デジタルマジック 2014年分
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2014.10.24撮影 ぎょしゃ座 IC405-410 ISO1600 180秒露出 20枚コンポジット オリオン座中心部 ISO3200 90秒露出 32枚コンポジット CanonEOS X7改造機 Nikkor AiS180ED(F2.8) F4 スカイメモR QHY5L-U PHDguiding、win8.1タブレット リレーBOX経由での 赤経軸オートガイド |
2014.10.31 久しぶりの撮影でしたが、それなりに成果はありました。 CanonEOS X7は、ISO3200で90秒から120秒で使ってみようと思います。ちょっとダーク画像が胡散臭い感じもしますが一応画像処理は出来ました。ISO1600と比較してもそれほど画質が悪くなさそうです。 露出時間については、「デジタル一眼とカメラレンズF4、フィルターを使わない場合、ISO800で6分露出が星の色を維持できる限界」という、私の経験的な数字です。画像処理の方法や写す目的にも因るので、あまり参考になる数字ではないかもしれません。 ぎょしゃ座の方は、星が流れている画像は捨てたので最初の処理よりはましになりましたが、若干ピントが甘いようです(一応初の実戦投入だったので)。星が多い領域なので煩いです。 オリオン座では、ウルトラマンを入れる予定ではなかったのですが、中途半端に入ってしまいました。ただAPS-Cサイズで180mmレンズを使って星が全く流れない撮影が出来る事は確認できました。良く見たらTGVDenoiseで燃える木が溶けてました。背景を無理に暈さずに綺麗にするには倍以上の露出が必要でしょう。結局かかる時間はISOが4倍でも同じです。 当初の目論み通り、これまでのEOS40Dより2段階明るいカメラとして使えそうです。スカイメモRを使う場合85mmまではオートガイドなしでもガイドエラーは気にならなくなると思います。逆にオートガイドするならばminiBorg60EDでもレデューサを使う場合はスカイメモでガイド可能になります。 |
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2014.10.24、25撮影 Sh2-202 L:10min.22枚 RGB=4:4:4 各10min. Hα: 10min. 10枚 Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2014.10.29 この手の淡ーい星雲の処理で一番困るのは、星が明る過ぎる事です。特に小口径屈折で写す場合には星の周囲のにじみが最終的にリング状に暗くなってしまいます。 本来、恒星は点ですが、天体写真においては中心部は飽和した白、周辺が恒星の色をした滲みになってしまう場合が多いです。星雲の手前に星があるならば周辺は全て星雲の色で表現されるべきですが、なかなか思うようには行きません。 今回の処理ではその辺りを工夫して極力、恒星周囲が星雲色になるようにしました。ブログに掲載した画像と比較してみて下さい。私のシステムでは恒星周囲の色にじみが無くなると恒星の色自体を表現するのが困難です。ただ中心部分は白くないと不自然なので、如何に自然に切り立った恒星像を作れるかが勝負になります。その飽和していない部分に色を乗せるように工夫します。 さらに今回はR画像のピンボケ、Hαが僅か10枚(100分)と言う状態なので、とても苦労しました。Hαの合成まではPixInsightで頑張りましたが、仕上げでは久々にフォトショップでの処理が多くなってしまいました。 ハッブル宇宙望遠鏡は反射望遠鏡ですし、大気の影響が無いのでかなり理想的な画像が得られるでしょう。こんな小賢しい事をしないですむので羨ましいです。 この組み合わせではアンダーサンプリングにはならないようなのでDrizzleの出番はなさそうです。2倍にした方が星像の補正はやりやすいのですが、それだけのためにDrizzleを使うのは邪道ですよね・・・ |
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2014.7.25、28撮影 白鳥座 網状星雲 Orion StarShootPro Nikkor AiS180ED(F2.8) F4 10分*10枚 10分*20枚LPS-P2使用 Vixen GPD+AGS-1L DSIpro+PHDguiding |
2014.10.23 下の8月9日の「これで限界かな」を超えたでしょうか・・・、元は同じなので単に画像処理による砂上の楼閣なんですけどね(ある意味デジタルマジックかな)。 SSProの星のモヤモヤ感を除去するためにPixInsightのStarMaskを調整して、微光星の周辺にに対してMorphologicalTransformationのErosionを使ってみました。結構上手く作用します。カビが生えて糸を引きそうな微光星がかなりすっきりしました。こういう事はデジタル一眼では起こらないと思います。 この画像も黄色がかなり強いのでCTを使ってLabのbチャンネルを強引に調整してあります(CC擁護派としては、これはあまりやりたくないです)。 この画像は画角をトリミングして中心部分を使っているので実際の撮像では長辺でも2000pixelsに満たない画素数です。BayerDrizzleで2倍にして、Decoを使って網状の解像度をかなり強調しました。枚数だけは30枚もあるのでかなりDeco耐性はありました。ノイズ除去はTGVDenoiseのLabモードでエッジを保護しながら行いました。フィルム時代の180mm望遠レンズにしては結構解像されていると思います。 PIはここまでで。ここからTiffで出力して、PSで更に星マスクを使った全体の強調を行ってからレイヤーを使った微調整をしています。PSでの一番のポイントはレンジを数値的に整える事でしょうか。RGB各チャンネルのレンジを256階調に整える作業もPIよりPSがやりやすい気がします。PIだとCTとHTを使うせいかレンジ200を超えるのが難しく、無理をすると星雲全体が平坦になってしまいます(上手くやっている方もいらっしゃいますが、私はPSでやる方が慣れていると言うことでしょうか)。最後に縮小し8bitJpegに変換しています。 SSProでの画像処理は、恐らくこれで最後です。壊しておいて言うのもなんですが、長年ありがとう! |
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2014.7.28撮影 北アメリカ星雲とペリカン星雲 Orion StarShootPro Nikkor AiS180ED(F2.8) F4 10分*4枚LPS-P2使用 Vixen GPD+AGS-1L DSIpro+PHDguiding によるオートガイド |
2014.10.18 昨夜は晴れそうだったので、久しぶりに125SDを出して調整しました。結局雲がスッキリ取れる事はなく撮影は出来ませんでした。その分、ゆっくり調整できたので次回の撮影(何時の事やら)はすばやくセッティング出来そうです(ーー;) やる事もないので、ブログの方に載せたSSPro遺作を最後なので気合を入れて仕上げました。残念なことに40分の露出なので大したことはないんですけどね。 最近は少しばかり意地になってPIのColorCalibration(CC)を尊重する処理に拘っていましたが、やっぱりトーンカーブ(CurvesTransformation(CT))をしっかり使うと垢抜けます。 これまでに気が付いたCCの特徴として、 ・透明度が悪いと青の情報が貧弱になるがCCではそれを補おうとする反動か黄色が強くなる ・R,G,Bのコントラストは空次第。空が良ければ色乗りも良くCC後に彩度を上げるだけで十分 などがあります。 元画像に拘らず見栄えの良い画像を作るにはCTを使って、L,a,b, R,G,Bを調整する事になります(勿論元画像が良いに越したことはありませんが)。特に透明度の悪い場合にはbチャンネルの調整が重要です。PIではPSのように画像をチャンネル分解することなく、LabでもRGBでも個々のチャンネルを調整できるだけでなく、常に目的のチャンネルを選択して表示することが出来ます。慣れれば使い勝手は良いです。 さらにデジタル一眼の画像は星雲部分の輝度に変化が少なく、コントラストが低い場合が多いです。PIではLocalHistogramEqualization(LHE)というプロセスが用意されています。ところが散光星雲で直接これを使うと不自然になってしまいます。そこでHDRMultiscaleTansform(HDR)とかLHE等で得られた画像を星をマスクした上でHistogramTransformation(HT)で強調して、構造強調用のマスク画像を作成します。これをマスクとして、CTとかさらにLHEを行うと輝度情報が貧弱な画像でも見栄えがする様に加工できます。PSのハイパスみたいなものでしょうかね。 ノイズリダクションは、沢山用意されていますが、この種のカラー画像で最新のMultiscaleLinearTransformを使うと、更なるコントラスト低下を招く気がします。HTでノンリニア変換後、ある程度加工してからACDNR, TGVDenoiseを使うと、自然な感じで淡い星雲のS/Nを上げることが可能です。 天体写真の画像処理はPSでもPIでも同じような物なので、どちらが優れているという物ではないと思います。ケースバイケースで良いとこ取りするような使い方でも良いと思います。ただPIはFits形式ですから、PSのように16bitTiffでレンジが固定されていない点がアドバンテージでしょう。逆にPSはレイヤー処理が強力に行える強みがあります。したがって、PIでいける所まで仕上げて、最後にPSを使うというのが順序でしょう。 とにかく何か撮影しないと画像処理が出来ません。禁断症状が出そうです。 |
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2014/9/16 EOS40D(改造),ISO1600 露出2分*8枚 PIにてDrizzle2*2 Nikkor28mmF1.8G(F4程度) Gタイプ対応マウントアダプタ使用 スカイメモRで自働ガイド |
2014.9.19 急に晴れたので準備も出来ず、星野写真を撮りました。 前回の失敗で購入したNikonGマウント対応のEOSマウントアダプタは使えます。目盛りが無いので絞りの大きさは目分量ですが、今までの楔を入れる方法よりはずっと簡単です。雲の影響があるコマを捨てて8枚で処理しました。枚数不足でBayerDrizzleは失敗したので普通のDrizzleです。撮影ノートの16枚BayerDrizzleの方が良さそうに見えますが枚数の違いもありますし何とも言えない所です。 40DではこれまでISO800を使っていましたが、今回は酔った勢いで1600にしてみました。外気温もまだ18度あったので、ノイズが多く背景がまとまりません。ただ星自体は発色も悪くないので、気温が下がったらもう1度1600で撮影してみます。いずれにしても40Dは限界ですけどね。 近所の畦道で撮影したためカブリの除去が大変でした。 |
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2014.8.26 IC59とパックマン Orion SStPro(IRカットフィルター?除去) Nikkor AiS180ED(F2.8) F4 10分*20枚 LPS-P2使用 Vixen GPD+AGS-1L QHY5L-U+PHDguidingによるオートガイド |
2014.8.28 撮影ノートに書いたように、透明度が良かった割りに強風で今一つ星がしまらない仕上がりです。今回はBayerDrizzleが上手くいったので、そちらの画像を採用しました。若干星像が小さい感じです。 今回の改造で改善しなかった小さい方のゴーストは未処理でそのまま残してあります。 最近の撮影は、天候の影響を強く受けて、突き詰めて画像処理したくなるような素材になりません。 SSProとカメラレンズの組み合わせも、なかなか機材本来の性能を評価できるような素材が手に入りません。そろそろ125SD+Atik383L+で秋物を撮りたい気分になっているのですが、折角コンパクトのシステムになったので出来れば何処かに遠征して一発決めたいです。 |
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2014.7.25、28撮影 白鳥座 網状星雲 Orion StarShootPro Nikkor AiS180ED(F2.8) F4 10分*10枚 10分*20枚LPS-P2使用 Vixen GPD+AGS-1L DSIpro+PHDguiding |
2014.8.9 Drizzleで微光星の形は綺麗になりましたが、下の画像では星がぼやけた感じがしてすっきりしません。根本的に星がボケているという事もあるのですが、画像処理で淡い部分にこだわり過ぎている結果ともいえます。結局あまり良い空でなかったので、淡い部分の描写にこだわるのはやめて、スッキリ仕上げて完成にしました。 星雲の輝度が高い部分で彩度が低下してしまう現象を避けるため(この画像ではRが飽和して頭打ちの状態でGBの値が大きくなることが原因です)、HDRMultiScaleTransformを使ってみました。物は試しと思ったのですが良い効果は得られませんでした(もう面倒臭いのでやり直しません)。カラー画像ではPSで輝度マスクを使う方が無難なようです。 5時間かけてコレでは、ちょっと悲しいです。 |
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2014.7.25、28撮影 白鳥座 網状星雲 Orion StarShootPro Nikkor AiS180ED(F2.8) F4 10分*10枚 10分*20枚LPS-P2使用 Vixen GPD+AGS-1L DSIpro+PHDguiding |
2014.8.1 今回180mmの望遠レンズで網状星雲を撮影してみました。画角より小さめの対象ですが、Drizzleで遊ぶにはちょうど良さそうです。Drizzleすると画像は通常2*2に拡大されます。画像が大きく微光星が滑らかであることはweb上ではあまり意味を持ちません。そこでトリミングして縮小率を小さくすればweb上でもDrizzleの有り難味を実感できると思ったのです。星雲に関しては、大きくなっても解像度がそれに伴って向上するわけではないですが、単に2*2に拡大するよりはずっと良いです。 SSProは3040*2024なので普通に画像処理すると、このサイズでは微光星が歪で目立ってしまいます。Drizzleによって微光星が四角から丸くなると星像縮小も確実に行えるようになるので、処理方法によっては綺麗に小さくする事が可能になります。なお網状星雲を強調するため星の輝度は控えめになっていますがこれはDrizzleとは関係ありません。このレンズの欠点は回折像が中途半端なことですね。 本来ならBayerDrizzleを使うべきですが、SSProの場合30枚ではまだ不足のようなので、普通のDrizzleを使っています。一応、LRGB分解した元画像でL画像のみDrizzleしてRGB合成する方法も試しました。残念ながら労力と比較してあまり効果がないようなので、BatchPreprocessingで通常の手順を使ってDrizzleで処理しています。 空が良ければ紡錘形のHα領域も写るかもしれないと期待してP2フィルターも使ってみましたが、透明度の悪さで殆ど効果はありませんでした。一応総露出5時間にもなったので、頑張って画像処理してみましたが、時間ほどの写りではないですね。 余談ですが、このレンズ、実に7年ぶりの星雲写真になります。 |
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2014.7.7 |
2014.7.7 七夕ですが、全国的には雨模様です。PixInsightに新たなプロセスが追加されました。 Superbiasといって、master biasをスーパーにしてくれるプロセスです。とりあえずやってみました。 既存のMasterbiasをこのプロセスで加工すると、解説どおり見た目にも非常に滑らかな画像になります。本来Biasは沢山枚数を作成してコンポジットすることで出来るだけ滑らかな画像にしておくべきと言われていますが、これは確かに究極に滑らかです。 実際の画像処理での効果は実感できるレベルで背景の滑らかさが向上しています。 どのような画像でも効果が得られるのか、必要なBias枚数など、まだ良く分かりませんが、とりあえず速報です。 |
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2014.6.27 NikonD800, ISO3200 Nikkor14-24mm(F2.8)F2.8 24mm、30秒露出 4枚コンポジット GPD+AGS-1Lにてガイド 2014.4.8 D800 ISO3200 ソフトフィルター使用 28mm(F1.8) F4.0、60秒 10枚コンポジット スカイメモRにてガイド 2014.4.8 D800 ISO3200 ソフトフィルター使用 28mm(F1.8) F4.0、60秒 10枚コンポジット スカイメモRにてガイド 2014.6.27 NikonD800, ISO3200 Nikkor14-24mm(F2.8)F2.8 24mm、30秒露出 4枚コンポジット GPD+AGS-1Lにてガイド |
2014.6.30 @の画像は、本命のSSProの撮影が電源の不調で出来なかったので、蛍待ち星景の時に撮った夏の大三角です。改造していないデジタル一眼でも赤い情報は無いわけではありません。色彩強調はしていますが、Rだけを強調するような処理は行っていません。それでも北アメリカ星雲は良く分かります。ペリカン星雲はかなり厳しいですね。 4月に同じ夏の大三角を撮影した時、ソフトフィルターを使用したら非常に星が煩く見苦しい画像Aになってしまいました。フィルターの種類にも因るのでしょうか。KenkoのPRO1D プロソフトン[A](W)なので結構弱めと思っていましたし、これまで星景写真の撮影でこれほど煩く感じたことはありませんでした。これは地上風景に影響されずに淡い銀河や星雲を強調できる星野写真に限った問題かもしれません。 以前星像の分析をしたときにPixInsightのHTでの非線形処理(DDP)はSI7と比べて、なだらかな輝度の星像を作る事が分かったので、これがソフトフィルターでは強く影響しているかも知れないと思いました。 そこでPIでPreprocessingしたFitsファイルをSI7でDDPして、後は再びPIでなるべくAに雰囲気を似せるように処理を行って星像を比較してみました。 結果、あまり違いは無いようです。若干Bの方が暗めの星のボケ方が少ないようにも感じますが、煩いことに変わりはありません。 星野写真にはもっと効果の少ないソフトフィルターを使用するか、Cのようにフィルター無しで撮影して輝星だけにソフトフィルター効果を与える画像処理をするしかないのでしょうかね。ただこの処理はソフトフィルターと比べると味気ない感じがします。 それから、このカメラでのDrizzleは7360*4912 -> 14720*9824という数字を考えるとちょっと現実的ではないような気がしたので止めておきます。 |
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CosmeticCorrectionの効果 等倍画像 |
2014.6.21 先日から気になっていたDrizzke時のHotピクセルの処理です。 今回はPixInsightを使ってデジタル一眼でのHot/Cold Pixelsの除去をやってみました。ソフトによってはcoolとなっていますが、PIではColdなんですね・・・ この作業にはCosmeticCorrection(CC)プロセスを使います。BatchPreProcessing上でCCを行う場合には、予めCCで調整したインスタンスをiconとしてBPPに渡す事になります。BPPでの演算についてはダーク減算後にFitsファイルとして保存した後にCCを実行する順序になっているのでデジタル一眼でも問題なくCCは動作します。インスタンスを作る時に、CCはRAWファイルに対応していないため、CCにRAW画像を取り込むことが出来ない点は注意が必要です。実際RAWファイルをCCに直接読み込む必要はありません。インスタンス作成の手順は、まずRAWファイルをベイヤーのままPIで開き、これにダーク・フラット補正を行った上で、この画像全体あるいはPreviewに対してCCのReal Time Previewを行って、変数を調整すればよいのです。面倒臭ければ、まずBPPのCalibrateOnlyをチェックしてダーク・フラット補正を行ったファイルを作成し、これをPIに読み込むという方法もあります。 CCではUse Auto detectを使用します。私の場合デジタル一眼の場合に限りマスターダークを使用する方法より的確に除去でる感じです。Real Time Previewを使ってSigmaを調整しますが、通常ダーク・フラット補正後に処理が必要なピクセル数は画像全体で100以下と考えて良いと思います。そのためHotSigmaは20前後になると思います。ここでデフォールトの3のままインスタンスを作成すると、BPP後に微光星の芯が全部抜けてしまいます。ColdSigmaは気になる物が実際にある場合だけ行った方が良いかもしれません。Real Time Previewの値を参考に決めると良いでしょう。 果たして14bitに処理されているデジタル一眼の画像に本当のHot/Coldピクセルがあるのか?というのは微妙な問題かもしれません。実際の画像で確認しながら調整する必要が有るでしょう。私の場合これまでの処理で気になっていたHotピクセルらしい点はかなり目立たなくなりました。 何度かやってみましたが、BayerDrizzle画像はDrizzleと比較して黄色が目立ちます。Lab調整が必要になりますが、ColorCalibration後にあまり色調をいじりたくないですね。もうちょっと工夫が必要です。 |
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いよいよBayerDrizzleを使った画像と従来の画像を比較してみます。当初ダーク画像が不適だったため従来画像は最初から作り直して、現在私が有する全ての技術(大げさだわ)を使ってBayerDrizzle画像に似せて作ってみました。2倍拡大のロールオーバーになっています。マウスが乗っていない状態が従来画像、マウスを乗せるとBayerDrizzle画像になります。 ロールオーバー画像にジャンプします。 二つの画像の相違点はごく僅かです。この違いをどう評価するかは微妙な部分もあるでしょう。 星 従来画像: ボケが少なく面に近い BayerDrizzle: より小さな星まで自然なボケが出ているが、密集部分では従来画像よりよく分離しています。ただし縮小時の補間アルゴリズ ムにも影響されるので一概には判断できません。 星雲 従来画像: これだけ見ると特に違和感は無い BayerDrizzle: 従来画像より構造が表現できているようにも見えます。 ノイズ 従来画像: SigmaClipが効いている BayerDrizzle 従来画像では消えているホットピクセル?(でも白い)が残っている(上の画像の中央部分等)。 ちなみに両画像ともCosmeticCorrectionは行っていません。 色調 両方ともPIのCCで合わせ、STFでヒストグラムのピークを揃えただけです。 BayseDrizzle: 黄色が目立つようですが、これがBayerDrizzleの影響かどうかは不明。 BayerDrizzleだけを行った状態での差が気になるかもしれませんが、そもそも画素数が異なってしまうので、従来画像とDrizzle画像で単純な比較は出来ません。しいて言えば滑らかに大きくなると言う事しか分かりません。私の場合、画像処理でどれほどの違いがあるのかという点に最も興味があるので、十分に画像処理をして同じサイズまで縮小した状態で比較を行っています。画像処理の方法によっては同様の効果が得られない可能性は多分にありますが、その点はご容赦下.さい。 今回の画像を用いた結果。BayerDrizzle画像は、元画像のノイズ処理さえ完璧に行えば従来画像より良好な結果を得られる素材となると考えられます。 最後に Drizzleそのものの効果は、 1、undersamplingである事 2、ディザリングしている事 3、最低でも15-20枚の画像 が推奨されています。順序が全く逆ですが、次回撮影ではBayerDrizzleその物の効果を検証できるような精密なサンプル作りをしたいと思います。今回(Bayer)Drizzleの実験に使用した画像では、スカイメモRによるガイドで星が流れているという欠点があります。Drizzleその物の評価をするにはこの点があまり画像として相応しくありません。画像処理をするためにはDrizzleで大きくするだけでも星マスクの精度が上がるのでやりやすくなる利点はありますが、Drizzle本来の効果を得るためにはやはりオートガイド+ディザリングで撮影する必要が有りそうです。露出時間については、もう少し短くしてその分枚数を多くする方がDrizzle評価用の画像として相応しいことが予想されます。次の撮影ではDrizzleその物の効果を論じることが出来るように撮影してみようと思います。解説を読む限りカメラレンズでは十分効果が期待できますし、今のCCDならBorg125SD辺りまでは有効に使えそうです。VC200Lは星像も甘いし恩恵にあずかる事は難しいでしょうかね。 |
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DrizzleとBayerDrizzleの違いを検討していますが、元の画像のこんな小さな部分なんですよね。少々違いがあっても意味があるのかな・・・ | 2014.6.12 Drizzleの効果について色々考えてきましたが、デジタル一眼を使用している天体写真愛好者にはもっと気になるBayerDrizzleの効果を調べて見ました。「ベイヤー・ドリズル」、ダース・ベイダー親戚の悪党としか思えない名前ですが、デジタル一眼など、カラー一発撮りをするためのCCDに用いられているベイヤー配列のままのデータでDrizzleをするという仕組みです。私の中のDrizzleとBayerDrizzleはこんな感じです。果たしてベイヤー配列でこんな風にして普通のDrizzle以上の効果が得られるのでしょうかね・・・。BatchPreProcessingではBayerDrizzleをチェックすると、普通のDrizzleにもチェックが入るので、ひょっとすると何かしら工夫をしているのかも知れないなどと勘繰ってしまいます。 良く分かりません。 結果ですが、左の2つの比較画像を見る限り違いはあります。BayerDrizzleでは、微細な部分で色彩が鮮やかになったり、微細な輝度の変化もあります。微妙な違いであると同時に、画像処理上好ましいとも言い切れない気がして、もっと良い素材を用意して検証する必要が有ると痛感しています。 問題点としてはBayerDrizzleの結果、部分的にGが目立ちすぎて使えないケースがありました。理由は分かりませんが、こういう場合はとりあえず普通のDrizzleの結果を使えばよいのでしょう。 |
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vdB1周辺(V633) 2013.10.28 L:10min.10枚 Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2104.6.9 Drizzleを使いたいのにお天気と月が邪魔をするので、昔の画像でDrizzle画像のDeconvolutionを試してみました。これは良いですね。画素数が2*2倍の画像としてDecoもしっかり処理できるようです。お得ですね。この部分には幸いHotPixelがありませんが、やはり目立ってしまうのでPreProcessでしっかりCosmeticCorrectionをやった方が良さそうです。 そしてBatchPreProcessingをふと見ると、BayerDrizzleのボタンが追加されています!!!*?これはひょっとしてカラーCCD専用のDrizzleですね。いやまったくありがたい事でございます。でも使い方が・・・ |
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ライブラリー?から ぴったり合うダークを 探して再処理すると |
2014.5.29撮影 あくまでもDrizzle後にそれなりの画像処理をした上で縮小しないと、たぶん何の効果も無いでしょう。ご注意下さい! ブログの写真を入れておきます。 |
2014.6.6 PixInsight Drizzle速報! PIのDrizzle期待を裏切らない効果がありそうです。ただし問題点もあるので、Drizzle利用に適した素材を目指して撮像しなければ最良の結果は得られないかもしれません。 プロセスの使用方法: StarArignmentではGenerate Drizzle Dataをチェックするだけです。この場合interpolation(補間)は行われないそうです。BatchPreProcessingでも同様にGenerate Drizzle Dataをチェックすると補間無しのStarArignmentを行うようです。ただ自働でDrizzleまではやってくれる訳ではないので注意が必要です。 手動あるいはBatchPreprocessing、どちらで処理を進めた場合もImageIntegrationとDrizzleIntegrationを手動で行います。Drizzleが完了すると総画素数4倍のイメージが出力されます。 http://pixinsight.org/images/forum/20140531/DI/drizzle-example.jpg 紹介されていたサンプル画像では星も星雲も非常に滑らかに美しくなっています。星が単純に小さくなるわけではなさそうですが、処理の幅は出ますね。 右の画像は、EOS40Dで撮影した10枚の画像を処理した物です。同じ画像を使った下のNormal@と比較すると、星を含め細かい部分は格段にクッキリした画像になりますが、ノイズが非常に目立つ事が分かります。今回使用した冷却無しのEOS40Dではダーク減算を厳密に行う必要が有りそうです。この問題は冷却モノクロCCDのL画像では、殆ど関係ないと思われるので、非常に期待できます。 解像度に関しては画質が向上する分、淡い部分の構造が見えてきたり、その後の処理の幅が出来るのだと思います。実際の所サイズが倍になったからと言って解像度が2倍になるわけではありません。そこまでは期待してないですね。 追記: ダークを合わせると、見違えるように良くなりました。天蓋の画像を最初に処理したダークフレームはかなり温度が異なる時期の物で、あまり合っていなかったのですが、従来の処理では「まあそんなものか」という仕上がりでした。これをDrizzle用に前処理(Preprocess)すると派手に赤いノイズが現れてどうしようも無い状態になり、慌てて温度の合っている(天蓋では温度を測らなかったので適当なんですが・・・)ものを探して殆どノイズが目立たない画像を作ってDrizzleしたということです。 2014.6.11 kさんのコメントでちょっと冷静になって、Drizzle画像の何が有利なのか考えてみました。 1、星マスクの精度(左の画像を参照) 2、淡い部分の滑らかさ。これはそんな感じがするだけですがDecoの効果に影響しそうです。 今回のような天の川部分の星野写真の画像処理では、星が密集している部分の星マスクを何処まで綺麗に作れるかが星の美しさにつながる訳ですが、Drizzle画像では明らかに通常画像より良質の星マスクを作ることが出来ています。これがweb上で縮小したときの天の川の粒状感を維持する事に役立っていると思います。もちろん大きく印刷する場合は効果絶大でしょう。 画素数を確認すると 通常画像はEOS40Dは3908*2602 Drizzle画像は7816*5204 Web用の縮小画像はどちらも1024*682です。 Drizzleの効果としてそれほど星が小さくなるわけではないので、モザイクして2*2にした画像のようなわけには行きません。ただし、単純に拡大しているわけでもないので、Drizzleで画像を大きくして画像処理したなりの効果はありそうです。 |
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2014.5.29 撮影データは下に同じ 暗い天蓋高原で予想しない良い写りを体験した筆者が、新たな物欲に悶々とするまでの過程が書かれています。 物欲の生じやすい方は気を付けてお読み下さい。 |
2014.5.31 改造EOS40D(非冷却)、carl zeiss Plana85mm、スカイメモRで6分ノータッチガイド、フィルターは使っていません。このレンズを使い始めた2010年にはマウントを改造してFFフィルターのLPS-P2を使っていたのですが、星の色を出しにくいのでノーフィルター撮影をするようになりました。今回は諸事情により写真の方角が大きくずれていたため回転してトリミングしました。通常の画角の約半分の領域を拡大した分、星の煩さが増しています。同じレンズなら画角が広いほど星を小さく表現できるんですよね。だからモザイクするわけで・・・やっぱり35mmサイズを使った方が星野写真も良いですね、というか満足できなくなってきました。 その話はさておいて、 星が大きくなった分ノータッチガイドの弊害も目立つようになっています。恐らくオートガイド撮影の1.5倍程度に星は伸びています。撮影方法でもう少し星は小さく出来るでしょう。1つはオートガイドの機材を持って山に登る、もう1つの方法は短時間露出・・・やっぱりカメラを換えないと! どうしても話がそっちに進みます。その話はさておいて、 拡大してみると星が大きいなりに星雲の添え物でなく、1つ1つ自己主張している事も分かります。星雲メインで星を真っ白に飛ばして、その上で邪魔者扱いするような画像処理が多いのも事実です。直焦点撮影と同じ色の星をFの短いカメラレンズで実現することはなかなか大変ですが、この40Dの場合ISO800が感度限界、F4の星の適正露出は6分と感じています。ISO3200ならほんの1分半の露出になります。やはりカメラ的な限界が・・・また話がそれた。 その話はさておいて、現時点で最も現実的なアップグレードは6D改造機ですが、SONYの新型もすごいらしいです。いやいや画像処理の話をしていたんでした。 |
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2014.5.29 白鳥座の散光星雲 EOS40D改 carl zeiss Planar85 F4 6min.*10 ISO800 ノーフィルター EOS40D改 carl zeiss Planar85 F4 6min.*7 ISO800 ノーフィルター スカイメモR |
2014.5.29 天蓋高原で撮影した白鳥座の散光星雲です。どちらもメジャーな星雲ですが、スカイメモRに2台カメラを載せて、D800をメインに撮影していたので、40Dはカメラを向けられる方向にある対象と言う事で撮影しました。薄雲が頻繁に通過していて歩留まりが悪かったですが、天蓋の空の暗さに助けられて何とかモノになりました。カメラの方角が出鱈目ですが回転装置がない普通の自由雲台なのでどうにもなりません(二兎を追うもの一兎を得ず)。ただ画像処理の技術としてはLPS-P2やV3などのフィルターを使わない星が煩い画像でも、星を生かしつつ十分に散光星雲を描写出来るようになったと思います。私はむしろ星とガスが絡み合う部分を表現するのも面白いと感じています(そのうち掲載)。 けんちゃさんが、空の暗さを測定して「今までで一番暗い」とおっしゃってましたが、確かにかぶりも僅かです。先日作製したフラットを使い回していますが、カメラの場合レンズの回転が固定されているのでホコリさえ付いていなければ全く問題ありません。 あとはPixInsightで処理しました。黄砂の影響で透明度が悪く青が足りないのでPIのカラーキャリブレーションではかなり無理をして青のレベルを上げているようです。その影響で暗部のBレベルだけが残るという問題が生じてしまいます。補正は出来るのですが、気になるところです。空さえ良ければ気になる問題ではないです。 肝心の広角レンズの天の川は全コマに雲が入っていて残念でした。こんな日はむしろ画角の狭い直焦点の方が歩留まりも写りも良いのでしょう。 |
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2014.4.25 NikonD800, ISO3200 Nikkor14-24mm(F2.8)24mm F2.8 60秒露出 1枚 スカイメモRで自動ガイド Photoshopでの調整レイヤーと マスク |
2014.5.1 月の無い夜に撮った「天の川桜」、その場ではどの程度に見えているのか? 1番上のRaw現像のみの画像を見ていただければその日の空の感じが伝わるのではないかと思います。 かなり暗いです。 天の川だけの写真ならこれを何枚かコンポジットすればかなり良い天の川の画像が出来上がりそうですが、地上部分の桜を生かすためにはコンポジットは上手くありません。以前、某天文雑誌に空の部分のみコンポジットという星景写真が掲載されていましたが、私はなんとなくやる気になれません。それで天の川が綺麗に仕上がったとして、地上がクッキリ仕上がったとして「それはそうだよね・・・」と、思ってしまうのです。 まずCameraRawでレンズ補正を行った後に、基本補正でヒストグラムを見ながら右側のハイライトを損なわない程度にヒストグラムの裾野を広げながら暗い部分が見えるようにします。圧縮はしない方が良いと思います。またCameraRawのトーンカーブでの調整は理屈が分からない場合はやらない方が良いと思います。見た目は良くなっても、その後の処理がやり難くなることもあるからです。DDPでも良いのかなと思いますが星景写真ではどんなもんでしょう。試しにPixInsightのHTで処理して見ました。天の川より桜が暗いという状況なので、桜の階調が良い感じに圧縮され天の川は残念な状態になりました。 その後の画像処理はPhotoShopで行うのが一般的です。調整レイヤーでマスクを利用しながら空を暗くしていきます。2番目の画像と3番目の画像の大きな違いは背景となる空の明るさです。極端に天の川の強調しているわけでも桜を明るくしているわけでもありません。マスクは色域指定で必要な部分を選択して作成します。昔は星雲の処理でも良く使った色域指定ですが、PixInsightを多用するようになってからは殆ど出番がありません。星雲の様に形がはっきりとは分からない対象で、明確に領域を区切って行う画像処理は後になって思わぬ落とし穴が明らかになる事があります。 4番目の画像はマスク処理を使って桜を明るくしてみました。境界部分はかなり気を付けていますが、極端な明るさの違いから不自然な感じがします。画像処理でこれをやる位なら、撮影時に照明を使うべきだと思います。 そのような訳で、この画像の落とし所は3枚目、月の無い桜は頑張ってもかなり暗いので、画像処理だけではなかなか一般受けするような仕上がりにはなりません。割り切って照明を使うしか、見栄えのする作品を作る道は無さそうです。 来年は月夜の天の川桜が撮れるとよいです。 |
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2014.4.25 NikonD800, ISO3200 Nikkor14-24mm(F2.8)14mm F4 60秒露出 1枚 スカイメモRで自動ガイド |
2014.4.27 今回念願の桜並木と天の川を写すことが出来ました。 まず車が通過した1枚を処理してみました。上がAdobeBridgeからCameraRawでレンズ補正と現像のみを行った画像です。下はその後PhotoshopCCで大まかに画像を3つのパートに分けてレンジ補正を行った画像です。桜はテールランプで赤すぎる部分を補正し、若干レンジを切り詰めました。車の軌跡は極力目立たないように、天の川と空はカブリ補正後にバックグラウンドをニュートラルグレーに近づけ、トーンカーブでコントラストを上げています。 3つの部分の境界線が目立たないように分割するグラデーションマスクを工夫してあります。画像から作り出すマスクと大まかな構図に合わせたグラデーションを多重に組み合わせることで桜と空の境界に不自然な感じがありません。 この画像については、画像処理無しでも全く問題ないと思います。 車の通過がなく全く照明が当たっていない桜並木は1分露出では黒い影に若干花の部分の存在が分かる程度にしか写りません。それに対し天の川は結構写っています。これは2分割で処理してみました。桜はかなり暗く無理にレンジを詰めると画質が荒れるので、天の川を控えめに処理して両者のバランスを取ってみました。撮影ノートの2分の画像の方が桜が明るい分、天の川も明るいですし強調も楽です。桜が流れていなければ2分の方が良いと思います。 この画像の場合は画像処理無しでは天の川桜とは分からないかもしれません。 たった1台の車の通過でも星景写真は劇的に変化する事が良く分かりました。そして今回もう1つ実感したことは、撮影時の照明はある意味画像処理の一種ですね。その場で絵の中に入って塗って来るような感じでしょうか。 次回は是非、月明かりで撮ってみたいです。今年は本当に桜の当たり年でした。大満足です。 |
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2014.4.14 NikonD800, ISO800 Nikkor28mm(F1.8)F4 10秒露出 ソフトフィルター使用 固定撮影 NikonD800, ISO800 Nikkor14-24mm(F2.8)24mm F4 10秒露出 固定撮影 おまけの月 NikonD800, ISO1600 Nikkor28mm(F1.8)F8 15秒露出 ソフトフィルター使用 固定撮影 |
2014.4.18 ほぼ同じ時間帯に撮影した2枚です。上は28mmでソフトフィルター使用、下は24mmでノーフィルターです。 それぞれの画質を生かして、上はほんわかした感じ、下はクッキリ仕上げました(下はフォトショップで星像強調しています)。日本人の春のイメージは上の桜ですかね。下はフィルターを使っていないので何となく幹だけクッキリしていてピンクのバオバブの木みたいな感じです。 天体写真の画像処理は技術的な問題を考えれば良いので私のような芸術性の無い人間でも結構楽しめるのですが、この種の画像処理は感性を要求されるので苦手です。今回はAdobeBridgeからCamera Rawで現像し、フォトショップCCで画像処理していますが現像時の彩度がかなり高めです。上はかなり彩度を落として仕上げています。下はほぼ現像された状態の彩度で仕上げています。 私の場合、星雲の写真では「淡い部分を可能な限り滑らかに」というのが目標ですが、星景写真では何をゴールにすべきか考えあぐねてしまいます。 それから天体写真全般に言えることですがモニターです。数年前にナナオのColoeEdgeを導入してある程度信頼できる基準を手に入れた感はあります。残念ながら普通の部屋に置いてあるので完璧なデジタル暗室とは程遠いですが、ここで調整した画像をWeb用にJpeg変換すれば、当たらずとも遠からずというレベルの画像にはなってる安心感はあります。これを普通のモニタ、ノート、タブレットでチェックしてイメージとかけ離れている場合は「画像の方」を調整をしています。よく調整用にグレースケールのグラデーションを載せているサイトがありますが、モニターによっては限界がありますよね。それでもある程度見えるように画像を調整するようにしています。 おまけの月は私のモニターでは月は中心部が飽和、桜は若干アンダーになっています。 |
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2014.4.14 NikonD800, ISO1600 Nikkor50mm(F1.4)F8 15秒露出 ソフトフィルター使用 固定撮影 2014.4.15 NikonD800, ISO3200 Nikkor14-24mm(F2.8)F4 14mm 20秒露出 スカイメモRでガイド 2014.4.15 NikonD800, ISO3200 Nikkor14-24mm(F2.8)F4 14mm 20秒露出、6枚コンポジット スカイメモRでガイド |
2014.4.16 新潟では桜の満開と満月、晴天が重なって桜星景に絶好の条件となりました。 胎内川土手の桜はもう少し先ですが、7号線沿いの桜はどれも満開です。今年初めて見つけた撮影地でオリオン桜と天の川桜を撮りました。周辺の風景は星景写真向きではないのですが、数本並ぶ桜の巨木はどれも見事な枝ぶりです。 オリオン桜は既にブログに比較明合成を載せました。それはそれで良い発色で成功だと思うのですが、折角ソフトフィルターで撮ったので何とか一枚もので仕上げてみました。周囲の余計な物を避けてトリミングしてあります。 天の川桜の画像処理では星を撮るには月が明る過ぎたので、桜の露出を抑えつつ明るい空から星を強調してみました。色調もむしろ抑え気味で夜の雰囲気を出そうと頑張ったのですが、まだ真昼のような雰囲気です。もう少し月が暗い年に再挑戦です。それにしても電柱が目障りです。 そこで6枚2分間をコンポジットしてみました。確かに天の川は強調できます。問題は同じ幅で桜のレンジを詰めると美しくなくなるということです。かといって、空の部分だけレンジを圧縮して桜のレンジを維持すると境界が不自然になります。しかも桜など地上の風景はガイドしているためブレていて境界が不明瞭です。 手の込んだ合成をすれば目立たなく出来ますが、それはやりたくないですね。やはり天の川桜は面倒です。 |
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2014.4.8 D800 ISO3200 14-24mm(F2.8) 16mm, F4.0、120秒 30枚コンポジット 14-24mm(F2.8) 14mm, F4.0、120秒 10枚コンポジット スカイメモRにてガイド |
2014.4.12 (2014.4.14追記) 8日の撮影のメインは超広角ノーフィルターの天の川です。 これまで使っていた高坪山の南斜面は電柱が設置されたのと、東側はかなり明るかったので、超広角レンズでの撮影には無理がありました。先日自転車で迷子になった時にたまたま見つけた撮影地はかなり良い条件で、東側の高度が低い春の天の川も綺麗に写せました。 30枚コンポジットは若干ピントが甘かったようです。周辺の星がざらついた感じです。加えて天の川が立ち上がるにつれて構図が気に入らなくなったので、薄明30分前に構図を変更、ピントも再調整して、なんとか10枚撮影しました。 こちらはピントが決まったようで35mmサイズで超広角14mmとは思えない程周辺までスッキリしています(この画像では星像を画像処理でいじっていません)。 今回はフラット画像は撮影していません。ダーク減算のみでベイヤーRGB変換しています。PixInsightのStarArignmentでは多少地上部分が入っても地上に点に近い光源がなければ問題なく処理できます。コンポジットが終った時点でDBEを行います。この種の画像ではDBEのサンプルの配置が非常に重要です。経験上、手動で配置する時に以下の点に注意します。 ・地上部分にサンプル領域を配置しない ・周辺減光が強い部分ではサンプル密度を高くする ・天の川は暗黒帯部分だけにサンプル領域を設定する(天の川の明るさを補正から除外するという意味です) DBEのサンプル配置にはSTF AutoStretchに最近追加されたBoostedがとても便利です。補正の不具合が一見して分かるので再配列の役に立ちます。 DBE後にガイドでずれた地上の境界に不自然な色が出ますが緑色はSCNRで完全に除去可能です。それ以外はDBEで補正し切れなかった光害カブリの色は、サンプルを配置し直してみると上手く補正できることもあります。 この手の写真の分類ですが作り方としては地上部分は無視して星で位置合わせをしているので星野写真でしょうか。前景はシルエットで僅かしか写っていませんが天の川の傾きが春を感じさせる(そんな風に感じる人は少ないにしても)ので星景写真に入れても良いかもしれません。 この撮影地だと、田に水を張った頃には、天の川が反射して写りそうな程暗いので楽しみです。この場合はソフトフィルターを使った方が面白そうですが、どうでしょう。ソフトフィルター画像と比較して見ると、それぞれに良い所があります。状況に応じて使い分けが必要ですね。 |
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2014.4.8 D800 ISO3200 ソフトフィルター使用 28mm(F1.8) F4.0、60秒 1枚 フォトショップにて処理 D800 ISO3200 ソフトフィルター使用 28mm(F1.8) F4.0、60秒 3枚コンポジット PixInsightにて処理 D800 ISO3200 ソフトフィルター使用 28mm(F1.8) F4.0、60秒 10枚コンポジット PixInsightにて処理 スカイメモRにてガイド |
2014.4.10 ソフトフィルターを使った画像のコンポジットにはどの程度意味があるのでしょう。 上から1枚画像、3枚コンポジット、10枚コンポジットとなっています。 上の天の川中心部1枚画像はAdobeBridgeからCameraRaw経由でPhotoshopに読み込んで若干調整していますが殆ど撮影したままの状態です。 同じ領域を撮影した3枚をPixInisghtでダーク減算しコンポジット、DBEにてカブリ補正、色調補正、非線形圧縮、ノイズ除去等々を行うと中の画像になります。 同様に下の画像では夏の大三角方向10枚を同様に処理しています。 3枚と10枚の差があまり感じられないのは、夏の大三角方向はいて座方向より天の川自体が暗いので同じ程度に強調すると3枚と10枚で画質が同程度に感じられるためだと思います。実際現場では3分も10分も大差ないので、10枚をケチって3枚にするという意味ではありません。ソフトフィルターを使った撮影でもコンポジットは有効であることは確かです。 ただ中と下を比較すると下の画像は星が明らかに煩いです。これはPIの非線形圧縮(HT)はSTFを使うとヒストグラムが同じ状態になるように調整されます。天の川が暗ければ相対的に強く圧縮されるためボケた小さな星が目だって煩くなるのだと思います。多分撮影対象の明るさに合わせてソフトフィルターを使い分けるような配慮が必要なのかもしれません。フィルターはKenko ProSoftonA (W)を使っていますが、もっとボケの少ないフィルターはあるのでしょうかね? もう1つ、ソフトフィルター使用に時は、非線形圧縮はPIのHTの特性がSI7のDDPより合っていて、ボケた星の芯を肥大化させること無く圧縮を行うことが出来ます。それが煩さの原因とも言えますが、折角暈した星を単に大きな円盤にするのはどんなもんでしょう。 改造していないD800では、白鳥座の北アメリカ星雲ははっきり分かりますが、ペリカンはいません。サドル付近に星雲がある事は分かりますが、あの特徴的な赤い星雲は銀河に埋もれている感じです。 |
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撮影条件など A3ELパネル使用 通電後15分程度置き明るさが安定するのを待つ。 減光シート 乳白色のプラ板 材質不明の乳白色板 色画用紙(今回は黄緑と水色) 白のコピー用紙数枚 シャッタースピード 4秒から8秒程度になるように減光シートで調整 フードは撮影時と同じ ピント・絞りも撮影時と同じ ISOは撮影時と同じに設定 枚数、32枚〜64枚 ムラが気になる場合は1枚毎に撮影位置とカメラの回転で加算平均後、一様になるようにする フラットダーク、必須 一眼デジカメの場合、バイアスフレームはフラットダークを撮影する場合はない方が良い事が多い。 撮影は部屋を暗くし、出来るだけ真っ暗な状態で行う(暗室があればベストですが、私は遮光カーテンと衝立を使って迷光を抑えています)。 |
2014.3.31 私のフラット作成法。 ご質問のメールを頂いたので、ELパネルを使ったフラット作製方をまとめます。 あくまで私が試行錯誤でやっている方法で、理論的に正しいとか一般的な方法と異なるとかは気にしていませんのでご了承下さい。ちなみにこのようにして作ったフラットを用いた画像処理はちょうど下に示す天の川とアンタレス付近に載せてありますので、下の方をご覧下さい。 1、フラットパネルはA3タイプで特にフラット作製用として販売されている物ではない一般的な無機ELパネルです(数年前アイティ アソシエーツ(株)にて購入)。 2、パネルの光量はかなり明るいので十分に減光します。減光シートの厚みや材質については諸説あるようですが、私は普通のコピー用紙と色画用紙を重ねて使っています。プラ板は平面性を維持するために使っています。ただし紙は透過性が均一ではないので、必ず複数枚重ねる必要があります。1枚のそこそこ高精度の減光シートより、不均一多数枚が経済的にも均一性でも勝るような気がします。 3、露出時間は最低でも4秒程度になるように減光します。普通のカメラは高速シャッターでもシャッター幕の影響は殆ど出ませんが、冷却CCDなどはシャッターの動きが遅いので、十分にそれを無視できる長さの露出が必要です。一眼デジカメの場合経験的に1/25程度までならフラットに問題はなさそうですが、画像を精査するとシャッタースピードで内部処理が異なっている感じがします(ノイズリダクションのことではなく、カメラ内で14bitに変換する上での暗部の処理だと思います)。私は出来るだけ低速で条件を統一すべきだと思っています。 4、ISOやフード、フィルターは撮影時と同じにします。特にISOは必ず同じでなければなりません。フラットダークはカメラを一旦休ませて、フラットと同じ温度、撮影間隔、同じISO、同じ露出時間とします。一眼デジカメではフラットダークは必須です。出来れば撮影にかかる時間もフラットと同じにした方が良いでしょう(特に非冷却の場合)。当然ですが、ピント位置や絞りは撮影時のままです。 5、撮影枚数は多いほど良いと思いますが、通常32枚か64枚です。撮影に時間がかかるわけでもないので十分な枚数を用意した方が良いでしょう。撮影位置はELパネルのムラが気になるようなら1枚毎に少し位置をずらしたり、カメラを回転したりして撮影します。 6、撮影後全ての画像をチェックします。たまにおかしな画像が出来ていることがあり、1枚でも不良画像があると加算平均後の画像に影響します。 フラットには薄明の空を使ったスカイフラット、撮影時の空その物をライトフレームと同時間撮影して作るフラット、ゴミや減光の再現性を意識して現場で撮影直後にELパネルを使って撮影するフラット、様々なお作法があります。私の経験と想像ですが、いろいろなやり方はそれぞれに理由があって細かな決め事で上手く行くように成り立っていますので、それらの一部を寄せ集めるのはやめるべきだと思います。今回ご紹介した方法もあくまでこの流れの中で上手く行く設定であって、決して一般論ではありません。 |
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2014.3.24撮影 NikonD800, ISO3200 Nikkor 14-24(F2.8) 24mm F4.0, 露出30秒 ノーフィルタ Nikkor 28mm(F1.8) F4.0, 露出30秒 ソフトフィルター スカイメモR |
2014.3.26 星景写真では星座を意識するため、ソフトフィルターを使って輝星を暈して強調する場合があります。今回はフィルターが使えないレンズでソフトフィルター効果を得るためにこれまで固定撮影時に工夫してきたソフトフィルター効果が得られる画像処理を更に工夫しました。左画像を比較していただけると画像処理によるソフトフィルター効果もかなり良くなっている事が分かると思います。 ソフトフィルターでは見た感じ明るい星が大きくボケて、暗い星は僅かにボケます。しかもしっかり色が乗ります。 フォトショップの画像処理でこの効果を出すために工夫した手順です 1、ダスト&スクラッチ3-5程度で暗い星を消します 2、その上で明るさの最大値で明るい星だけを強調します この時、保持を真円率にするとかなり大きく強調する事が可能です 3、これをガウス暈しで移行的にして、若干色彩強調します 4、このままでは空が明るくなっているので、トーンカーブで空を暗くします 5、オリジナルの画像に対して比較明合成を行います 6、地上風景が影響を受ける場合はグラデーションマスクで地上を保護します 1段階であまり星を大きくすると不自然になるので、1で星の大きさを数段階に分けて行うと違和感の無い効果が得られます。2の真円率の保持はCCより前にはありませんが、これが今回のブレイクスルーで、従来の明るさの最大値では星が四角になってしまいます。 |
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2013.3.22撮影 EOS40D改 SIGMA24mmF2.8(F4) 6min.*12 ISO800 ノーフィルター 今年の撮影は今の所不調です。ネタがないので去年の画像を処理しなおしています。 |
2014.3.7 久しぶりにカメラ用のフラット用にELパネルを調整したついでに、EOS40Dの24mmでもフラット画像を作成しました。以前この24mmレンズのフラット画像は上手く合わず半球フラットを使ったりもしていたのです。今回はちょっと発想を変えてフードとELパネルの距離を近付けてみたら以前より良好な適合になりました。ひょっとすると花形フードの超広角でも上手く行くかも知れません。 去年のフラット画像を使わない処理と比較してかなり良い仕上がりになりました。 実際この日は比較的良い撮影条件でしたが、こんな風に見えませんし普通に撮影しただけではこんな画像にはなりません。 ではこれがインチキか? というと、そういう訳でもないので、「こういうジャンルの写真」というのが最近の私の考えです。撮っている光自体は、新潟でもオーストラリアでもハッブルでも同じです。問題は大気で減弱されたり光害が加わったり、機材の特性を含めノイズや収差が乗ったりして、必要なデータは条件が悪い場所ほど絶対的にも相対的にも薄くなっているということです。 この種の画像処理は、石の中から葉の化石を掘り出すような作業に近いと思います。フラット画像を用いてフラット補正をすると葉の埋まっている面が平面になり(非現実的ですがイメージとして)、カブリ補正をすると葉の面と平行に石が切れます。後は表面を覆っている石を丹念に除去していけば葉の化石が現れます。フラットやカブリが残っていると表面を覆う石の厚みが一様でなかったり、葉が平面になっていないので綺麗に取り出すことが出来ません。どんなに薄い葉でもしっかり平面になっていればオリジナルの状態を再現できるということです。 この例えを使うと、去年の画像(PixInsightのDBEのみでフラット補正を行っている)は補正後の面が若干波打っています。フラット画像を用いた補正と比較すると、最後の詰めで大きな差が生じているのが分かります。 このレンズの場合、収差と解像度は補正し切れません。 |
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2014.3.1 NikonD800 ISO6400, 15sec., Nikkor 28mmF1.8G(F2.8) 14枚コンポジット 固定撮影 |
2014.3.2 運よく晴れ間にめぐり合えた高坪山で固定撮影した画像を、例によってPixInsightでコンポジットしました。多分他のソフトでは自動でこの精度での重ね合わせは出来ないと思います。いずれにしても星で重ねると言うことは地上風景がぶれるので、この種の星景写真ではどちらを取るか微妙です。 ブログの画像と比較するとコンポジットの効果が分かります。ブログの方が明るくて良く写っているように見えますが、誤魔化されてはいけません。周辺減光をしっかり処理して背景レベルを適正に下げて、画質もこちらの方が良く仕上がっています。多分・・・ 今回はAdobeのBridgeのツールからイメージプロセッサーを使ってバッチ処理でRAWデータからTiffファイルを作製し、その上でPIのStarAlignmentとIntegrationを行っています。BatchPreprocessingを使わない理由はダーク画像を作っていないので、動かせないからです(最低でもDark, Bias, Flatフレームのどれか1つが無いと動きません。何とかなりませんかね)。 |
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2013.3.12撮影 EOS40D改 carl zeiss Planar85 F4 6min.*10 ISO800 ノーフィルター スカイメモR フラット画像 carl zeiss Planar85 F4 4sec.*16 ISO800 ノーフィルター |
去年撮影したアンタレス付近です。 昨日ブログに載せようと1年ぶりに画像処理のデータをひっくり返していたら、フラット画像がありません。そういえばPixInsightのDBEとかの試行錯誤をしていた時期でフラット補正をやらないままうやむやになっていました。今見ると中央部分が若干暗いです。 ちょうど雲上さんのブログでフラット補正がテーマになっていた事もあり(とても興味深い内容です)、気合を入れてフラットを作ってみました。私はELパネルを使ってフラット画像を作っていますが、カメラレンズでも85mmは望遠鏡と同じように扱えます。私の40Dは非冷却でノイズが多いためヒストグラムの幅はフラット画像と大きく異なりますが、RGBそれぞれのピークはそこそこ合っています。カラー画像のフラットではベイヤーRGB変換後にかぶりを補正を行うので、フラット画像の色合わせは必要だと考えています。もしカブリが全く無い画像ならば、フラット補正でRGBのカラーバランスが崩れてもその後の処理はそれ程難しくないのではないかと思いますが、現実には必ずカブリはあるのである程度フラット画像のRGBは調整した方がよいでしょう。これはモノクロCCDでは必要ない作業です。 デジタル一眼では14bit出力するときにベースラインは調整されているようです。シャッタースピードを変えて画像を確認すると多少モディファイされているように感じられます。そのためフラット画像はBias補正せずにフラット画像に対してフラットダークその物を減算する方が良好な結果になるような気がします。同じ理由でライトフレームについてもダーク減算のみでBias補正は行っていません。 モノクロCCDでは逆にフラットダークが無くてもBiasフレームさえしっかりしていれば問題ないように感じます(あくまで経験論ですけど・・・)。 |
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2014.1.7撮影 Nikon D800 nikkor28mmF1.8(F2.8) ISO1600 露出10秒 8枚撮影 固定撮影 Leeのハーフフィルタを使ったような感じで、星は暈し、地上風景は鮮明さを維持するような画像処理はどうでしょう。 欠点は撮影時に星に色が付きにくいので、暈した時にソフトフィルターのように美しい色にならない事です。 良い点は、お金がかからない事だけですかね。 |
これまでの星景写真には 1、長時間固定撮影(デジタルなら比較明合成)して星の軌跡を写す。風景は固定なのでスッ キリ写る 2、数分間ガイド撮影して星を点に写す。風景はぶれるが形が分からなくなるほどではない 3、固定撮影でソフトフィルターを使う。露出時間は長くても数十秒、風景は若干ボケるがブレ はない 4、ソフトフィルターを使って数分間ガイド撮影する。風景はボケてぶれるので締りがない この4通りがあると思います。 最近目指している星景写真は「10秒程度の固定撮影で星も風景もスッキリ写す」です。 とは言っても、当然風景は綺麗に写りますが、星は小さくて星座がはっきりしません。ソフトフィルターを使うと風景にも影響が出てしまいます。そこでLeeのハーフフィルタには半分ソフトフィルターで半分クリアフィルターとかあったので、使ってみようと思っていたら今月の天ガに載ってました。 デジタル時代、やっぱり背景はクッキリさせたいのが人情ですね。 上手く行くことが分かってしまうと、なんとなくやりたくなくなるのは昔からの悪い性分です。 |
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2014.1.27 M97, M108 L:10min.4枚 RGB=2,2,2 各10min. Borg125SD+F4DG, ATIK383L+ アトラクス改(K-ASTEC) AtikTitan+MaxImDLPro5にて オートガイド |
2014.1.29 撮影枚数が少なかったので背景が汚いです。こんなときはフォトショップで、ちょっと背景を整理して仕上げました。 星もそれなりに処理してあります。Decoはしていません。明るい輝星が滲んでいます。光学系の性能的限界もありますが、やはり薄雲はありますね。 M97は480mmで狙う対象ではないかもしれませんが、お隣のM108と一緒の画像を良く見かけます。それでもトリミングしないとちょっと寂しいです。 久しぶりの画像処理の割りに気合が入りません。右側の星像が延びてるし・・・ |
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最近の悩み @、AはVC200L BはBorg125SD |
2014.1.17 kさんのブログに、最近の画像処理での悩みを書かせていただきました。撮影もしないのに画像処理で悩んでいる辺りが、今年も先行き不安な感じです。 左上、左中2枚の星像をBのような輝度グラフにする方法はない物か、と悩んでいるのです。 @:星の中心部分はかなり広い面積で飽和して、富士山型になっている A:中心部分は飽和しているが、ピーク部分が丸みを帯びてしぶとく飽和を免れている。 PIのHTで特徴的に見られるような気がする。 B:ピークが点。周辺が切り立っていないので色調が表現できる。 ちなみに露出時間が短い画像を無理なく処理しているだけの画像です。 光学系の限界でしょ! 中心部は飽和しているからどうしようもないのでは? なんでしょうかね・・・・ ここでおさらいです。 Cの画像は画面上での輝度をグラフで表現した物です。左の元画像では明らかに飽和している恒星中心部でも満遍なく255ではないことが分かります。これは飽和している恒星の中心部が全て16bitの65534となっているとは限らない事を意味していると思います。実際には画面上に飽和した恒星より輝度の点が存在しているのかも知れません。これをPIではSTF値を使ったHT、SI7ではDDPで圧縮してノンリニアな画像にして見ます。2つのソフトの圧縮曲線の相違がはっきり分かります。PIは角のない滑らかな曲線で恒星の輝度が表現されていますが、SI7ではくっりりした線となっています。この特性には一長一短があり、PIの方は色が乗り易く恒星のエッジが移行的ですが、全体としてはボンヤリした星像になりがちです。SI7では恒星はクッキリしますが、状況によっては色が乗り難い場合も起こります。簡単に自然な感じに仕上がるのはPIですが、明るい輝星がボールのようになってしまうのが気になると言うのが今回のテーマです。 Dに私が考えた星像補正を順を追って並べてみました。処理に使うプロセスは、STF、StarMask、HT、HDR、Morphology、ACDNR、CurvesTFです。この画像で見る限り境界部分に副作用はありません。分かりやすいように背景はややレベルを高くしているので、実際にはもう少し背景レベルを落として完成となります。飽和した恒星中心部をほぼ解消することが可能です。グラフでは良い感じに効果が出ていますが、実際の星像を見てみると、確かに小さくなり周辺も移行的ですが、どこか締りが無くピリッとしない感じがぬぐえません。やっぱりボールのような星です。 Eそこで芯を出します。StarMask、CurvesTFを使います。若干クッキリしました。 残念ながら、実際の画像で何も考えずにこの処理を行ってしまうと星雲部分に犠牲が出ます。また暗い星に対しては当然あまり良い結果をもたらしません。マスクと手加減と妥協が必要です。まさに星像を作っている感じがして嫌なんですが、どうなんでしょう。 |