E透明感とは何なのか?

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E透明感とは何なのか?

ステライメージのデジタル現像を使ってレベルを調整することで、恒星の飽和時点で背景の淡い部分を出来るだけ持ち上げています。さらに我流処理で星マスク(勝手ですが、よっちゃんさんのネーミングに統一させてもらいました)で出来る限り画像全体のレベルを上げて処理しました。その上で背景のノイズは我流処理Bにてレベルや彩度を落とさずにノイズを目立たなくしてあります。
処理の行程は上の画像と殆ど同じですが、ステライメージでデジタル現像無しでレベル補正を行っています。そのため恒星の飽和をレベルの目安にすると淡い部分を持ち上げられません。

スッキリして透明感のある背景となります。
 
 上下の画像は好みの問題かも知れませんが、私は上のような画像が好きです。

上の画像は、Sh2-129自体大変淡いのですが、IC1396との間にあるさらに淡い部分が分かるように処理を進めました。下の画像は星雲周囲の背景にモヤモヤした物が無くニュートラルグレーで平坦でスッキリまとまっています。

 上の画像は淡い部分を生かすために、星雲周囲の画質が荒れている部分で、明るいピクセルの色彩や光度を下げて平坦化するのではなく、我流処理Bのように明るいピクセルに周囲の光度と色調を合わせて平坦化しているのです。これによって星雲周囲の淡いガスの領域が少しは見えるようになっています。もっと長時間露出すればこの部分にも構造が見えてくるのかも知れません。問題は、この処理を行うことによって星雲自体の階調幅が制限されてしまうのです。画像全体のレベルを上げていることで透明感が損なわれています。

 下の画像はステライメージの段階で全くデジタル現象を使っていないので、恒星が飽和する状態では淡い部分がレベル50以下になってしまいます。そのために星雲周囲の背景は赤みを帯びることなくスッキリとしています。さらに星雲の中も背景に近いトーンになっているために上の画像よりは立体感もあります。今回はフォトショップ上で上の画像と元画像を入れ替えるといういい加減な画像処理なのですが、もっと慎重に画像処理すれば星雲自体の階調はもう少し改善するかも知れません。

元の星雲が淡く、あまりよい例ではないかも知れませんが、背景の作り方と、画像の透明感には関係があるようです。そして淡い部分を追求するほど画像の透明感は損なわれていくような感じがします。私は淡い部分にこだわりすぎているのかも知れません。

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