デジタル一眼で星景写真を撮る場合に、風景をクッキリさせたまま、しかもなるべく暗い星を写し込む、ぎりぎりの露出時間が重要です。特に天の川は固定撮影ではいかにISO3200でもかなり厳しい対象です。そこで最近話題になっている減速追尾に挑戦します。120秒間追尾しても72秒分しか赤道儀が動かない中途半端な追尾装置で、何処まで夏の天の川を写せるか試したいです。部品にはAGS-1L導入で宙に浮いたVixen製SD1とMT1モーターを使って、良く言えばプロトタイプ、実際には動くだけの減速追尾赤道儀を作りました。
アイベルさんから0.5倍速切り替え付きのCD-1+が発売されました。5000円程高くなってますが、どうせ買うならこっちでしょ。私は分解したポルタを復元するために、簡易赤緯ユニットが欲しいです(中古のポルタが買えるような値段ですが・・・)。年末にはTOASTも発売されるようですし、デジタル一眼で露出時間が短縮されたので、ポタ赤が見直されているんでしょうかね?
2007.11.2
2009.9.9 2年ぶりの更新です。 減速追尾赤道儀は完成後、その主要パーツをポルタ経緯台に返したので全く稼動していませんでした。 幸運にも、今年の胎内星祭りのビクセンブースで、この微動装置付き回転軸が2000円で売られていたので、漸く実戦配備が可能となりました。どういう用途で作られたのか分からないミザール製のアングル板を使うことでカメラ三脚の雲台を省略して安定性を増しています。極軸望遠鏡も当初のアイデア通りに付けられたのでメデタシ、メデタシです。バランスも以前の形態より良くなっています。 TOASTも軽量の新型が発売、本家CD1も金属ギアになり、健在のようですね。 搭載されているカメラはEOS5DmarkUと言いたい所ですが、ではないです・・・。 2009.9.15 雲が切れたので、テスト撮影しました。2年前にはうまく行かなかった1倍速でのガイド撮影に成功です。3分間のガイドでこれほど嬉しかったのは中学生以来ですかね・・・。ミザールのアングルプレートと極軸望遠鏡の威力が大きかったようです。ライブビューのある改造一眼が欲しい!! お大尽様コース:40Dを改造し、代わりに5DマークUを買う。まず宝くじだな・・・ 一般コース:40Dはこのまま、DigitalX改造機を売却し改造X3を買う。差額11万円 オヤジコース:40Dを改造し、DigitalX改造機を元に戻す(出来るかな・・・)。予想?万円 現実コース:従来通りDigitalXで撮影し、レンズ、フィルター交換毎に一生懸命ピント合わせをする |
|
赤経軸 なかなか自作の難しい部分です。そこでVixenポルタの軸をそのまま利用することにしました。改造はしないので、今まで通りポルタとしても使用可能です。某望遠鏡ショップが売り出したCD1と考え方は同じです、というか殆ど同じものになってしまうような気が・・・。 |
|||||||||||||
MT1モーター GPDを改造するときに配線を外してしまったので、モーターの製造元日本パルスモーターのサイトから、情報を頂き、後はSD1の基板の印刷と回路とをにらめっこして、直感的にモーターの1〜4相が基板の1〜4と対応、Comは基板の5,6と当たりをつけて再配線。運良く当たりだったようです。ある意味「赤と青、どっちを切るか!?」のようなスリルがありますね。 正しい配線かどうかは保証はありませんが、正しく動いています(動くから正しいとは言えないので、改造は本人の責任で・・・)。 ギア オリジナルマインドでモジュール0.75の真鍮製のギアを購入。AGSー1LではK-ASTECさんのおかげで入手できたのですが、軸径5mmのギアは歯数が少ない物しか見つけられませんので、モーター側は20枚です。ポルタはウォームホイールが120枚なので、144枚1:1のSD1で制御するには、0.5倍速だと歯数48枚の歯数が必要ですが、ちょっとギアが高いので0.6倍速40枚としました。(結局48枚を買い足すことになってしまいました。数百円をケチらずに最初からきりの良い0.5倍速にしておけば良かった・・・) |
|||||||||||||
完成って・・・ アルミの3mm板に固定して完成。何とも簡単な造りで情けないですが、機能すればよいのです・・・。が、さすがに配線むき出しは良くないのでカバーを作ろうと思います。 8芯のコネクタはマルツパーツ館で発見して、購入。送料の方が高くつきました。地方の人間には買いにくい商品です。 |
|||||||||||||
三脚は、またしてもポルタ ポルタのこの傾斜がちょうど良いので、穴を1つ開けて固定。真横から見るとちょっと格好良い見たいですが、正面観は情けない有様です。 勿論カメラ三脚にも取り付け可能です。 今のところ極軸合わせの手段がありませんが減速追尾赤道儀の使い方ならば、軸が大体北極星の方向を向いていれば問題ないと思います。 |
|||||||||||||
テスト撮影(2007.7.6) ようやくテスト撮影できました。条件が悪くて、減速追尾の効果が分かるような写真ではありませんが、通常の倍の露出時間で地上も星も大体止めることが出来ました。テスト撮影して気が付いたのですが、この赤道儀は地上付近まで透明度の高い好条件の日でなければ使う意味がありません。低空の雲をさけて天頂付近を撮影するような場合、地上が写らないので減速追尾する必要がないからです。 そうなると、ワンタッチで恒星時追尾に変更できる機能が欲しいところです。SD1には2倍速のボタンがついているので、ギア比を2.4:1(ギアの歯数では48:20)、0.5倍速の減速追尾になるようにしておいて、必要なときに2倍速ボタンをONにするスイッチを追加すれば良いわけです。 スカイメモを使えば良いだけの話ですが・・・。 テスト撮影(2007.7.9) 深夜に突然快晴となったので、とりあえずテスト撮影(近所のあぜ道なので南天が明るい)。10.5mmなら120秒でも点に写るだろうと思いましたが、厳密にはのびています。ビニングでごまかせる程度ですが、印刷するには固定撮影限界値の2倍までにすべきと思われます。 さらに地表部分を除いて4枚コンポジットという天ガお墨付きの画像処理を試してみました。これを本格的にやるなら固定撮影と追尾撮影を重ねることで、減速追尾する必要はなくなります。でも、何か違うような・・・。 |
|||||||||||||
|
目玉オヤジ 地上の風景を優先するなら0.5倍速、天頂付近を狙うなら1倍速、スイッチ一つで切り替えできる(はずですが・・・)簡易赤道儀です。 コントローラーの改造(2007.7.18) 改造自体は非常に簡単で、ハンダ付け出来れば誰にでも出来そうです。押しボタン式のオリジナルスイッチをスライドスイッチにすることで押し続けなくても2倍速で運転できると言うだけの物です。 ギアが0.5倍速になるように20:48になっているので、2倍速スイッチを短絡すると、1倍速の赤道儀となります。ただし製品の2倍速を長時間使用すると電池の消耗が早いかも知れません。 とりあえず極軸望遠鏡を付けてみました。30年ほど前のポラリス赤道儀の物です。しかも輪ゴムで留めてあります。取り付け精度は計測していませんが、試してみたいと思います。 |
||||||||||||
|
やっとテスト撮影らしい画像が出来ました。劇的な効果というわけではありませんが、携帯性にすぐれているので、星景写真のお供には欠かせない存在になりそうです。適切な被写体を見つけて、減速追尾ならでは!という作品を撮りたいですね。 1倍速=恒星時追尾の性能は「撮影ノート」にも書いたように、今のところ全くお話しになりません。バランス、電圧、極軸合わせなどを工夫してせめて広角レンズで5分はコンスタントに成功させたいです。 最後に、困ってしまったのは、ほんのお遊びだったのに使用頻度が高くなりそうで、分解してしまったポルタが使えません。「ちょっとお月見でも、」というときに便利だったのですが、その都度、組み立て直して使うのはめんどくさいです。 2007.7.20 |
||||||||||||
|
初作品(2007.7.23) 10.5mm F3程度 露出60秒 減速追尾を活かすには美しい地上風景が不可欠。とりあえず家の脇のあぜ道で撮影なので、今回は普通の風景です。それでも星が止まっているので固定撮影をやったことのある方は不思議な感じがすると思います。 60秒だと地上の風景は十分写らないので、月明かりとかを上手く利用してインパクトのある?写真を撮ってみました(日周運動で軌跡が写っている方が迫力あるかな・・・)。胎内市の「シンクルトン記念公園」にある石油掘削井戸の模型です。今の時代、合成写真でも簡単に作れますが、それでは風景写真にはならないので、一応あるがままの風景です。 |