シャボン玉星雲

私はシャボン玉星雲付近の散光星雲を綺麗に仕上げることを1つの目標にしています。初めて撮影したのは2004年エクタクロームE200半自動ガイドでした。この時は星雲の存在を写すことは出来ましたがシャボン玉は全く写りませんでした。翌年には初の改造一眼NikonD50を購入し初めてシャボン玉の形を映し出すことに成功しました。以降微々たる進歩の軌跡を紹介します。

2008.10.9


時系列は上に向かっているので、興味のある方は一番下から読んで下さい。

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2024/6/14、8/1



SII:Ha:OIII=31:22:26

SHO初処理は緑一色だったので、やり直しました。

R200SS+コマコレクターHP F3.8 760o
ASI2600MMPro Gain=100 Offset=20, 露出180秒
AM5赤道儀(カウンターウェイト付) NINA PHD2にて撮影
2024/8/12

初めてナローバンドでシャボン玉星雲を撮影しました。昔の感覚ではナローバンド撮影=時間がかかると思っていたのですが、近年のCMOSカメラと画像処理ソフトの進化で半値幅4nm程度のフィルターを使っても、感覚的にはブロードバンドと同じような感じで画像処理が可能です。特に、ここ数年のAI画像処理技術の進歩は凄まじくこれまでの手間のかかる処理工程はほぼ無くなりました。しかも素晴らしい効果を発揮します。これによってガイドの甘さ、空の悪さ、光学系の性能差すら、ある程度埋める事が出来るようになったことがアマチュアには嬉しい事です。

シャボン玉星雲自体はナローバンドに適した対象で良く写りますが、周辺の淡いガスはあまり写りません。それに散開星団M52はブロードバンドでは綺麗な輝きと色を放つ対象ですが、ナローバンドでは目立たない存在です。適した対象を狙わないとナローバンド撮影はむなしい空間を写すことになりそうですが、ことシャボン玉星雲に関してはブロードバンドでは分かりにくかった構造を綺麗にあぶりだす効果があることが確かめられました。これまでは全く分からなかったバブルに重なって見える構造にもようやく手が届きました。モクモクの雲はミニチュア版創造の柱みたいです。これはバブルの中なのか外なのか・・・

もっと解像度、もっと集光力、もっと高感度ってことになりそうです。
 




2020.8.24


タカハシFS128+STレデューサ
(780o)、Atik383L+

L:15枚 300秒、R:G:B=11:10:12枚
2*2ビニング150秒

QHY5L-U+MaxImDLPro5
アトラクス赤道儀(K-Astec改)

2019.8.26
洞窟星雲側 35枚
シャボン玉星雲側 33枚
2枚モザイク合成


Borg125SD+F4DG
CanonEOS6D改造機,、 露出120秒、ISO3200
ニューアトラクス改
MーGEN75mm
オートガイド+ディザリング
2020.9.25

何と9年ぶりの更新です。

去年は2011年と同じ機材ですが、カメラが35oサイズになって、しかもモザイク合成した広範囲の中のシャボン玉星雲だったので、ここに載せる事を思いつきませんでした。今年は久しぶりにシャボン玉星雲メインの作品です。比較するなら2006年と2007年にFS128で撮った画像が面白いですね。暗い鏡筒に当時のデジカメなので、目いっぱいレンジを切り詰めて何とか見えるようにした感じが分かります。画像処理も下手くそです。

9年前がF4で30分露出、RGBは各1枚で冷却CCDの初作品となっています。
今回はF6.1で75分露出、RGBはビニングして枚数を稼ぎました。 

代り映えしていないので、この9年間殆ど進歩していないという事だと思います。。

冷却CCDは既に過去の物になりつつあるので、次回は冷却CMOSカメラになるのだろうと思います。昔は35oサイズのCCDに憧れましたが、最近はEOS6Dを使っているので、モノクロはむしろ小さくて感度が良い方が良いのかななどと思えるようになりました。次回は何時撮影するか分かりませんが、CMOSカメラとナローバンドフィルターになっているのでしょうか?Ha、O3、S2だと相当時間がかかりそうです。
  2011.10.18
M52とシャボン玉星雲
L:10min.*3, RGB:各10min.*1 Borg125SD+F4DG, ATIK383L+

アトラクス改(K-ASTEC)
AtikTitan+MaxImDLPro5にて
オートガイド  
2011.11.1

冷却CCD+Borg125SDの最初の作品です。

画像処理は私としてはかなり控えめで、大したことはしていません。これまでのカラーCCDと比較して、星の色が綺麗なのも、解像度が高いのも、背景が滑らかで自然な透明感があるのも、単に冷却モノクロCCDの性能に負うところが多いですね。 
 
2011.8.5撮影

Vixen VC200L(1800mm, F9)
Orion StarShootPro
ノーフィルター
10min.*8枚
若干トリミング
Vixenアトラクス(K-astec改)
AGS-1S 
PHDguidingにてオートガイド  
2011.8.9

今年のシャボン玉星雲は、これまでで最も長い1800mm直焦点での撮影になりました。率直な感想は「でかいだけ」です。長焦点撮影に慣れていないせいか、ピントや画像処理が、なんとなく決まっていない感じです。
・もっとピントを正確に合わせる
・大気の状態が良い日に撮影する
・露出時間を延ばす≒コンポジット枚数を増やす
・冷却性能の高いカメラを使う

まだまだ改善点はいくらでもありますから、来年も撮ることになるでしょう。
技術的な進歩より、機材の進歩に頼ることになりそうですけどね・・・
2010.7.18撮影
NGC7635+Sh2-157

125SD+レデューサ7878
20min.*4
LPS-P2
Orion StarShootPro

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguiding     
2010.9.25

今年のしゃぼん玉星雲です。

メインがSh2-157なのでちょっと端の方でレンジの切り方もしゃぼん玉向きではありませんが、充分な露出と安定したガイドでしゃぼん玉星雲を対象とするなら充分すぎる情報量が集まっています。

しゃぼん玉星雲撮影に挑戦を始めた頃は、しゃぼん玉の形どころか、星雲その物が写りませんでした。導入が上手くいかなかったりガイドが安定しなかったりして露出時間を延ばすことが出来ず、しゃぼん玉の形をあぶり出すのに苦労したモノです、遠い目・・・。

来年は強拡大に再挑戦したいですね。
2009.9.24撮影
NGC7635(しゃぼん玉星雲)

Vixen VC200L+レデューサ F6.4
LPS-V3フィルター
Orion StarShootPro
20min.*4

アトラクス、三ツ星OAG+DSIPro
PHDguidingによるオートガイド  
2009.10.1 ひっそりアップデートしておきます。

毎年1回は撮影するシャボン玉星雲です。
撮影する画角、システムは毎年異なりますが、上達してますかね。今年はレデューサのねじ込みが甘くひどい星像ですが、これまでで最高の拡大率です。シャボン玉の中身が見えてます。 最近編み出した画像処理技術を駆使しようにもこの星像では・・・。来年のシャボン玉にご期待下さい。

VC200Lは予想を遙かに超えて良く写ります。ちょっと光軸もずれてるような気もするので、一度メーカーメンテをしてもらって大事に使おうと思っています。

ちょっと大きいです
500Kb
ここまでの画像処理技術を全部使ってみました。撮影した画像はこれですからかなり頑張ったと思います。真夏の冷却無しでは背景の荒れが気になりますね。 私の撮影技術、画像処理技術の進歩は、ほぼ100%諸先輩方のホームページやブログに依存しております。貴重な情報を惜しげもなく公開してるハイアマチュア(一部プロ)の方々には日々感謝しております。

では来年のシャボン玉星雲に、ご期待下さい。
2008.9.5撮影
20min.
125SD+レデューサ7887(F5.1)
Orion StarShoot Pro

アトラクス、OAG+DSIPro
PHDguidingによるオートガイド
味をしめて、万全の態勢で撮影に望みましたが、湿気が多くトラブル続出、透明度も低く全く頂けない仕上がりです。それでも12bit処理のDXと比較するとフィルターやノイズの関係で断言は出来ませんが、階調は豊かなような気がします。16bit処理の画像、というよりはデジタル1眼の内部処理を通さない画像はいじりやすい気がします。確かに種々のノイズは冷却1眼の画像より多いと思いますが、質的にちょっと違う気がします。ベイヤー・RGB変換後にステライメージでレベル調整・デジタル現像するときもDXより階調幅が広くなります。ノイズは少ないはずですから星雲部分の階調幅が広いと考えて良いと思います。
2008.8.31
15min.
125SD
Orion StarShoot Pro
外気温21度

アトラクス、OAG+DSIPro
PHDguidingによるオートガイド
いよいよ冷却時代に突入です。
絶対買わないと誓っていた冷却CCDを購入してしまいました。さすがにモノクロを新潟で使う気にはならなかったので、カラー一発撮り、しかもAPSサイズの低価格、Orion StarShootProです。国内での販売価格は少々高めですが、冷却改造1眼は35mmサイズが出来るまで我慢することにしたので、X2冷却改造には脇目もふらず(??)頑張っています、今のところね・・・。
記念すべきファーストライトは、雲の切れ間の超快晴だったようで、ものすごい写りに感動してしまいました。コンポジットできなかったのは曇ってしまったからです。
2008.8.4
10min.*4 ISO800
77EDU+BorgF4DG(F4.3)
EOS kiss DX改(Seo SP2)
LPS-P2フィルター

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
この領域は秋になると私の家からは西側の光害領域となるので、無謀にも真夏に撮影してみました。世間では冷却1眼が主流になり始めた中、冷却無しです。F4.3が幸いして何とか画像処理出来ましたが、ノイズが多いのでコンポジット枚数を増やさなければ画質の向上は図れないでしょう。大気の状態が悪くフラット補正にかなり手間取りましたが、やっとここまでになったという感じです。ステライメージのフラット・カブリ補正はかなり役立ちます。
2007.11.9
15min.*2
ISO1600
77EDU+BorgF4DG(F4.3)
EOS kiss DX改(Seo SP2)
LPS-V3フィルター

GPD+AGS-1L
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
このころはV3フィルター大好き時代だったので、フィルターをP2からV3に変更して、再挑戦しました。結局またしても曇られて2枚コンポジットです。8bit処理と16bit処理の違いは直上の作品と比較すると明確です。フォトショップVer6を延々使い続けた報いですね。主要部分をSI5で16bit処理しておけば大丈夫と高を括っていたのが間違いです。最新技術に勝るもの無し!2007年の挑戦はここまでです。
2007.10.18
77EDU+BorgF4DG(F4.3)
Nikon D50改(三ツ星)
ISO800 (20min.)
LPS-P2フィルター

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
同時に撮影した広角画像です。薄雲の影響がはっきり現れていて、再処理する気になりません。
2007.10.18
FS128+TOA用レデューサ(F6)
EOS kiss DX改(Seo SP2)
ISO1600 (20min*3)
LPS-V3フィルター

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
オートガイドはPHDguidingとDSIproを使用しかなり高精度のガイドが可能となりました。カメラも低ノイズのEOSkissDigitalXの改造機を導入しV3フィルターで露出も十分のはずなんですが、できあがりは今一つですね。その最大の原因は画像処理が8bitだったことです。今の技術で再処理してみました。薄雲のせいで星は滲んでいますが、それほど酷い画像ではありません。ISO1600で冷却無しの20分はかなり画像が荒れるので、処理は難しいです。
2006.09.20
21:46-22:50(12min.*2)

FS128+TOA用レデューサ(F6)
NikonD50改
LPS-P2フィルター使用
アトラクス、ガイド鏡80mmF11
AstroSnapによるオートガイド
残念

F6では露出時間がもっと必要と考え、12分で多数枚露出を計画するも、またしても雲に阻まれてしまいました。2006年の挑戦はここまででした。
2006.09.15
21:40-22:12(10min.*2)

FS128+TOA用レデューサ(F6)
NikonD50改
LPS-P2フィルター使用
アトラクス、ガイド鏡80mmF11
AstroSnapによるオートガイド
感動のシャボン玉

オートガイドを導入し漸く10分ガイドを安定して成功させられるようになりました。天候にも恵まれず、コンポジットは2枚、露出も充分ではありませんが、初めてシャボン玉の形を自分で撮影することが出来ました。
2005年以前
リバーサルで挑戦しましたが、
写っていないので公開できません
この星雲は素人には写せないと思っていました。半自動ガイドでは500mmを越えると長時間露出も30分が限界でしたね。