フラット補正について

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星雲を強調していないので周辺が自然で暗黒帯も
しっかり出ている。微光星が邪魔

ごまかすために星雲を強調しているが不自然な感じ
がする。中心部に微光星が少ない

ベイヤー配列でフラット補正が適正だと不思議な
平坦さがある

このレベルで見ると、適当に補正して何とかなりそう
な感じだが、実際はかなり無理がある。
 miniBorg60ED+レデューサDGT 300sec.*12

同じ12枚の画像をコンポジットして処理しているのですが、左はベイヤー配列でのフラット補正が適正だった場合、右はベイヤー配列時にフラット補正せずに、RGB変換後にステライメージやフォトショップで何となくつじつまを合わせた場合です。
 数年前デジタル撮影を始めたばかりの頃はフラット補正は全く眼中にありませんでした。星雲が写る、それだけで十分だったのです。実際どちらの場合も星雲は写っています。ところが背景のレベルとか暗黒帯とか、微光星とか悩ましい部分にフタをし続けるわけにも行かず、ダーク画像にフラット画像、さらにはフラットのダークまで撮影して、ベイヤー配列のうちにしっかり処理して現像するようになりました。違いは明らかだと思います。

 それでも左の写真は微光星がうるさいと感じる方もいるでしょう。白っぽい部分は本来微光星のはずで、小さなきらめきがびっしり表現できれば最高なのですが、これが現在の画像処理技術の限界です。いかに正確な微光星マスクを作っても元画像で解像されていなければ、そのままです。シャープな光学系でギリギリにピントを追い込んで、完璧にガイドしなければその辺は綺麗に出ないんですね。こっちの方向に突き詰めると、とんでもない出費と戦う事になります。εもペンタも欲しいですが、アマチュアには上限があります。 そこで(って、どこでだよ!)私はminiBorgノータッチガイドで遊ぶ事を思いついたのです。オートガイドに負けない作品を作るって言うのは、とても明快な目標です。

追加:
MiniBorg60ED+レデューサDGT+スカイメモRで撮影した一連の写真ですが、撮影当初はさすがに没にしていました。フラット補正も中途半端でしたし、微光星が邪魔でレベルを上げられなかったのです。最近になって何とかここまで来ました。何を意図した構図かというと、Sh2-129を入れたかったのですが、とどか
なかったと言うことです。
 番外編(ちょっと情けない)


撮影したフラット画像をRGB変換した画像。

右はレベル強調画像
  フラット画像をダーク補正してからRGB変換した画像

右はレベル強調画像
ダーク補正に使用した画像
 よい子の皆さんは、きっとやっているはず!

フラット補正の重要性に気付いて2年にして、漸くフラット画像のダーク補正の意味が分かりました。当初はたかだか10秒程度の画像のダーク補正は必要ないと思っていたのですが、全然目的が違うのですね。

見て頂ければお分かりのようにフラット画像をダーク補正すると色が違うのです。Jpeg8bitの強調画像で見るとグラデーションの相違が層になってはっきり分かります。フラット画像のダーク補正は、星雲からダーク画像を減算した場合のダーク画像ベースの減算分をフラット画像からも引いておくことで、両者の条件を同じにするというような気がします(たぶん)。

結論、
「フラット画像のダーク補正は面倒臭がらず必ずやりましょう!」
常識かも知れませんが、私は知りませんでした。トホホ・・・


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