125SD

 F3.9での撮影は春になって大きな散光星雲がないこともあり一端お休みして、750mm、F6での撮影を始めました。そこで、びっくり。これは良いレンズです(今頃になって言うのも何ですが・・・)。125mmでF3.9というのは、この基本性能が無ければ出来ない芸当なんですね。残念ながら一眼デジカメのAPSサイズでは750mmが使える対象は限られてしまいます。
 5月、6月は撮影できず、7月にようやくレデューサ7887との組み合わせを試すことが出来ました。F5.1にもかかわらず隅々まで平坦な明るさとシャープな星像です。わずかに青ハロが出るのは残念ですが、LPS-P2を使えばほとんど目立たなくなると思います。

デジタルには辛い夏場の撮影では、何をどんな風に撮影するか思案中です。ふと「冷却」の二文字が頭をよぎるのですが・・・。

2008.7.8


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人それぞれ、

スカイセンサー時代はノータッチガイドなんて考えられないほどガイド星が動いて大変でしたが、去年の夏に改造し、現在はK-astecの300倍速モーターとAGS-1L制御になっています。おかげで300mmクラスなら10分間ノータッチでも撮影出来るほど安定して追尾することが可能となりました。
 Borg125SDはモニターで使い始めてすぐに、軽量な点を生かすべく、GPDでオートガイドを成功させてやろうと思いました。FS128はアトラクスでもかなり辛いので、単鏡筒化するために三ツ星のOAGを使っていましたが、今回はこれをそのまま125SDで使うことにしました。M57仕様はこの辺の融通が利くので便利です。結果、ガイドに関してはほとんど問題なく良好な仕上がりになりました。
2008.7.9(2008.7.1撮影)

IC5067(ペリカン星雲)
10min.*4、ISO800
125SD+レデューサ7887(F5.1)
EOS kiss DX改(Seo SP2)

GPD+AGS-1L
三ツ星OAG
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
撮影から1週間

画像処理も落ち着いてきました。最近、RAPで現像する際に輝点・黒点をしっかり除去するようにしていたのですが、この処理が最終段階で微光星のしまりをなくしていたことが分かりました。125SDで撮影した画像では、miniBorgほど顕著に微光星が潰れている感じはありませんが、Web用にビニングしてスターシャープを行う場合に、これまでとの違いを体感できます。

人工衛星も邪魔なので、目立たなくしました。



中心部
2008.7.1
IC5146(まゆ星雲)
10min.*4、ISO800
125SD+レデューサ7887(F5.1)
EOS kiss DX改(Seo SP2)

GPD+AGS-1L
三ツ星OAG
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
オフアキシスガイド装置(OAG)を使うことでGPDでのガイドが安定しました。拡大画像でもガイドの破綻は見られません。今回試した0.85レデューサ[7887]は周辺まで極めて良い星像でゆがみや周辺減光も気になりません。残念ながら青ハロは若干でてしまうようです。LPS-P2かV3を使えば殆ど気にならなくなる程度だと思いますが、125SDの性能を生かし切る専用レデューサが欲しいところです(新型レデューサ開発の噂も聞こえてきました)。

この星雲は125mmにデジタル1眼では微細構造に迫ることは出来ない大きさですが良く写っている方だと思います。
2008.7.1
M17(オメガ星雲)
12min.*8、ISO800
125SD+レデューサ7887(F5.1)
EOS kiss DX改(Seo SP2)

GPD+AGS-1L
三ツ星OAG
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
自宅脇は南側に町があり、南天の撮影に向かないのですが、この日は透明度は高く、隣家の屋根から天の川が立ち上るという光景を見ることが出来ました。4月に撮影したM16はガイドが甘く今一つでしたが、今回のM17はガイドは完璧です。ピントもかなり良いと思います。フィルターを使わないとコントラストは低下しても、色彩がもう少し改善するかと思ったのですが、相変わらず単調な仕上がりです。
2008.7.1
IC5067(ペリカン星雲)
10min.*4、ISO800
125SD+レデューサ7887(F5.1)
EOS kiss DX改(Seo SP2)

GPD+AGS-1L
三ツ星OAG
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
隣の北アメリカ星雲はかなり明るいのですが、ペリカンは暗めです、一緒に撮影すると北アメリカ星雲の家来のような写りになるのですが、ペリカンだけ撮るとなかなか迫力があります。

125SD+7887の場合は、35mmサイズのCCDがあると撮影対象が増えると思いますが、高値の?花ですね。
2008.4.6
M16(わし星雲)
2:30-3:40
15min.*4, ISO800
125SD
+Borg35mmフラットナー
EOS kiss DX改(Seo SP2)

GPD+AGS-1L
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
ゴールデンウィークは全く撮影できなかったので、4月に撮影したM16を再処理しました。
 ノイズニンジャは淡い広がりを持つ星雲にかなり有効に作用するようです。前回の画像処理では背景ノイズは処理できたのですが、星雲の淡い部分を強調すると荒さが目立ってしまいました。ノイズニンジャを使うと淡い部分を強調しても結構見れます。ガイドの乱れや肥大化した星像もソフトビニングでごまかして、この大きさなら見れる作品になりました。前回と比較すると滑らかさが格段にアップしていることが分かります(こんな感じ)。残念ながら元画像の解像度が今一つなので、NASAの写真で有名な中心部分を強調する事はできませんでした。

それにしてもフラット補正無しでこれだけ淡い部分を強調できるのは、レデューサを使わない125SDのイメージサークル内が平坦だということでしょう。TOAレデューサは駄目だったので、次回は7887でのテスト撮影になります。ガイド側の光路長を若干調整しましたが概ね前回と同じ構成です。OAGの後方にレデューサを付ける場合、ガイド側の光路長が長くなりすぎてバランスが悪いので、眼視用のレデューサを使う事になりますが、今回試したACクローズアップレンズは非常に便利です。中心部の星像は撮影にも使えるほど良いのでガイドには全く支障ありません。
2008.4.30
M97(フクロウ星雲)
5min.*4, ISO800
125SD
+タカハシTOAレデューサ
EOS kiss DX改(Seo SP2)

GPD+AGS-1L
三ツ星OAG
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
撃沈・・・

この組み合わせは使えません。星像も今一つですが、色収差が出てしまうようです。OAGでのガイドはかなり高精度で4枚のズレが0.4pixel , PHDのグラフでも時折思い出したように角が出る程度の安定性でした。架台の方は、これで行けると思います。TOAレデューサはバリリングで光路長を調節できるので、ひょっとすると収差の少ないポイントもあるかも知れませんが、無難に0.85レデューサ【7887】を使うべきでしょう。
ピント合わせ後RAWにするのを忘れてjpegのまま、さらにCCDに大きなホコリ。新しくシステムを組んだら、カメラ接続前にエアーで光路を綺麗にしておくべきですね。空が最低だったので気分的には救われました。
OAG導入

三ツ星製OAG(M57仕様)
タカハシTOAレデューサ
ケンコーACNo.4+DSIpro
別に海外遠征するわけではないのですが、試してみたい・・・。

125SDをGPDでオートガイド成功させるために、鏡筒1本化計画を実行しました。7704ではOAGの取り付けに新たな投資が必要となるのでTOAレデューサ(0.78?)を使ってみました。ガイド側はクローズアップレンズで光路を短縮しています。もちろん750mmでも試したいのですが、まずは580mmF4.7の写りを試してみたいです。周辺減光などの結果が良ければこの構成でフィルム撮影にも挑戦できるかも知れません。問題はバランスです。ファインダーとガイド側でバランスをとり、大きめの露よけフードを付けるとぎりぎり写真のバンド位置で長軸のバランスがとれます。フードを使わないときはファインダーを外してバランスをとることになります。経験上とにかく軽い方が良いと思います。
ちなみに、このシステムはこのままFS128にも使えます。
画像処理その後 この星雲はアンタレス付近と違って色彩は単調ですが、明るさの幅が広くて難しいです。結局マスクを使って仕上げてみました。
背景部分の滑らかさは、これまでより上達していると思います。ガイドがずれていなければかなり良い作品になったのではないでしょうか?

アトラクスを持って行けば良かったです・・・。
2008.4.6
2:30-3:40
15min.*4, ISO800
125SD
+Borg35mmフラットナー
EOS kiss DX改(Seo SP2)

GPD+AGS-1L
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
ガイド失敗

3.5kgなのでGPDで750mmのガイドに挑戦してみました。結露防止でフードを付けたり、条件も悪かったのですが、420mmのガイド鏡同架では無理ですね。PHDのグラフもギザギザで、勿論星ものびました。せめてOAGで鏡筒1本にして、バランスを良くしなければGPDで実質1000mm以上をガイドすることは無理でしょう。明け方急激に気温が下がり、ガスが出て星が滲んだ上にピントも甘く、良いとこなしですが、初めて撮った星雲なので記念に載っけます。ちなみにフラット補正なしの画像です。125SDはF6で使うと癖が無く、画像処理も最小限ですみます。77EDUに7704を付けた時のような(比較が分かりにくいかな?)無理のなさを感じます。
2008.3.8 
19:15-20:30
7min.*4+7min.*4、ISO1600
125SD+BorgF4DG(F3.9)
EOS kiss DX改(Seo SP2)
LPS-P2フィルター

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
ちょっと背景が暗すぎるでしょうか。

7分露出だと若干恒星の色が残るようですが、冷却CCDのような美しさはないですね。35mmサイズのCCDならばモザイクせずに全景を収めることができるので、もっとコンポジットを増やすことができたはずです。悔いは残るのですが撮り直しはききません。星雲撮影は毎年決まった時期に決まった物が戻ってくることで、年々工夫や上達があると思います。この先も似たような状況はあるかもしれませんが、このランデブーは2度とないのです。正に一期一会。

手元に125SDが無ければ、77EDで撮影していたと思います。それなりに写ったと思いますが、果たしてこれほど思い入れの1枚が残ったでしょうか(出来栄えは別として・・・)。
2008.3.8 
19:15-20:30
7min.*4+7min.*4、ISO1600
125SD+BorgF4DG(F3.9)
EOS kiss DX改(Seo SP2)
LPS-P2フィルター

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
ようやく画像処理が一段落

モザイク合成時のかぶり補正がこんなに大変だとは思いませんでした。最終的に画面上縁は補正仕切れなかったのですが、実際にはこの部分の空が一番暗いはずなので、かぶり補正用の画像に問題があるのだと思います。やる気が出たら最初からやり直してみたいところです。
いろいろ反省点も多いのですが、このカットはこの先永遠に撮影できないでしょう。

もうすぐ125SDともお別れしなければならないので、、このチャンスに、もう少し撮影しておきたいです。月末になると月の出が遅くなるので春の銀河を狙えるかも知れないですが、どうでしょう。
2008.3.8
10min.*2
ISO800
125SD(F6)
+Borg35mmフラットナー
EOS 40D

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
M101は奥が深い

この銀河は、冷却CCDで撮影しHU領域を強調した画像が華やかで印象的ですが、視直径が大きいので、500mmクラスに無改造デジカメでも地味ながら形を写すことが出来きます。コンポジット2枚でも腕は分かります。40DはDXと大差ないと言われていますが、何となくノイズは少なめのような気がします。
2008.3.8
10min.*2+5min.*4
ISO800
125SD(F6)
+Borg35mmフラットナー
EOS 40D

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
久々に撮影

撮影ノートに載せたホームズ彗星は、かぶり補正をやり直してからこちらに掲載したいと思いますが、東側のしし座を撮影した画像は光害も少なく処理が簡単なので載せておきます。ダーク減算とフラット補正はしてません。ちょっと色調が変ですね。
125SDはF6で使うと周辺減光少ないです。35mmフラットナーはちょっとでもFを長くするためにつけましたが、無い方が良いでしょうかね。ピントはライブビューで合わせただけですが、ビニング無しのM65, M66, NGC3628をを見ると、まだ追い込めそうな気もします。
2008.3.8の予想図
ステライメージより
次の撮影目標

2月の新月期は坊主で終わってしまいました。3月の新月期は既に春の銀河シーズンで、赤くて大きなものは家の庭では光害のある西側にあり条件が良くありません。しかし、3月7,8日辺りに”これ”を撮らないわけには行きません。7704をつけても1枚では入らないのでモザイク合成しないと全体が入りそうにありませんが、撮影出来る時間は条件が良くても2時間程度しかないので、かなり苦しいですね。LPS-P2でISO1600,(5min*2)*4コマが時間的には無理がないですね。

ただし西側に光害が無くて、今の時期入れる遠征地は近くにないのですが。






再処理





再処理





再処理






7日に撮影したが、あきらめていた。フラット補正をやり直して何とか湯気の形が見えるようになった。

前回撮影した画像のフラット補正をやり直しました。

これまでは、LPS−V3で撮影した画像なのでフラット画像も当然V3で撮影すべきだと思っていたのですが、V3なしのフラット画像で処理すると、このようになりました。その差は一目瞭然です。理由はよく分かりませんが、そうなるので仕方がありません。不思議ですね・・・。
M45にV3のハレーションが盛大に出ていたり、恒星が完全に飽和していたり、全体に画像がざらついていたり、星雲の明るい部分の階調が単調だったり、問題も多いですが、これで完成とします。

とりあえず125SD+7704の周辺減光は、EOSkissDX改を使う場合は、大きな問題にはならないようです。

問題は一眼デジカメのダイナミックレンジですね。40Dは14Bit処理になったようですが、まだまだ冷却CCDにはかないません。理屈ではISO1600*15minよりISO400*60minの方がダイナミックレンジは広く使えるようですが、気象が安定している夏場は長時間露出のノイズのために露出時間を延ばせないし、寒くてノイズの少ない冬場は新潟の気象が安定しないので長時間露出できません。解決のための選択肢は3つほどあるようです。
1,モノクロ冷却CCDを使う-->カメラが高額。解像度に見合った光学系・ガイドシステムがないと宝の持ち腐れ。撮像に時間がかかる。
2,一眼デジカメの冷却改造-->ノイズは減るが解像度やダイナミックレンジは変わらない。長時間露出でも冷却CCDにはかなわないのかな?
冷却40D韓国版は27万という驚きの低価格だそうですね。
3,次世代一眼デジカメに期待!-->夏場でも1時間平気で露出できるEOSKissデジタルXXは発売されるのか?X2が3月発売だそうですが、夏でも使えますかね・・・。
2008.1.4
15min.*2
ISO1600
125SD+BorgF4DG(F3.9)
EOS kiss DX改(Seo SP2)
LPS-V3フィルター

GPD+AGS-1L
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
125SDテスト撮影、その1

ファーストライトでクラゲを撮影すると決めていたので、高度が上がるまで
まが玉を撮影しました。条件は10月に77EDUで撮影した物と全く同じです。ちょっとコントラストが低いのは、フラット補正に問題があるからかも知れません。解像度は125SDが断然良いですね。

結局ふたご座の高度が上がる頃には曇ってしまったので肝心のクラゲ星雲は7分しか撮影できませんでした・・・。
2008.1.4
15min.*2
ISO1600
125SD+BorgF4DG(F3.9)
EOS kiss DX改(Seo SP2)
LPS-V3フィルター

GPD+AGS-1L
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
125SDテスト撮影、その1

雲が流れてくるため露出が延ばせず、やっと2枚だけ15分撮影できました。125SDではフラット補正が必須で、77EDUより高度な画像処理が要求されます。
中心を右にずらして淡い部分を入れようと思ったのですが、写りませんでした。秋の空のようには行かないですね。
2008.1.7
15min.*2
ISO1600
125SD+BorgF4DG(F3.9)
EOS kiss DX改(Seo SP2)
LPS-V3フィルター

アトラクス+SS2K
DSIpro+PHDguidingによる
オートガイド
125SDテスト撮影、その2

4日より透明度が低い空でしたが、天気予報は雨なので文句は言っていられません。明るいバラ星雲を狙ってみました。思ったほど光星に滲みはなく、良く写っています。
風呂に入る間、4枚セットしていたのですが、3枚目で曇ってしまったようです。この時期のお天気は変わりやすくて気が抜けませんね。

ISO1600で撮影するとダイナミックレンジが狭いですね。その分、星雲部分は淡いところを強調して見栄えを良くしてごまかしてますが、飽和してしまった光星の色は修復しようがありません。
LPS-V3FFでの比較
左から
125SD115鏡筒直結
125SD短縮鏡筒
V3FFはこれまでにない写りを見せてくれるので、最近はまっているのですが、色ムラなどやっかいな問題もあるようです。115直結と短縮鏡筒で比較すると若干(ほとんど誤差)程度短縮鏡筒の方が周辺減光が少ないです。これは接眼アダプターのドローチューブが絞りの役割をしているためだと思われますが、確かなことは分かりません。V3FFを装着すると赤色の周辺減光がほとんど無くなるので周囲が赤くなる感じがあり、フラット補正では注意が必要ですが、写りの良さは画像処理の手間に十分見合っていると思います。
EDレデューサF4DG使用時の周辺減光

左から
77EDU
125SD115鏡筒直結
125SD短縮鏡筒
FS128のページの方法で比較してみました。
(等光曲線をチェックしないと画像が表示されるんですね・・・。)

77EDUと比較すると125SDは周辺減光が大きいことが分かります。対角平均で86%となり、これはノーマル鏡筒115mmに三ツ星製アダプタでレデューサを直結する方法でも、短縮鏡筒+接眼アダプタでも変わりません。BorgのホームページにはAPSサイズで72%となっていましたが、EOSKissDXに限っては、かなり良いようです。逆にNikonD50改だと70%となり光害地での直焦点撮影には問題があるでしょう。