C恒星マスク(微光星マスク)について

戻る



恒星マスクを使用したレベル調整画像


星雲以外をマスクしてレベル調整した画像(ちょっといい加減なマスクですが、)
 
 左の2枚の画像を比べると星雲部分の明るさは同じくらいですが、下の画像は星雲の辺縁が曖昧で背景部分の情報が抜けていることが分かります。さらに左側の散光星団の解像度も下の画像が劣っています。

元画像は両方同じです。ステライメージ6(SI6)でデジタル現像を使ってある程度レベルを上げてあります。恒星の飽和を考慮すると、この辺がレベル調整の限界という感じです。

上の画像は恒星をマスクして全体のレベルを上げ、星雲周囲のボケを恒星マスクを加工した画像で調整しています。

下の画像は星雲以外をマスクした画像で星雲のレベルを上げ、背景部分のレベルを抑えることで微光星の肥大化を防いでいます。

画面全体のレベルを上げると、微光星がうるさくなるので、一般には推奨されていませんが、その問題を解決できれば星雲の淡い広がりや暗黒帯の存在が見えるようになります。S/Nが低いと作品レベルにはできませんが、個人で楽しむにはとても大切な情報だと思います。

 この方法の成否を決めるのは恒星マスク(微光星マスクと書いてあるページもあります)の精度です。左の星団部分を300%で比較(暗)で恒星マスクを完成画像に重ねた画像にしてみました。ほとんど全ての星の中心部に黒いマスクができていますが、マスク画像が淡いため、はっきりしない星もあります。恒星マスクの大きさと濃度を自由にコントロールできると画像処理は格段に楽になるのですが、なかなか思うようにいかないこともあります。原因の1つに星雲を消す処理の影響で恒星の濃度が変わってしまうことが上げられます。ダスト&スクラッチで恒星を消す具合、差の絶対値で減算した後のレベル調整、解像度の増減と明るさの最大値の使い方等、様々な処理が影響するので、毎回試行錯誤でちょうど良い恒星マスクを作製することになります。


完成の手前、シンプルなレベル調整とトーンカーブのみの状態です。この後、細々とした調整レイヤーがついて、SI6上で最終的なお化粧をして完成となります。






このマスクの名前について、
最初は微光星を強調しないためのマスクという意味で微光星マスクと呼んでいたのですが、現実的には恒星を全部マスクしているので恒星マスクと言う方が正しいと思います。私が勝手に作って名前を付けているので、何でも良いのですがこの先は恒星マスクとしたいと思います。

戻る