Mさらば青滲み

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 Mさらば青滲み

あまり大きくない恒星の青滲みを自動で除去出来るようになりました。プログラムでの除去方法は、周辺のRGB値と恒星中心のRGB値を参考に恒星周囲のB値をR,G値に合わせています。ただし、pixel単位で修正値を決定すると恒星の形が損なわれるので、恒星中心から同心円を設定して、その平均値から補正量を決定するようにしています。
これ以上大きな恒星についてはハロと同じように偏心があるため、今のところ手動で補正しなければなりません。下の画像でみると、青滲みはかなり軽減していますが、滲みの出ていない微光星や背景の色むらは影響を受けていないことが分かります。恒星の色と形もほとんど変化していない事が分かると思います。若干R値も下げてやった方が良いかも知れませんが、この画像ではB値だけ減算しています。

光学系の青滲みを抑える方法として、光害カットフィルターに紫外線カットフィルターを併用する方法が一般的ですが、恒星に限れば、このような画像処理で除去出来るような気がします。試してはいませんが、アクロマートレンズで撮影しても何とかなりそうな気がします。



ホームページに掲載するサイズの画像では比較的大きな恒星ですが、ビニング前だとこの程度のpixel数は小さな恒星クラスです。恒星を構成するpixel数が多くなると計算に要する時間は格段に長くなってしまいます。理由は恒星の中心を決定するための計算が煩雑になることと、青滲みやハロの偏心を補正するための計算が必要になるためです。
 
ボタンの数もだいぶ増えて画像処理ソフトらしくなってきました。今のところパソコンは7*7か9*9ピクセルでデータを分析・判断して補正するアルゴリズムを使っているので、大きな恒星や広範囲の補正は苦手です。ノイズ除去というボタンがありますが、これも背景レベルの領域で、微光星でなく星雲でないレベルで飛び抜けたRGB成分を上手く見つけ出すことが、パソコンには苦手な作業になります。

かなり派手に仕上げることができます
自作ソフトでノイズ除去をすると、わずかですが全体のレベルを上げることが出来ます。明るいノイズには手を付けず、暗い部分を持ち上げるようなアルゴリズムです。256階調にしてからの処理になるので実用性は低いのですが、我流処理Bのノイズ軽減が、淡い部分の描写に有利なことが実感できました。副作用の解像度の低下があまり起きません。


ここまで来ると自作ソフトの16bit化を目指したくなりますが、あらゆる面で限り無く、めんどくさい作業です。どのみちダークサイドなので、これでやめておいた方が良いかも知れません。
 本気で作り込めば、かなり効果のある画像処理ソフトになると思うのですが、誰か商品化してくれませんかね。はたしてこういう画像処理で創った作品がフォトコンに入選するかどうか分かりませんけどね。

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