Nベイヤー配列

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 ベイヤー配列のノイズを除去するって言うのは正当な画像処理ですよね
SSPの配列はRGGBなのでステライメージでも普通に現像出来ます。ベイヤー配列のうちに、ダーク減算、フラット補正、ホット・クールピクセル除去をする必要があります。手を抜くと左の様に原色鮮やかな点々が出現します。しかしムカデのようなUSB転送時のノイズは綺麗に消えています。
ベイヤー配列で見るとUSB転送時のノイズは、完全なデータ欠落です。&H8000が9pixels連続しているので、画像の中からこれを見つけるのは簡単です。補完は上下1ライン飛ばした2ライン目を平均してみました。現像すると完全な欠損でも、上の画像のように複雑にぼけてしまいますから、ダークノイズと同様に、ベイヤー配列のうちに潰した方が良いのは明らかです。
 昨年から使い始めたOrion StarSootProは、とても良いのですがUSB転送時に若干ノイズがでます。マニュアルでは転送レートを下げろと書いてありますが、加えてケーブルを低ノイズ物で短めにしたり、いろいろやっているのですが時々出てしまうのです。頻度は低いので手作業で除去するのも可能ですが、現像してから作業するのはなかなか面倒です。ベイヤー配列の時には純粋に9bitのデータ欠損なので、上下のラインの平均値で補正すれば、ほとんど分からなく修復することが出来ます。そこでまたしても自分で作ってみました(多分このソフトは待っていても誰も作ってくれないでしょう)。
Fits形式のファイルはヘッダが長いですが、整数データの構造は単純に並んでいるだけなので、比較的簡単にできあがりました。先日まで作っていた自作フィルターのノウハウがあったので、欠損部分を見つけて補完するアルゴリズムの作製は簡単でした。左上の2枚を見ればベイヤー配列での補完がいかに有効か分かると思います。ベイヤー配列の画像を下に示します(上下逆ですみません)。
 ホットピクセルとかはステライメージで除去した方が信頼性が高いので、やめておきましたが、このRGGBの4つのピクセルを独立して使えるのがモノクロCCDなんですね。カラーCDは解像度が劣るというのがよく分かります。カラーCCDでは色毎に受光量が異なるのでベイヤー配列だとチェック模様が出てしまうのでしょうが、上手い具合にバランスをとると綺麗なモノクロ画像になりませんかね。せめて星だけでも小さくなったら面白いですね。

またしても怪しげなことを思いついてしまいました。どなたもやってないと言うことは、無理があるのだと思いますが、暇があったらやってみます
暇だったのでやってしまいました・・・。

今回作製した、USBノイズ除去ソフトは、欲しい方が名乗りを上げて下されば、頑張ってSSP限定ソフトとして配布出来るようにしてみたいと思います。というか、SSP使っている方で、このノイズが全くでない方がいたら、ノウハウを教えて頂きたいです。ダウンロードはこちらから
 

ステライメージでモノクロ現像した画像を8枚コンポジット

ベイヤー配列を現像し、単に色情報を破棄したような感じで、カラー画像と比較してコントラストが高いわけでは無いようです。
ベイヤー配列を自作「赤・青強調モノクロ画像化ソフト」で処理して、8枚コンポジットした画像

上の画像よりは星雲部分の構造がはっきりしています。恒星も一回り小さくすることが出来ました。

左から、ベイヤー配列、自作ソフト、モノクロ現像
コンポジットすると恒星は丸くなりますが、ベイヤー配列のままなので1枚ではいびつな形をしています。これを丸くすると右の画像と同じような大きさになってしまいます。
 
 整数Fitsファイルの操作は意外と簡単だったので、ベイヤー配列画像を加工するソフトを考えてみました。一般的にベイヤー画像を現像する場合色情報を周囲のpixelと共有するためにぼかす必要があります。ステライメージにはモノクロ現像という物がありますが、左上のように画像を滑らかにするためにカラー現像と同じようにぼけてしまいます。

自作ソフトでは、RGGBの一抹模様をなるべくぼかさずに、星雲の色情報に多い赤・青のpixelに合わせて緑のpixelを平均化するアルゴリズムを作りました。このとき緑のpixelが持つ情報を無視すると解像度が低下するので、工夫が必要でした。実用化するには恒星部分の処理をもう一工夫しなければなりませんが、クラゲの頭の部分の網状構造は現像せずにコンポジットした下の画像が格段に優れていることが分かります。

これをL画像に使う擬似的なLRGB合成は良い結果が期待できるのではないでしょうか?

今回試したアルゴリズム
4つのpixelsをR,G1,G2,Bとして

R>Bのとき
 G1,G2<Rならば
  G1とG2にRとの差を、それぞれ8割ほど加算する。B=Rとする。
 G1,G2>Rならば
  G1とG2からRとの差を、それぞれ8割ほど減算する。B=Rとする。
 RがG1とG2の中間ならば
  Rはそのまま、BをG1とG2の平均値とする。

B>Rのとき
 上のR,Bを入れ替える


4つのpixelを独立して使えるモノクロCCDが解像度の面で有利なことは言うまでもありませんが、G1,G2はRとBに全く関係しないわけでも無いようなので、G1とG2の光度差は解像度の点から重要でしょう。Bは赤い星雲の中ではむしろR情報を、Rは青い星雲の中ではB情報を持たせた方がコントラストが上がると思います(模式図)。この辺のバランスはできあがった画像を見ながら調整すればよいと思います。
 
 

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