P星マスク応用編

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30年近く前に購入したAsahi SuperTakumar 55mm(f1.8)というレンズを使用して、デジタル撮影しました。このレンズ、若い頃にお世話になった方も多いのでは無いでしょうか?私も思い出一杯のレンズです。今回は開放F1.8で撮影したのですが、花びらのような収差が満開です。このまま処理すると星像が大きいどころか「への字」のようになってしまうので我流処理で軽減に挑戦することにしました。
一般的には収差のあるレンズを使わずに、もっと高性能のデジタル対応レンズを買って、星像を追求するのが普通だと思います。
 
 従来通りの星マスクで画像処理
収差を除去した星マスクと、右に示す収差だけのマスクを併用して、恒星周囲の収差を軽減しました。このレンズは赤の収差が目立ちます。 
収差マスク処理に加えて、恒星周囲の赤滲みを自作フィルターで除去しました。フィルター自体はMさらば青滲みのフィルタを赤用に書き換えただけです。これだけでは星雲内の処理に問題があるので今回はマスク処理してあります。
 
 そのうち有害サイトの指定を受けてしまいそうですが、こういう事が好きなんですよ。確かに、天文雑誌の評に良く出ている「隅々まで針でついたような素晴らしい星像」になるわけではなく、ソフトビニングしたときに星が比較的丸く小さくなるだけですが、得した気分になりませんか。

作り方です。

最終的には左上のようなマスクを目指します。星マスク作製の応用とは言っても、勘所がなかなか面倒で、書いてある通りにやっても上手く行くとは限りません。

星マスクを使っている方なら足したり引いたりの理屈は想像がつくと思うのですが、問題は引き算するための収差がないマスクを作り出すことが難しいのです。まず、ダスト&スクラッチの半径を6と17程度で2種類のぼかし画像を作って、小さな星だけの星マスクと普通の星マスクを作ります。次に、ダスト&スクラッチの半径を6の画像をモノクロ化してレベルを調整して微光星や星雲のない大きな星だけの星マスクを作り(大きな星は収差が目立たない丸い星像に近づけるように調整)、これを小さな星だけの星マスクに明(暗)比較で重ねれば収差のない星マスクのできあがりです。

後は普通の星マスクから収差のない星マスクを引き算すれば収差だけのマスクは完成です。

画像処理をやる前にもっとピントを追い込んだ方がよいのでは?とご指摘を受けそうな元画像です。このレンズは使えそうなので次回はもっと気合いを入れて頑張ります。

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