今や天体写真とは切っても切れない画像処理。皆さんいろいろ工夫をなさっているようですが、私も自分なりの画像処理を考えるまでになりました。
ここでご紹介するのは、星界一受けたい・・・のような、基礎がしっかりしていて、みんなの役に立つ画像処理ではありません。
私の思いつきと、その場しのぎで考えた鑑賞作品専用の「我流」画像処理です(縮めて我流処理・・・)。
説明は省略が多くて分かりづらいと思います。
@フラット補正について A最近の画像処理について B背景ノイズの平坦化について C恒星マスク(微光星マスク)について D背景とは何なのか?? E透明感とは何なのか? F画像処理とは何なのか? G淡い物好き H恒星の色 I星を綺麗に J禁断の自作フィルター K輝く星の正体は LWeb用のお化粧ソフト Mさらば青滲み BDG進展 Nベイヤー配列 OPixInsight P星マスク応用編 Q偽色(出てしまった物は消すしかない) 番外編 デジタル画像の美しさ |
2009.8.7 お知らせ J禁断の自作フィルターでご紹介した自作ソフトの、分析部分だけを公開します。
使用方法 ソフトを起動したら、読み込みボタン(JpegかBMPのみ対応)でファイルを開くか、ペーストボタンで他のソフトで作業中の画像の一部または全部を選択し取り込んで下さい(この場合ファイル形式は問いません)。ドラッグ・ドロップには対応していません。 画像の1点をクリックすると水平・垂直方向断のRGBグラフが表示されます。 大きな画像を続けてペーストすると「メモリーが足りません」と表示されて終了してしまう事があります。一旦ソフトを終了してから再度起動してペーストした方が良いでしょう。 表示するRGBを選択できるのと、基準線のON/OFFが選べます。それ以上の機能はありません。 |
最終回 デジタル画像処理、5年の変遷
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画像処理の新たな道が開けたことを記念して、5年間の苦闘を振り返ってみました。 フジのFinePixS2Proから私のデジタル天体写真は始まります。 それ以前は殆どリバーサルフィルムで撮影していたので、画像処理と言っても、フィルムスキャナーで読み込んでパソコンで表示して喜んでいた程度です。私の場合、殆ど独学だったため、天ガやネットの情報を元に試行錯誤の画像処理時代が幕を開けたのでした。仕事でフォトショップを使う機会が多かったので、画像処理は雑誌の記事や本を参考に仕事のシステムをそのまま使って(怒られそうだけど既に時効)、適当にやっていました。フィルム時代の感覚で、黒い背景、飽和した星、コントラストの強い星雲で全く問題を感じていませんでした。 今にして思うと画像処理技術を向上させるためには、「作品を見る目」が最も大切で、自分の画像との相違点を認識できないうちは、いかに技術面の知識を勉強しても作品作りに反映されません。 デジタル画像処理に本腰を入れたのは2008年の春です。ニュートラルグレーの背景、RGB256階調に綺麗に分布した星雲、色のある星々を目指すようになって1年半です。フィルムから移行した当初は元画像が分からなくなるほど手を加える事に抵抗がありましたが、最近は16bitの撮影データを8bitに満遍なく再配列することがデジタル現像と考えて納得しています。16bitの調整レイヤーが使えるフォトショップCS3の購入や星マスクの使用で、明るい恒星を飽和させずに星雲のレベルを調整したり、微光星を抑える事ができるようになり、画像処理の幅が格段に広くなりました。 しかし、この時点では輝く星々はまだ遠い存在でした。 今回の進歩で、画像内の主要な恒星は、拡大画像にしても不自然な黒トビや同心円などが無く自然な輝きを見せてくれるようになりました。考え方は、星マスクの中の画像処理、という感じでしょうか。星マスクで対象とする恒星以外を全てマスクした画像の中で、さらに精密な星マスクを使って恒星の輝きやぼかし、色調等を補正する技術です。おそらくこの作業で、これまで私の画像の最大の欠点だった星像と恒星色の問題は解決されると思います。問題はそれに見合う画像の撮影ですね。もちろん、ガイドミスや収差、片ボケなどの補正にも使える技術ではありますが、出来れば最初から丸い星を綺麗にしたいです。 滑らかでしかも自然な透明感のある背景、鋭く色とりどりに輝く星々、そして何より、私のこだわりである限界まで淡い部分を追求した星雲、この3つが揃う日も遠く無いかもしれません。 最後に、分析ソフトの宣伝です。 私はこのソフトを、私と同じように画像処理に悩む全ての天文ファンに使って欲しいです。 左に示す5年の変遷は画像や解説文よりもグラフの方がそれらの特徴を表していると思います。大したことが出来るわけではありませんが、軽くて操作は簡単です。画像処理途中で頭を冷やして客観的に画像を見直すツールとして、ネット上の美しい画像のノウハウを勉強するツールとして、ディスプレーの色調補正ツールとして、デスクトップの隅っこにアイコンを作っておいてもらえたら幸いです。 グチャグチャと書き綴った我流処理のコーナーは、これにて一旦打ち止めにしたいと思います。 これからも新たな発展はあると思いますが、それはまた別のコーナーで書き留めていきたいと考えています。(2009.9.8) |
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Q偽色(出てしまった物は消すしかない) 昨年からOrion StarShootPro(SSP)を愛用していますが、困った点の一つに偽色の発生があります。ピントの微妙な加減で同じ光学系でも発生するときとしないときがありますが、出てしまうと画像全体が台無しです。 10倍拡大画像
微光星のゴツゴツ感は画像処理の副産物と言うよりは、カラーCCDの宿命だと思います。このマスク処理は思いつけばなんということはないので、多分ハイアマチュアの方々には常識的な処理だと思いますが、ローな私には新たな発見となりました。思いつきはNベイヤー配列のR強調モノクロ化のところですね。
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2009.8.27 多分「偽色」と呼んでも良い現象だと思うのですが、レンズの焦点距離とCCDの素子サイズによって起こるようですが、一眼デジカメの場合、Nikonに比べCanonは上手い具合に処理をしているような感じです。カラーCCDの場合避けて通れない問題で、根本的な解決は偽色の出にくい焦点距離のレンズを使うしか無いのだと思うのですが、アマチュアの場合そうも言っていられません。 私は一眼デジカメからSSPに移行したので、どうしても明るい光学系で撮影するシステムを使ってしまうので、なんとかこれを抑えるのがこれまでの課題でした。左上の画像を見ていただければ「抑える」事には成功している事が分かると思います。そこで、次に問題となるのが、恒星色の喪失と周囲のゴツゴツ感です。 これを解決するマスク処理を考えました。考え方としては、一旦偽色や滲みを除去した画像で新たに恒星とその周囲2pixel程度までに、ぼかしをかけると言うことになります。実際の星マスクは下の画像をロールオーバーして確認して下さい。若干大きめで上手くぼかしをかけた星マスクを作ることがポイントです。 このマスクを適応した完成画像にガウスぼかしを0.5pixel程度かけてもう1枚全の完成画像に重ねればできあがりです。 |
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P星マスク応用編 30年近く前に購入したAsahi SuperTakumar 55mm(f1.8)というレンズを使用して、デジタル撮影しました。このレンズ、若い頃にお世話になった方も多いのでは無いでしょうか?私も思い出一杯のレンズです。今回は開放F1.8で撮影したのですが、花びらのような収差が満開です。このまま処理すると星像が大きいどころか「への字」のようになってしまうので我流処理で軽減に挑戦することにしました。
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2009.8.19 そのうち有害サイトの指定を受けてしまいそうですが、こういう事が好きなんですよ。確かに、天文雑誌の評に良く出ている「隅々まで針でついたような素晴らしい星像」になるわけではなく、ソフトビニングしたときに星が比較的丸く小さくなるだけですが、得した気分になりませんか。 |
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OPixInsight
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2009.5.21,追記2009.5.31 |
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デジタル画像の美しさ 私のこだわりは、画面の中での美しさです!って、宣言するほど大した作品も無いのですが。 星雲の正確な色調を再現するつもりはないということは、ご理解頂けるでしょうか?その「星雲の色」ってなんでしょう?少なくとも私が画面上赤く表現する散光星雲の多くは、肉眼では見えません。目で見えないのですから色は無いのではないでしょうか?赤外領域だから「赤」??フィルムやCCDには赤く写るら「赤」??本当ですか?? 下の画像は、アンタレス付近の散光星雲ですが、これは淡くて目に見えないだけで、可視領域の波長も有りそうですから、黄色は黄色なんでしょうか、多分・・・?全く自信がありません。そうなんです。可視光以外の波長が混ざっていてもCCDはそれを認識してしまうのです。黄色い領域の成分は緑と赤です。その赤は目で見える赤なのか赤外領域なのか、考えて画像処理なんかしてませんよ。 |
2009.5.11 学生時代、天文部には入っていなかったのですが、伯父から借りた現像・焼き付けの機材一式を押し入れに持ち込んで、汗だく押し入れラボをやっていました。少ない小遣いを印画紙につぎ込んで、惑星のコンポジットや月の覆い焼きにも挑戦し、ゴミを量産してました。今思うと、紙に薬液、かなり環境破壊です。それに見合う結果が出れば言い訳も出来ますが・・・。 近年はデジタル暗室という言葉があるようです。ディスプレーとプリンターの色合わせを正確に行って自然の色を再現するということなのでしょうか。高性能・高価格の液晶ディスプレーには色調をキャリブレートする機能があるようですが、素人には、なかなか敷居が高いですね。私が普段使っている4台のディスプレーはノート2台、デスクトップ2台で、全てメーカーの異なる価格も安めの普及品で、それぞれ気を付けて調整しているのですが、色調がバラバラです。 そして画像処理の最後の仕上げは、ページにアップした後で、どのディスプレーでも、それなりに見えるように、色調や明るさを微調整することです。アップして2,3日は感じが変わる事にお気付きの方も多いと思います。 このページを見て下さっている皆さんのディスプレーは正確な色調ですか? |
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Nベイヤー配列(2009−2−20、22) | 2009.2.22 整数Fitsファイルの操作は意外と簡単だったので、ベイヤー配列画像を加工するソフトを考えてみました。一般的にベイヤー画像を現像する場合色情報を周囲のpixelと共有するためにぼかす必要があります。ステライメージにはモノクロ現像という物がありますが、左上のように画像を滑らかにするためにカラー現像と同じようにぼけてしまいます。 自作ソフトでは、RGGBの一抹模様をなるべくぼかさずに、星雲の色情報に多い赤・青のpixelに合わせて緑のpixelを平均化するアルゴリズムを作りました。このとき緑のpixelが持つ情報を無視すると解像度が低下するので、工夫が必要でした。実用化するには恒星部分の処理をもう一工夫しなければなりませんが、クラゲの頭の部分の網状構造は現像せずにコンポジットした下の画像が格段に優れていることが分かります。 これをL画像に使う擬似的なLRGB合成は良い結果が期待できるのではないでしょうか? 今回試したアルゴリズム 4つのpixelsをR,G1,G2,Bとして R>Bのとき G1,G2<Rならば G1とG2にRとの差を、それぞれ8割ほど加算する。B=Rとする。 G1,G2>Rならば G1とG2からRとの差を、それぞれ8割ほど減算する。B=Rとする。 RがG1とG2の中間ならば Rはそのまま、BをG1とG2の平均値とする。 B>Rのとき 上のR,Bを入れ替える 4つのpixelを独立して使えるモノクロCCDが解像度の面で有利なことは言うまでもありませんが、G1,G2はRとBに全く関係しないわけでも無いようなので、G1とG2の光度差は解像度の点から重要でしょう。Bは赤い星雲の中ではむしろR情報を、Rは青い星雲の中ではB情報を持たせた方がコントラストが上がると思います(模式図)。この辺のバランスはできあがった画像を見ながら調整すればよいと思います。 |
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ベイヤー配列のノイズを除去するって言うのは正当な画像処理ですよね |
昨年から使い始めたOrion StarSootProは、とても良いのですがUSB転送時に若干ノイズがでます。マニュアルでは転送レートを下げろと書いてありますが、加えてケーブルを低ノイズ物で短めにしたり、いろいろやっているのですが時々出てしまうのです。頻度は低いので手作業で除去するのも可能ですが、現像してから作業するのはなかなか面倒です。ベイヤー配列の時には純粋に9bitのデータ欠損なので、上下のラインの平均値で補正すれば、ほとんど分からなく修復することが出来ます。そこでまたしても自分で作ってみました(多分このソフトは待っていても誰も作ってくれないでしょう)。 Fits形式のファイルはヘッダが長いですが、整数データの構造は単純に並んでいるだけなので、比較的簡単にできあがりました。先日まで作っていた自作フィルターのノウハウがあったので、欠損部分を見つけて補完するアルゴリズムの作製は簡単でした。左上の2枚を見ればベイヤー配列での補完がいかに有効か分かると思います。ベイヤー配列の画像を下に示します(上下逆ですみません)。 ホットピクセルとかはステライメージで除去した方が信頼性が高いので、やめておきましたが、このRGGBの4つのピクセルを独立して使えるのがモノクロCCDなんですね。カラーCDは解像度が劣るというのがよく分かります。カラーCCDでは色毎に受光量が異なるのでベイヤー配列だとチェック模様が出てしまうのでしょうが、上手い具合にバランスをとると綺麗なモノクロ画像になりませんかね。せめて星だけでも小さくなったら面白いですね。 またしても怪しげなことを思いついてしまいました。どなたもやってないと言うことは、無理があるのだと思いますが、 暇だったのでやってしまいました・・・。 今回作製した、USBノイズ除去ソフトは、欲しい方が名乗りを上げて下されば、頑張ってSSP限定ソフトとして配布出来るようにしてみたいと思います。というか、SSP使っている方で、このノイズが全くでない方がいたら、ノウハウを教えて頂きたいです。 |
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BDG進展
おまけ
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そもそも我流処理Bは、淡い部分と共にレベルを上げた背景のノイズに混ざったごく淡い部分を切り捨てて平坦にするのではなく、ノイズだか星雲だか分からないようなpixelを生かすために、解像度を犠牲にして同じレベルでぼかしをかけて滑らかにするという、お話でした。我流処理Dは、なぜハイアマチュアの方の背景はあれほど平坦でしかも透明感が残っているのかと言うお話で、答えは得られていません。我流処理Gは星雲本体を強力にマスクして周囲の淡い部分を無理矢理持ち上げるレイヤーマスクの重ね方でした。 この3つのテーマに進展をもたらしたトーンカーブを使った今回の処理、実は以前にも使っていました。しかし、レベル50で切りあげると、淡い部分が消えてしまったり、背景の透明感が損なわれたりするので、最近は使わなくなっていたのです。 今回自作の画像処理ソフトを作っていて背景を整えるために50以下のpixelを切りあげるアルゴリズムを作ったのですがうまくいきません。 そこで、試行錯誤の結果、ノイズのトップレベルが40程度なら、、 1,40未満のpixelを40まで上げる。40以上のpixelには手を付けない 2,240以下のレベルを高レベルに傾斜を付けて(デジタル現像みたいな感じ)背景が50になるまで恒星以外全てのレベルを持ち上げる 3,全体の傾き・色調を微調整する というアルゴリズムを考えました。すると、全体のレベルが10上がり、背景のクオリティーがとても良い感じになるのです。 つまり、「上げてから均すのではなく、均してから上げる」のです。 切り上げを行うレベルは、画像によって異なりますが、下を持ち上げるという処理を画像処理ソフトで行うには、トーンカーブの端を持ち上げるのが一番良いと思います。この後、全体を持ち上げるのですが、ハイライト部分を飽和させないように気を付けながら全体を持ち上げると、今までの苦労が嘘のように綺麗にしあがり、淡い部分が切り上げられていなければ必然的に50以上にレベルアップして浮き出します。
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Mさらば青滲み あまり大きくない恒星の青滲みを自動で除去出来るようになりました。プログラムでの除去方法は、周辺のRGB値と恒星中心のRGB値を参考に恒星周囲のB値をR,G値に合わせています。ただし、pixel単位で修正値を決定すると恒星の形が損なわれるので、恒星中心から同心円を設定して、その平均値から補正量を決定するようにしています。 これ以上大きな恒星についてはハロと同じように偏心があるため、今のところ手動で補正しなければなりません。下の画像でみると、青滲みはかなり軽減していますが、滲みの出ていない微光星や背景の色むらは影響を受けていないことが分かります。恒星の色と形もほとんど変化していない事が分かると思います。若干R値も下げてやった方が良いかも知れませんが、この画像ではB値だけ減算しています。 光学系の青滲みを抑える方法として、光害カットフィルターに紫外線カットフィルターを併用する方法が一般的ですが、恒星に限れば、このような画像処理で除去出来るような気がします。試してはいませんが、アクロマートレンズで撮影しても何とかなりそうな気がします。 ホームページに掲載するサイズの画像では比較的大きな恒星ですが、ビニング前だとこの程度のpixel数は小さな恒星クラスです。恒星を構成するpixel数が多くなると計算に要する時間は格段に長くなってしまいます。理由は恒星の中心を決定するための計算が煩雑になることと、青滲みやハロの偏心を補正するための計算が必要になるためです。 |
ここまで来ると自作ソフトの16bit化を目指したくなりますが、あらゆる面で限り無く、めんどくさい作業です。どのみちダークサイドなので、これでやめておいた方が良いかも知れません。 本気で作り込めば、かなり効果のある画像処理ソフトになると思うのですが、誰か商品化してくれませんかね。はたしてこういう画像処理で創った作品がフォトコンに入選するかどうか分かりませんけどね。 |
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LWeb用のお化粧ソフト 3週間ほど作り込んだソフトですが、とりあえずホームページに掲載する画像の隠し味?ミタイナ・・・使い方は出来そうなソフトに仕上がりました。ところでVisualStudio2008Expressってタダで使えるんですね、びっくりです。暇も無いので移植するつもりもないですし、今回作ったフィルターのアルゴリズムは縮小画像に最適化されているので、3000*4000程度の大きな画像では星像を構成するpixel数や、明るさのヒストグラムも違うのでうまくいかないと思います。 分析ソフトとしては、ハイアマチュアの方々の画像を研究させて頂けるので、とても役立っています。また、分析の場合は、大きな画像を扱うできるので自分が処理した画像をチェックすることで、完成度を高めることが出来ます。これまで気が付いたことは、私の画像はニュートラルグレーが甘い、星像のRGB曲線が不自然で発色が悪い、微光星が暗すぎる場合がある、などです。 自作ソフトで仕上げ?加工?した過去の作品です。Jpeg->BMP->Jpegと変換しているので少々画質が荒れています。もう一度ビニングした画像を作って最初からBMP保存しで自作フィルターにかければよいのですが、そこまでやる価値もないですね。
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かぶり補正はこのグラフを参考にしながら行うと、かなり精度が上がります。 右側の恒星のハロや青滲みを軽減する機能は有効です。恒星からの偏心には手動で対応し、同心円でハロを減算していきます(現在濃度の傾斜補正機能を考えています)。この補正はフォトショップでやるよりも数学的にハロを軽減する分、中の星雲がはっきりよみがえる気がします(気分的な物かも知れませんが・・・)。 |
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K輝く星の正体は・・・
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私は考え違いをしていたようです。 輝く星は、シャープな星だと思っていました。星マスクの設定も恒星周囲の滲んだ部分を極力強調しないようにしていました。その結果右のように裾野の広がりが無い切り立った恒星ができあがってしまうようです。左の恒星はεで撮影されたキラキラの恒星像です。回折像がキラキラの一因ではありますが、恒星の光は中心から半径10ピクセル以上にわたって滑らかに影響を及ぼしています。作品の中で力強く輝く星は、シャープなエッジの星ではなく、恒星周囲に均一な色調の裾野を広げています。 |
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J禁断の自作フィルター スターシャープフィルタを自作して使ってみました。市販の画像処理ソフトはいろいろな状況での効果が要求されますが、自作する場合、その画像に最適化した条件を作り出すことが出来ます。このスターシャープフィルターはこれまでの我流処理で光度を抑えていた微光星を、肥大化させずに明るくするためのもので、それ自体作品を美しくする効果はそれほどあまりありませんが、今回の思いつきの実用性を試す上で重要なテストとなります(左がフィルター使用後、右が使用前です)。
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来るところまで来たというか、やっちまったと言うべきか。フィルターを自作してしまいました。8bit処理なので実際の画像処理ソフトのような使い方は出来ませんが、アルゴリズムを間違わなければ、思い通りに処理できる点は市販のソフトの比ではありません。去年は画像処理の規格化を考えていたのに、今年は自分だけのオリジナルフィルターですから、一貫性の無さはすさまじいです。 試作したスターエンハンスフィルターは周囲の明るさと比較して極端に明るいピクセルの光度を適当な範囲で増強すると言うような考え方で処理しています。クラゲ星雲で試してみましたが、ちょっと星が浮いている感じで、うるさいですね(LPS-V3を使って撮影すると星の色が抜けてしまいますが、R,G,Bそれぞれにバイアスをかけて増強して、若干黄色にしてみました)。 Astronomy tools等のように画像処理ソフトのプラグインとなっているソフトはありますが、画像の生データそのものに手を加えるソフトはあまりないと思います。理由は画像処理の目的が、撮影した天体写真を視覚化することで、データをいじくり回して画像を加工する事ではないからです。 これからも、思いついたらいろいろなフィルターを作ってみようと思いますが、あくまで実験にとどめるつもりです。天体写真は撮影する物で、「作り出す」物ではありません。 |
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I星を綺麗に! 私の作品の最大の?欠点 それは、見る人が見れば一目瞭然「星に生彩がない」ことです。 恒星が鋭く、しかも自然な色調で輝いてこそ、神秘的な星雲が引き立つということはよく分かっているのですが、これが実に難しいのです。ここまでの我流処理は恒星を除外して処理することで、じゃまな微光星を目立たなくすることに成功しました。しかし、この処理は同時に星の輝きを相対的に鈍らせている事にもなるのです。なんとしても宝石をちりばめたような、あるいは金粉を撒いたような、幻想的な星空に淡い星雲を描きたい物です。 |
IC2169はコーン星雲の隣にある非常に淡い星雲です。見所は青い大きな星雲の北側に散在する小さな星雲とそれらを結ぶように複雑に絡み合う暗黒帯です。が、言うほどには左の作品では分かりませんね。 総露出30分ですから当たり前です。次回撮影する機会があれば2時間以上は露出したいです。 まず左の2枚の作品でどちらの恒星が輝いているでしょう? 何となく右の方が輝いているように見えませんか? 実際には恒星の明るさはほとんど左右変わりませんが、右の作品は赤を強調するためにGBのレベルが若干下がっているため全体で星雲が暗くなっているのです。更に恒星を輝かせるために下のような処理をしてあります。 まず、恒星を飽和させた状態で周囲の星雲を強調した場合としない場合を比較すると下のようになります。 |
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H恒星の色 私はLPS-V3を使うと黄色が上手く表現できず、苦労しています。下のシャボン玉星雲はノーフィルターで撮影したのですが、上の画像が中途半端な画像処理で恒星の色が無くなっています。きちんと処理すると恒星の色がしっかりと現れます。 |
ガイドもピントも甘く、よい作例ではないのですが、恒星の色が抜けていたので使います。 上のシャボン玉星雲は下と比較して恒星色が白いです。微光星の大きさは同程度ですが、明るい恒星の周囲に縁取りもできています。 2つの画像処理で最も異なっているのが星マスクの大きさと範囲です。 同じ部分の星マスクを示します。上は手抜きでマスクを作っただけでほとんど調整していません。下はマスクを恒星を十分黒くした上で縁取りができなくなるまでガウスぼかしで移行的にしてあります。 恒星の縁取りはともかく、どうしてこれだけで恒星色が無くなってしまうのか分からないと思います。その理由は、下のような星マスクをぼかして反転したマスクで恒星の滲みを除去しているからです。これは画像全体のレベルを上げると、星マスク周囲で恒星の滲みが強調されてしまうのを改善するために行う処理です。このとき星マスクが甘いと恒星自体の色も抜けてしまう副作用が出てしまいます。 実際の調整レイヤーは、Gのカリフォルニア星雲に示す星の滲みのマスクを参考にして下さい。この構造を見ると、色が抜ける理由が分かると思います。まず一番上のレイヤーグループのマスクに星マスク、その下にもう1つグループを作り、滲み処理の範囲を限定し、その中に色相・彩度の調整レイヤーを作ります。ここに上の画像に示す星マスクをぼかして反転したマスクをを付けて彩度と明度を下げると恒星とその周囲の滲みが調整できます。このとき1番上の星マスクがしっかりしていると恒星本体に、この調整レイヤーの効果が及ばないという仕組みです。 ちなみに、この処理でレンズの色収差による青滲みも軽減することができます。 この一連の処理において、元画像の恒星を加工する事は目的ではありません。元画像の恒星をそのまま維持し、画像全体のレベルを上げるための物なので、元画像の恒星はあらかじめ適正な光度に調整しておく必要がありますし、ピンぼけ画像の恒星を小さくすることもできません。 言い換えれば、普通の画像処理では恒星が飽和してしまう所までレベルを上げた画像を元画像として、さらにレベルを上げる処理ということです。 実際にはそれぞれの画像によってマスクのバランスは異なるので、この例が全てに共通して有効なわけではなく、画像ごとに適正なバランスと組み合わせを見つけ出すための試行錯誤は必要です。フォトショップでは実際の画像を見ながらマスクのレベルを調整できるので、それほど難しい処理ではないのですが、私の場合、1つの画像を長時間いじっていると、良いのか悪いのか分からなくなってしまうので、日を置いて仕上げるようにしています。 |
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G淡い物好き
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淡い部分にこだわりすぎると美しい作品はできない、と画像処理の本は書いてあったような気がします・・・ でも私はこだわりたい。 (私はT-FIXさんのように順序立てて解説する能力に欠けているようで、ひとまとめの解説です。実際、淡い部分にこれほどこだわる必要は無いかも知れません。) フォトショップのレイヤーを切り取ってみました。 一番下はSI6のデジタル現像でレベルを上げた元画像 その上はノイズニンジャ画像と透過するためのマスク その上に画像全体のレベルを上げるレイヤー その上2つはLPS-V3の色かぶりを補正するレイヤー 今回のテーマはこの上4つのレイヤーです。 芋のようなカリフォルニアのマスクが4つ重なっています。これはR画像を加工して中心部を強調したマスクと、コントラストを落として周辺部を強調した2種類のマスク画像に加工した物です。下から中心部のレベルを上げて周辺とのバランスを整えるレイヤーです。上3つはグループになっていて、中心部をマスクして周辺のレベルを思い切ってあげられるようになっています。 周囲の再度アップではなく、彩度アップですね・・・ かなり強引な方法だと思いますが、ヘソの上にあるもモヤモヤたガスと暗黒帯は何とか見えてきました。さすがにモノクロナローバンドのようなコントラストで描写することはできませんでしたが、カラー一発撮り80分でこれだけ写れば満足です。後どれくらい露出すればクッキリ描写できるのか見当もつきません。チャンスがあれば挑戦してみたいですが、色がね・・・・赤ばっかりなので頑張り甲斐がないかも知れません。 周辺にこだわりすぎて失敗した例
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F画像処理とは何なのか?
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この1年 Borg沼の住人である私がBorgのフラッグシップ「125SD」のモニターを引き受けて1年になります。一番悩んだのが、この光学系の適正な評価に役立つ作例の作製です。それまで私は左の様な画像処理で十分満足していました。フォトショップもアカデミーパックで購入したVer.6で一生やっていけると信じていましたし、雑誌のフォトコンは鑑賞する物で自分で投稿することは絶対無いだろうと思っていました。 ところが、最初に撮影した左の写真はデジタル時代のハイテク画像処理作品と比較することが出来なかったのです。「同じレベルで画像処理をしなければ、この望遠鏡の性能をアピールすることは出来ない」と感じて、16bit調整レイヤー処理が可能なフォトショップCS3と最新のステライメージVre.6を購入し画像処理の勉強を始めました。努力の甲斐あって最近では右の様な作品も作れるようになりました(ちょっと不自然な所がありますが・・・)。 この画像を見ればたいていの人はBorg125SDがペンタック○やタカハ○の光学系に劣らないことが分かるのではないかと思います。値段的にも全く劣っていないので、当たり前といえば当たり前です。ここでふと感じたのですが、 画像処理って何でしょう?? 小林秀雄は「常識について」に収録されている「写真」というエッセイで 「写真芸術の表現過程は、カメラの全く非人間的なメカニズムに基づく。しかし、この言葉は曖昧である。表現力を持っているのは、カメラを扱う人間であって、カメラではない。カメラは人間的にも非人間的にもおよそ表現力なぞ持ってはいない。」 と書いています。 今回の庭先撮影は、対象が屋根を越える時間と、赤道儀の限界を考慮してタイムスケジュールを考え、順序よく5対象を撮影しました。撮影中はトラブルもなく淡々と露出を繰り返し、時間が来ると次の対象を自動導入し、構図を決めて露出を開始し、待っている間に、スカイメモを担いで、近所の田んぼに行ってオリオン座の星野を1カット40分撮影してました。トラブルさえなければ撮影は単に画像処理をする材料を作っているだけのような作業になっています。確かに星雲撮影の魅力は「目に見えないものが写る」ことです。これに魅了されて、散光星雲の撮影を続けている訳ですから、撮影中はやることがないのです。遠征ならば、寝転がって観望したりしてますが、庭先撮影では食事をしたり風呂に入ったり・・・。 そして画像処理になると、「V3は光害があると処理が難しいなー」とか「結構、良い空だったな」とか「何でこれだけガイドが流れてるの?」とか、ぶつぶつ言いながら時間の経つのも忘れてパソコンに向かっています。私の作品は芸術ではないですが、画像処理が表現なんでしょうかね。最近はトリミングしないので撮影時の「構図」も大切な表現だと思うのですが、どうもいい加減です。 同じエッセイの中で、持って行ったカメラを無くした際、 「首根っこからぶら下がった小さな機械が紛失したおかげで、私の視力は、一度失った気持ちよい自由感を取り戻したという感じは、たいへん強いものであった。」 とも書いています。 撮影なんかしなければ、星空を堪能できるのかも知れません。 |
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E透明感とは何なのか? |
上下の画像は好みの問題かも知れませんが、私は上のような画像が好きです。 上の画像は、Sh2-129自体大変淡いのですが、IC1396との間にあるさらに淡い部分が分かるように処理を進めました。下の画像は星雲周囲の背景にモヤモヤした物が無くニュートラルグレーで平坦でスッキリまとまっています。 上の画像は淡い部分を生かすために、星雲周囲の画質が荒れている部分で、明るいピクセルの色彩や光度を下げて平坦化するのではなく、我流処理Bのように明るいピクセルに周囲の光度と色調を合わせて平坦化しているのです。これによって星雲周囲の淡いガスの領域が少しは見えるようになっています。もっと長時間露出すればこの部分にも構造が見えてくるのかも知れません。問題は、この処理を行うことによって星雲自体の階調幅が制限されてしまうのです。画像全体のレベルを上げていることで透明感が損なわれています。 下の画像はステライメージの段階で全くデジタル現象を使っていないので、恒星が飽和する状態では淡い部分がレベル50以下になってしまいます。そのために星雲周囲の背景は赤みを帯びることなくスッキリとしています。さらに星雲の中も背景に近いトーンになっているために上の画像よりは立体感もあります。今回はフォトショップ上で上の画像と元画像を入れ替えるといういい加減な画像処理なのですが、もっと慎重に画像処理すれば星雲自体の階調はもう少し改善するかも知れません。 元の星雲が淡く、あまりよい例ではないかも知れませんが、背景の作り方と、画像の透明感には関係があるようです。そして淡い部分を追求するほど画像の透明感は損なわれていくような感じがします。私は淡い部分にこだわりすぎているのかも知れません。 |
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D背景とは何なのか?? 最近、淡い散光星雲Sh2-129の画像処理をしていて、背景の透明感について悩んでしまいました。 「この背景は透明なのか?」下の2枚の画像はminiBorg60ED+レデューサDGT+LPS-P2で撮影したものですが、この2つの背景は明らかに異質な物です。
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透明感とはいったい何なのでしょう? |
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C恒星マスク(微光星マスク)について 恒星マスクを使用したレベル調整画像 星雲以外をマスクしてレベル調整した画像(ちょっといい加減なマスクですが、) |
左の2枚の画像を比べると星雲部分の明るさは同じくらいですが、下の画像は星雲の辺縁が曖昧で背景部分の情報が抜けていることが分かります。さらに左側の散光星団の解像度も下の画像が劣っています。 元画像は両方同じです。ステライメージ6(SI6)でデジタル現像を使ってある程度レベルを上げてあります。恒星の飽和を考慮すると、この辺がレベル調整の限界という感じです。 上の画像は恒星をマスクして全体のレベルを上げ、星雲周囲のボケを恒星マスクを加工した画像で調整しています。 下の画像は星雲以外をマスクした画像で星雲のレベルを上げ、背景部分のレベルを抑えることで微光星の肥大化を防いでいます。 画面全体のレベルを上げると、微光星がうるさくなるので、一般には推奨されていませんが、その問題を解決できれば星雲の淡い広がりや暗黒帯の存在が見えるようになります。S/Nが低いと作品レベルにはできませんが、個人で楽しむにはとても大切な情報だと思います。 この方法の成否を決めるのは恒星マスク(微光星マスクと書いてあるページもあります)の精度です。左の星団部分を300%で比較(暗)で恒星マスクを完成画像に重ねた画像にしてみました。ほとんど全ての星の中心部に黒いマスクができていますが、マスク画像が淡いため、はっきりしない星もあります。恒星マスクの大きさと濃度を自由にコントロールできると画像処理は格段に楽になるのですが、なかなか思うようにいかないこともあります。原因の1つに星雲を消す処理の影響で恒星の濃度が変わってしまうことが上げられます。ダスト&スクラッチで恒星を消す具合、差の絶対値で減算した後のレベル調整、解像度の増減と明るさの最大値の使い方等、様々な処理が影響するので、毎回試行錯誤でちょうど良い恒星マスクを作製することになります。 完成の手前、シンプルなレベル調整とトーンカーブのみの状態です。この後、細々とした調整レイヤーがついて、SI6上で最終的なお化粧をして完成となります。 このマスクの名前について、 最初は微光星を強調しないためのマスクという意味で微光星マスクと呼んでいたのですが、現実的には恒星を全部マスクしているので恒星マスクと言う方が正しいと思います。私が勝手に作って名前を付けているので、何でも良いのですがこの先は恒星マスクとしたいと思います。 |
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B背景ノイズの平坦化について
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今回の遠征ではコーン星雲を撮影しましたが、本命ではなかったので、時間切れとなり中途半端な5枚コンポジットとなってしまいました。LPSーV3を付けている割にIC446は良く写ったので、なんとかここを綺麗に表現する方法は無い物かと模索しました。ノイズニンジャを使うと暗い部分にいかにも人工的な不均一を生じてしまいます。暗黒帯のある暗い部分は情報量が足り無いのだと思います。以前考案した背景画像だと暗黒帯を含むレベル50以下が潰れて暗黒帯の存在が分からなくなってしまいます。 早い話、もっと露出時間をかければ良いだけなのですが、ちょっといたずらで背景をスムースにする方法を考えてみました。 まずRGBに分解してみました。 フォトショップでレイヤーマスクを使ってノイズニンジャ画像と、このぼかし画像を重ねます。解像度の面から考えるとお話にならない処理なのですが、全体でみると暗い部分が滑らかになるので、パッと見た感じ綺麗になります。それだけの処理ですが、場合によっては有効かもしれません。 |
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A最近の画像処理について Photoshop CS3を使った画像処理です。背景に設定してある画像は、ステライメージにて以下の処理を行った画像です。 1,撮影 2,ダーク減算 3,クールピクセル除去 4,フラット補正(一般的な曇天フラットでも何とかなります) 5,RGB変換 6,コンポジット 7,レベル調整+デジタル現像(レベルは明るい恒星が飽和しない程度) 8,色調調整 9,RGBごとにカブリと残っている周辺減光を補正 |
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@フラット補正について
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miniBorg60ED+レデューサDGT 300sec.*12 同じ12枚の画像をコンポジットして処理しているのですが、左はベイヤー配列でのフラット補正が適正だった場合、右はベイヤー配列時にフラット補正せずに、RGB変換後にステライメージやフォトショップで何となくつじつまを合わせた場合です。 数年前デジタル撮影を始めたばかりの頃はフラット補正は全く眼中にありませんでした。星雲が写る、それだけで十分だったのです。実際どちらの場合も星雲は写っています。ところが背景のレベルとか暗黒帯とか、微光星とか悩ましい部分にフタをし続けるわけにも行かず、ダーク画像にフラット画像、さらにはフラットのダークまで撮影して、ベイヤー配列のうちにしっかり処理して現像するようになりました。違いは明らかだと思います。 それでも左の写真は微光星がうるさいと感じる方もいるでしょう。白っぽい部分は本来微光星のはずで、小さなきらめきがびっしり表現できれば最高なのですが、これが現在の画像処理技術の限界です。いかに正確な微光星マスクを作っても元画像で解像されていなければ、そのままです。シャープな光学系でギリギリにピントを追い込んで、完璧にガイドしなければその辺は綺麗に出ないんですね。こっちの方向に突き詰めると、とんでもない出費と戦う事になります。εもペンタも欲しいですが、アマチュアには上限があります。 そこで(って、どこでだよ!)私はminiBorgノータッチガイドで遊ぶ事を思いついたのです。オートガイドに負けない作品を作るって言うのは、とても明快な目標です。 追加: MiniBorg60ED+レデューサDGT+スカイメモRで撮影した一連の写真ですが、撮影当初はさすがに没にしていました。フラット補正も中途半端でしたし、微光星が邪魔でレベルを上げられなかったのです。最近になって何とかここまで来ました。何を意図した構図かというと、Sh2-129を入れたかったのですが、とどかなかったと言うことです。 |
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番外編(ちょっと情けない)
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よい子の皆さんは、きっとやっているはず! フラット補正の重要性に気付いて2年にして、漸くフラット画像のダーク補正の意味が分かりました。当初はたかだか10秒程度の画像のダーク補正は必要ないと思っていたのですが、全然目的が違うのですね。 見て頂ければお分かりのようにフラット画像をダーク補正すると色が違うのです。Jpeg8bitの強調画像で見るとグラデーションの相違が層になってはっきり分かります。フラット画像のダーク補正は、星雲からダーク画像を減算した場合のダーク画像ベースの減算分をフラット画像からも引いておくことで、両者の条件を同じにするというような気がします(たぶん)。 結論、 「フラット画像のダーク補正は面倒臭がらず必ずやりましょう!」 常識かも知れませんが、私は知りませんでした。トホホ・・・ |