だと「ながら撮影」出来るので楽なんですが、この時期の庭先撮影は、春の銀河は天の子午線をまたいでしまうので撮影し辛いですし、夏物をしっかり撮るには午前3時頃薄明なので時間が足りません。中途半端です。

いずれにしても平日の夜勝負で、連休中は撮影しないと思います。

 

稲穂と北天

飯豊とオリオン

飯豊とからす座
 
2014.4.8
D800 ISO3200
14-24mm(F2.8)
14mm, F4.0、120秒
1枚
スカイメモRにてガイド



2013.9.17

D800 ISO160
24mm(F2.8)F4.0、120秒
5枚比較明合成



2014.1.7
D800 ISO1600
28mm(F1.8)F2.8、10秒
1枚
画像処理によるソフトフィルター効果



2014.3.24
D800 ISO3200
28mm(F1.8)F4.0、30秒
1枚 ソフトフィルター使用
スカイメモRにてガイド
2014.4.8

天の川と言えば夏の雰囲気ですが、私は春に撮影する事が多いです。写真だけで見れば「夏・秋・冬・春」の星景写真ですが、これは春の天の川なんですよね。夏の新潟は条件が悪くて綺麗な天の川を撮るのは大変です。昨晩は気温も0度近くまで下がり、若干霧は出ましたが肉眼でも綺麗な天の川が見えました。枚数もそれなりに稼いだので、じっくり処理したいと思います。ただコンポジットしてしまうと前景の山のシルエットはボケてしまいます。クッキリ分かるのは1枚モノですね。

さて次は、桜と蛍のシーズンです。

近隣で納得できる桜星景と蛍星景を撮る!これが中々上手く行きません。


胎内では来週からが桜のシーズンですが、今年の月は満月を過ぎて下弦から新月に向かう頃です。毎年狙っている「桜並木と天の川」は、下弦の月でさそり座が昇る時間は胎内川を飯豊方向に狙うと逆光になるので、再来週新月近くまでは撮れません。それまで桜が持つか?

とりあえず来週は、沈むオリオン座方向を狙ってみようと思います。良い桜を見つけられるかが勝負です。昼間ロケハンして目を付けておいても夜の光では思うように使えない桜が多いですし、胎内はとにかく西側が明るいので条件が悪いです。むしろ夕方薄明終了直前が狙い目かもしれません。


次に蛍ですが、去年あまり飛ばなかった(飛ぶ時期に撮影できなかった?)ので、今年は頑張りたいです。一般的には湿原や清流を乱れ飛ぶ源氏蛍が絵になりますが、黒川辺りの蛍は勇壮に飛びません。田んぼの畝の辺りをちょっとだけヒョロヒョロと飛ぶので乱舞するという感じには撮り難いです。今年は秘策を練って臨むつもりです。ただし蛍も昼間ロケハンできない上に過去の動向があまり当てにならないので行き当たりバッタリになりがちです。
 



PI復旧
Decoで悪あがき


Deco+HDR

ダークが合うと
画像はダメでも
気分的にスッキリ
2014.4.1
M64

ATIK383L+
L:10min.7枚
RGB=4,4,4各5min.2*2ビニング

VC200L(1800mm)

アトラクス改(K-ASTEC)
AtikTitan+MaxImDLPro5にて
オートガイド
2014.4.2

久々に綺麗に晴れました。透明度もなかなか良好で、庭で銀河を撮るか夜半から天の川を撮りに行くか迷いました。ちょっと本業も年度初めで立込んでいるので、体力的に楽な庭での撮影にしました。今年初のVC200Lを引っ張り出し、去年はレデューサを入れで試してみましたがそれ程解像度が良くなるわけでもないので今年は1800mmで使ってみる事にしました。

大体シーズン初めはトラブルが多いですが、今年はピントです。接眼部は固定してあるにもかかわらず、2枚目、3枚目とだんだん星像が大きくなってしまいます。外気温も安定していて風もそれ程ない好条件にもかかわらず、あまい画像を量産しながら原因は分からないまま天頂越えで終了しました。

当然ですが、中心の暗黒帯の大事な所が全く解像されていないです。

もう1つPixInsightのBatchPreprocessingの動作がおかしいです。ダーク減算をやっていると表示していますが、実際には減算されていません。そしてアライメントでは実行不可能となりそこで強制終了されてしまいます。仕方がないので久しぶりにMaxImDLを使いました。

どちらも原因を見つけないと
2014.4.3

PixInisghtの不具合はネット接続がないスタンドアローン環境でのjavaの不具合だったようです。ダーク減算が実行されない状況でStarArignmentとするとF9の暗い画像ではノイズを拾ってしまうために、Arignmentが失敗していたのでしょう。それとは別に2*2ビニング画像のダークは適合が悪いので作り直すことにします。とりあえず動いたのでDeconvolutionでピントの甘さを補正してみました。StdDev=5.8, Iterations=40, Deringingなし、というとんでもない設定ですが、かなりよい効果が得られています。背景と星はがっちりマスクしたつもりですが、星は若干影響を受けています。ピントが合えばもう少し解像度は期待できそうなので、チャンスがあればリベンジします。後暇を見てダークを取り直しておきましょう。

2014.4.5

ダークを撮り直してみましたが、やはりBatchPreprocessingでは上手くダーク減算できません。そこで漸くOptimizeDarkFramesのチェックが入れっぱなしだったことに気が付きました。最初にこれをやるべきです。チェックを外したらスッキリ除去できました。焼きが回ってます。

そんな訳で気を取り直して処理をやり直すと、殆ど同じ領域を指定していますがCCも変わります。微妙な物です。今回もかなり強引にDeconvolutionを使いましたが天体写真の場合PSF(Point Spread Function:点像分布関数)は同じ画像内にほぼ理想的なサンプル(点光源から作り出したボケの像=星像)が存在しているので、アンシャープマスクなどとは一線を画す処理と言い訳しておきます。HDRも使って白目銀河を黒目にして完成です。


やっぱり今年もダメ画像を無理矢理画像処理して遊んでます。

 

PS Camera RAW
フィルターのみ

輝星の強調
色調補正
2014.3.24

Nikon D800
ISO3200, 露出30秒

Nikkor 14-24 (14mm, F2.8)

スカイメモR 
2014.3.25

南西は光害も多く星景写真には向いていないのですが、光害があると木の枝が綺麗に見えます。その辺を利用して沈み行く冬の星座を撮影してみました。運よくオリオン座に流星も入りました。空の中央部分がザラついた感じなのは冬の天の川がほぼ真横に横断しているためです。もうちょっと強調できると良いのですが、空が明るいです。

上の画像を見る限り、もう少し空が暗ければ変な加工をする必要は無さそうです。今回は星座が目立たないのでソフトフィルターの効果をフォトショップで代用しました。フィルターが付かないレンズは画像処理で何とかするしかないです。無理にしなくても良いんですけど、私はどちらかと言うと画像処理するために撮影しているので・・・

昨晩はGPVを信じて直焦点は行わず、雲が出るまでの星景写真と決めて撮影地をぐるっと一周しました。結果的には薄明終了後3時間近く晴れていて最後の胎内川河川敷で西から曇り始めました。

ちょっとガスは出てましたが直焦点でも一対象は撮れたかもしれません。
 
 2014.1.27

撮影風景
2014.1.31

今回、1月にしては珍しく晴れました。昼休みに星野写真撮影に使っている地点を回ってみたところ、積雪は徒歩には辛い程度あり雪は緩んでいました。明け方まで待てば凍み渡り出来るかもしれませんが、その頃には月が出てしまうので諦めました。その代わり直焦点の合間に近所の田んぼで試し撮りということにしました。家から徒歩数分の田んぼなので周辺に何にもありません。隣の集落の灯りや国道を通る車のライトが届きますし、山向こうの明かりも気になります。さすがに星野写真をしっかり撮ることは出来ない場所です。 

1番の目的は、絞りリングのないNikkor28mmレンズに調整用の楔を入れてEOSで試し撮りすることでした。以前、対角魚眼10.5mmでもこの方法を使ってNikkorレンズをEOSに使っていたので問題ないと思っていたのですが、なんと28mmの絞り用の爪の可動域は10.5mmよりかなり狭いのです。そのためF4用に用意した楔では殆ど開放になってしまいました。同じメーカーのレンズなら同じ構造、同じ可動域と思い込んで事前の確認を怠った報いです・・・

 
1時間でこんな空です。
星もひどいですが
写りも残念。
2014.1.27
M44

L:10min.8枚
RGB=3,3,3 各5min. 

Borg125SD+F4DG, ATIK383L+
アトラクス改(K-ASTEC)
AtikTitan+MaxImDLPro5にて
オートガイド


EOS40D改造機
AF-S Nikkor28F1.8G
ほぼ開放 3min.*26 ISO800
ノーフィルター
スカイメモR
2014.1.29

下の続き

空が今一つと言うことで、星雲は諦めて滅多に撮らないプレセペを撮影してみました。薄雲が通っているので、青がスッキリ出ない上にちょっと輝度を上げるとプレアデスと見紛う程にもやもやが出てきます。

撮影そのものは出だしで躓きましたが、ハード・ソフト共に問題なく快調な撮影だったので、最初の時間ロスが悔やまれますね。

滅多にない冬の晴れ間なので星野写真も撮影しました。Nikkor28mmに絞り調整用の楔を入れて、久々にEOS40D改を使ってみました。ところが楔が上手く機能せずほぼ開放状態、さすがに田んぼの真ん中でレンズをいじりたくなかったので、露出を短くしてそのまま撮り続けてしまいました。ピントが甘かった事もあり(なんでかな・・・)APS-Cでも周辺の星がボケボケで残念な結果でした。 

撮影対象を考えあぐねていたのに、話題の超新星を撮れる状況にありながら逃してしまいました。

本当にやる事成す事上手くいかない撮影でしたが、1月にしっかり撮影したのは数年ぶりのような気がします。それだけでもラッキーです。
 

トリミングあり





2014.1.27
M97, M108

L:10min.4枚
RGB=2,2,2 各10min. 

Borg125SD+F4DG, ATIK383L+
アトラクス改(K-ASTEC)
AtikTitan+MaxImDLPro5にて
オートガイド
2014.1.28

なんと1月に直焦点撮影を行いました。結果は散々で涙なくしては語れない物語になってしまいました。

まず、薄明終了直後から撮れば何とかなりそうなIC443くらげ星雲を狙いました。しか~し!
MaxImのピンポイントが動作しません。撮影した画像を星図に貼り付けることが出来ないのです。

1時間以上悩んだ挙句、シンクロした星を間違って指示していることに漸く気付く体たらく。ぎょしゃ座の5角形の星で、しかもカペラの隣なのになんで間違うかな・・・。とりあえず対象が光害のある西側に行ってしまう前に慌てて撮影を開始して、ご飯を食べていると、ふと「何か忘れてる???」。ピントが昨年11月に合わせたままでした。

外気温マイナス5度。100μmほどピント位置が違います。アウト!!     没

気を取り直してピントを合わせ撮影を再開しましたが、我が家の庭は既に春物、480mmではね。西側に去った赤い方々を恨めしく眺めつつ、シオシオと撮影してました。

さらに結構良い空だと思っていましたが、薄雲が頻繁に通過していたようです。

2014年
活躍しそうなカレンダー

天文館でお世話になっている斎藤さんのカレンダー
個展にお邪魔して買ってきました


私の愛読書
「世界の夢の本屋さん」
カレンダー
韓国製で祝祭日が全く違う


毎年買っている
「太陽の村」の
カレンダー





これで、出撃計画を練る













これで出撃計画は立てられない。
私の従妹は世界を周って本屋さんの写真を撮っているが、私は回る地球の上で回転を止めた写真を撮っている。








これに会議の予定を入れて
ため息をつく
2014年第壱回戦略会議

国務大臣:「首相!そもそもあなたは2012年の戦略会議を無視して2013年早々にNikonD800なんて物をお買いになりましたね!全く予算に計上されていない出費ですぞ!」

首相:「だって写真の師匠が・・・」

防衛大臣:「宇宙用に改造していない一眼レフなど、如何に画素数が多くとも深宇宙の強敵共には歯が立ちませんぞ!」

科学大臣:「D800は非常に高感度低ノイズであるため、ノーマルタイプと言えども遠方の銀河に対してはむしろ侮れない性能を持っているようです。逆に近場のモヤモヤした輩には少々手を焼いているようですが・・・」

首相:「ほーら見ろ!、私だってちゃんと考えているんだい。それに普通に写真を撮るなら使い慣れたnikonの方が好きなんだよね。あんまり宇宙、宇宙と騒いでも足元にだって敵はいるよ。」

防衛大臣:「それは治安維持軍に任せておけば良いのでございます。我々には宇宙探索という崇高な目的が」

治安維持軍将軍:「防衛大臣、今のお言葉は聞き捨てなりませんな。我が治安維持軍の仕事がどうでも良いとでも言いたいのでしょうか?」

首相:「そんなことないよ、今年は中距離兵器の70-200mmF2.8とか、どうかなーって思ってたんだ」

治安維持軍将軍:「首相!それは誠に心強いお言葉、現状のAi-S 180EDは威力はあるものの、あまりに旧式。手振れ補正はおろか、オートフォーカスすら付いておりませんから我が軍のウィークポイントとなっておりました。」

防衛大臣:「ならば防衛軍はEOS6D改造機程度はお考えいただけるのでしょうな、首相」

首相:「6Dなんて買わないよ。改造一眼はAPS-Cサイズで十分!対象に合わせた焦点距離を選べばフルサイズでなくてもよいわけで。40Dはまだ動くんでしょう? それに去年の稼働回数、たった1回だよ」

防衛大臣:「ではこの宇宙に居並ぶ強敵を相手に、何を持って挑むおつもりか!」

首相:「じゃあ、防衛軍にはML29050なんて、どう?」

防衛大臣:「すりゃまことでございますか!?」

大蔵大臣:「おまえら正月ボケか!どこにそんな予算があるんだ!」